ヌスラ戦線がダーイシュに忠誠を誓う反体制活動家をタルビーサ市(ヒムス県)で殺害(2016年4月26日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線がタルビーサ市で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓う反体制活動家のラーフィド・ターハー氏と彼と行動を共にしていた活動家のアービル・アスワド氏を殺害した。

AFP, April 27, 2016、AP, April 27, 2016、ARA News, April 27, 2016、Champress, April 27, 2016、al-Hayat, April 28, 2016、Iraqi News, April 27, 2016、Kull-na Shuraka’, April 27, 2016、al-Mada Press, April 27, 2016、Naharnet, April 27, 2016、NNA, April 27, 2016、Reuters, April 27, 2016、SANA, April 27, 2016、UPI, April 27, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はヒムス県東部のアーラーク油田一帯、ダイル・ザウル市一帯でダーイシュと交戦(2016年4月26日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル市東方のアーラーク油田一帯で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と激しく交戦し、ロシア軍およびシリア軍の戦闘機が同地を激しく空爆した。

一方、SANA(4月26日付)によると、シリア軍がタドムル市東方および北方、フワイスィース村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(4月26日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市住民約150人を逮捕した。

住民逮捕は、ダーイシュのチュニジア人メンバーが殺害されたことを受けた措置だという。

ダーイシュはまた、ダイル・ザウル市ジャウラ地区を砲撃した。

これに対して、戦闘機(所属明示せず)がダイル・ザウル市工業地区、ハウィーカ地区、マサーキン・ヒズブ地区を空爆した。

一方、SANA(4月26日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル航空基地東部および南部でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

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ダマスカス県では、ARA News(4月26日付)によると、ヤルムーク区(パレスチナ難民キャンプ)でシャームの民のヌスラ戦線とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

AFP, April 26, 2016、AP, April 26, 2016、ARA News, April 26, 2016、Champress, April 26, 2016、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2016、al-Hayat, April 27, 2016、Iraqi News, April 26, 2016、Kull-na Shuraka’, April 26, 2016、al-Mada Press, April 26, 2016、Naharnet, April 26, 2016、NNA, April 26, 2016、Reuters, April 26, 2016、SANA, April 26, 2016、UPI, April 26, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市などでシリア軍側とアル=カーイダ系組織シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団による砲撃の応酬が続き20人以上が死亡(2016年4月26日)

アレッポ県では、AFP(4月26日付)によると、所属不明の戦闘機がアレッポ市東部の反体制武装集団支配地域(フィルドゥース地区、カラブ・ベーク地区、バーブ・ナイラブ地区、バーブ街道地区)を空爆し、ホワイト・ヘルメット幹部によると、民間人14人が死亡した。

またアターリブ市でも空爆により、ホワイト・ヘルメット隊員5人が死亡、複数が負傷した。

クッルナー・シュラカー(4月26日付)によると空爆を実施したのはロシア軍戦闘機。

一方、SANA(4月26日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団がアレッポ市のザフラー協会地区を砲撃し、2人が死亡、6人が負傷した。

他方、ARA News(4月26日付)によると、西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアフリーン市近郊のバースーファーン村をジハード主義武装集団が砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がトゥルール・ハムル村、アイドゥーン村を空爆する一方、ジハード主義武装集団がジューリーン村、シャトハ町一帯を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サラーキブ市東方の農地で爆発が起き、10人が負傷した。

またフーア市では女性1人が狙撃され、負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がマルジュ・スルターン村一帯を空爆、またハラスター・カンタラ村一帯でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

戦闘機はまた、ドゥーマー市一帯を4度にわたり空爆した。

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ダルアー県では、SANA(4月26日付)によると、シリア軍がダルアー市アルバイーン地区、カラク地区、バハール地区、避難民キャンプ一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団の拠点を攻撃した。

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ダマスカス県では、ARA News(4月26日付)によると、県北東部のティシュリーン地区で反体制武装集団とシリア軍が交戦し、前者の戦闘員3人が負傷、またシリア軍の砲撃で5人が負傷した。

戦闘はまた、ジャウバル区一帯でも起こり、シリア軍、ジハード主義武装集団双方が砲撃を行った。

また、ARA News(4月25日付)などによると、マッザ区の防衛にあたる国防隊司令官のフィダー・バドゥール氏が死亡した。

AFP, April 26, 2016、AP, April 26, 2016、ARA News, April 26, 2016、Champress, April 26, 2016、al-Hayat, April 27, 2016、Iraqi News, April 26, 2016、Kull-na Shuraka’, April 26, 2016、al-Mada Press, April 26, 2016、Naharnet, April 26, 2016、NNA, April 26, 2016、Reuters, April 26, 2016、SANA, April 26, 2016、UPI, April 26, 2016などをもとに作成。

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西クルディスタン移行期民政局アサーイシュは停戦合意に従い、カーミシュリー市のバアス製パン所をシリア軍に返還(2016年4月26日)

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(4月26日付)によると、カーミシュリー市での先週の戦闘で西クルディスタン移行期民政局アサーイシュが占拠していた西部地区にある製パン所(バアス製パン所)が、シリア政府と西クルディスタン移行期民政局の停戦合意に従って、シリア軍に返還された。

この返還を受け、シリア政府は24時間以内にパン製造所を再稼働させることが求められており、またアサーイシュ側も押収した機器の返還が求められているという。

ARA News, April 26, 2016
ARA News, April 26, 2016

 

AFP, April 26, 2016、AP, April 26, 2016、ARA News, April 26, 2016、Champress, April 26, 2016、al-Hayat, April 27, 2016、Iraqi News, April 26, 2016、Kull-na Shuraka’, April 26, 2016、al-Mada Press, April 26, 2016、Naharnet, April 26, 2016、NNA, April 26, 2016、Reuters, April 26, 2016、SANA, April 26, 2016、UPI, April 26, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県北西部の国境地帯をトルコ軍が越境砲撃するなか、ハワール・キリス作戦司令室がダーイシュと交戦(2016年4月26日)

アレッポ県では、『ハヤート』(4月27日付)によると、トルコ軍は県北西部を越境砲撃し、ダーイシュ(イスラーム国)のロケット砲発射台2基を破壊した。

また、ARA News(4月26日付)によると、県北西部のトルコ国境に近い「穏健な反体制派」の戦略拠点の一つラーイー村一帯で、トルコ軍の越境砲撃が行われるなか、ハワール・キリス作戦司令室がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, April 26, 2016、AP, April 26, 2016、ARA News, April 26, 2016、Champress, April 26, 2016、al-Hayat, April 27, 2016、Iraqi News, April 26, 2016、Kull-na Shuraka’, April 26, 2016、al-Mada Press, April 26, 2016、Naharnet, April 26, 2016、NNA, April 26, 2016、Reuters, April 26, 2016、SANA, April 26, 2016、UPI, April 26, 2016などをもとに作成。

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トルコのチャヴシュオール外相はダーイシュの拠点都市マンビジュ市封鎖と「安全地帯」設置に向け米軍のHIMARS配備が合意されたと述べる(2016年4月26日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は『ハベルトゥルク』(4月26日付)のインタビューに応じ、米政府と協議し、5月を目処にシリアとの国境地帯に米国が自走多連装ロケット砲「HIMARS」(High
Mobility Artillery Rocket System)を配備すること合意したことを明らかにした。

HIMARS配備は、アレッポ県北西部国境地帯からキリス市方面へのダーイシュ(イスラーム国)の越境砲撃に対抗するための措置。

チャヴシュオール外務大臣はまた、ジャラーブルス市以西の全長100キロ弱の地域を「安全地帯」に設置する問題について米国と協議したことを明らかにしたうえで、「我々は米国とマンビジュ一帯を封鎖することで合意した。この点で我々の戦略は明白だ」と述べた。

HIMARSの配備が「安全地帯」設置を目的としたものかとの質問に対しても、「その通りだ。我々の主な目的はマンビジュにいたる98キロの地域からダーイシュ(イスラーム国)を浄化することだ。これが実現すれば、自然と安全地帯は設置されることになる」と述べた。

さらに「バラク・オバマ米大統領は先日、安全地帯構想に反対しないと表明した。ドイツもこうした枠組みについて我々と合意した。トルコが安全保障地帯を求めて当然だという理解が生まれた…。ダーイシュを根絶するには、穏健な反体制派を空と陸から支援することが不可欠だ。我々の迫撃砲は射程40キロ足らずだが、HIMARSの射程は90キロに及ぶ。穏健な反体制派への空と陸からの支援が国境を経由して行われるだろう。この枠組みのなかで(支援の対象となる組織)の名前を限定する活動がなされるだろう。このロケット砲を通じて我々はこれまで以上にダーイシュの拠点を正確に攻撃できるようになり、反体制派への支援が地上で行われるようになろう」と付言した。

なお、トルコ国境からマンビジュ市までの距離は約40キロ。

米・トルコ両政府は昨年半ば、マンビジュ市ではなく、アアザーズ市からジャラーブル市にいたる約120キロの国境地帯を「安全地帯」(飛行禁止空域)に設置することで合意していた。

AFP, April 26, 2016、AP, April 26, 2016、ARA News, April 26, 2016、Champress, April 26, 2016、Haberturk, April 26, 2016、al-Hayat, April 27, 2016、Iraqi News, April 26, 2016、Kull-na Shuraka’, April 26, 2016、al-Mada Press, April 26, 2016、Naharnet, April 26, 2016、NNA, April 26, 2016、Reuters, April 26, 2016、SANA, April 26, 2016、UPI, April 26, 2016などをもとに作成。

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米欧5カ国首脳はすべての当事者に停戦遵守を呼びかける(2016年4月26日)

米欧5カ国は、5月のG7(伊勢志摩サミット)を前にドイツのハノーバーで首脳会合を行い、シリア情勢などについて意見を交わした。

会合に参加したのは、バラク・オバマ米大統領、デヴィッド・キャメロン英首相、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、フランスのフランソワ・オランド大統領、イタリアのマッテオ・レンツィ首相。

会談後、米ホワイト・ハウスは声明を出し、シリア軍による攻撃に懸念を表明、すべての当事者に対して、(米・ロシアによる)敵対行為停止合意の遵守、人道支援物資搬入許可、政治的移行に向けたジュネーブでの交渉の成功への貢献を呼びかけた。

AFP, April 26, 2016、AP, April 26, 2016、ARA News, April 26, 2016、Champress, April 26, 2016、al-Hayat, April 27, 2016、Iraqi News, April 26, 2016、Kull-na Shuraka’, April 26, 2016、al-Mada Press, April 26, 2016、Naharnet, April 26, 2016、NNA, April 26, 2016、Reuters, April 26, 2016、SANA, April 26, 2016、UPI, April 26, 2016などをもとに作成。

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ジュネーブ3会議第3ラウンド終了:「モスクワ・リスト」は「一つの反体制派代表団」によるシリア政府との直接協議を要求(2016年4月26日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表はジュネーブの国連本部でシリア政府代表団と第3ラウンド最後となる会談を行った。

会談後、シリア政府代表団長を務めるバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表が記者会見を開き、デミストゥラ国連特別代表の12項目からなる質問状の内容、とりわけテロ対策について協議を行ったことを明らかにした。

ジャアファリー国連シリア代表は第3ラウンドを振り返り「有益で建設的だった」と評価しつつんも、テロ組織を支援する国々が停戦を反故にすることで政治的解決を阻止しようとしていることに懸念を表明した。

SANA(4月26日付)が伝えた。

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デミストゥラ国連特別代表はまた、「モスクワ・リスト」および「カイロ合意グループ」の代表団と会談した。

会談後、「モスクワ・リスト」の主導的メンバーの一人で解放変革人民戦線代表のカドリー・ジャミール前副首相はAFP(4月26日付)に、シリア政府との直接協議と、「一つの反体制派代表団」による協議参加を求めたことを明らかにした。

ジャミール前副首相は「我々は直接交渉を求めた…。また我々は反体制派を一つの代表団としてまとめることを要求した…。複数の代表団が存在するという現状は不自然、異常で、こうした状況は続くべきではない。何らかの結論に達しようとするなら、「一つの代表団」をめざさねばならない」と述べた。

しかしジャミール副首相は「一つの代表団とは統一代表団を意味しない…。一つの代表団としてまとまるというのは、意見一致を意味しない」と付言した。

AFP, April 26, 2016、AP, April 26, 2016、ARA News, April 26, 2016、Champress, April 26, 2016、al-Hayat, April 27, 2016、Iraqi News, April 26, 2016、Kull-na Shuraka’, April 26, 2016、al-Mada Press, April 26, 2016、Naharnet, April 26, 2016、NNA, April 26, 2016、Reuters, April 26, 2016、SANA, April 26, 2016、UPI, April 26, 2016などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア領内で7回の爆撃を実施(2016年4月25日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月25日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して25回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は7回で、マンビジュ市近郊(4回)、マーリア市近郊(6回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, April 26, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市で「反体制派」がシリア政府支配地域を、シリア軍が「反体制派」支配地域を砲撃(2016年4月25日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団などからなる反体制派がアレッポ市スライマーニーヤ地区(シリア政府支配地域)を砲撃し、子供2人を含む3人が死亡、11人が負傷した。

ジハード主義武装集団は、アレッポ市ムーカンンブー地区、ハムダーニーヤ地区、ザフラー協会地区、ジュマイリーヤ地区、サイフ・ダウラ地区、ヌッブル市、ザフラー町に対しても砲撃を行い、子供を含む多数の住民らが負傷した。

またアレッポ市サブア・バフラート地区一帯、ブスターン・カスル地区では、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦し、シリア軍が撃った砲弾がマイサル地区、バーブ街道地区、ブスターン・カスル地区、カルム・タッラーブ地区に着弾した。

シリア軍はまたアナダーン市を砲撃し、女児1人が死亡、10人以上が負傷した。

一方、SANA(4月25日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団がアレッポ市スライマーニーヤ地区、イザーア地区、バーブ・ハラジュ地区、ザフラー協会地区、ザフラー町を砲撃し、女性、子供を含む16人が死亡、86人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーン・シャイフ・キャンプ一帯を砲撃、バーラー村一帯ではジハード主義武装集団と交戦した。

一方、ダマスカス県カーブーン区とティシュリーン地区で活動するという第一旅団は声明を出し、マルジュ・スルターン村一帯でアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動と共闘するラフマーン軍団への合流を表明した。

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ヒムス県では、ARA News(4月25日付)によると、国連とシリア赤新月社のチームが2度目となるラスタン市への人道支援物資搬入を行った。

しかし、物資搬送はティールマアッラ村を経由して行われたが、途中、シリア軍が車列を攻撃、貨物車輌1台が被害を受けた。

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ダルアー県では、SANA(4月25日付)によると、反体制武装集団がダルアー市各所を砲撃し、1人が負傷した。

また、シリア軍がダルアー市マンシヤ地区一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、4月24日に9件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県で4件、ラタキア県で4件、アレッポ県で1件発生、いずれもがリヤド最高交渉委員会を脱会したアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動などによる砲撃だという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は444件。

AFP, April 25, 2016、AP, April 25, 2016、ARA News, April 25, 2016、Champress, April 25, 2016、al-Hayat, April 26, 2016、Iraqi News, April 25, 2016、Kull-na Shuraka’, April 25, 2016、April 26, 2016、al-Mada Press, April 25, 2016、Naharnet, April 25, 2016、NNA, April 25, 2016、Reuters, April 25, 2016、SANA, April 25, 2016、UPI, April 25, 2016などをもとに作成。

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シーア派聖地を擁するサイイダ・ザイナブ市(ダマスカス郊外県)郊外で爆弾が仕掛けられた車が爆発、ダーイシュの活動家を名乗る活動家が犯行声明でダマスカス県旧市街の火災への「報復」と主張(2016年4月25日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サイイダ・ザイナブ町郊外で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、8人が死亡、数十人が負傷した。

AFP(4月25日付)によると、爆発はサイイダ・ザイナブ町郊外のズィヤービーヤ町入口の治安部隊検問所で発生した。

この検問所に配備されていた治安要員の1人によると、爆発した車は、検問中に探知機によって爆発物を探知され、治安要員が手探りで爆発物を探し始めていた時に爆発したという。

SANA(4月25日付)によると、この爆発による死者は5人、負傷者は20人、一方、マナール・チャンネル(4月25日付)によると、死者数は8人。

Kull-na Shuraka', April 25, 2016
Kull-na Shuraka’, April 25, 2016

ARA News(4月25日付)によると、この爆破事件に関して、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーだという複数の活動家が、「ダマスカス県旧市街のアスラーニーヤ地区で発生した電気火災への報復」と主張、犯行を認めた。

アスラーニーヤ地区での電気火災は、旧市街のサイイダ・ルカイヤ・モスク一帯の不動産買収を試みるイラン人に利するといった主張が活動家によってなされ、その関与が推定されていた。

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同じくダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ジャラージール町郊外無人地帯でシリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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アレッポ県では、ARA News(4月25日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つバーブ市を空爆し、多数が死傷し、住民らは避難を余儀なくされた。

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ヒムス県では、SANA(4月25日付)によると、シリア軍がタドムル市郊外のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

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スワイダー県では、SANA(4月25日付)によると、シリア軍がイラクらのダーイシュ(イスラーム国)の兵站線を遮断するため、ファディーン丘一帯でダーイシュの拠点を攻撃した。

AFP, April 25, 2016、AP, April 25, 2016、ARA News, April 25, 2016、Champress, April 25, 2016、al-Hayat, April 26, 2016、Iraqi News, April 25, 2016、Kull-na Shuraka’, April 25, 2016、al-Mada Press, April 25, 2016、Naharnet, April 25, 2016、NNA, April 25, 2016、Qanat al-Manar, April 25, 2016、Reuters, April 25, 2016、SANA, April 25, 2016、UPI, April 25, 2016などをもとに作成。

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トルコ軍がキリス市への砲撃の報復としてアレッポ県北部のダーイシュを越境攻撃(2016年4月25日)

アレッポ県では、ロイター通信(4月25日付)によると、トルコ軍がキリス市に対するダーイシュ(イスラーム国)の砲撃への報復として、県北西部を越境攻撃し、国境付近に配備されたダーイシュの迫撃砲を破壊、戦闘員8人を殲滅した。

ARA News(4月25日付)によると、トルコ軍の越境砲撃に会わせるかたちで、有志連合も国境地帯を空爆したという。

一方、ARA News(4月25日付)によると、ハワール・キリス作戦司令室がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、カフルガーン村を奪還した。

AFP, April 25, 2016、AP, April 25, 2016、ARA News, April 25, 2016、Champress, April 25, 2016、al-Hayat, April 26, 2016、Iraqi News, April 25, 2016、Kull-na Shuraka’, April 25, 2016、al-Mada Press, April 25, 2016、Naharnet, April 25, 2016、NNA, April 25, 2016、Reuters, April 25, 2016、SANA, April 25, 2016、UPI, April 25, 2016などをもとに作成。

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ロシアのラブロフ外務大臣はリヤド最高交渉委員会が「国連安保理の要請を履行しようとしない」と批判(2016年4月25日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は「ジュネーブでの交渉は、一部の反体制派が参加を中止しているが継続されている」と述べ、ジュネーブ3会議の継続を主唱する一方、リヤド交渉最高委員会については「国連安保理の要請を履行しようとしていない」と厳しく非難した。

AFP, April 25, 2016、AP, April 25, 2016、ARA News, April 25, 2016、Champress, April 25, 2016、al-Hayat, April 26, 2016、Iraqi News, April 25, 2016、Kull-na Shuraka’, April 25, 2016、al-Mada Press, April 25, 2016、Naharnet, April 25, 2016、NNA, April 25, 2016、Reuters, April 25, 2016、SANA, April 25, 2016、UPI, April 25, 2016などをもとに作成。

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フランス外務省報道官は、シリア軍の停戦違反を非難、アル=カーイダ系組織を含むジハード主義武装集団が主導する「反体制派」の停戦違反を黙認(2016年4月25日)

フランス外務省報道官は声明を出し、「フランスは数十人の死傷者を出したアレッポ市での過去数日間でのシリア軍の攻撃を非難する」と発表した。

同報道官は、シリア政府が依然として包囲された地域への人道支援搬入を許可していないと非難したが、アル=カーイダ系組織と共闘するシャーム自由人イスラーム運動など「反体制派」による軍事行動や市街地包囲については言及しなかった。

AFP, April 25, 2016、AP, April 25, 2016、ARA News, April 25, 2016、Champress, April 25, 2016、al-Hayat, April 26, 2016、Iraqi News, April 25, 2016、Kull-na Shuraka’, April 25, 2016、al-Mada Press, April 25, 2016、Naharnet, April 25, 2016、NNA, April 25, 2016、Reuters, April 25, 2016、SANA, April 25, 2016、UPI, April 25, 2016などをもとに作成。

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オバマ米大統領はシリアへの米軍250人の増派を決定(2016年4月25日)

バラク・オバマ米大統領は訪問先のハノーバー(ドイツ)で演説、そのなかでシリア情勢に関してシリア領内に米軍250人を増派すると発表した。

オバマ大統領は演説のなかで「ISIL(ダーイシュ(イスラーム国)と戦うイラクの部隊への追加支援に合意したのと同様、私はシリアでISILと戦う地元の武装勢力に対して米国がさらなる支援をすることを決定した。小規模ではあるが米特殊部隊がシリア領内にすでにおり、その特殊技能は、地元の武装勢力が主要地域からISILを掃討するうえで重要な役割を果たしてきた。これまでの戦果を踏まえ、私はシリアに米国の人員250人を追加で派遣することに同意した。そのなかには特殊部隊も含まれている。しかし、彼らは地上での戦闘を指揮することはなく、本質的には教練を施し、ISILを押し返そうとしている地元の武装勢力を支援する」と述べた。

一方、シリア国内での紛争については「我々はシリアの内戦を終わらせるための外交努力を放棄することはない。なせなら、シリア国民の苦しみは終わらねばならず、それには実効的な政治移行が必要だからだ」と述べた。

なお『ハヤート』(4月26日付)によると、オバマ政権はこれまでに米軍将兵約50人をすでにシリアに派遣し、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支援などを行っている。

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これに対して、シリア民主軍のタラール・スィールー報道官は、米軍からこの増派については連絡を受けていないとしつつ、オバマ米大統領の発言に歓迎の意を示し、さらなる部隊の派遣を求めた。

一方、イラン外務省報道官は、シリアへの部隊派遣に関して「シリア政府との調整を欠いた軍事介入は危機をさらに複雑にする。シリア政府の同意を得ていないいかなる軍事介入も危機解決には資さない」と批判した。

AFP, April 25, 2016、AP, April 25, 2016、ARA News, April 25, 2016、Champress, April 25, 2016、al-Hayat, April 26, 2016、Iraqi News, April 25, 2016、Kull-na Shuraka’, April 25, 2016、al-Mada Press, April 25, 2016、Naharnet, April 25, 2016、NNA, April 25, 2016、Reuters, April 25, 2016、SANA, April 25, 2016、UPI, April 25, 2016などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表はシリア政府、「フマイミーム・グループ」代表団と会談(2016年4月25日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表はジュネーブの国連本部でシリア政府代表団と会談した。

会談後の記者会見で、団長のバッシャール・ジャアファリー国連シリア大使は、アレッポ市、サイイダ・ザイナブ町(ダマスカス郊外県)などでの「テロ」激化について意見を交わす一方、リヤド最高交渉委員会による協議のボイコットを批判した。

またジャアファリー国連シリア大使は、デミストゥラ国連特別代表の提案(12項目からなる質問状)に対するシリア政府側の修正案を提示したことを明らかにした。

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デミストゥラ国連特別代表はまた、シリア国内の反体制派・野党代表団(フマイミーム・グループ)と会談した。

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一方、シリア国家建設潮流の政治局は声明を出し、ジュネーブ3会議での協議をボイコットしているリヤド最高交渉委員会からの断交を発表した。

AFP, April 25, 2016、AP, April 25, 2016、ARA News, April 25, 2016、Champress, April 25, 2016、al-Hayat, April 26, 2016、Iraqi News, April 25, 2016、Kull-na Shuraka’, April 25, 2016、al-Mada Press, April 25, 2016、Naharnet, April 25, 2016、NNA, April 25, 2016、Reuters, April 25, 2016、SANA, April 25, 2016、UPI, April 25, 2016などをもとに作成。

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アサド大統領がアルジェリアのマサーヒル北アフリカ諸国・アフリカ連合・アラブ連盟問題担当国務大臣と会談(2016年4月25日)

アサド大統領は、シリアを訪問中のアルジェリアのアブドゥルカーディル・マサーヒル北アフリカ諸国・アフリカ連合・アラブ連盟問題担当国務大臣とダマスカスで会談した。

マサーヒル国務大臣は、シリア・アルジェリア経済協力小委員会委員長も兼任しており、シリア訪問には同委員会使節団の同行した。

SANA(4月25日付)によると、会談は、シリアとアルジェリアの経済関係強化、テロとの戦いなどについて意見が交わされた。

アサド大統領は会談で、シリアに対するアルジェリアの支援姿勢を高く評価するとともに、「テロは国内問題でななく、独立主権を維持しようとする国に打撃を与え、弱体化させるための政治的ツールの一部となった」と指摘する一方、シリア情勢については「改善しており、シリア国民は領土防衛に務めている」と述べた。

マサーヒル国務大臣一行はまた、ワーイル・ハルキー首相、カイス・ハドル国家計画委員会委員長とも個別に会談した。

SANA, April 25, 2016
SANA, April 25, 2016

AFP, April 25, 2016、AP, April 25, 2016、ARA News, April 25, 2016、Champress, April 25, 2016、al-Hayat, April 26, 2016、Iraqi News, April 25, 2016、Kull-na Shuraka’, April 25, 2016、al-Mada Press, April 25, 2016、Naharnet, April 25, 2016、NNA, April 25, 2016、Reuters, April 25, 2016、SANA, April 25, 2016、UPI, April 25, 2016などをもとに作成。

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『ウォール・ストリート・ジャーナル』:2015年5月に米特殊部隊がダイル・ザウル県でのアブー・サイヤーフ氏暗殺作戦時に押収したデータはダーイシュ幹部と親政権ビジネスマンの石油密売買が行われていたことを示している(2016年4月24日)

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(4月24日付、http://www.wsj.com/articles/the-rise-and-deadly-fall-of-islamic-states-oil-tycoon-1461522313)は、2015年5月に米軍特殊部隊がダイル・ザウル県内のダーイシュ(イスラーム国)拠点を急襲し、「石油大臣」と目されていたチュニジア人幹部アブー・サイヤーフ氏(ファトヒー・ムラード・トゥーニスィー)を暗殺し、その妻を拘束した一件に関して、作戦遂行時に押収したデータが、ダーイシュ幹部らとシリア政府に近いビジネスマンとの間で石油密売買が行われていたことを示している、と伝えた。

The Wall Street Journal, April 24, 2016をもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア領内で3回の爆撃を実施(2016年4月24日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月24日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して14回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回で、マンビジュ市近郊(1回)、マーリア市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, April 25, 2016などをもとに作成。

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ハワール・キリス作戦司令室がトルコ国境のタッル・フサイン村をダーイシュから奪還(2016年4月24日)

アレッポ県では、ARA News(4月24日付)によると、ハワール・キリス作戦司令室がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、トルコ国境に近いタッル・フサイン村を奪還した。

これに対してダーイシュは、トルコ領内のキリス市を砲撃、迫撃砲弾2発が着弾し、10人が負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)が、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つバーブ市を空爆した。

このほか、アレッポ県北西部でダーイシュ(イスラーム国)と戦う武装集団が共同声明を出し、ハムザ特殊部隊師団として完全統合すると発表した。

ハムザ特殊部隊師団(サイフ・アブー・バクル中尉が司令官)は、ハムザ旅団、ズィー・カール旅団、北部の雷旅団、マーリア抵抗旅団、特殊任務旅団からなる。

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ヒムス県では、SANA(4月24日付)によると、シリア軍がカルヤタイン市東方、タドムル市東方のアーラーク油田街道および同市北部の山岳地帯でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

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ハマー県では、SANA(4月24日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、アカーリブ村南部のパイプライン地区でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, April 24, 2016、AP, April 24, 2016、ARA News, April 24, 2016、Champress, April 24, 2016、al-Hayat, April 25, 2016、Iraqi News, April 24, 2016、Kull-na Shuraka’, April 24, 2016、al-Mada Press, April 24, 2016、Naharnet, April 24, 2016、NNA, April 24, 2016、Reuters, April 24, 2016、SANA, April 24, 2016、UPI, April 24, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県、ハマー県で、シリア軍とアル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制派が爆撃・砲撃を応酬し、住民多数が犠牲に(2016年4月24日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)が、アレッポ市サーフール地区の市場、ムワーサラート地区、マルジャ地区、シャッアール地区を空爆し、子供3人を含む9人が死亡した。

また空爆はアターリブ市に対しても行われ、1人が死亡した。

これに対して、反体制武装集団は、シリア政府支配下のアレッポ市ハラブ・ジャディーダ地区、ムーカンムブー地区、ザフラー地区などを砲撃し、子供2人を含む6人が死亡した。

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ハマー県では、ARA News(4月24日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動は、シリア政府支配下のスカイラビーヤ市を砲撃し、住民複数人が死傷した。

SANA(4月24日付)によると、シリア軍はこれに対する報復として、カフルヌブーダ町、ジャービリーヤ村にあるシャームの民のヌスラ戦線やシャーム自由人イスラーム運動などの反体制武装集団拠点を攻撃した。

このほか、ARA News(4月24日付)によると、シリア軍がマルカバ村一帯で反体制武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、ARA News(4月24日付)によると、シリア軍がハウラ地方を空爆した。

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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(4月24日付)によると、シリア軍ヘリコプターがザバダーニー市を「樽爆弾」で空爆し、「革命家」3人を殺害した。

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ダルアー県では、SANA(4月24日付)によると、シリア軍がシャイフ・フサイン丘、ハリーフ丘、ダルアー市内の電力会社一帯、ブスラー広場一帯、マンシヤ地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、4月23日に13件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県、ラタキア県でのリヤド最高交渉委員会を脱会したアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍による砲撃だという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は435件。

AFP, April 24, 2016、AP, April 24, 2016、ARA News, April 24, 2016、Champress, April 24, 2016、al-Hayat, April 25, 2016、Iraqi News, April 24, 2016、Kull-na Shuraka’, April 24, 2016、al-Mada Press, April 24, 2016、Naharnet, April 24, 2016、NNA, April 24, 2016、Reuters, April 24, 2016、SANA, April 24, 2016、UPI, April 24, 2016などをもとに作成。

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カーミシュリー市(ハサカ県)での停戦発効を受け、双方が逮捕者・捕虜を釈放(2016年4月24日)

ハサカ県では、カーミシュリー市を訪問した西クルディスタン移行期民政局ジャズィーラ地区内務委員会(内務省に相当)のカナアーン・バラカート委員長(内務大臣に相当)が記者会見を開き、シリア政府代表と西クルディスタン移行期民政局代表によるカーミシュリー市での停戦合意の内容について明らかにした。

カーミシュリー市内で20日に発生した国防隊、シリア軍と、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュ、人民防衛隊の戦闘は、22日に停戦が実現、その後もダマスカスから派遣されたシリア政府高官と西クルディスタン移行期民政局高官がカーミシュリー国際空港(シリア政府支配下)で停戦合意の詳細について協議を重ねていた。

バカラート内務委員長によると、両者の停戦合意は、国防隊、シリア軍と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、アサーイシュ双方の戦闘停止に加えて、①カーミシュリー市内の国防隊解体に向けて、その組織の再編を行うこと、②双方が拘置・捕捉している逮捕者・捕虜の釈放すること、③シリア軍の砲撃で損害を被った住民に対して補償を行うこと、④市内の非常事態を解除すること、⑤西クルディスタン移行期民政局ジャズィーラ地区の青年に対してシリア政府当局は徴兵を行わないこと、⑥シリア政府はカーミシュリー市の公務員への給与支払いを停止しないこと、また公務員の兵役を免除すること、などを骨子としている。

クルド治安筋がAFP(4月24日付)に明らかにしたところによると、これにより、最近の戦闘で人民防衛隊、アサーイシュが掌握した市内アラヤー地区のカーミシュリー中央刑務所、市内のシリア軍、国防隊の拠点の西クルディスタン移行期民政局への移譲がなされ、カーミシュリー市の大部分は西クルディスタン移行期民政局の支配下に入り、シリア政府は市内中心街とカーミシュリー国際空港一帯を維持するのみとなった。

また、ARA News(4月24日付)によると、シリアの治安当局は2011年以前からのクルド人逮捕者を釈放する一方、アサーイシュもまた最近の戦闘で捕捉していたシリア軍兵士および国防隊隊員102人を解放した。

なお、バラカート内務委員長によると、3日間に及ぶ戦闘で民間人17人、アサーイシュ隊員7人、人民防衛隊隊員3人が死亡したことを明らかにした。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍側は22人が死亡、80人が捕捉され、またシリア軍による砲撃で23人が死亡したという。

ARA News, April 24, 2016
ARA News, April 24, 2016

AFP, April 24, 2016、AP, April 24, 2016、ARA News, April 24, 2016、Champress, April 24, 2016、al-Hayat, April 25, 2016、Iraqi News, April 24, 2016、Kull-na Shuraka’, April 24, 2016、al-Mada Press, April 24, 2016、Naharnet, April 24, 2016、NNA, April 24, 2016、Reuters, April 24, 2016、SANA, April 24, 2016、UPI, April 24, 2016などをもとに作成。

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オバマ米大統領「地上部隊を派遣し、アサド政権を転覆するのは誤りだ」(2016年4月24日)

バラク・オバマ米大統領はBBC(4月24日付)のインタビューに応じ、そのなかでシリア情勢に関して「地上部隊を派遣し、アサド政権を転覆するのは、米国や英国にとって誤りとなろう」と述べた。

オバマ大統領は、紛争の解決に向けた国際社会の取り組みに関して「私は、(シリア国内の)すべての当事者に国際社会が圧力をかけ、対話のテーブルに就かせ、移行期に向けた交渉のために行動できると考えている…。軍事的対話では長期的には問題を解決できない」と述べた。

一方、ダーイシュに対する「テロとの戦い」に関しては「その一方で、我々はラッカなどでダーイシュへの空爆を続け…、欧州に外国人戦闘員が送り込まれる地域を包囲する」と述べた。

AFP, April 24, 2016、AP, April 24, 2016、ARA News, April 24, 2016、BBC, April 24, 2016、Champress, April 24, 2016、al-Hayat, April 25, 2016、Iraqi News, April 24, 2016、Kull-na Shuraka’, April 24, 2016、al-Mada Press, April 24, 2016、Naharnet, April 24, 2016、NNA, April 24, 2016、Reuters, April 24, 2016、SANA, April 24, 2016、UPI, April 24, 2016などをもとに作成。

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オバマ米大統領は「シリア領内での「安全地帯」設置は現実問題として難しい」と述べ、メルケル独首相の発言に異論(2016年4月24日)

バラク・オバマ米大統領は訪問先のドイツのアンゲラ・メルケル首相と会談し、シリア情勢などについて意見を交わした。

会談後の記者会見で、オバマ大統領は、メルケル首相がシリア領内での「安全地帯」の設置を支持する意向を示したことに対し、「シリア領内での「安全地帯」設置に関する問題に、私は思想的な反対している訳ではないし…、私が支援を望んでおらず、また多くの人々を保護したくないという訳でもない…。しかし、残念ながら、現実問題として、我々にはシリアの一部を軍事的に掌握する意思がないため、それ(安全地帯)がどう機能するのかを考えるのは難しい」と述べた。

これに関して、メルケル首相は、自身が従前的な「安全地帯」の設置を支持しているのではないとしたうえで、ジュネーブ3会議での協議が難民を人道的に支援できるような地域の設置への道を切り開くと考えているとの曖昧な態度を表明した。

AFP, April 24, 2016、AP, April 24, 2016、ARA News, April 24, 2016、Champress, April 24, 2016、al-Hayat, April 25, 2016、Iraqi News, April 24, 2016、Kull-na Shuraka’, April 24, 2016、al-Mada Press, April 24, 2016、Naharnet, April 24, 2016、NNA, April 24, 2016、Reuters, April 24, 2016、SANA, April 24, 2016、UPI, April 24, 2016などをもとに作成。

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ドイツのメルケル首相「シリア領内に難民保護のための「安全地帯」を設置すべき」(2016年4月24日)

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、訪問中のガジアンテップ市(トルコ)で、シリア領内に国外難民を押し返すための「安全地帯」を設置すべきだと述べた。

ガジアンテップ市内での記者会見で、メルケル首相は「停戦が維持され、治安が十分に保障されている地域」があってしかるべきだとしたうえで、「住民らが安全だと感じれば、故郷を離れる必要はなくなる」と語った。

「安全地帯」(ないしは「飛行禁止空域」は、トルコ政府が兼ねてからシリアのアレッポ県北部に設置することを主唱しており、2015年半ばには米政府との間で、アフリーン市とジャラーブルス市間の国境地帯に設置することで合意した。

しかし、これにより同地で「穏健な反体制派」と共闘していたシャームの民のヌスラ戦線が有志連合との協力を嫌い撤退、これに代わって勢力を増したダーイシュ(イスラーム国)が残された「穏健な反体制派」に対して攻勢をかけた。

またロシア軍、米軍の支援を受けた西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍、そしてシリア軍が2016年に入って、アフリーン市とアレッポ市を結ぶ回廊を奪還し、ヌスラ戦線を含む「穏健な反体制派」の兵站路を遮断、アアザーズ市方面へと後退させた。

AFP, April 24, 2016、AP, April 24, 2016、ARA News, April 24, 2016、Champress, April 24, 2016、al-Hayat, April 25, 2016、Iraqi News, April 24, 2016、Kull-na Shuraka’, April 24, 2016、al-Mada Press, April 24, 2016、Naharnet, April 24, 2016、NNA, April 24, 2016、Reuters, April 24, 2016、SANA, April 24, 2016、UPI, April 24, 2016などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア領内で4回の爆撃を実施(2016年4月23日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月23日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して28回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は4回で、マンビジュ市近郊(2回)、マーリア市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, April 24, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュはトルコ軍の越境砲撃支援を受けるハワール・キリス作戦司令室との交戦の末、トルコ国境の3カ村を制圧(2016年4月23日)

アレッポ県では、ARA New(4月23日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、トルコ軍の越境砲撃による支援を受けるハワール・キリス作戦司令室と交戦し、トルコ国境に近いカフルガーン村、タッル・フサイン村、バラーギーダ村を制圧した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サフム・ジャウラーン・ダム一帯、アイン・ズィクル村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団とシャームの民のヌスラ戦線が交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市東方のハイル油田、アラーク油田、バーリダ地区でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

AFP, April 23, 2016、AP, April 23, 2016、ARA News, April 23, 2016、Champress, April 23, 2016、al-Hayat, April 24, 2016、Iraqi News, April 23, 2016、Kull-na Shuraka’, April 23, 2016、al-Mada Press, April 23, 2016、Naharnet, April 23, 2016、NNA, April 23, 2016、Reuters, April 23, 2016、SANA, April 23, 2016、UPI, April 23, 2016などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県、アレッポ市一帯でシリア軍と、「穏健な反体制派」とアル=カーイダ系を含むイスラーム過激派の連合体との戦闘が激化、多くの住民が巻き添えとなり死傷(2016年4月23日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、東グータ地方における反体制武装集団の拠点であるドゥーマー市をシリア軍が砲撃し、子供2人を含む13人が死亡、22人が負傷した。

シリア軍と反体制武装集団は東グータ地方各所で交戦し、ジハード主義武装集団戦闘員1人が死亡したという。

一方、反体制武装集団もハラスター市近郊のダーヒヤト・アサド町を砲撃し、砲弾複数発が着弾した。

他方、SANA(4月23日付)によると、反体制武装集団がワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプを砲撃し、子供1人が死亡、女性1人が負傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、アッシュ・ウルール地区に迫撃砲弾2発が着弾した。

一方、SANA(4月23日付)によると、反体制武装集団がサーリヒーヤ区、アダウィー地区を砲撃し、迫撃砲弾複数発が着弾した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がハイヤーン町、アターリブ市、カフルナーハー村を空爆し、女性2人が死亡、20人近くが負傷した。

またシリア政府支配下のアレッポ市ハーリディーヤ地区、ナイル通り地区などに、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾多数が着弾した。

ARA New(4月23日付)によると、シリア政府支配地域を砲撃したのはシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、アジュナード・シャーム・イスラーム連合などからなる反体制武装集団。

さらに、ARA News(4月23日付)によると、シリア軍はまたアレッポ市バーブ街道地区に対して空爆を実施したという。

一方、ARA New(4月23日付)によると、シリア軍がアレッポ市南部郊外のアイス村一帯で、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団と交戦した。

他方、SANA(4月23日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団がアレッポ市内ナイル通り地区、ムーカンムブー地区、イザーア地区、アシュラフィーヤ地区、ハーリディーヤ地区、ハムダーニーヤ地区、マシャーリカ地区、ザフラー地区、サビール地区、ダーヒヤト・アサド地区(いずれもシリア政府支配地域)を砲撃し、4人が死亡、56人が負傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市一帯でシリア軍と反体制武装集団が交戦し、後者の戦闘員2人が死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がウカイリバート町、サルマーニーヤ村一帯、カルクール村一帯を空爆した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、航空機(所属明示せず、クッルナー・シュラカー(4月23日付)によるとロシア軍)が、ファトフ軍に所属するジハード主義武装集団の包囲を受けるフーア市、カファルヤー町に支援物資をパラシュートで投下した。

一方、クッルナー・シュラカー(4月23日付)によると、ビンニシュ市でシャーム自由人イスラーム運動の本部近くで何者かが自爆し、幹部の一人イスラーム・アブー・フサイン氏を含むメンバー4人が死亡した。

Kull-na Shuraka', April 23, 2016
Kull-na Shuraka’, April 23, 2016

 

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、4月22日に9件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は422件。

AFP, April 23, 2016、AP, April 23, 2016、ARA News, April 23, 2016、Champress, April 23, 2016、al-Hayat, April 24, 2016、Iraqi News, April 23, 2016、Kull-na Shuraka’, April 23, 2016、al-Mada Press, April 23, 2016、Naharnet, April 23, 2016、NNA, April 23, 2016、Reuters, April 23, 2016、SANA, April 23, 2016、UPI, April 23, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア政府高官と西クルディスタン移行期民政局高官がカーミシュリー市での停戦に向けて協議を重ねるなか、ハサカ市で散発的戦闘発生、またシリア軍はアレッポ市シャイフ・マクスード地区を爆撃(2016年4月23日)

ハサカ県では、『ハヤート』(4月24日付)によると、カーミシュリー市にあるカーミシュリー国際空港(シリア政府支配下)で、シリア政府高官と西クルディスタン移行期民政局の高官が前日に引き続き、市内での戦闘停止に関する協議を行った。

一方、クッルナー・シュラカー(4月23日付)によると、ハサカ市内にある西クルディスタン移行期民政局アサーイシュのウムラーン機構検問所近くでアサーイシュと国防隊が散発的に戦闘を行った。

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アレッポ県では、ARA News(4月23日付)によると、シリア軍は西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアレッポ市シャイフ・マクスード地区を「樽爆弾」て空爆し、10人が負傷した。

AFP, April 23, 2016、AP, April 23, 2016、ARA News, April 23, 2016、Champress, April 23, 2016、al-Hayat, April 24, 2016、Iraqi News, April 23, 2016、Kull-na Shuraka’, April 23, 2016、al-Mada Press, April 23, 2016、Naharnet, April 23, 2016、NNA, April 23, 2016、Reuters, April 23, 2016、SANA, April 23, 2016、UPI, April 23, 2016などをもとに作成。

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「穏健な反体制派」とアル=カーイダ系を含むイスラーム過激派は、シリア政府とその同盟者に対して24時間以内の攻撃停止を最後通告(2016年4月23日)

アレッポ・ファトフ軍作戦司令室はSNSを通じて声明を出し、シリア政府およびその同盟者に対して、4月23日までに戦闘を停止するよう最後通告を発するとともに、国際社会に対してシリア軍による犯罪を抑止するよう呼びかけた。

アレッポ・ファトフ軍作戦司令室は、ヌールッディーン・ザンキー運動、ムジャーヒディーン軍、スンナ軍、アブー・アマーラ大隊、第101師団、第16師団、第13師団、ファトフ旅団、スルターン・ムラード旅団、フルサーン・ハック旅団、山地の鷹旅団、ハック旅団、フルカーン旅団、イスラーム軍、シャーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動、シャーム軍団、シャーム革命家大隊、バヤーリク・イスラーム運動、「命じられるまま正しく進め」連合、カリフの曉大隊からなる「穏健な反体制派」、アル=カーイダ系組織、ジハード主義組織の連合体。

Kull-na Shuraka', April 23, 2016
Kull-na Shuraka’, April 23, 2016

AFP, April 23, 2016、AP, April 23, 2016、ARA News, April 23, 2016、Champress, April 23, 2016、al-Hayat, April 24, 2016、Iraqi News, April 23, 2016、Kull-na Shuraka’, April 23, 2016、al-Mada Press, April 23, 2016、Naharnet, April 23, 2016、NNA, April 23, 2016、Reuters, April 23, 2016、SANA, April 23, 2016、UPI, April 23, 2016などをもとに作成。

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