米中央軍(CENTCOM)は、4月16日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して26回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は7回で、フール町近郊(3回)、ラッカ市(1回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(1回)、マーリア市近郊(3回)に対して攻撃が行われた。
CENTCOM, April 17, 2016などをもとに作成。
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Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
高等司法選挙委員会のヒシャーム・シャッアール委員長は記者会見を開き、4月13日に投票が行われた第2期人民議会選挙(250議席)の投票結果を発表した。
シャッアール委員長の発表によると、有権者総数は8,834,994人、投票者総数は5,085,444人、投票率は57.56%。
立候補者層数は1万1,341人。うち、高等司法選挙委員会の審査を通過し、投票日まで選挙戦を戦った立候補者は約3,500人。
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『ワタン』(4月17日付)によると、投票の結果、バアス党が主導する連立与党進歩国民戦線の選挙リスト「挙国一致リスト」の立候補者199人全員が当選を果たし、3分の2を超える圧倒的多数を得た。
「挙国一致リスト」は3月24日にバアス党シリア地域指導部が発表したリストで199人の立候補者からなる。
しかし、これまでの人民議会選挙と異なり、「挙国一致リスト」には改選前に無所属だった議員も含まれており、各政党の議席数、無所属の数は不明。
主な当選者は、ジュネーブ3会議のシリア代表団に参加しているウマル・ウースィー氏(シリア・クルド人国民イニシアチブ)、アフマド・クズバリー氏、脚本家のナジュダ・イスマーイール・アンズール氏、俳優のアーリフ・タウィール氏、ズハイル・ラマダーン氏。
また、ヒムス県選挙区、ハマー選挙区、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動が主導するファトフ軍がほぼ全域を支配下に置くイドリブ県選挙区、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市以外のほぼ全域を支配下に置くダイル・ザウル県選挙区、イスラエルによってその一部を占領されているクナイトラ県選挙区は、進歩国民戦線によって議席を独占された。
定数250議席から「挙国一致リスト」の獲得議席数199を引いた残る51議席が野党および無所属の候補者。
だが、ウマルー・ウースィー氏が代表を務めるシリア・クルド国民イニシアチブ以外の野党の議席獲得の有無、議席数は不明。
なお改選前の人民議会の政党別議席配分はhttps://syriaarabspring.info/?page_id=21457によると以下の通り:
進歩国民戦線:177(バアス党156、アラブ社会主義者運動アフマド派2、アラブ社会主義連合党3、アラブ民主連合党1、シリア共産党バクダーシュ派2、シリア共産党ファイサル派3、シリア民族社会党マハーイリー派5、国民制約党1、統一社会主義者党2、統一社会民主主義党2)
シリア民族社会党インティファーダ派および旧変革解放人民戦線所属議員:3
シリア・クルド人国民イニシアチブ:1
無所属62
欠員:3
つまり、第2期人民議会選挙によって、連立与党の進歩国民戦線は22議席増加させた計算となる。

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当選者は以下の通り(:以下は所属リスト、( )は所属政党、( )による付記がない当選者の所属政党は不明、*は再選):
A部門(労働者・農民代表)
B部門(その他の人民諸組織代表)
A部門(労働者・農民代表)
B部門(その他の人民諸組織代表)
A部門(労働者・農民代表)
B部門(その他の人民諸組織代表)
A部門(労働者・農民代表)
B部門(その他の人民諸組織代表)
A部門(労働者・農民代表)
B部門(その他の人民諸組織代表)
A部門(労働者・農民代表)
B部門(その他の人民諸組織代表)
A部門(労働者・農民代表)
B部門(その他の人民諸組織代表)
A部門(労働者・農民代表)
B部門(その他の人民諸組織代表)
A部門(労働者・農民代表)
B部門(その他の人民諸組織代表)
A部門(労働者・農民代表)
B部門(その他の人民諸組織代表)
A部門(労働者・農民代表)
B部門(その他の人民諸組織代表)
A部門(労働者・農民代表)
B部門(その他の人民諸組織代表)
A部門(労働者・農民代表)
B部門(その他の人民諸組織代表)
A部門(労働者・農民代表)
B部門(その他の人民諸組織代表)
A部門(労働者・農民代表)
B部門(その他の人民諸組織代表)
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なお「アラブの春」が波及する2011年3月のシリアの人口は約2,300万人、シリア人権監視団によると、6年におよぶ紛争で27万人以上が死亡した。
また、UNHCRによると1,350万人以上が国内避難民、国外難民となり、420万人以上が国外での避難生活を余儀なくされているという。
AFP, April 16, 2016、AP, April 16, 2016、ARA News, April 16, 2016、Champress, April 16, 2016、al-Hayat, April 17, 2016、April 18, 2016、Iraqi News, April 16, 2016、Kull-na Shuraka’, April 16, 2016、al-Mada Press, April 16, 2016、Naharnet, April 16, 2016、NNA, April 16, 2016、Reuters, April 16, 2016、SANA, April 16, 2016、UPI, April 16, 2016、al-Watan, April 17, 2016などをもとに作成。
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アレッポ県では、ARA News(4月16日付)によると、トルコ軍が西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアフリーン市一帯を越境砲撃した。
AFP, April 16, 2016、AP, April 16, 2016、ARA News, April 16, 2016、Champress, April 16, 2016、al-Hayat, April 17, 2016、Iraqi News, April 16, 2016、Kull-na Shuraka’, April 16, 2016、al-Mada Press, April 16, 2016、Naharnet, April 16, 2016、NNA, April 16, 2016、Reuters, April 16, 2016、SANA, April 16, 2016、UPI, April 16, 2016などをもとに作成。
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アレッポ県では、ARA News(4月16日付)によると、ハワール・キリス作戦司令室はダーイシュとの交戦の末、トルコ国境に近いカフルシューシュ村を制圧した。
しかし、ダーイシュはカフルガーン村、ドゥーディヤーン村一帯で支配地域を拡大、シリア人権監視団によると、これにより、ダーイシュは県北西部に位置するシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、「穏健な反体制派」の拠点都市アアザーズ市とドゥーディヤーン村を結ぶ地域地域を制圧し、ドゥーディヤーン村を包囲した。
『ハヤート』(4月17日付)などによると、ダーイシュの進軍と戦闘激化を受け、過去2日で同地に住む数万人の住民が避難し(クッルナー・シュラカー(4月16日付)などによると、その数は約3万人)、トルコ国境地帯に向かったという。
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ダマスカス県では、ARA News(4月16日付)によると、ヤルムーク区(パレスチナ難民キャンプ)でダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線が戦闘を続けた。
AFP, April 16, 2016、AP, April 16, 2016、ARA News, April 16, 2016、Champress, April 16, 2016、al-Hayat, April 17, 2016、Iraqi News, April 16, 2016、Kull-na Shuraka’, April 16, 2016、al-Mada Press, April 16, 2016、Naharnet, April 16, 2016、NNA, April 16, 2016、Reuters, April 16, 2016、SANA, April 16, 2016、UPI, April 16, 2016などをもとに作成。
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アレッポ県では、ARA News(4月16日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がハナースィル市一帯でシリア軍と交戦し、ザイド村、ハヤート村、ジュッブ・アリー村、クワイス村、クライア村、トゥーバ村、ジャディーダ村、サルダーフ村、ドゥライブ・ワーウィー村、アシャーナ村を制圧した。
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ヒムス県では、SANA(4月16日付)によると、シリア軍がタドムル市南部、東部、そして北東部の郊外一帯、ワーディ・アブヤド・ダム一帯、ムシャイリファ村一帯、ラスム・アルナブ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。
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スワイダー県では、SANA(4月16日付)によると、シリア軍がカスル村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。
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ダマスカス郊外県では、SANA(4月16日付)によると、シリア軍がビイル・カスブ地区北東部の戦略的要衝ダクワ丘一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダイル・ザウル航空基地一帯、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区、工業地区でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆、砲撃、これに対してダーイシュはシリア政府支配下のジャウラ地区、クスール地区、ユーフラテス・シャーム・ホテル一帯を砲撃した。
両者はまたダイル・ザウル市ラサーファ地区、工業地区、ハウィーヤ地区、ラシュディーヤ地区、ブガイリーヤ村、ジャフラ村、マリーイーヤ村などでダーイシュと交戦した。
一方、SANA(4月16日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル航空基地に近いサルダ山一帯、マリーイーヤ村、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、工業地区、ウルフィー地区、フッブ市場一帯、カナーマート地区でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。
AFP, April 16, 2016、AP, April 16, 2016、ARA News, April 16, 2016、Champress, April 16, 2016、al-Hayat, April 17, 2016、Iraqi News, April 16, 2016、Kull-na Shuraka’, April 16, 2016、al-Mada Press, April 16, 2016、Naharnet, April 16, 2016、NNA, April 16, 2016、Reuters, April 16, 2016、SANA, April 16, 2016、UPI, April 16, 2016などをもとに作成。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市内の反体制武装集団支配地域のサラーフッディーン地区、ブスターン・バーシャー地区、バーブ・ハディード地区、ジュッブ・クッバ地区、マシュハド地区、旧市街などを砲撃、空爆し、10人以上が死亡した(クッルナー・シュラカー(4月16日付)によると、20人が死亡、数十人が負傷した)。
一方、SANA(4月16日付)によると、シリア軍がアレッポ市北部のシャイフ・ルトフィー地区、シャイフ・サアド地区、シュカイイフ地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。
シリア軍はまた、ダーラト・イッザ市でヌスラ戦線などからなる反体制武装集団の拠点を攻撃した。
SANAはさらに、複数の現地消息筋の話として、トルコ国境を経由し、シリア領内に潜入したヌスラ戦線戦闘員約8,000人がアレッポ市南西部一帯に、また訳1,500人がアレッポ市北部一帯に展開したと伝えた。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジスル・シュグール市を砲撃、またタフタナーズ航空基地一帯を空爆した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がズィヤーラ町、マンスーラ村、カーヒラ村を砲撃した。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がクルド山、トルクメン山一帯を砲撃した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、バイト・サフム市をシリア軍が砲撃した。
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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、4月15日に8件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。
停戦違反のうち6件はラタキア県で、2件はダマスカス郊外県で発生したという。
AFP, April 16, 2016、AP, April 16, 2016、ARA News, April 16, 2016、Champress, April 16, 2016、al-Hayat, April 17, 2016、Iraqi News, April 16, 2016、Kull-na Shuraka’, April 16, 2016、al-Mada Press, April 16, 2016、Naharnet, April 16, 2016、NNA, April 16, 2016、Reuters, April 16, 2016、SANA, April 16, 2016、UPI, April 16, 2016などをもとに作成。
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ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(4月16日付)によると、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表の在ダマスカス事務所代表を務めるハウラ・マタル女史(バーレーン人)を団長とする使節団が、シリア政府の包囲を受ける反体制武装集団の拠点都市ダーライヤー市に入り、同地の人権状況などを視察した。
AFP, April 16, 2016、AP, April 16, 2016、ARA News, April 16, 2016、Champress, April 16, 2016、al-Durar al-Shamiya, April 16, 2016、al-Hayat, April 17, 2016、Iraqi News, April 16, 2016、Kull-na Shuraka’, April 16, 2016、al-Mada Press, April 16, 2016、Naharnet, April 16, 2016、NNA, April 16, 2016、Reuters, April 16, 2016、SANA, April 16, 2016、UPI, April 16, 2016などをもとに作成。
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ダルアー県で活動する反体制武装集団6組織が共同声明を出し、ジャースィム最高軍事評議会を結成すると発表した。
共同声明を出したのは、アバービール軍、カシオン旅団所属のジャイドゥール旅団、サイフ・シャーム旅団所属のハサン・ブン・アリー旅団、南部旅団ジャイドゥール地区、シャームの盾旅団、カシオン旅団所属のカシオン旅団。
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ダルアー県で活動する南部戦線所属の5組織が共同声明を出し、ハック連合として完全統合したと発表した。
共同声明を出したのは、二聖地旅団、ハーッラ殉教者旅団、特殊任務旅団、南部の嵐旅団、第99歩兵師団。
AFP, April 16, 2016、AP, April 16, 2016、ARA News, April 16, 2016、Champress, April 16, 2016、al-Hayat, April 17, 2016、Iraqi News, April 16, 2016、Kull-na Shuraka’, April 16, 2016、April 17, 2016、al-Mada Press, April 16, 2016、Naharnet, April 16, 2016、NNA, April 16, 2016、Reuters, April 16, 2016、SANA, April 16, 2016、UPI, April 16, 2016などをもとに作成。
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アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動の政治部門は、アレッポ市一帯での戦闘激化を受けて声明を出し、リヤド最高交渉委員会からの脱会を発表した。
声明でシャーム自由人イスラーム運動は、ジュネーブ3会議が否定的な結果しかもたらしておらず、シリア政府の政策を優位に導き、またリヤド最高交渉委員会が明確な意思決定のしくみを持たず、透明性を欠いていたために、同委員会と現場の間で亀裂を深めたと批判した。
また、シリア軍、イラン、そしてロシア軍が体系的に停戦に違反していると主張する一方、「体制打倒」という革命における基本要求を譲歩する権利は誰にもないとし、「シリアにおける問題解決は依然として「軍事的・政治的」なものであり、両者を分かつことは大きな誤りだ」と強調、すべての反体制武装集団に「革命からの逸脱」を回避するための連帯を呼びかけた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は、アレッポ市一帯での戦闘激化を受けて声明を出し、ジュネーブ合意(2012年)に基づく政治移行を改めて要求、ジュネーブ3会議において移行期統治機関の設置に矛盾する計画が提示された場合、リヤド最高交渉委員会への参加中止などを含む対抗措置を検討する、と発表した。
AFP, April 16, 2016、AP, April 16, 2016、ARA News, April 16, 2016、Champress, April 16, 2016、al-Hayat, April 17, 2016、Iraqi News, April 16, 2016、Kull-na Shuraka’, April 16, 2016、April 17, 2016、al-Mada Press, April 16, 2016、Naharnet, April 16, 2016、NNA, April 16, 2016、Reuters, April 16, 2016、SANA, April 16, 2016、UPI, April 16, 2016などをもとに作成。
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