米中央軍(CENTCOM)は、4月17日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して20回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は3回で、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。
CENTCOM, April 18, 2016などをもとに作成。
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Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がアレッポ市西部のシリア政府支配地域(ハーリディーヤ地区、アアザミーヤ地区)を砲撃し、5人が死亡、20人が負傷した。
これに対して、シリア軍はサイフ・ダウラ地区を地対地ミサイルで攻撃するとともに、アレッポ市南部郊外のアイス村一帯を空爆した。
またアレッポ市西部のザフラー協会地区、サラーフッディーン地区では、シリア軍と反体制武装集団が交戦した。
一方、アレッポ県では、SANA(4月17日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市サラーフッディーン地区、ハムダーニーヤ地区、サイフ・ダウラ地区、アクラミーヤ地区、シャイフ・マクスード地区、を砲撃し、住民10人が死亡、またワディーヒー村では、反体制武装集団による狙撃で住民1人が死亡した。
また、シリア軍は、県北部のスーラーン・アアザーズ町、ウワイジャ地区、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、アレッポ市シュカイイフ地区で反体制武装集団と交戦した。
他方、ARA News(4月17日付)によると、反体制武装集団によるシャイフ・マクスード地区への砲撃によって、聖マリア教会の一部が破壊された。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がカスタン村、フライカ村各所を空爆し、3人が死亡した。
ARA News(4月17日付)によると、シリア軍によるカスタン村空爆で女性3人が死亡したという。
一方、SANA(4月17日付)によると、反体制武装集団がカファルヤー町、フーア市をロケット弾で攻撃し、1人が死亡、4人が負傷した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマンスーラ村および同村郊外の穀物サイロを砲撃した。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がティールマアッラ村、タルビーサ市、ザアフラーナ村を「樽爆弾」で空爆、またハウラ地方、ウンム・シャルシューフ村一帯で反体制武装集団と交戦した。
一方、シリア中部および北部で活動する反体制武装集団8組織が共同声明を出し、「シャームの稲妻師団」として完全統合すると発表した。
共同声明を出したのは、戦争の獅子旅団、ヒムスの兵旅団、ムーサー・ブン・ヌサイル旅団、アンサール・シャリーア旅団、ダーラ・イッザ・ムジャーヒディーン旅団、アーディヤート旅団、サイフッラー・マスルール旅団、機械化ミサイル大隊。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、国連とシリア赤新月社の支援チームがアイン・タルマー村、カフルバトナー町、ジスリーン町に貨物車輌52台分の人道支援物資を搬入した。
一方、マルジュ・スルターン村一帯では、シリア軍がナシャービーヤ町、ハザルマー丘、バーラー村などで反体制武装集団と交戦した。
アレッポ県では、ARA News(4月17日付)によると、有志連合が県北部(カフルガーン村一帯)でダーイシュ(イスラーム国)と戦闘を続けるハワール・キリス作戦司令室を空爆で航空支援した。
AFP, April 17, 2016、AP, April 17, 2016、ARA News, April 17, 2016、Champress, April 17, 2016、al-Hayat, April 18, 2016、Iraqi News, April 17, 2016、Kull-na Shuraka’, April 17, 2016、al-Mada Press, April 17, 2016、Naharnet, April 17, 2016、NNA, April 17, 2016、Reuters, April 17, 2016、SANA, April 17, 2016、UPI, April 17, 2016などをもとに作成。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、有志連合と思われる戦闘機がダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区を空爆し、女性1人、子供2人を含む13人が死亡した。
またブーカマール市でも、有志連合と思われる戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して空爆を行った。
なお、クッルナー・シュラカー(4月17日付)は、ダイル・ザウル市各所への空爆がロシア軍によるもので、民間人12人が死亡したと伝えた。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるマスカナ市を空爆した。
一方、SANA(4月17日付)によると、シリア軍が県南部のハナースィル市、アトシャーナ村、ジュッブ・アリー村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。
他方、ARA News(4月17日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)はマンビジュ市の住民に対して、トルコの携帯電話回線の使用禁止を通達するとともに、インターネット・カフェを閉鎖した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、ダーイシュ(イスラーム国)が潜伏するドゥマイル市各所を空爆した。
また東カラムーン地方(アブー・シャーマート地区)一帯では、シリア軍、人民防衛諸集団がダーイシュと交戦した。
一方、SANA(4月17日付)によると、シリア軍が人民防衛諸組織とともに県北東部のアブー・シャーマート地区でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ヨルダン、イラクに至る国際幹線道路交差点一帯を制圧した。
AFP, April 17, 2016、AP, April 17, 2016、ARA News, April 17, 2016、Champress, April 17, 2016、al-Hayat, April 18, 2016、Iraqi News, April 17, 2016、Kull-na Shuraka’, April 17, 2016、al-Mada Press, April 17, 2016、Naharnet, April 17, 2016、NNA, April 17, 2016、Reuters, April 17, 2016、SANA, April 17, 2016、UPI, April 17, 2016などをもとに作成。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区(パレスチナ難民キャンプ)ではダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線の戦闘が続くなか、シリア軍が同区内のサーガ市場一帯を地対地ミサイルと思われる砲弾で攻撃した。
シリア軍はまたヤルムーク区に隣接するタダームン区を砲撃した。
AFP, April 17, 2016、AP, April 17, 2016、ARA News, April 17, 2016、Champress, April 17, 2016、al-Hayat, April 18, 2016、Iraqi News, April 17, 2016、Kull-na Shuraka’, April 17, 2016、al-Mada Press, April 17, 2016、Naharnet, April 17, 2016、NNA, April 17, 2016、Reuters, April 17, 2016、SANA, April 17, 2016、UPI, April 17, 2016などをもとに作成。
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野党(クルド人政党)の国民青年公正成長党のバルウィーン・イブラーヒーム書記長は、ARA News(4月17日付)に対して、同党が投票日を迎える前に党員の立候補を取り消し、選挙をボイコットしたと述べた。
しかし、立候補取り消しとボイコットの理由については詳しく述べることはなかった。
AFP, April 17, 2016、AP, April 17, 2016、ARA News, April 17, 2016、Champress, April 17, 2016、al-Hayat, April 18, 2016、Iraqi News, April 17, 2016、Kull-na Shuraka’, April 17, 2016、al-Mada Press, April 17, 2016、Naharnet, April 17, 2016、NNA, April 17, 2016、Reuters, April 17, 2016、SANA, April 17, 2016、UPI, April 17, 2016などをもとに作成。
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リヤド最高交渉委員会のサーリム・ムスラト報道官はAFP(4月15日付)に対して「移行期統治機関において、シリア国民に対して犯罪行為を行った当事者の参加を受け入れることはできない」としつつ、「政権内の外交官やテクノクラート」との協力は可能だと述べた。
ムスラト報道官はしかし、外交官、テクノクラートの誰と協力可能かについては「時期尚早」としたうえで、移行期統治機関のポスト配分には長い議論が必要となろう」と述べた。
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リヤド最高交渉委員会のアブドゥルカリーム・バッシャール氏は、アレッポ市一帯での戦闘激化に関してAFP(4月17日付)に対して、「このような事態が続けば、我々は協議への参加を取りやめるかもしれない。なぜなら政治的な解決への見込みがないからだ」と述べた。
AFP, April 17, 2016、AP, April 17, 2016、ARA News, April 17, 2016、Champress, April 17, 2016、al-Hayat, April 18, 2016、Iraqi News, April 17, 2016、Kull-na Shuraka’, April 17, 2016、al-Mada Press, April 17, 2016、Naharnet, April 17, 2016、NNA, April 17, 2016、Reuters, April 17, 2016、SANA, April 17, 2016、UPI, April 17, 2016などをもとに作成。
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リヤド最高交渉委員会に所属するイスラーム軍のムハンマド・アッルーシュ交渉責任者は自信のツイッター・アカウントを通じて、アレッポ市一帯での戦闘激化に関して、「政権に期待するな、政権の慈悲を期待するな。頭を殴りつけろ…。我々は君たちみなと共にある。我々は革命の目標のいかなる譲歩も受け入れない。私個人は、武装部隊が合意する姿勢がどのようなものであっても支持する。自らの姿勢を合意せよ。さすれば私は君たちに奉仕する」と呼びかけた。
AFP, April 17, 2016、AP, April 17, 2016、ARA News, April 17, 2016、Champress, April 17, 2016、al-Hayat, April 18, 2016、Iraqi News, April 17, 2016、Kull-na Shuraka’, April 17, 2016、al-Mada Press, April 17, 2016、Naharnet, April 17, 2016、NNA, April 17, 2016、Reuters, April 17, 2016、SANA, April 17, 2016、UPI, April 17, 2016などをもとに作成。
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「モスクワ・リスト」と呼ばれる反体制派と「カイロ合意グループ」が会合を開き、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表との次回の会合への対応について協議した。
会合には、「モスクワ・リスト」(世俗的民主主義者代表団)の代表を務めるカドリー・ジャミール前副首相、ジハード・マクディスィー氏(元外務在外居住者省報道官)らが出席した。
『ハヤート』(4月18日付)によると、ジャミール前副首相は前回までのデミストゥラ国連共同特別代表に対して、ゴラン高原の返還、シリアの「非宗派的(アイデンティティ)」という言葉ではなく「世俗的アイデンティティ」の保障、軍再編と職業軍が完了するまでの徴兵制の継続などを求めたという。
一方、マクディスィー氏は、移行期統治機関に関して、国民以降評議会、最高司法評議会、移行政府、国民軍事評議会、最高正義委員会の5つの組織から構成されるべきだとフェイスブックで主張しているという。
AFP, April 17, 2016、AP, April 17, 2016、ARA News, April 17, 2016、Champress, April 17, 2016、al-Hayat, April 18, 2016、Iraqi News, April 17, 2016、Kull-na Shuraka’, April 17, 2016、al-Mada Press, April 17, 2016、Naharnet, April 17, 2016、NNA, April 17, 2016、Reuters, April 17, 2016、SANA, April 17, 2016、UPI, April 17, 2016などをもとに作成。
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『ハヤート』(4月17日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表がシリア政府代表団の通達を受け、リヤド最高交渉委員会に対してアサド大統領による軍事、治安、財務の3部門の副大統領の任命と、「国家支持者(現政権)、それ以外(反体制派)、無所属」からなる政府の樹立を骨子とする新提案を提示したのと並行するかたちで、米ホワイトハウスのロバート・マーレー氏とロシア大統領府のアレクサンドル・ラヴレンティエフ特使が、シリア政府と「政治的解決を受け入れる一部の反体制派」との間で「政治的取り分」を合意させるための検討を行っている、と伝えた
al-Hayat, April 17, 2016をもとに作成。
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