米軍主導の有志連合はシリア領内で4回の爆撃を実施(2016年4月13日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月13日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して21回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は4回で、フール町近郊(2回)、ラッカ市近郊(1回)、マーリア市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, April 14, 2016をもとに作成。

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ヌスラ戦線が捕捉したヒズブッラー戦闘員の映像を公開(2016年4月13日)

シャームの民のヌスラ戦線の広報部門マナーラ・バイダーの「アレッポ特派員」は、アレッポ市南部郊外アイス村一帯での戦闘で捕捉したヒズブッラー戦闘員とされる男性の証言ビデオ映像(https://www.youtube.com/watch?v=vU6OF0oNwuc&feature=youtu.be)をインターネットを通じて公開した。

ムハンマド・ヤースィーンを名乗るこの男性は、ビデオ映像のなかで、自身がレバノン南部のマジュダル・スルム村出身だと述べ、2010年にヒズブッラーに入党し、軍事教練を受けた後、ヒムス県クサイル市、ダマスカス郊外県カラムーン地方無人地帯、ラアス・マアッラ、フライタ、そしてレバノンのバアルベック県アルサール村、ラアス・バアルベック村での戦闘に参加したと証言している。

またアレッポ市南部アイス村一帯の前線には、7日前に到着、戦場での撮影が任務とし、シリア軍側には、ヒズブッラーの戦闘員のほか、イラン人、イラク人、アフガン人、イラン人の戦闘員がおり、イラン人戦闘員が指揮にあたっていたと述べている。

男性は12日に足と右肩を負傷、その後ヌスラ戦線に捕捉され、同戦線の野戦病院で治療を受けたという。

なお、このビデオ映像に関して、ヒズブッラーに近い「南部レバノン」(4月12日付)などは、ムハンマド・ヤースィーン氏が戦死したと報じていた。

Youtube, April 13, 2016
Youtube, April 13, 2016

 

AFP, April 13, 2016、AP, April 13, 2016、ARA News, April 13, 2016、Champress, April 13, 2016、al-Hayat, April 14, 2016、Iraqi News, April 13, 2016、Kull-na Shuraka’, April 13, 2016、al-Mada Press, April 13, 2016、Naharnet, April 13, 2016、NNA, April 13, 2016、Reuters, April 13, 2016、SANA, April 13, 2016、Southlebanon.org, April 13, 2016、UPI, April 13, 2016などをもとに作成。

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ジュネーブ3会議第3ラウンド開始:デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表はリヤド最高交渉委員会の代表団と会談(2016年4月13日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、スイスの首都ジュネーブで、シリア政府と反体制派の和平協議「ジュネーブ3会議」(第3ラウンド)を再開し、リヤド最高交渉委員会の代表団と会談した。

『ハヤート』(4月14日付)などによると、第3ラウンドにおいては、移行プロセス、移行期統治機関にかかる諸原則、新憲法についての協議が重点的に行われる予定だという。

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なお、『ハヤート』(4月14日付)によると、デミストゥラ国連共同代表は、12日に行われたシリア情勢に関する国連安保理の非公式会合で、「(13日に)実施される議会選挙は我々の仲介の枠外で行われる…。私は自身のこうした姿勢をシリア政府に月曜日(11日)に伝えた…。シリア政府は、現行憲法に従ってこの選挙を行う責任があると強調していた」と述べたという。

しかし、デミストゥラ国連共同特別代表はまた「シリア政府の代表者は、政治的合意がなされれば、合意された日程に基づいて別途選挙が行われねばならないということを理解している」とも付言したという。

AFP, April 13, 2016、AP, April 13, 2016、ARA News, April 13, 2016、Champress, April 13, 2016、al-Hayat, April 14, 2016、Iraqi News, April 13, 2016、Kull-na Shuraka’, April 13, 2016、al-Mada Press, April 13, 2016、Naharnet, April 13, 2016、NNA, April 13, 2016、Reuters, April 13, 2016、SANA, April 13, 2016、UPI, April 13, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市南部郊外の戦闘は小康状態に入るも、北部郊外などでは戦闘続く(2016年4月13日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市南部郊外のアイス村一帯では、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員、イラク人・イラン人戦闘員などとシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団と交戦が収束、激しい戦闘は行われなかった。

しかし、ファルス通信(4月13日付)などによると、アレッポ市南部郊外アイス村一帯での戦闘で、イラン陸軍第65旅団所属の特殊部隊のハマドッラー・バーフシャンド大尉が戦死した。

一方、ARA News(4月13日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がアレッポ市シャイフ・マクスード地区で、シャーム自由人イスラーム運動、第16師団、ファトフ旅団、「命じられるまま正しく進め」連合、第13旅団、北部師団、ヌールッディーン・ザンキー運動からなる反体制武装集団と交戦し、戦闘員11人を殲滅した。

また、アレッポ市北西部アフリーン市郊外のバーシャムラ村一帯を反体制武装集団が砲撃した。

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ハマー県では、クッルナー・シュラカー(4月13日付)によると、ロシア軍がカフルズィーター市を空爆し、「ハマー自由保健局」のハサン・ムハンマド・アアワジュ氏が死亡した。

AFP, April 13, 2016、AP, April 13, 2016、ARA News, April 13, 2016、Champress, April 13, 2016、Fars News Agency, April 13, 2013、al-Hayat, April 14, 2016、Iraqi News, April 13, 2016、Kull-na Shuraka’, April 13, 2016、al-Mada Press, April 13, 2016、Naharnet, April 13, 2016、NNA, April 13, 2016、Reuters, April 13, 2016、SANA, April 13, 2016、UPI, April 13, 2016などをもとに作成。

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トルコ軍が3日連続でアレッポ県北部のダーイシュ拠点を越境砲撃(2016年4月13日)

アレッポ県では、『ハヤート』(4月14日付)によると、トルコ軍が県北部のダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して3日連続となる越境砲撃を行った。

一方、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がシャイフ・イーサー村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がタドムル市とスフナ市を結ぶ街道一帯およびバーリダ地区一帯で空爆を実施、またシャーイル・ガス採掘所、ジャッハール・ガス採掘所一帯でシリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)が、ダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団の対立が続くドゥマイル市一帯を空爆した。

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ダルアー県では、ARA News(4月14日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団が、サウジ人司令官アブー・アブドゥッラー・マダニー氏の後任として、アブー・ウサーマ・ジュムラ氏を司令官に任命した。

AFP, April 13, 2016、AP, April 13, 2016、ARA News, April 13, 2016、April 14, 2016、Champress, April 13, 2016、al-Hayat, April 14, 2016、Iraqi News, April 13, 2016、Kull-na Shuraka’, April 13, 2016、al-Mada Press, April 13, 2016、Naharnet, April 13, 2016、NNA, April 13, 2016、Reuters, April 13, 2016、SANA, April 13, 2016、UPI, April 13, 2016などをもとに作成。

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第2期人民議会選挙:フランス外務省は批判、ロシアのラヴロフ外務大臣は「当然のこと」と支持(2016年4月13日)

フランス外務省報道官は、第2期人民議会選挙に関して「実質的な選挙運動もなく、抑圧的政権の監視のもと、国際社会の監視を受けずに実施された…。選挙への参加を呼びかけられたのは、限られた地域の住民だけで、数百万におよぶ避難民、国外難民は選挙から排除された」と批判した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、アルゼンチン外相との会談後の共同記者会見で、第2期人民議会選挙について言及し、「議会選挙が今日行われている。我々はこれを当然のことと考えている。なぜなら、我々はこの選挙が現行憲法が定める制度によって保障されているからだ」と述べた。

また、シリアの移行期に関して、国連安保理決議第2254号が新憲法制定を定めていることに関しては「その前に、法律、行政の真空を作り出してはならない」と述べ、現行憲法のもとでの選挙を是認するとの立場を示した。


AFP, April 13, 2016、AP, April 13, 2016、ARA News, April 13, 2016、Champress, April 13, 2016、al-Hayat, April 14, 2016、Iraqi News, April 13, 2016、Kull-na Shuraka’, April 13, 2016、al-Mada Press, April 13, 2016、Naharnet, April 13, 2016、NNA, April 13, 2016、Reuters, April 13, 2016、SANA, April 13, 2016、UPI, April 13, 2016などをもとに作成。

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第2期人民議会選挙:シリア政府支配地域で実施(2016年4月13日)

人民議会の任期満了に伴い、シリア国内で第2期人民議会選挙(定数250人)の投票が実施された。

『ハヤート』(4月14日付)などによると、投票はシリア政府支配地域に限定され、「反体制派」支配地域では選挙は行われなかった。

投票所は、シリア政府支配地域内に約7,200カ所設けられ、その前では、シリア政府支持者が進歩国民戦線の「挙国一致リスト」の立候補者の氏名が列記された投票用紙を配布し、与党への投票を呼びかけた。

立候補届出を行った1万1,341人のうち、高等司法選挙委員会の審査を通過し、投票日前日まで選挙戦を戦った立候補者約3,500人に対する投票が行われた。

しかし、『ハヤート』などによると、投票所に足を運ぶ有権者の数は少なかったという。

また、クッルナー・シュラカー(4月15日付)は、ダルアー県ではシリア政府の支配下にあるサナマイン市、イズラア市、ダルアー市中心部において投票が実施されたもの、投票率は20%にも満たなかったと伝えた。

AFP(4月13日付)によると、シリア政府は、全人口の約60%が居住していた国土の約3分の1の地域を支配下に置いている。

一方、SANA(4月13日付)は、各県の投票所での投票の様子について報じる一方、投票の様子を撮影した写真を公開した。

そのなかには、ラタキア県に設置されたアレッポ県、イドリブ県からの避難民が投票する写真数点が含まれていたが、ダイル・ザウル県、ラッカ県の写真は公開されなかった。

SANA, April 13, 2016
SANA, April 13, 2016

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アサド大統領とアスマー・アフラス夫人は、ダマスカス県ウマウィーイーン広場のアサド図書館に設置された投票所を訪れ、第2期人民議会選挙の投票を行った。

アサド大統領は投票後、記者団に対して、「シリア国民は5年におよぶ戦争を戦っている。この戦争の最中、テロによって無実の人々が血を流し、国民アイデンティティを支える社会構造が破壊された…。テロリストを操る主人どもは、政治的な主題を掲げてこうした動きと並行して行動し、憲法に体現されている社会的構造や国民アイデンティティに打撃を与えようとしてきた」と述べた。

アサド大統領はまた、「シリア国民はこの5年間、強い意志を持ってきた。我々は、大統領選挙であれ、議会選挙であり、憲政に従った信任投票に参加しようとする国民の熱意を目にしてきた…。我々は今日も、過去数十年に実施された議会選挙のなかで空前の立候補者数などに示されている通り、すべての社会層から広範な参加がなされていることを目にしている」と付言した。

SANA, April 13, 2016
SANA, April 13, 2016

AFP, April 13, 2016、AP, April 13, 2016、ARA News, April 13, 2016、Champress, April 13, 2016、al-Hayat, April 14, 2016、Iraqi News, April 13, 2016、Kull-na Shuraka’, April 13, 2016、April 15, 2016、al-Mada Press, April 13, 2016、Naharnet, April 13, 2016、NNA, April 13, 2016、Reuters, April 13, 2016、SANA, April 13, 2016、UPI, April 13, 2016などをもとに作成。

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