米主導の有志連合はシリア領内で3回の爆撃を実施(2016年4月20日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月20日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回で、ブーカマール市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マーリア市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。


CENTCOM, April 21, 2016などをもとに作成。

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ラタキア県で活動する第一沿岸師団総司令官のイマード・タバク氏が何者かによって暗殺(2016年4月20日)

イドリブ県では、ARA News(4月21日付)によると、ラタキア県で活動する第一沿岸師団総司令官のイマード・タバク氏(アブー・ウダイ)が、ジスル・シュグール市を訪問中、何者かに襲撃され、死亡した。

『ハヤート』(4月22日付)によると、カイロ合意グループはデミストゥラ国連特別代表が提示した29からなる質問状への回答を行った。

このなかで、カイロ合意グループは、リヤド交渉最高委員会に「正統性」を付与しないよう求めるとともに、移行期統治機関の権能や実務、国家機関の維持・運営などについて集中審議するよう提案したという。

AFP, April 21, 2016、AP, April 21, 2016、ARA News, April 21, 2016、Champress, April 21, 2016、al-Hayat, April 22, 2016、Iraqi News, April 21, 2016、Kull-na Shuraka’, April 21, 2016、al-Mada Press, April 21, 2016、Naharnet, April 21, 2016、NNA, April 21, 2016、Reuters, April 21, 2016、SANA, April 21, 2016、UPI, April 21, 2016などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県ドゥマイル市内で活動していた親ダーイシュ組織がイスラーム軍などと合意し、一部は投降、一部は退去(2016年4月20日)

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(4月20日付)によると、ドゥマイル市内で活動していたダーイシュ(イスラーム国)と協力関係にあるスィッディーク大隊とリジャール・マラーミフ大隊が、同市の反体制武装集団との協議の末、投降希望者は同市の法務委員会に、停戦拒否者は市外に退去することで合意した。

これにより、戦闘員75人が投降したという。

これを受け、イスラーム軍と殉教者アフマド・アブドゥー軍団は共同声明を出し、避難住民に対して、スィッディーク大隊とリジャール・マラーミフ大隊が支配していた地域への帰宅に際しては身の安全に注意を払うよう呼びかけた。

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AFP, April 20, 2016、AP, April 20, 2016、ARA News, April 20, 2016、Champress, April 20, 2016、al-Hayat, April 21, 2016、Iraqi News, April 20, 2016、Kull-na Shuraka’, April 20, 2016、al-Mada Press, April 20, 2016、Naharnet, April 20, 2016、NNA, April 20, 2016、Reuters, April 20, 2016、SANA, April 20, 2016、UPI, April 20, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュがシリア軍との戦闘の末ダイル・ザウル市スィナーア地区を完全制圧(2016年4月20日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市内東部で、シリア軍との戦闘の末複数の街区を制圧、ダイル・ザウル航空基地に迫った。

同監視団によると、この戦闘でダーイシュはダイル・ザウル市工業地区を完全制圧したという。

シリア軍はこれに対して、工業地区とダイル・ザウル航空基地に近いハラービシュ地区とを隔てる労働者住宅地区(タフトゥーフ地区)一帯に対して空爆を実施し、ダーイシュの進軍を阻止しようとしているという。

一方、SANA(4月20日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市東部、ブガイリーヤ村、ダイル・ザウル市工業地区、ハウィーカ地区、ジュバイラ地区でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ヒムス県では、SANA(4月20日付)によると、シリア軍が「支援部隊」とともに、タドムル市郊外でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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アレッポ県では、SANA(4月20日付)によると、シリア軍がクワイリス航空基地に近いアブー・ジャッバール村でダーイシュ(イスラーム国)を攻撃した。

AFP, April 20, 2016、AP, April 20, 2016、ARA News, April 20, 2016、Champress, April 20, 2016、al-Hayat, April 21, 2016、Iraqi News, April 20, 2016、Kull-na Shuraka’, April 20, 2016、al-Mada Press, April 20, 2016、Naharnet, April 20, 2016、NNA, April 20, 2016、Reuters, April 20, 2016、SANA, April 20, 2016、UPI, April 20, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県などでシリア軍と反体制派の戦闘続く(2016年4月20日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と思われる戦闘機がアレッポ市サラーフッディーン地区を空爆し、民間人7人が死亡した。

一方、SANA(4月20日付)によると、シリア軍がアウラム・スグラー村、カフルアンマ村、ズィターン村、バヤーヌーン町でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍はまた、アレッポ市サーリヒーン地区でヌスラ戦線の拠点を攻撃した。

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ダマスカス郊外県では、ARA News(4月20日付)によると、シリア軍がナシャービーヤ町、バーラー村を空爆した。

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ヒムス県では、ARA News(4月20日付)によると、シリア軍がハウラ地方を空爆した。

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イドリブ県では、ARA News(4月20日付)によると、ロシア軍戦闘機がファトフ軍の支配下にあるアブー・ズフール航空基地を空爆した。

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ダルアー県では、SANA(4月20日付)によると、シリア軍がダルアー市マンシヤ地区に侵攻したシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

AFP, April 20, 2016、AP, April 20, 2016、ARA News, April 20, 2016、Champress, April 20, 2016、al-Hayat, April 21, 2016、Iraqi News, April 20, 2016、Kull-na Shuraka’, April 20, 2016、al-Mada Press, April 20, 2016、Naharnet, April 20, 2016、NNA, April 20, 2016、Reuters, April 20, 2016、SANA, April 20, 2016、UPI, April 20, 2016などをもとに作成。

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カーミシュリー市(ハサカ県)で西クルディスタン移行期民政局アサーイシュ隊員2人が国防隊の攻撃を受け死亡(2016年4月20日)

ハサカ県では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊高官がロイター通信(4月20日付)に明らかにしたところによると、アサーイシュの隊員2人がカーミシュリー市でシリア軍に殺害された。

殺害された2人はカーミシュリー市内をパトロール中に襲撃を受け、この2人のほかにも隊員3人が負傷したという。

この襲撃に先立ち、アサーイシュは、国防隊の司令官が乗っていた車を駐車違反で摘発していた。

AFP, April 20, 2016、AP, April 20, 2016、ARA News, April 20, 2016、Champress, April 20, 2016、al-Hayat, April 21, 2016、Iraqi News, April 20, 2016、Kull-na Shuraka’, April 20, 2016、al-Mada Press, April 20, 2016、Naharnet, April 20, 2016、NNA, April 20, 2016、Reuters, April 20, 2016、SANA, April 20, 2016、UPI, April 20, 2016などをもとに作成。

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国連の仲介により、シリア政府側とファトフ軍側がダマスカス郊外県ザバダーニー市・マダーヤー町とイドリブ県フーア市・カファルヤー町の負傷者・病院の「住民交換」を実施(2016年4月20日)

AFP(4月20日付)などによると、シリア軍の包囲下にあるザバダーニー市とマダーヤー町と、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線やシャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍の包囲下にあるイドリブ県のフーア市およびカファルヤー町の負傷者、病人の「住民交換」が開始され、双方にとどまっていた住民それぞれ約250人が避難、ザバダーニー市とマダーヤー町の住民は反体制派支配地域に、フーア市とカファルヤー町の住民はシリア政府支配地域に移送された。

ザバダーニー市とマダーヤー町は、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団が、フーア市とカファルヤー町は、シリア政府を支持する国防隊、人民諸委員会が籠城を続けている。

シリア人権監視団などによると、国連およびシリア赤新月社のチームが用意した大型バス複数台がフーア市、カファルヤー町に入り、負傷者、病院ら243人を乗せて退去、またザバダーニー市、マダーヤー町でも同様に大型バス複数台に分乗した負傷者、病人ら240人が退去した。

マナール・チャンネル(4月20日付)によると、「住民交換」の合意は20日に交わされたという。

ロイター通信(4月20日付)は、目撃者の話として、住民が退去する際、ザバダーニー市とマダーヤー町を発ったシリア赤新月社の車輌1台が何者かに狙撃されたが、死傷者はなかったという。

また、退去したザバダーニー市とマダーヤー町の負傷者、病人らは、ファトフ軍の支配下にあるイドリブ県に向かったという。

一方、フーア市とカファルヤー町を発ったバスは、ダマスカス県、ラタキア県方面に分散して向かおうとしたが、途中、反体制派によって進行を妨害され、足止めを食ったという。

Reuters, April 20, 2016
Reuters, April 20, 2016
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AFP, April 20, 2016、AP, April 20, 2016、ARA News, April 20, 2016、Champress, April 20, 2016、al-Hayat, April 21, 2016、Iraqi News, April 20, 2016、Kull-na Shuraka’, April 20, 2016、al-Mada Press, April 20, 2016Qanat al-Manar, April 20, 2016、Naharnet, April 20, 2016、NNA, April 20, 2016、Reuters, April 20, 2016、SANA, April 20, 2016、UPI, April 20, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュがアレッポ市北西部のマーリア市に迫るなか、OCHAは住民4万人が避難していることを懸念(2016年4月20日)

国連人道問題調整事務所(OCHA)は、アレッポ県北西部での戦闘激化を受け、4万人以上の住民が避難を余儀なくされていると指摘、懸念を表明した。

アレッポ県北西部のトルコ国境地帯では、ダーイシュ(イスラーム国)とハワール・キリス作戦司令室の戦闘が激化、トルコ軍が後者を越境砲撃で、また米軍(主導の有志連合)が空爆による航空支援を行っている。

OCHAによると、避難した住民の多くは、「穏健な反体制派」とアル=カーイダ系組織の拠点都市であるアアザーズ市方面に避難しているという。

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アレッポ県では、ARA News(4月20日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、「穏健な反体制派」とアル=カーイダ系組織の拠点都市の一つマーリア市一帯を激しく攻撃したが、第一連帯、シャーム軍団などがこれに応戦、これを撃退した。

AFP, April 20, 2016、AP, April 20, 2016、ARA News, April 20, 2016、Champress, April 20, 2016、al-Hayat, April 21, 2016、Iraqi News, April 20, 2016、Kull-na Shuraka’, April 20, 2016、al-Mada Press, April 20, 2016、Naharnet, April 20, 2016、NNA, April 20, 2016、Reuters, April 20, 2016、SANA, April 20, 2016、UPI, April 20, 2016などをもとに作成。

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米国務省報道官は62人の死者を出した19日のイドリブ県でのシリア軍による「虐殺」に関して、「シリア軍が行った可能性がある…停戦が依然として維持されている」と述べる(2016年4月20日)

米国務省のジョン・カービー報道官は、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線やシャーム自由人イスラーム運動からなるファトフ軍の支配下にあるイドリブ県のマアッラト・ヌウマーン市、カファルナブル市の市場に対して19日に行われた空爆に関して、「シリア軍が行った可能性がある」と述べた。

そのうえで「我々は停戦が依然として維持されていると考えている」と付言した。

フランス外務省報道官も、この空爆に関して、シリア軍による「無謀な攻撃」だと非難し、シリア軍による停戦違反への懸念を表明した。

なお19日の両市への空爆による犠牲者はその後も増加し、シリア人権監視団によると、死者数は62人(うち子供5人、女性5人)に上っているという。

AFP, April 20, 2016、AP, April 20, 2016、ARA News, April 20, 2016、Champress, April 20, 2016、al-Hayat, April 21, 2016、Iraqi News, April 20, 2016、Kull-na Shuraka’, April 20, 2016、al-Mada Press, April 20, 2016、Naharnet, April 20, 2016、NNA, April 20, 2016、Reuters, April 20, 2016、SANA, April 20, 2016、UPI, April 20, 2016などをもとに作成。

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イラン軍のサーレヒー司令官はイラン軍がシリア領内に派遣されていることを認める(2016年4月20日)

イラン軍のアターッラー・サーレヒー司令官は、イラン軍の兵員がシリア領内に派遣されていることを認めた。

イラン軍が国外で活動を行うのは、1979年のイラク・イスラーム革命以降初めて。

サーレヒー司令官は「一部有志が関連組織の指揮のもとシリアに派遣された。また第65旅団の兵員の一部がそのなかに含まれることになろう…。イラン軍はシリアに対して行われる軍事関係の提言に責任を負ってはない」と述べた。

タスニーム通信(4月19日付)が伝えた。

AFP, April 20, 2016、AP, April 20, 2016、ARA News, April 20, 2016、Champress, April 20, 2016、al-Hayat, April 21, 2016、Iraqi News, April 20, 2016、Kull-na Shuraka’, April 20, 2016、al-Mada Press, April 20, 2016、Naharnet, April 20, 2016、NNA, April 20, 2016、Reuters, April 20, 2016、SANA, April 20, 2016、Tasnim News, April 20, 2016、UPI, April 20, 2016などをもとに作成。

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ロシアはリヤド最高交渉委員会によるジュネーブ3会議への参加中止を強く非難、米、フランス、トルコもこれに事実上同調(2016年4月20日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワでフランスのジャン=マルク・エロー外務大臣と会談し、シリア情勢などについて意見を交わした。

ラブロフ外務大臣は会談後の記者会見で「交渉は中止されていない。リヤド最高交渉委員会が離れても、シリア政府代表団、モスクワ、カイロ、アスタナに会したグループの各代表団、そしてフマイミーム・グループが交渉に参加している」と述べ、リヤド最高交渉委員会の参加ボイコットを非難した。

エロー外務大臣も「この和平プロセスを救済するためできるすべてのことをする」と述べた。

なお、『ハヤート』(4月21日付)によると、米国も、リヤド最高交渉委員会のボイコットに理解を示しつつも、協議を継続する意向を示しており、トルコ政府もリヤド最高交渉委員会にジュネーブ3会議から離脱しないよう求めているという。

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ロシア外務省は声明を出し、ジュネーブ3会議への参加中止を決定したリヤド最高交渉委員会の姿勢に関して、「ジュネーブの会合は合意に至るためのワークショップであるべきで、国際社会にかかわる事柄を恐喝したり、それに罠を仕掛けたりするためのオリエント・バザーではない。同委員会は、警鐘を鳴らすような行為をしているが、これによって実際には自分たちが具体的で現実的な提案を持っていないことを隠しそうとしているようだ」と批判した。

AFP, April 20, 2016、AP, April 20, 2016、ARA News, April 20, 2016、Champress, April 20, 2016、al-Hayat, April 21, 2016、Iraqi News, April 20, 2016、Kull-na Shuraka’, April 20, 2016、al-Mada Press, April 20, 2016、Naharnet, April 20, 2016、NNA, April 20, 2016、Reuters, April 20, 2016、SANA, April 20, 2016、UPI, April 20, 2016などをもとに作成。

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シリア政府代表団長のジャアファリー国連シリア代表「政治解決とは挙国一致内閣、憲法、国会選挙であり、これ以外のことを考えている者は夢想家だ」(2016年4月20日)

ジュネーブ3会議に参加しているシリア政府代表団は、スイスの首都ジュネーブにある国連本部を訪れ、ラムズィー・イッズッディーン・シリア問題担当国連特別副代表と会談した。

会談後の記者会見で、シリア政府代表団を率いるバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は、「ゴラン高原は永遠にイスラエルのもの」とのベンヤミン・ネタニヤフ首相の発言(17日)を改めて非難、イッズッディーン国連特別副代表に対して、この発言への対応を安保理で審議するよう求めたことを明らかにした。

またジュネーブ3会議に関しては、リヤド最高交渉委員会のボイコット後も反体制派との協議を継続する意思を伝えるとともに、「政治解決とは(現行憲法のもとでの)拡大国民政府(挙国一致内閣)、憲法、国会選挙であり、これ以外のことを考えているいかなるグループも夢想家であり、ジュネーブの対話を反故にし、時間を無駄にするだけだ」と強調した。

SANA(4月20日付)が伝えた。

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リヤド最高交渉委員会に参加する民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、ジュネーブ3会議の協議への参加中止を決定したと発表した。

AFP, April 20, 2016、AP, April 20, 2016、ARA News, April 20, 2016、Champress, April 20, 2016、al-Hayat, April 21, 2016、Iraqi News, April 20, 2016、Kull-na Shuraka’, April 20, 2016、al-Mada Press, April 20, 2016、Naharnet, April 20, 2016、NNA, April 20, 2016、Reuters, April 20, 2016、SANA, April 20, 2016、UPI, April 20, 2016などをもとに作成。

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