米軍主導の有志連合はシリア領内で4回の爆撃を実施(2016年4月23日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月23日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して28回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は4回で、マンビジュ市近郊(2回)、マーリア市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, April 24, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュはトルコ軍の越境砲撃支援を受けるハワール・キリス作戦司令室との交戦の末、トルコ国境の3カ村を制圧(2016年4月23日)

アレッポ県では、ARA New(4月23日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、トルコ軍の越境砲撃による支援を受けるハワール・キリス作戦司令室と交戦し、トルコ国境に近いカフルガーン村、タッル・フサイン村、バラーギーダ村を制圧した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サフム・ジャウラーン・ダム一帯、アイン・ズィクル村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団とシャームの民のヌスラ戦線が交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市東方のハイル油田、アラーク油田、バーリダ地区でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

AFP, April 23, 2016、AP, April 23, 2016、ARA News, April 23, 2016、Champress, April 23, 2016、al-Hayat, April 24, 2016、Iraqi News, April 23, 2016、Kull-na Shuraka’, April 23, 2016、al-Mada Press, April 23, 2016、Naharnet, April 23, 2016、NNA, April 23, 2016、Reuters, April 23, 2016、SANA, April 23, 2016、UPI, April 23, 2016などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県、アレッポ市一帯でシリア軍と、「穏健な反体制派」とアル=カーイダ系を含むイスラーム過激派の連合体との戦闘が激化、多くの住民が巻き添えとなり死傷(2016年4月23日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、東グータ地方における反体制武装集団の拠点であるドゥーマー市をシリア軍が砲撃し、子供2人を含む13人が死亡、22人が負傷した。

シリア軍と反体制武装集団は東グータ地方各所で交戦し、ジハード主義武装集団戦闘員1人が死亡したという。

一方、反体制武装集団もハラスター市近郊のダーヒヤト・アサド町を砲撃し、砲弾複数発が着弾した。

他方、SANA(4月23日付)によると、反体制武装集団がワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプを砲撃し、子供1人が死亡、女性1人が負傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、アッシュ・ウルール地区に迫撃砲弾2発が着弾した。

一方、SANA(4月23日付)によると、反体制武装集団がサーリヒーヤ区、アダウィー地区を砲撃し、迫撃砲弾複数発が着弾した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がハイヤーン町、アターリブ市、カフルナーハー村を空爆し、女性2人が死亡、20人近くが負傷した。

またシリア政府支配下のアレッポ市ハーリディーヤ地区、ナイル通り地区などに、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾多数が着弾した。

ARA New(4月23日付)によると、シリア政府支配地域を砲撃したのはシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、アジュナード・シャーム・イスラーム連合などからなる反体制武装集団。

さらに、ARA News(4月23日付)によると、シリア軍はまたアレッポ市バーブ街道地区に対して空爆を実施したという。

一方、ARA New(4月23日付)によると、シリア軍がアレッポ市南部郊外のアイス村一帯で、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団と交戦した。

他方、SANA(4月23日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団がアレッポ市内ナイル通り地区、ムーカンムブー地区、イザーア地区、アシュラフィーヤ地区、ハーリディーヤ地区、ハムダーニーヤ地区、マシャーリカ地区、ザフラー地区、サビール地区、ダーヒヤト・アサド地区(いずれもシリア政府支配地域)を砲撃し、4人が死亡、56人が負傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市一帯でシリア軍と反体制武装集団が交戦し、後者の戦闘員2人が死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がウカイリバート町、サルマーニーヤ村一帯、カルクール村一帯を空爆した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、航空機(所属明示せず、クッルナー・シュラカー(4月23日付)によるとロシア軍)が、ファトフ軍に所属するジハード主義武装集団の包囲を受けるフーア市、カファルヤー町に支援物資をパラシュートで投下した。

一方、クッルナー・シュラカー(4月23日付)によると、ビンニシュ市でシャーム自由人イスラーム運動の本部近くで何者かが自爆し、幹部の一人イスラーム・アブー・フサイン氏を含むメンバー4人が死亡した。

Kull-na Shuraka', April 23, 2016
Kull-na Shuraka’, April 23, 2016

 

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、4月22日に9件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は422件。

AFP, April 23, 2016、AP, April 23, 2016、ARA News, April 23, 2016、Champress, April 23, 2016、al-Hayat, April 24, 2016、Iraqi News, April 23, 2016、Kull-na Shuraka’, April 23, 2016、al-Mada Press, April 23, 2016、Naharnet, April 23, 2016、NNA, April 23, 2016、Reuters, April 23, 2016、SANA, April 23, 2016、UPI, April 23, 2016などをもとに作成。

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シリア政府高官と西クルディスタン移行期民政局高官がカーミシュリー市での停戦に向けて協議を重ねるなか、ハサカ市で散発的戦闘発生、またシリア軍はアレッポ市シャイフ・マクスード地区を爆撃(2016年4月23日)

ハサカ県では、『ハヤート』(4月24日付)によると、カーミシュリー市にあるカーミシュリー国際空港(シリア政府支配下)で、シリア政府高官と西クルディスタン移行期民政局の高官が前日に引き続き、市内での戦闘停止に関する協議を行った。

一方、クッルナー・シュラカー(4月23日付)によると、ハサカ市内にある西クルディスタン移行期民政局アサーイシュのウムラーン機構検問所近くでアサーイシュと国防隊が散発的に戦闘を行った。

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アレッポ県では、ARA News(4月23日付)によると、シリア軍は西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアレッポ市シャイフ・マクスード地区を「樽爆弾」て空爆し、10人が負傷した。

AFP, April 23, 2016、AP, April 23, 2016、ARA News, April 23, 2016、Champress, April 23, 2016、al-Hayat, April 24, 2016、Iraqi News, April 23, 2016、Kull-na Shuraka’, April 23, 2016、al-Mada Press, April 23, 2016、Naharnet, April 23, 2016、NNA, April 23, 2016、Reuters, April 23, 2016、SANA, April 23, 2016、UPI, April 23, 2016などをもとに作成。

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「穏健な反体制派」とアル=カーイダ系を含むイスラーム過激派は、シリア政府とその同盟者に対して24時間以内の攻撃停止を最後通告(2016年4月23日)

アレッポ・ファトフ軍作戦司令室はSNSを通じて声明を出し、シリア政府およびその同盟者に対して、4月23日までに戦闘を停止するよう最後通告を発するとともに、国際社会に対してシリア軍による犯罪を抑止するよう呼びかけた。

アレッポ・ファトフ軍作戦司令室は、ヌールッディーン・ザンキー運動、ムジャーヒディーン軍、スンナ軍、アブー・アマーラ大隊、第101師団、第16師団、第13師団、ファトフ旅団、スルターン・ムラード旅団、フルサーン・ハック旅団、山地の鷹旅団、ハック旅団、フルカーン旅団、イスラーム軍、シャーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動、シャーム軍団、シャーム革命家大隊、バヤーリク・イスラーム運動、「命じられるまま正しく進め」連合、カリフの曉大隊からなる「穏健な反体制派」、アル=カーイダ系組織、ジハード主義組織の連合体。

Kull-na Shuraka', April 23, 2016
Kull-na Shuraka’, April 23, 2016

AFP, April 23, 2016、AP, April 23, 2016、ARA News, April 23, 2016、Champress, April 23, 2016、al-Hayat, April 24, 2016、Iraqi News, April 23, 2016、Kull-na Shuraka’, April 23, 2016、al-Mada Press, April 23, 2016、Naharnet, April 23, 2016、NNA, April 23, 2016、Reuters, April 23, 2016、SANA, April 23, 2016、UPI, April 23, 2016などをもとに作成。

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ダマスカス旧市街での電気火災に関して、「活動家」はイラン人の不動産買収に利すると批判(2016年4月23日)

ダマスカス県では、『ハヤート』(4月24日付)などによると、旧市街のアスルーニーヤ地区で大規模火災が発生した。

消火作業にあたった消防隊高官によると、火災はアスルーニーヤ地区内の市場にある店舗から午前6時頃出火、周辺の商店、倉庫約50店舗に燃え広がった。

SANA(4月23日付)は、ダマスカス県消防署のジハード・ムーサー署長の話として、出火原因は電気の接触不良によるだったと伝えた。

出火元となった商店の店主は頭や手に大やけどを負い、病院に搬送された。

しかし、ダマスカス出身の活動家を名乗る人物が、クッルナー・シュラカー(4月23日付)に対して、この火災でもっとも得をするのはイラン人だとしたうえで、ダマスカス旧市街にあるサイイダ・ルカイヤ地区一帯の商店を買収しようとするイラン人に反対してきた住民らが、火災で被害を受けた物件を安値で売却することを迫られていると主張した。

ただし、火災が発生した現場はサイイア・ルカイヤ地区からは300メートルほど離れている。

al-Hayat, April 24, 2016
al-Hayat, April 24, 2016

 

AFP, April 23, 2016、AP, April 23, 2016、ARA News, April 23, 2016、Champress, April 23, 2016、al-Hayat, April 24, 2016、Iraqi News, April 23, 2016、Kull-na Shuraka’, April 23, 2016、al-Mada Press, April 23, 2016、Naharnet, April 23, 2016、NNA, April 23, 2016、Reuters, April 23, 2016、SANA, April 23, 2016、UPI, April 23, 2016などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表も停戦が「深刻な危機」に瀕していると警鐘、紛争での死者数が40人に達しようとしていると指摘(2016年4月23日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、ジュネーブの国連本部で記者会見を開き、ジュネーブ3会議第3ラウンドの協議を4月27日まで継続すると発表する一方、シリア国内でのシリア軍と反体制派の戦闘激化によって、2月27日に発効した停戦合意が「深刻な危機」に瀕していると警鐘を鳴らし、米・ロシアが主導する国際シリア支援グループ(ISSG)17カ国に対して、緊急閣僚会議を開催するよう要請した。

デミストゥラ国連特別代表はまた、シリアでの紛争による死者数が国連の推計で40万人に達しようとしていることを明らかにした。

デミストゥラ国連特別代表はまた、シリア国内で15の地域がシリア軍によって、また3地域が、「反体制派」ないしはダーイシュ(イスラーム国)の包囲を受け、孤立していると付言した。

なお、シリアでの紛争の死者数は、シリア人権監視団が2月23日に27万人強と発表する一方、シリア政策研究センター(SCPR)が2016年2月に公表した報告書では、2015年末の段階で47万人に達したと発表している。

デミストゥラ国連特別代表はこの日、シリア政府代表団およびシリア国内で活動する反体制派・野党の使節団と会談した。

AFP, April 23, 2016、AP, April 23, 2016、ARA News, April 23, 2016、Champress, April 23, 2016、al-Hayat, April 24, 2016、Iraqi News, April 23, 2016、Kull-na Shuraka’, April 23, 2016、April 24, 2016、al-Mada Press, April 23, 2016、Naharnet, April 23, 2016、NNA, April 23, 2016、Reuters, April 23, 2016、SANA, April 23, 2016、UPI, April 23, 2016などをもとに作成。

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オバマ米大統領はシリア国内での停戦崩壊の危機に懸念を表明(2016年4月23日)

バラク・オバマ大統領は訪問先の英国ロンドンで、デヴィッド・キャメロン英国首相と会談後、記者会見を開き、シリア情勢に関して「停戦が持ちこたえるか…大いに懸念している…。敵対行為停止合意が崩壊すれば、良いオプションなどない」と述べた。

AFP, April 23, 2016、AP, April 23, 2016、ARA News, April 23, 2016、Champress, April 23, 2016、al-Hayat, April 24, 2016、Iraqi News, April 23, 2016、Kull-na Shuraka’, April 23, 2016、al-Mada Press, April 23, 2016、Naharnet, April 23, 2016、NNA, April 23, 2016、Reuters, April 23, 2016、SANA, April 23, 2016、UPI, April 23, 2016などをもとに作成。

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ドイツのメルケル首相がトルコ南部のガジアンテップ市を訪問、シリア国境に近い難民キャンプなどを視察(2016年4月23日)

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は23日、EUのドナルド・トゥスク欧州理事会常任議長とともにトルコのガジアンテップ市郊外ニズィップ村にあるシリア人難民キャンプなどを視察訪問していた。

AFP, April 23, 2016、AP, April 23, 2016、ARA News, April 23, 2016、Champress, April 23, 2016、al-Hayat, April 24, 2016、Iraqi News, April 23, 2016、Kull-na Shuraka’, April 23, 2016、al-Mada Press, April 23, 2016、Naharnet, April 23, 2016、NNA, April 23, 2016、Reuters, April 23, 2016、SANA, April 23, 2016、UPI, April 23, 2016などをもとに作成。

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トルコのエルドアン政権とシリアのアサド政権はアルジェリアを介して「ロジャヴァ・北シリア民主連邦」への対応を協議か?(2016年4月23日)

リビアの日刊紙『ワサト』(4月23日付)は、アルジェリアの複数の外交筋の話として、アルジェリア政府が、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の要請を受け、トルコ政府とシリア政府を仲介し、両国が「クルド・ファイル」、とりわけ西クルディスタン移行期民政局の主導のもとに樹立宣言が出された「ロジャヴァ・北シリア民主連邦」への対応について再検討を行っている、と伝えた。

同消息筋によると、アルジェリア政府は、シリア・トルコ間の外交チャンネルを仲介しているという。

AFP, April 23, 2016、AP, April 23, 2016、ARA News, April 23, 2016、Champress, April 23, 2016、al-Hayat, April 24, 2016、Iraqi News, April 23, 2016、Kull-na Shuraka’, April 23, 2016、al-Mada Press, April 23, 2016、Naharnet, April 23, 2016、NNA, April 23, 2016、Reuters, April 23, 2016、SANA, April 23, 2016、UPI, April 23, 2016、al-Wasat, April 23, 2016などをもとに作成。

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