米主導の有志連合はシリア領内で8回の爆撃を実施(2016年4月7日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月7日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して26回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は8回で、フール町近郊(1回)、マーリア市近郊(7回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, April 8, 2016などをもとに作成。

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シリア民主評議会は「ロジャヴァ・北シリア民主連邦制」樹立宣言の法制化をめざすことを承認(2016年4月7日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会の政治委員会は、ハサカ県カーミシュリー市で第2回定例会合を開き、「ロジャヴァ・北シリア民主連邦」樹立宣言を、シリアの危機解決に向けた解決策のモデルと位置づけ、その法制化をめざすことを承認した。

クッルナー・シュラカー(4月8日付)が伝えた。

なお、クッルナー・シュラカーによると、第2回定例会合に先立って、ハイサム・マンナーア共同代表が率いるカムフ潮流およびアラブ人(部族)諸勢力がシリア民主評議会を脱会した。

AFP, April 8, 2016、AP, April 8, 2016、ARA News, April 8, 2016、Champress, April 8, 2016、al-Hayat, April 9, 2016、Iraqi News, April 8, 2016、Kull-na Shuraka’, April 8, 2016、al-Mada Press, April 8, 2016、Naharnet, April 8, 2016、NNA, April 8, 2016、Reuters, April 8, 2016、SANA, April 8, 2016、UPI, April 8, 2016などをもとに作成。

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トルコの越境砲撃支援を受ける「穏健な反体制派」とアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動はアレッポ県北西部のダーイシュの戦略拠点を制圧(2016年4月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャーム軍団、スルターン・ムラード旅団などからなるハワール・キリス作戦司令室が、トルコの越境砲撃支援を受け、県北西部のダーイシュ(イスラーム国)の戦略拠点の一つラーイー村でダーイシュと激しく交戦し、同地を掌握した。

ARA News(4月7日付)によると、ラーイー村奪還作戦には、ハワール・キリス作戦司令室に加えて、シャーム自由人イスラーム運動も戦闘に参加したという。

ダーイシュの広報部門のアアマーク通信によると、トルコ軍による越境砲撃により、迫撃砲弾45発がラーイー村に撃ち込まれたという。

またDHA(4月7日付)によると、ダーイシュもトルコ軍の越境砲撃に応戦し、トルコ領内のキリス市に迫撃砲弾2発が着弾、住民3人が負傷した。

ラーイー村は、アレッポ県内におけるダーイシュ支配下の主要都市の一つバーブ市とトルコ領を結ぶ兵站戦場に位置する戦略拠点で、SNN(4月7日付)によると、ダーイシュは、ハワール・キリス作戦司令室の攻勢が激化した数日前に、同村の医療機器などのバーブ市への撤収を開始していたという。

また戦闘激化を受け、ラーイー村一帯の住民数百人が、シャームの民のヌスラ戦線などのアル=カーイダ系組織と「穏健な反体制派」の拠点都市であるアアザーズ市方面やトルコ領内に向けて避難した。

Kull-na Shuraka', April 7, 2016
Kull-na Shuraka’, April 7, 2016

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、有志連合がユーフラテス川に面するトルコ国境の町ジャラーブルス市のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、ダーイシュ・メンバー13人が死亡した。

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ジョン・バス駐トルコ米大使は記者団に対し、トルコ政府との協力のもとに行っている「穏健な反体制派」への支援によって、アレッポ県北西部のトルコ国境地帯からのダーイシュ(イスラーム国)の掃討に成功したと述べた。

バス大使は「我々は、過去数週間で大きな進展を実現し、「穏健な反体制派」はダーイシュを国境地帯で東方に遠ざけることに成功した…。トルコの軍関係者および政府と、これらの反体制派への支援強化を支援する手段について協議を継続している」と述べた。

バス大使はまた、英国が西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊には武器弾薬を供与していないと付言した。

AFP(4月7日付)が伝えた。


AFP, April 7, 2016、AP, April 7, 2016、ARA News, April 7, 2016、Champress, April 7, 2016、DHA, April 7, 2016、al-Hayat, April 8, 2016、Iraqi News, April 7, 2016、Kull-na Shuraka’, April 7, 2016、al-Mada Press, April 7, 2016、Naharnet, April 7, 2016、NNA, April 7, 2016、Reuters, April 7, 2016、SANA, April 7, 2016、SNN, April 7, 2016、UPI, April 7, 2016などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県ドゥマイル市近郊でシリア軍とダーイシュの戦闘続く(2016年4月7日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ドゥマイル市近郊のウタイバ村およびティシュリーン発電所一帯で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が6日に引き続き激しく交戦した。

2日の戦闘で、シリア軍将兵20人(准将1人を含む)とダーイシュ・メンバー35人が死亡したという。

一方、シリア・アラブ・テレビ(4月7日付)は、同県北東部で労働者300人がダーイシュに拉致されたと伝えた。

AFP(4月7日付)によると、拉致されたのはセメント工場の従業員250人で、4月4日から連絡が途絶えているという。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊が、タドムル市・スフナ市間の街道でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(4月7日付)によると、シリア軍がタドムル市東部郊外および北部郊外一帯、スフナ市南部郊外一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、SNN(4月7日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル航空基地一帯、ダイル・ザウル市工業地区で、ダーイシュ(イスラーム国)に奪われた拠点を奪還に向けて、反転攻勢を本格化した。

一方、SANA(4月7日付)によると、シリア軍がマリーイーヤ村、ジャフラ村でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

シリア軍はまた、フサイニーヤ町・ブガイリーヤ村間でダーイシュと交戦し、車輌を破壊した。

また、クッルナー・シュラカー(4月8日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)支配下のマヤーディーン市で、何者かが宗教警察(ヒスバ)の司令官(アミール)を誘拐したのちに絞殺、遺体が市内の交差点で発見された。

遺体で発見されたのはチュニジア人のアブー・ザイド・トゥーニスィー氏。

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ラッカ県では、SANA(4月7日付)によると、シリア軍がラッカ市南部のタブカ航空基地のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

AFP, April 7, 2016、AP, April 7, 2016、ARA News, April 7, 2016、Champress, April 7, 2016、al-Hayat, April 8, 2016、Iraqi News, April 7, 2016、Kull-na Shuraka’, April 7, 2016、April 8, 2016、al-Mada Press, April 7, 2016、Naharnet, April 7, 2016、NNA, April 7, 2016、Reuters, April 7, 2016、SANA, April 7, 2016、SNN, April 7, 2016、UPI, April 7, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市シャイフ・マクスード地区に反体制派が砲撃、シリア軍はアレッポ市東部閉塞に向けて爆撃実施(2016年4月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団がアレッポ市シャイフ・マクスード地区(西クルディスタン移行期民政局支配地域)を砲撃し、4人が負傷した。

また、SANA(4月7日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区を反体制武装集団が砲撃し、2人が死亡し、9人が負傷した。

反体制武装集団はまた、スィルヤーン地区に対しても砲撃を行い、7人が負傷した。

一方、クッルナー・シュラカー(4月7日付)によると、シリア軍は、アレッポ市東部の反体制武装集団支配地域包囲に向け、アレッポ市シャイフ・マクスード地区に近いサカン・シャバービー地区、カースティールー街道地区一帯、シャイフ・マクスード地区を空爆し、2人が死亡した。

他方、ドゥラル・シャーミーヤ(4月7日付)によると、イラン人およびイラク人からなる民兵が、アレッポ市南部郊外のアイス村の奪還に向け、同地一帯でシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、第13師団などからなる反体制武装集団と交戦し、ロシア軍が前者を空爆によって航空支援した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、4月6日に4件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はラタキア県が2件、ヒムス県が1件、ハマー県が1県。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は364件。

AFP, April 7, 2016、AP, April 7, 2016、ARA News, April 7, 2016、Champress, April 7, 2016、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2016、al-Hayat, April 8, 2016、Iraqi News, April 7, 2016、Kull-na Shuraka’, April 7, 2016、al-Mada Press, April 7, 2016、Naharnet, April 7, 2016、NNA, April 7, 2016、Reuters, April 7, 2016、SANA, April 7, 2016、UPI, April 7, 2016などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織と「穏健な反体制派」の連合勢力が、ダーイシュ系武装集団との戦闘の末ダルアー県サフム・ジャウラーン村を制圧する一方、ダーイシュはダマスカス県ヤルムーク区の検問所をヌスラ戦線から奪取(2016年4月7日)

ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(4月7日付)によると、シャーム自由人イスラーム運動、ヤルムーク軍、イスラーム軍、南部戦線などからなる反体制武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団、イスラーム・ムサンナー運動と交戦の末、サフム・ジャウラーン村を制圧した。

ARA News(4月7日付)によると、サフム・ジャウラーン村奪還には、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線も参加した。

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ダマスカス県では、ダーイシュ(イスラーム国)を名乗る武装集団がシャームの民のヌスラ戦線との戦闘の末、同戦線が掌握していたヤルムーク区(パレスチナ難民キャンプ)のウルーバ検問所を制圧した。

AFP, April 7, 2016、AP, April 7, 2016、ARA News, April 7, 2016、Champress, April 7, 2016、al-Durar al-Shamiya, April 7, 2016、al-Hayat, April 8, 2016、Iraqi News, April 7, 2016、Kull-na Shuraka’, April 7, 2016、al-Mada Press, April 7, 2016、Naharnet, April 7, 2016、NNA, April 7, 2016、Reuters, April 7, 2016、SANA, April 7, 2016、UPI, April 7, 2016などをもとに作成。

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