米中央軍(CENTCOM)は、4月9日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して25回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は1回で、ラッカ市近郊に対して攻撃が行われた。
CENTCOM, April 10, 2016などをもとに作成。
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Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
アレッポ県では、ARA News(4月9日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がスィッリーン町南部でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。
一方、SANA(4月9日付)によると、ラッカ県との県境に位置するダルブ・ハサン村でダーイシュ(イスラーム国)によると思われる爆破テロが発生し、子供6人が死亡した。
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ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(4月9日付)によると、ヤルムーク区(パレスチナ難民キャンプ)のハイファー通り一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団がダーイシュ(イスラーム国)の攻撃を受けたが、武装集団はこれを撃退した。
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ダマスカス郊外県では、ARA News(4月9日付)によると、東部獅子軍が東カラムーン地方でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、拠点複数カ所を制圧した。
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ヒムス県では、SANA(4月9日付)によると、当局がタドムル市のマアーリフ地区の民家で、タドムル国立博物館からダーイシュ(イスラーム国)によって盗まれていたとされる出土品5点を発見した。

また、シリア文化省のマアムーン・アブドゥルカリーム遺跡博物館局長によると、パルミラ遺跡から数キロの距離に位置する「三兄弟の墓」が、ダーイシュの支配の被害を受けず、保存状態も良好だと発表した。
AFP, April 9, 2016、AP, April 9, 2016、ARA News, April 9, 2016、Champress, April 9, 2016、al-Hayat, April 10, 2016、Iraqi News, April 9, 2016、Kull-na Shuraka’, April 9, 2016、al-Mada Press, April 9, 2016、Naharnet, April 9, 2016、NNA, April 9, 2016、Reuters, April 9, 2016、SANA, April 9, 2016、UPI, April 9, 2016などをもとに作成。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線、ジュンド・アクサー機構、トルキスターン・イスラーム党などからなる反体制武装集団が、ハーン・トゥーマーン村、ズィルバ村一帯で、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員、国防隊、アラブ系・アジア系民兵に対して攻勢を強め、激しく交戦、ハーン・トゥーマーン村を制圧した。
クッルナー・シュラカー(4月9日付)によると、ヌスラ戦線などからなる反体制武装集団はまた、アレッポ市南部のハーリディーヤ村も制圧した。
一方、SANA(4月9日付)によると、「アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線とつながりのある集団」によるアレッポ市および同市周辺一帯での停戦違反への報復として、シリア軍はアレッポ市南部のハーン・トゥーマーン村、アイス村、ムワイリフ村でヌスラ戦線などを反体制武装集団の拠点を攻撃した。
シリア軍はまた、アレッポ市北部のハンダラート・キャンプ一帯でヌスラ戦線などの拠点に対して特殊作戦を行い、戦闘員14人を殺害した。
またアレッポ市では、シリア軍はサカン・シャバーブ地区、バニー・ザイド地区で反体制武装集団の拠点を攻撃、破壊した。
ARA News(4月9日付)によると、シリア軍はシャイフ・マクスード地区一帯、カースティールー街道一帯にも砲撃したという。
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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(4月9日付)によると、シリア軍がラフマ村に数日前に開設された避難民キャンプを空爆し、2人が負傷、複数人が負傷した。
ARA News(4月9日付)によると、シリア軍の空爆に報復するかたちで、シャーム自由人イスラーム運動やアジュナード・シャーム・イスラーム連合などからなるジハード主義武装集団がフーア市、カファルヤー町を砲撃した。
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ダマスカス郊外県では、SANA(4月9日付)によると、東グータ地方に潜伏する「テロリスト」がハラスター市の警察病院をロケット弾で攻撃した。
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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、4月8日に4件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。
停戦違反はラタキア県、ヒムス県、ハマー県で報告された。
米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は372件。
AFP, April 9, 2016、AP, April 9, 2016、ARA News, April 9, 2016、Champress, April 9, 2016、al-Hayat, April 10, 2016、Iraqi News, April 9, 2016、Kull-na Shuraka’, April 9, 2016、al-Mada Press, April 9, 2016、Naharnet, April 9, 2016、NNA, April 9, 2016、Reuters, April 9, 2016、SANA, April 9, 2016、UPI, April 9, 2016などをもとに作成。
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トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、テレビ局のインタビューで、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がアレッポ県北東部のダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つマンビジュ市に進攻することを認めないと述べるとともに、トルクメン人(トルコ系シリア人)の反体制武装集団を全面支援する意思を示した。
チャヴシュオール外務大臣は「米国は人民防衛隊を信用できないパートナーと見ている」としたうえで、マンビジュ市一帯からダーイシュを掃討し、トルコ国境地帯に「安全地帯」を設置すべきだと改めて強調、「「穏健な反体制派」ではなく人民防衛隊がマンビジュ市に来るという案は提示され得ない」と述べた。
そのうえで「我々は、地上そして空からトルクメン人の部隊を支援する。我々にはその能力がある。こうすることで、我々はダーイシュをこの地域から浄化することを保障できる…。しかしトルコ軍、ないしは米軍のシリアへの進攻はまだ議題とはなっていない」と付言した。
ARA News(4月9日付)が伝えた。
AFP, April 9, 2016、AP, April 9, 2016、ARA News, April 9, 2016、Champress, April 9, 2016、al-Hayat, April 10, 2016、Iraqi News, April 9, 2016、Kull-na Shuraka’, April 9, 2016、al-Mada Press, April 9, 2016、Naharnet, April 9, 2016、NNA, April 9, 2016、Reuters, April 9, 2016、SANA, April 9, 2016、UPI, April 9, 2016などをもとに作成。
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ヒズブッラーの元書記長のスブヒー・トゥファイリー氏はアラビーヤ・チャンネル(4月8日付)の独占インタビューに応じ、そのなかで「ヒズブッラーは、シリアでのロシアの計画に奉仕するだけの兵士になりさがった」と痛烈に批判した。
トゥファイリー氏は、ヒズブッラーが「シリアの政権の王座を守るとミッションに失敗し、同国での戦争のなかで、ヒズブッラーはロシアのアジェンダに従属することを余儀なくされ…、占領国に奉仕するにいたった」と述べた。
また「レバノンのシーア派は、自分たちの息子をシリアでの戦闘へと駆り立てた者に怒り、侮辱、恨みを持っている…。ヒズブッラーはシリアのイスラーム教徒を殺し、宗派騒乱をもたらした…。ヒズブッラーはシーア派のダーイシュ(イスラーム国)だ」と指弾した。
トゥファイリー氏は、1989年から1991年までの2年間ヒズブッラーの(初代)書記長を務めたが、その後離党し、ヒズブッラーを厳しく批判する政治姿勢で知られるようになった。

AFP, April 9, 2016、AP, April 9, 2016、Alarabia.net, April 9, 2016、ARA News, April 9, 2016、Champress, April 9, 2016、al-Hayat, April 10, 2016、Iraqi News, April 9, 2016、Kull-na Shuraka’, April 9, 2016、al-Mada Press, April 9, 2016、Naharnet, April 9, 2016、NNA, April 9, 2016、Reuters, April 9, 2016、SANA, April 9, 2016、UPI, April 9, 2016などをもとに作成。
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シャームの民のヌスラ戦線の広報部門マナーラ・バイダーのツイッターのアカウントの一つ「アレッポ特派員」は、アレッポ市南部のアイス村でのシリア軍戦闘機撃墜に関連して、同地などで共闘するリヤド最高交渉委員会所属のアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動が地対空ミサイルを保有していると綴った。
なお、戦闘機撃墜については、イスラーム戦線がツイッターのアカウントを通じて、シャーム自由人イスラーム運動が撃墜したと綴っていたが、シャーム自由人イスラーム運動アレッポ戦線司令官のムハンマド・シャーミー氏は7日付の『シャルク・アウサト』の取材に対して、撃墜の事実を否定、「23ミリ対空砲で撃墜された」と証言していた。
AFP, April 9, 2016、AP, April 9, 2016、ARA News, April 9, 2016、Champress, April 9, 2016、al-Hayat, April 10, 2016、Iraqi News, April 9, 2016、Kull-na Shuraka’, April 9, 2016、al-Mada Press, April 9, 2016、Naharnet, April 9, 2016、NNA, April 9, 2016、Reuters, April 9, 2016、SANA, April 9, 2016、UPI, April 9, 2016などをもとに作成。
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