トルコのチャヴシュオール外務大臣「シリア国民対話大会に出席したテロリストの身柄引き渡しをロシアに要請した」(2018年2月1日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、首都アンカラで記者団に対して、「西クルディスタン移行期民政局に対する軍事作戦がシリア「侵略」の口実となってはならない」とのフランスのエマニュエル・マクロン大統領の発言を非難、「トルコに教訓を与えることができるのはフランスでもなければ、それ以外の国でもない。彼らはこの作戦の目的を熟知すべきだ…。フランスのような国が、国際法に準じて実施されている作戦にコメントすることは、侮辱だ」と反論した。

チャヴシュオール外務大臣は一方、30日に閉幕したソチでのシリア国民対話大会に、アレキサンドレッタ地方解放人民戦線の指導者アリー・カヤーリー氏(別名ミフラチュ・ウラル)氏が出席したことに関して、トルコの当局が、指名手配中の「テロリスト」である同氏の身柄引き渡しをロシア政府に要請したことを明らかにした。

AFP, February 1, 2018、ANHA, February 1, 2018、AP, February 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018、al-Hayat, February 2, 2018、Reuters, February 1, 2018、SANA, February 1, 2018、UPI, February 1, 2018などをもとに作成。

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シリア人権監視団「2018年1月にシリア国内で2,180人が死亡」(2018年2月1日)

英国で活動する反体制組織のシリア人権監視団は、2018年1月のシリア国内での犠牲者数が2,180人を記録したと発表した。

このうち607人が民間人(うち18歳未満の子供は162人、18歳以上の女性は113人)だという。

同監視団によると、犠牲者2,180人の内訳は以下の通り:

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市民の犠牲者

ロシア軍の爆撃による犠牲者:118人(うち子供48人、女性32人)
シリア軍の爆撃による犠牲者:164人(うち子供49人、女性29人)
シリア軍の砲撃・狙撃による犠牲者:119人(うち子供21人、女性17人)
シリア治安当局の拷問による犠牲者:5人
イスラーム主義武装勢力の砲撃による犠牲者:29人(うち子供4人、女性8人)
トルコ軍の越境爆撃・砲撃による犠牲者:68人(うち子供21人、女性12人)
トルコ国境警備隊の狙撃による犠牲者:3人(うち子供2人)
ダーイシュの処刑による犠牲者:7人(うち女性1人)
ハーリド・ブン・ワリード軍の砲撃による犠牲者:3人(子供2人、女性1人)
米主導の有志連合の爆撃による犠牲者:29人(うち女性11人)
爆弾が仕掛けられた車などの爆発による犠牲者:3人
シャーム解放機構の処刑による犠牲者:7人
西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍によって殺害された犠牲者:4人
死因不明の犠牲者:33人(うち子供12人、女性1人)
劣悪な衛生状況、ないしは医療不足による犠牲者:3人(子供2人、女性1人)

戦闘員の犠牲者

イスラーム主義勢力および武装勢力、シリア民主軍:658人
シリア軍:246人
人民諸委員会、国防隊、シリア人親政権戦闘員:265人
レバノンのヒズブッラー:14人
シリア人以外のシーア派外国人戦闘員:74人
身元不明:25人
ダーイシュ、シャーム解放機構(ヌスラ戦線)、ムハージリーン・ワ・アンサール軍、トルキスタン・イスラーム党などの非シリア人:291人

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シリア人権監視団はまた、2018年1月にシリア国内で33件の「虐殺」が発生し、市民324人(うち子供95人、女性72人)が犠牲になったと発表した。

「虐殺」の内訳は以下の通り:

ロシア軍、シリア軍の戦闘機による「虐殺」(爆撃):19件、犠牲者数は205人(うち子供69人、女性48人)
シリア軍(地上部隊)による「虐殺」:5件、犠牲者数は32人(うち子供5人、女性4人)
武装勢力による「虐殺」:2件、犠牲者数は18人(うち子供3人、女性3人)
有志連合による「虐殺」:2件、犠牲者数は20人(うち女性8人)
トルコ軍による「虐殺」:5件、犠牲者数は49人(うち子供18人、女性9人)

AFP, February 1, 2018、ANHA, February 1, 2018、AP, February 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018、al-Hayat, February 2, 2018、Reuters, February 1, 2018、SANA, February 1, 2018、UPI, February 1, 2018などをもとに作成。

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アスタナ会議に参加するシリア革命軍事諸勢力代表団の元報道官は、ソチでのシリア国民対話大会の成果を拒もうとする反体制派に苦言(2018年2月1日)

アスタナ3会議まで反体制武装集団の代表団(シリア革命軍事諸勢力代表団)の報道官を務めていたウサーマ・アブー・ザイド氏は、30日に閉幕したソチでのシリア国民対話大会に関して、ツイッターのアカウントを通じて、「失敗していない。最高交渉委員会はその成果を実施するために行動することになろう」と述べた。

al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018

AFP, February 1, 2018、ANHA, February 1, 2018、AP, February 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018、al-Hayat, February 2, 2018、Reuters, February 1, 2018、SANA, February 1, 2018、UPI, February 1, 2018などをもとに作成。

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ジュネーブ会議に参加する反体制派の最高交渉委員会「ソチでのシリア国民対話大会で設置合意された制憲委員会が国連の傘下に入るのであれば前向きに対処する」(2018年2月1日)

ジュネーブ会議に参加する反体制派の一つ最高交渉委員会のナスル・ハリーリー代表はトルコのイスタンブールで記者会見を開き、1月30日に閉幕したソチでのシリア国民対話大会で設置が承認された制憲委員会に関して、「我々はソチでの制憲委員会の設置を受け容れない。シリアには新憲法が必要だ」と拒否の姿勢を示した。

しかし、ハリーリー代表は、「国連安保理決議第2254号の規定に従い、国連の傘下に置かれるのであれば、制憲委員会に対して前向きに対処する」と条件付きで、制憲委員会を認める姿勢も示し、同決議に従い、シリア軍の包囲下にある居住地への攻撃停止と人道支援物資の搬入を呼びかけた。

『ハヤート』(2月2日付)などが伝えた。

al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018

AFP, February 1, 2018、ANHA, February 1, 2018、AP, February 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018、al-Hayat, February 2, 2018、Reuters, February 1, 2018、SANA, February 1, 2018、UPI, February 1, 2018などをもとに作成。

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米匿名高官「アサド政権が化学兵器使用を続ければ、米国は同政権を爆撃するだろう」(2018年2月1日)

ロイター通信(2月1日付)は、米匿名高官の話として、アサド政権が化学兵器の使用を続けた場合、米国には同政権に対して爆撃を行う意思がある、と伝えた。

同匿名高官によると、アサド政権は「昨年4月の(イドリブ県ハーン・シャイフーン市での)攻撃移行後、限定的ではあるが化学兵器の使用を続けている…。シリアでの最近の化学兵器による攻撃はアサド政権軍が新たな兵器を開発しようとしていることを示している…。シリアの化学兵器が米国の海岸に到達しないよう国際社会はアサド政権への圧力を増強すべき」と述べた。

AFP, February 1, 2018、ANHA, February 1, 2018、AP, February 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018、al-Hayat, February 2, 2018、Reuters, February 1, 2018、SANA, February 1, 2018、UPI, February 1, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はハマー県北東部の複数カ村をダーイシュから奪還(2018年2月1日)

ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月1日付)によると、シリア軍が県北東部のダーイシュ(イスラーム国)支配地域(孤立地帯)に対して攻撃を激化させ、ジュッブ・ズライク村、アウウ農場、アブー・ハナーディク村を制圧した。

AFP, February 1, 2018、ANHA, February 1, 2018、AP, February 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018、al-Hayat, February 2, 2018、Reuters, February 1, 2018、SANA, February 1, 2018、UPI, February 1, 2018などをもとに作成。

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ハウラーン自由人連合などからなる反体制武装集団はダルアー県でダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍に対する「征服者たちの戦い」作戦を開始(2018年2月1日)

ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月1日付)によると、ハウラーン自由人連合のアブー・マフムード・ハウラーニー報道官が、県南西部のヤルムーク川渓谷一帯を支配下に置くハーリド・ブン・ワリード軍(イスラーム国に忠誠を誓う組織)に対する「征服者たちの戦い」作戦を開始したと発表した。

「征服者たちの戦い」作戦に参加しているのは、ハウラーン自由人連合、革命軍、シャーム自由人イスラーム運動、砲兵連隊、ハック師団、カラーマ旅団、「土地の民」作戦司令室、「抑圧者撃退」作戦司令室。

AFP, February 1, 2018、ANHA, February 1, 2018、AP, February 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018、al-Hayat, February 2, 2018、Reuters, February 1, 2018、SANA, February 1, 2018、UPI, February 1, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はアレッポ県南部、イドリブ県南東部、ハマー県北東部でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団から複数カ村を奪還(2018年2月1日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月1日付)によると、ロシア軍戦闘機が県南部のジャズラーヤー村を爆撃し、一家7人が死亡した。

一方、SANA(2月1日付)によると、シリア軍が県南部でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対する掃討作戦を継続し、東ワスィータ村、西ワスィータ村、タウィーム村、タッル・ジーナ村、アナーナ村、タッル・ファハール村、タッル・アカーリブ村、ワースィタ村、ウンム・カラーミール村、ファハール高原、ハサン丘、西アトシャーナ丘を制圧した。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月1日付)によると、ロシア軍戦闘機がサラーキブ市を爆撃し、5人が死亡、数十人が負傷した。

また、シリア軍がアブー・ズフール航空基地(町)・サラーキブ市間の一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と激しく交戦した。

一方、SANA(2月1日付)によると、シリア軍が県南東部でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対する掃討作戦を継続し、ムシャイリファ村、トゥワイヒナ村、フサイニーヤ村、タッル・スルターン村、マスアダ村、タッル・ハーリタ村、タウィール山、カルバ丘を制圧した。

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ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月1日付)によると、ロシア・シリア両軍戦闘機がカフルズィーター市一帯を爆撃した。

一方、SANA(2月1日付)によると、シリア軍は人民防衛諸集団とともに県北東部のイッビーン村、ジュッブ・ズライク村、南アブー・ハナーディク村、アウウ農場を制圧した。

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ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月1日付)によると、アル=カーイダ系のシャーム解放機構などからなる反体制武装集団(「彼らが不正を働いた」作戦司令室)がアルバイン市前線でシリア軍と交戦した。

また、イスラーム軍もフーシュ・ダワーヒラ村でシリア軍と交戦した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤは、シリア軍がドゥーマー市を有毒ガスを装填した砲弾で攻撃したと伝えた。

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ダマスカス県ではSANA(2月1日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団がアッシュ・ウルール地区とマッザ86地区を砲撃し、民間人9人が死亡、15人が負傷した。

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フランス外務省報道官は、ロシアとイランに対して、シリア政府に圧力をかけ、イドリブ県に対する空爆の停止と人道支援物資の搬入を行うよう呼びかけた。

AFP, February 1, 2018、ANHA, February 1, 2018、AP, February 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018、al-Hayat, February 2, 2018、Reuters, February 1, 2018、SANA, February 1, 2018、UPI, February 1, 2018などをもとに作成。

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「オリーブの枝」作戦を続行するトルコ軍と反体制武装集団はブルブル町を制圧(2018年2月1日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月1日付)によると、「オリーブの枝」作戦に参加する反体制武装集団が、ブルブル町を制圧した。

また同町近郊のザアラ村、アリー・カール村、イルハーム・バースィート基地も合わせて制圧したという。

一方、SANA(2月1日付)によると、トルコ軍がアフリーン市、ハマーム村を爆撃し、民間人2人が死亡した。

また、カンディー村、マザン村、バーシャムラ村、バースーファーン村がトルコ軍の砲撃を受けた。

他方、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がトルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団の拠点を攻撃し、トルコ軍兵士6人を殺害した。

al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018

AFP, February 1, 2018、ANHA, February 1, 2018、AP, February 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018、al-Hayat, February 2, 2018、Reuters, February 1, 2018、SANA, February 1, 2018、UPI, February 1, 2018などをもとに作成。

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ロジャヴァ支配下のダイル・ザウル県東部で自治政体「ダイル・ザウル民主民政局」が発足(2018年2月1日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(2月1日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍によって制圧された県東部(ユーフラテス川左岸)地域の自治を担う「ダイル・ザウル民主民政局」がカスラート町で発足した。

また、ダイル・ザウル民主民政局発足と合わせて、議会に相当する立法評議会、政府に相当する執行評議会も発足した。

発足式には、ダイル・ザウル県東部の代表者たち350人と招待者60人強が出席した。

式では、西クルディスタン移行期民政局ジャズィーラ地区立法評議会のフクム・フッルー共同議長、同執行評議会のフサイン・アッザーム副議長、シリア民主軍のブーラート・ジャーン南部地区司令官、ダイル・ザウル軍事評議会のムンズィル・アブー・ハウラ司令官らが参列し、演説を行った。

ANHA, February 1, 2018

AFP, February 1, 2018、ANHA, February 1, 2018、AP, February 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018、al-Hayat, February 2, 2018、Reuters, February 1, 2018、SANA, February 1, 2018、UPI, February 1, 2018などをもとに作成。

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AFPはトルコ軍が爆撃で破壊したアレッポ県アフリーン市近郊にあるアイン・ダーラ神殿の写真を公開(2018年2月1日)

AFP(2月1日付)は、西クルディスタン移行期民政局支配下のアレッポ県アフリーン市一帯に対するトルコ軍の「オリーブの枝」作戦で破壊されたアイン・ダーラ神殿の写真を掲載した(http://www.afpbb.com/articles/-/3160723?pid=19767221)。

シリア人権監視団によると、遺跡は1月26日のトルコ軍の越境爆撃によって破壊されたという。

アイン・ダーラ神殿は、鉄器時代のヒッタイト新王国の神殿で、紀元前1300年頃から紀元前700年頃にかけて建設された。

1982年に発見され、玄武岩できた巨大なライオン像で知られる。

西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区の文化財保護当局によると、爆撃によって4~5割が破壊された。

被害を免れたのは神殿の後部のみで、ライオン像1体も破壊された。

AFP, February 1, 2018

AFP, February 1, 2018、ANHA, February 1, 2018、AP, February 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018、al-Hayat, February 2, 2018、Reuters, February 1, 2018、SANA, February 1, 2018、UPI, February 1, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは8件の停戦違反を、トルコ側は3件の違反を確認(2018年2月1日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(2月1日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(アレッポ県4件、ラタキア県3件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも3件(イドリブ県1件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件、ハマー県1件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。
一方、過去24時間にヒムス県の2カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,344市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 1, 2018をもとに作成。

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