西側諸国の人質への拷問・処刑に関与していた英国訛りのダーイシュ・メンバー、通称「ビートルズ」の生き残り2人をYPGが拘束(2018年2月9日)

『ニューヨーク・タイムズ』(2月9日付)は、米高官の話として、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が1月、ダーイシュ(イスラーム国)に参加し、西側諸国の人質への拷問・処刑に関与していたとされる英国人2人をシリア東部で拘束していたと伝えた。

拘束されたのは、英国なまりの英語を話し「ビートルズ」として知られていた戦闘員4人のなかの生き残りで、アレクサンダー・コテイ(Alexanda Kotey)氏とエルシャフェ・エルシャイフ(El Shafee Elsheikh)氏の2人。

AFP, February 9, 2018、ANHA, February 9, 2018、AP, February 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 9, 2018、al-Hayat, February 10, 2018、The New York Times, February 9, 2018、Reuters, February 9, 2018、SANA, February 9, 2018、UPI, February 9, 2018などをもとに作成。

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フランスのパルリ軍事大臣はイドリブ県やダマスカス郊外県東グータ地方への「人道回廊」設置を呼びかける(2018年2月9日)

フランスのフロランス・パルリ国防大臣は、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が活動を続けるイドリブ県やダマスカス郊外県東グータ地方に対するロシア・シリア軍の爆撃に伴う人道状況悪化に懸念を表明、爆撃の停止と同地への「人道回廊」の設置を呼びかけた。

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フランスのエマニュエル・マクロン大統領はロシアのヴラジミール・プーチン大統領と電話会談を行い、シリア情勢への対応について意見を交わした。

『ハヤート』(2月10日付)などによると、マクロン大統領は、「ダマスカス郊外県東グータ地方とイドリブ県の人道状況にもたらされている受け容れがたい混乱をシリア政府に解消させるために、でき得るすべてのことをする」と伝えるとともに、「この数週間で数度にわたり、民間人に対して塩素ガスが使用された可能性があることへの懸念」を表明したという。

AFP, February 9, 2018、ANHA, February 9, 2018、AP, February 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 9, 2018、al-Hayat, February 10, 2018、Reuters, February 9, 2018、SANA, February 9, 2018、UPI, February 9, 2018などをもとに作成。

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アル=カーイダ系のシャーム解放機構司令官がダルアー県でのダーイシュ系組織と反体制武装集団の戦闘の戦況を発表(2018年2月9日)

アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構のアブー・アッバース・アスカリー司令官は、同委員会に近いイバー通信(2月9日付)に対して、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍掃討に向けて、ハウラーン自由人連合などが2月1日にダルアー県南西部で開始した「征服者たちの戦い」作戦での戦況について明らかにした。

それによると、9日にハーリド・ブン・ワリード軍がハイト村に侵攻、同地を一時制圧したが、反体制武装集団がこれを撃退したという。

AFP, February 9, 2018、ANHA, February 9, 2018、AP, February 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 9, 2018、al-Hayat, February 10, 2018、Reuters, February 9, 2018、SANA, February 9, 2018、UPI, February 9, 2018、Wikalat al-Iba’ al-Ikhbariya, February 9, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍がアレッポ県アフリーン市一帯を爆撃し、民間人ら8人が死亡、反体制武装集団がロジャヴァの支配下にあった複数カ村を新たに制圧(2018年2月9日)

アレッポ県では、ANHA(2月9日付)によると、トルコ軍がシーヤ町近郊のシャカーター村を爆撃し、民家が倒壊、1人が死亡した。

倒壊した民家には、3~4人が瓦礫の下敷きになったままだという。

トルコ軍はまた、ブルブル町近郊のバルカーシー村を砲撃し、住民3人が負傷、ラージュー町近郊のジャラー村に対しても砲撃を行った。

一方、アナトリア通信(2月8日付)によると、トルコ軍はバーフールーン山(バルサーヤー山南西)を爆撃した。

爆撃は19の標的を狙って行われたという。

シリア人権監視団によると、このの爆撃で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員と民間人合わせて7人が死亡したという。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(2月9日付)によると、トルコ軍の支援を受ける反体制武装集団は、シリア民主軍と戦闘の末にジャンディール市近郊サファリーヤ村、ナスリーヤ丘、中ジャクラー村、上ジャクラー村、アシュカーン・アラビー村、ナスリーヤ村、ドゥーカーン村を制圧した。

al-Durar al-Shamiya, February 9, 2018
ANHA, February 9, 2018

なお、トルコ軍の発表によると、1月20日の「オリーブの枝」作戦開始宣言以降、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員1,065人を殲滅したという。

一方、シリア人権監視団によると、これまでに民間人70人、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員135人、トルコ軍兵士22人、トルコ軍の支援を受ける武装集団戦闘員158人が死亡している。

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イドリブ県では、SANA(2月9日付)によると、トルコ軍がアティマ村の避難民キャンプに砲台を設置し、ジャンディールス市近郊のカスタル・ハドラー村、カスタル・ムクダード村、ダイル・サワーン村、アフジャラ村、シャルカーン村を砲撃した。

SANA, February 9, 2018

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アナトリア通信(2月8日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員約500人が乗った車列が、同民政局の支配地域であるシリア北東部からシリア政府支配地域を経由し、アレッポ県アフリーン市一帯に入った。

AFP, February 9, 2018、ANHA, February 9, 2018、Anadolu Ajansı, February 9, 2018、AP, February 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 9, 2018、al-Hayat, February 10, 2018、Reuters, February 9, 2018、SANA, February 9, 2018、UPI, February 9, 2018などをもとに作成。

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アル=カーイダ系のシャーム解放機構などが活動を続けるイドリブ県、ダマスカス郊外県東グータ地方に対するシリア軍の爆撃続く(2018年2月9日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がハーッス村、カフルサジュナ村、ダイル・シャルキー村、ジスル・シュグール市を爆撃し、10人が死亡した。

またシリア軍戦闘機が、ジャルジャナーズ町、ハラーキー村を「樽爆弾」で爆撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月9日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団が、アブー・ズフール町近郊のカルバ丘一帯でシリア軍と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が東グータ地方のドゥーマー市、アルバイン市に対する爆撃を継続し、子供2人を含む7人が死亡し、50人あまりが負傷した。

同監視団によると、5日以降のシリア軍による爆撃での犠牲者数は230人以上にのぼっているという。

一方、SANA(2月9日付)によると、東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団がジャルマーナー市を砲撃し、5人が負傷した。

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ダマスカス県では、SANA(2月9日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団がアッバースィーイーン地区、ザブラターニー地区、ドゥワイラア地区を砲撃し、6人が負傷した。

AFP, February 9, 2018、ANHA, February 9, 2018、AP, February 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 9, 2018、al-Hayat, February 10, 2018、Reuters, February 9, 2018、SANA, February 9, 2018、UPI, February 9, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はハマー県北東部、アレッポ県南西部、イドリブ県南東部に広がるダーイシュの孤立支配地域を完全制圧(2018年2月9日)

シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、シリア軍が予備部隊および同盟部隊とともに、ハマー県北東部、アレッポ県南西部、イドリブ県南東部に広がるダーイシュ(イスラーム国)の孤立支配地域に対する掃討作戦を継続し、戦闘員(ほとんどが外国人)、装備を破壊・押収し、同地のダーイシュを根絶、同地を完全制圧したと発表した。

また、同地におけるダーイシュ根絶を受け、シリア軍はアレッポ県南西部でのシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の掃討に注力すると強調した。

SANA(2月9日付)が伝えた。

SANA, February 9, 2018

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これに関して、シリア人権監視団は、シリア政府が、孤立支配地域で活動を続けてきたダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員が反体制派支配下のイドリブ県方面に退去するのを許したと発表した。

一方、自由イドリブ軍のハサン・ハーッジ・アリー司令官は、ハマー県北東部からイドリブ県南東部に逃れて来たダーイシュ(イスラーム国)戦闘員約200人と交戦したと発表した。

AFP, February 9, 2018、ANHA, February 9, 2018、AP, February 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 9, 2018、al-Hayat, February 10, 2018、Reuters, February 9, 2018、SANA, February 9, 2018、UPI, February 9, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは6件の停戦違反を、トルコ側は5件の違反を確認(2018年2月9日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(2月9日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(アレッポ県3件、ラタキア県3件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも5件(イドリブ県2件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件、ハマー県1件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

一方、過去24時間にヒムス県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,356市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 9, 2018をもとに作成。

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米主導の有志連合は2月2日~2月8日までの7日間でシリア領内で41回の爆撃を実施(2018年2月9日)

米中央軍(CENTCOM)は、2月2日~2月8日の7日間でのシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

2月2日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し6回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は6回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

2月3日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し7回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は7回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

2月4日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し6回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は4回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

2月5日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し6回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は6回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

2月6日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し5回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は2回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

2月7日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し8回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は7回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

2月8日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し3回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は3回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

CENTCOM, February 9, 2018をもとに作成。

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