グテーレス国連事務総長「ソチでのシリア国民対話大会は国連とロシアの相互理解に基づいている」(2018年2月2日)

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、30日にソチで閉幕したシリア国民対話大会に関して、「大会の性格、そして成果は、ロシアと国連の相互理解に基づいており…、ジュネーブ・プロセスを推進させるだろう」としたうえで、大会で設置合意された制憲委員会については、「この決定は(ジュネーブ会議における)主要な三つの議題、すなわち統治、選挙、憲法改正を明確に謳っている…。ソチでの大会は憲法改正に関わっている。一方、ジュネーブではすべての議題が…協議される」と高く評価した。

『ハヤート』(2月4日付)などが伝えた。

AFP, February 3, 2018、ANHA, February 3, 2018、AP, February 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018、al-Hayat, February 4, 2018、Reuters, February 3, 2018、SANA, February 3, 2018、UPI, February 3, 2018などをもとに作成。

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マティス米国防長官「我々は証拠は握っていないが、アサド政権がサリン・ガスをした可能性に強い関心を持っている」(2018年2月2日)

ジェームズ・マティス米国防長官は、記者らに対して、「シリア政府が度々塩素ガスを兵器として使用している」としたうえで、「我々はサリン・ガスが使用された可能性についてこれまで以上に強い関心を持っている…。ただし、その証拠は握っていない」と述べた。

マティス国防長官はまた「私が言っているのは、現場で活動するNGOや戦闘員が、サリン・ガスが使用されてきたと言っているということだ。だから、我々は証拠を探している…。我々がどのように対応するか見てきたはずだ。彼ら(アサド政権)が化学兵器禁止条約に違反するようなことを再び行ったとしたら軽率だ」と付言した。

ロイター通信(2月2日付)が伝えた。

発言は、ダマスカス郊外県東グータ地方でシリア軍が塩素ガスを装填した砲弾を使用して攻撃を行ったとする情報が拡散されているなかで、米匿名高官が1日にロイター通信に対して、「シリアでの最近の化学兵器による攻撃はアサド政権軍が新たな兵器を開発しようとしていることを示している…。シリアの化学兵器が米国の海岸に到達しないよう国際社会はアサド政権への圧力を増強すべき」と述べたのを受けるもの。

al-Durar al-Shamiya, February 2, 2018

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『ハヤート』(2月3日付)によると、フランス外務省は、アサド政権が再三にわたり化学兵器を使用していることに「深い懸念」を表明した。

そのうえで、フランス政府が友好国とともに、アサド政権が化学兵器を使用したことを示すために取り組んでいることを明らかにした。

AFP, February 2, 2018、ANHA, February 2, 2018、AP, February 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2018、al-Hayat, February 3, 2018、Reuters, February 2, 2018、SANA, February 2, 2018、UPI, February 2, 2018などをもとに作成。

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イスラエルはロシア連邦安全保障会議のパトルシェフ書記に、アサド政権の化学兵器がヒズブッラーの手に渡ることへの懸念を伝える(2018年2月2日)

ロシア連邦安全保障会議のニコライ・パトルシェフ書記がイスラエルを訪問し、ベンヤミン・ネタニヤフ首相ら高官と会談、両国の安全保障面での協力などについて意見を交わした。

『ハヤート』(2月3日付)が複数の欧州消息筋からの情報として伝えたところによると、イスラエル側は、パトルシェフ書記に対して、アサド政権の化学兵器がヒズブッラーの手に渡ることへの懸念を伝えたという。

AFP, February 2, 2018、ANHA, February 2, 2018、AP, February 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2018、al-Hayat, February 3, 2018、Reuters, February 2, 2018、SANA, February 2, 2018、UPI, February 2, 2018などをもとに作成。

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サウジアラビアが後援する最高交渉委員会のアリーディー書記長「アサド政権が化学兵器を使用した証拠を握っている」(2018年2月2日)

サウジアラビアの後押しを受け、ジュネーブ会議に参加する反体制派の一つ最高交渉委員会(シリア交渉委員会)のヤフヤー・アリーディー報道官はロイター通信(2月2日付)に対して、ダマスカス郊外県東グータ地方での戦闘でシリア軍が化学兵器を使用しているとしたうえで、「我々は証拠を握っている」と述べた。

アリーディー報道官によると、化学兵器は1日にも使用されたという。

AFP, February 2, 2018、ANHA, February 2, 2018、AP, February 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2018、al-Hayat, February 3, 2018、Reuters, February 2, 2018、SANA, February 2, 2018、UPI, February 2, 2018などをもとに作成。

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フランスのマクロン大統領はトルコのチャヴシュオール外務大臣の猛反発を前に態度を軟化、「オリーブの枝」作戦を黙認(2018年2月2日)

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、トルコ軍のアフリーン市一帯への侵攻(「オリーブの枝」作戦)に対する自身の発言に対してトルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣が「侮辱」だと非難したことを受け、記者会見で、「私はトルコの外務大臣の反応はおそらくは、トルコの作戦が、国境警備を越えるものではなく、トルコは今日占領している地域からさらに進軍する意図はなく、また占領地に長期間進駐する意図はないと見ると」述べた。

『ハヤート』(2月3日付)などが伝えた。

AFP, February 2, 2018、ANHA, February 2, 2018、AP, February 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2018、al-Hayat, February 3, 2018、Reuters, February 2, 2018、SANA, February 2, 2018、UPI, February 2, 2018などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ県南部、ダマスカス郊外県東グータ地方で攻撃を激化させるなか、反体制派が首都ダマスカス、アレッポ市を砲撃、ジュナイダト・アルトゥーズ町では学校の校庭で謎の爆発(2018年2月2日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月2日付)によると、シリア軍が県南部のタッル・ハディーヤ村近郊の高速道路で難民を乗せた車複数台を狙って爆撃を行い、7人が死亡、多数が負傷した。

また、『ハヤート』(2月3日付)によると、シリア軍は、カフル・ハラブ村を爆撃し、2人が死亡した。

一方、SANA(2月2日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに県南部でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対する掃討作戦を継続し、カフル・ハッダード村、ズィヤーラト・マタフ村、ザンマール村、ワリーダ丘を制圧した。

SANA, February 2, 2018

これに対して、シャーム解放機構は、アレッポ市西部郊外から同市に向けて迫撃砲を発射、うち1発がスライマーニーヤ地区に着弾した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月2日付)によると、ジュダイダト・アルトゥーズ町内の学校の校庭に置かれていた爆発物が爆発し、子供8人が負傷した。

SANA, February 2, 2018

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月2日付)によると、シリア軍がハラスター市近郊の車輌管理局一帯で「彼らが不正を働いた」作戦司令室と交戦した。

また、『ハヤート』(2月3日付)によると、シリア軍がマディーラー市、ドゥーマー市、ハラスター市、アルバイン市、サクバー市、ジスリーン町、カフルバトナー町、ハムーリーヤ市に対して激しい爆撃・砲撃を行い、マディーラー市で3人が死亡、8人が負傷、ドゥーマー市で12人が負傷した。

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ダマスカス県では、SANA(2月2日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発がドゥワイラア地区に着弾した。

『ハヤート』(2月3日付)によると、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾はまた、バーブ・シャルキー地区にも着弾した。

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シャーム解放機構幹部メンバーの一人でサウジアラビア人説教師のアウドゥッラー・ムハイスィニー氏は、テレグラムの自身のアカウントを通じて、アル=カーイダ系のシャーム解放機構と、バラク・オバマ前米政権の支援を受けていた「穏健な反反体制派」のヌールッディーン・ザンキー運動の和解を仲介し、両組織の幹部が会談したことを明らかにした。

AFP, February 2, 2018、ANHA, February 2, 2018、AP, February 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2018、al-Hayat, February 3, 2018、Reuters, February 2, 2018、SANA, February 2, 2018、UPI, February 2, 2018などをもとに作成。

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トルコのユルドゥルム首相「YPG主体のシリア民主軍のトルコへの越境砲撃で5人が死亡」(2018年2月2日)

トルコのビンアリ・ユルドゥルム首相は、シリア民主軍がアレッポ市一帯からトルコ領内に向けて撃ったロケット弾により、民間人5人が死亡、100人以上が負傷していると述べた。

ユルドゥルム首相は首都アンカラでの高速道路建設の着工式で、「卑しいテロリストどもは、この12日間で、ハタイ県、キリス県に82発もの砲弾を撃ち込んできた。これにより、民間人5人が死亡、100人以上が負傷している」と述べた。

『ハヤート』(2月3日付)によると、ハタイ県のシリア国境に近いレインハル市に2日、ロケット弾5発が着弾、1人が死亡、9人が負傷した。

また、トルコの複数メディアによると、キリス県にも5発のロケット弾が着弾し、3人が負傷したという。

なお、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍はトルコ領内への越境砲撃への関与を否定している。

AFP, February 2, 2018、ANHA, February 2, 2018、AP, February 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2018、al-Hayat, February 3, 2018、Reuters, February 2, 2018、SANA, February 2, 2018、UPI, February 2, 2018などをもとに作成。

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ロジャヴァ支配下のアラブ系部族がトルコ軍によるアレッポ県アフリーン市一帯への侵攻を非難(2018年2月2日)

ハサカ県では、ANHA(2月2日付)によると、西クルディスタン移行期民政局支配下のタッル・ハミース市、タッル・ブラーク町、ハサカ市一帯のシャッラービーン部族(アラブ系部族)の部族長や名士がウンム・ファキーク村(フール町近郊)で会合を開き、トルコ軍によるアレッポ県アフリーン市一帯への侵攻を非難する声明を発表した。

ANHA, February 2, 2018

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アレッポ県では、ANHA(2月2日付)によると、西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアレッポ市シャイフ・マクスード地区で、トルコ軍によるアレッポ県アフリーン市一帯への侵攻に反対するデモが行われ、住民数千人が参加した。

ANHA, February 2, 2018

AFP, February 2, 2018、ANHA, February 2, 2018、AP, February 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2018、al-Hayat, February 3, 2018、Reuters, February 2, 2018、SANA, February 2, 2018、UPI, February 2, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍特殊部隊がキリス市を越境砲撃するYPG主体のシリア民主軍のダールマク山拠点を制圧(2018年2月2日)

アレッポ県では、アナトリア通信(2月2日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団がアフリーン市一帯での「オリーブの枝」作戦を続行し、トルコ軍特殊部隊が、トルコ領内のキリス市に対して砲撃を行ったとされる西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が展開していたダールマク山を制圧した。

これに先立って、トルコ軍航空部隊は、シリア民主軍の拠点9カ所を爆撃した。

また、シリア人権監視団によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が1日に制圧したブルブル町で、シリア民主軍との戦闘を続けた。

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一方、シリア民主軍広報センター、SANA(2月2日付)などによると、ジャンディールス市および同市近郊のハマーム村、シャッラー村近郊のダイルサワーン村、アラブ・ワイラーン村、ジャバル・バーフルール村、ヴィーラー・カーディー村、ブルブル町近郊、シーヤ(シャイフ・ハディード)村および同村近郊のハリール村、マアバトリー(マーバーター)町、ラージュー町近郊のアリー・シースカー村、マイダーナー村一帯、タッル・リフアト市近郊のカルジャブリーン村一帯、シャフバー・ダム一帯などに対して、トルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団は砲撃を行い、シリア民主軍がこれに応戦した。

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このほか、ANHA(2月2日付)によると、ラージュー町近郊のカフリー・カッル村一帯で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、トルコ軍の支援を受ける反体制武装集団(バドル殉教者大隊)と交戦し、戦闘員4人を殺害した。

ANHAによると、バドル殉教者大隊は、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓っているという。

ANHA, February 2, 2018

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トルコ軍参謀本部によると、20日以降、1日晩までにトルコ軍部隊はシリア民主軍戦闘員823人を殺害したという。

一方、シリア人権監視団によると、アフリーン市一帯での死者は、民間人が68人、トルコ軍側が110人、シリア民主軍側が102人にのぼるという。

AFP, February 2, 2018、Anadolu Ajans, February 2, 2018、ANHA, February 2, 2018、AP, February 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2018、al-Hayat, February 3, 2018、Reuters, February 2, 2018、SANA, February 2, 2018、UPI, February 2, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは6件の停戦違反を、トルコ側は7件の違反を確認(2018年2月2日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(2月2日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(アレッポ県2件、ラタキア県4件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも7件(イドリブ県3件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県4件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

一方、過去24時間にハマー県の2カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,346市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 2, 2018をもとに作成。

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米主導の有志連合は1月26日~2月1日までの7日間でシリア領内で48回の爆撃を実施(2018年2月2日)

米中央軍(CENTCOM)は、1月26日~2月1日の7日間でのシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

1月26日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し8回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は7回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

1月27日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し10回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は10回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

1月28日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し9回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は9回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

1月29日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し3回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は3回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

1月30日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し7回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は7回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

1月31日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し7回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は7回で、ブーカマール市近郊(6回)シャッダーディー市近郊(1回)に対して行われた。

2月1日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し5回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は5回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

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CENTCOMはまた、2017年11月から2018年1月の爆撃で死亡が確認されたダーイシュ幹部の氏名を発表した。

死亡が確認されたのは、アブー・アナス・フーラーティー、アブドゥッラフマーン・フィリビーニー、アブドゥッラフマーン・タミーミー、ハサン・ジャッザーリー、アイシュ・ダギスターニー。

CENTCOM, February 2, 2018をもとに作成。

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