ペイホン米国防総省報道官は反体制派への地対空兵器への供与を否定(2018年2月3日)

米国防総省のエリック・ペイホン報道官は、イドリブ県サラーキブ市上空で、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構がロシア空軍のSu-25戦闘爆撃機を地対空ミサイル・システムで撃墜したことを受け、「米国はシリア国内のいずれの協力部隊にも地対空兵器を増強していないし、将来そうする意思もない」と述べた。

ペイホン報道官はまた「我々の作戦は、地理的にはシリア東部のダーイシュ(イスラーム国)に対する戦闘任務に集中している」と付言した。
スプートニク・ニュース(2月4日付)が伝えた。

AFP, February 4, 2018、ANHA, February 4, 2018、AP, February 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 4, 2018、al-Hayat, February 5, 2018、Reuters, February 4, 2018、SANA, February 4, 2018、Sputnik News, February 4, 2018、UPI, February 4, 2018などをもとに作成。

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ロイター通信:北朝鮮はシリアと弾道ミサイル、化学兵器開発で協力(2018年2月3日)

ロイター通信(2月3日付)は、北朝鮮が国連安保理が科している制裁に違反し、禁輸対象となっている産品をシリアやミャンマーに輸出し、2017年に2億米ドル近くの収益を得ていたと伝えた(https://www.reuters.com/article/us-northkorea-missiles-un-exclusive/exclusive-north-korea-earned-200-million-from-banned-exports-sends-arms-to-syria-myanmar-u-n-report-idUSKBN1FM2NB?il=0)。

安保理北朝鮮制裁委員会が新たに作成した報告書によると、北朝鮮はロシア、中国、韓国、マレーシア、ヴェトナムに不正に輸出していたという。

また、北朝鮮は、シリアおよびミャンマーと弾道ミサイルや化学兵器の開発で協力を行っていることを示すさらなる証拠をつきとめたという。

AFP, February 3, 2018、ANHA, February 3, 2018、AP, February 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018、al-Hayat, February 4, 2018、Reuters, February 3, 2018、SANA, February 3, 2018、UPI, February 3, 2018などをもとに作成。

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トルコのカルン大統領府報道官「アサドがいつ去るかはいずれ答えられる問題」(2018年2月3日)

トルコのイブラヒム・カルン大統領府報道官は、1月20日にトルコ軍が開始を宣言したアレッポ県アフリーン市一帯の西クルディスタン移行期民政局支配地域に対する「オリーブの枝」作戦に関して、シリア軍のイドリブ県への進攻を黙認することの見返りとして、ロシアが黙認したとの一部見方を否定した。

カルン報道官は「我々がイドリブを与え、その代わりにアフリーンをとる」というような合意はロシアとの間にはない。二つの作戦は別のものだ」と述べた。

カルン報道官はまた「ロシアは、アサド個人を守ろうとしているのではない。国家機関、シリア軍、そして体制の面々を守ろうとしているのだ…。シリアで国家が完全に崩壊しないことの保障が欲しいのだ」としたうえで、「シリアでの政治移行は…容易ではないが、これが最終目標だ。そしていずれかの段階で、アサドは去らないが…、それをいつにするかは…ゆくゆくはっきりと答えられるべき問題だ」と述べた。

AFP, February 3, 2018、ANHA, February 3, 2018、AP, February 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018、al-Hayat, February 4, 2018、Reuters, February 3, 2018、SANA, February 3, 2018、UPI, February 3, 2018などをもとに作成。

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シリア外務在外居住者省は、ダマスカス郊外県東グータ地方でアサド政権が化学兵器を使用したとの米国の主張を否定(2018年2月3日)

シリアの外務在外居住者省の高官筋は、ジェームズ・マティス米国防長官が、アサド政権による化学兵器再使用を疑っていることに関して、「シリア政府がダマスカス郊外県東グータ地方で化学兵器を使用したと疑いをかける米国の虚言の形式、内容の一切を非難する」と述べた。

SANA(2月3日付)が伝えた。

AFP, February 3, 2018、ANHA, February 3, 2018、AP, February 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018、al-Hayat, February 4, 2018、Reuters, February 3, 2018、SANA, February 3, 2018、UPI, February 3, 2018などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「アレッポ県アフリーン市一帯での「オリーブの枝」作戦はあと少しで目標を達成する」(2018年2月3日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、1月20日にトルコ軍が開始を宣言したアレッポ県アフリーン市一帯の西クルディスタン移行期民政局支配地域に対する「オリーブの枝」作戦に関して、「目標達成に近づいており…、あと少しを残すだけ」と述べた。

『ハヤート』(2月4日付)などが伝えた。

なお、トルコと米国は、アレッポ県ユーフラテス川右岸のマンビジュ市の処遇などについて協議を重ねているという。

 

al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018

AFP, February 3, 2018、ANHA, February 3, 2018、AP, February 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018、al-Hayat, February 4, 2018、Reuters, February 3, 2018、SANA, February 3, 2018、UPI, February 3, 2018などをもとに作成。

 

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イドリブ県南東部とハマー県北東部で活動する武装集団11組織が「侵略者撃退」作戦司令室を新たに発足(2018年2月3日)

イドリブ県南東部とハマー県北東部でシリア軍との戦闘を続ける反体制武装集団11組織が共同声明を出し、「侵略者撃退」作戦司令室を発足したと発表した。

「侵略者撃退」作戦司令室に参加したのは、シャーム自由人イスラーム運動、シャーム軍団、アフラール軍、自由イドリブ軍、イッザ軍、ナスル軍、ヌールッディーン・ザンキー運動、精鋭軍、第2軍、アルバイーン旅団、第1歩兵師団。

これらの武装集団が同地で共闘するシャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党は参加していない。

al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018

AFP, February 3, 2018、ANHA, February 3, 2018、AP, February 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018、al-Hayat, February 4, 2018、Reuters, February 3, 2018、SANA, February 3, 2018、UPI, February 3, 2018などをもとに作成。

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イドリブ県ビンニシュ市でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の退去を求めるデモが発生し、デモ参加者が逮捕(2018年2月3日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月3日付)によると、2日から3日にかけて、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるビンニシュ市で、武装集団の退去を求める抗議デモが発生し、数十人が参加した。

デモ参加者の一部は、アフラール軍の本部、シリア救国内閣内務省所轄の警察署を襲撃し、これを占拠した。

al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018
al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018

同市を支配する武装集団は事態を収拾するため、検問を強化するなど厳戒態勢を敷くとともに、アフラール軍本部や警察署に突入し、両施設を占拠していたデモ参加者を逮捕した。

また、市内では事態収拾を試みる武装集団の治安部隊とデモ参加者が撃ち合いとなり、1人が死亡した。

一方、「シャーム解放機構のビンニシュにおける活動家たち」の名で声明が発表され、デモ参加者たちの自宅を強襲したと発表した。

これに対して、「イドリブ活動家たち」やシャーム自由人イスラーム運動も声明を出し、ビンニシュ市でのデモ参加者の逮捕を停止するよう呼びかけた。

al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018
al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018

AFP, February 3, 2018、ANHA, February 3, 2018、AP, February 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018、al-Hayat, February 4, 2018、Reuters, February 3, 2018、SANA, February 3, 2018、UPI, February 3, 2018などをもとに作成。

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ロシア・シリア軍はSu-25撃墜を受けてイドリブ県に対する攻勢を強化、サラーキブ市に向けさらに進軍(2018年2月3日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月3日付)によると、シャーム解放機構がロシア空軍のSu-25を撃墜、パイロットを殺害したことを受け、地中海沖に配備されているロシア海軍の艦艇が弾道ミサイル4発を発射、ハーン・スブル村を攻撃、ホワイト・ヘルメットによると、民家人10人が死亡した。

al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018

また、『ハヤート』(2月4日付)が地元の救急隊員の話として伝えたところによると、ロシア軍所属と思われる戦闘機2機が県南東部の街道を移動中の車列を爆撃し、乗っていた民間人7人が死亡、12人が負傷した。

乗っていたのは、アレッポ県南西部の戦闘激化を受け、イドリブ県を北に向かって避難していた住民で、その多くが子供や老人だったという。

シリア軍、ロシア軍はこのほかにも、シャアッラ村、ジャルジャナーズ町、ガトファ村、カフルアミーム村、ライヤーン村、シャイフ・イドリース村、ブライサ村、ブジャガーフ村、タッル・マルディーフ村などに対しても爆撃を行った。

また、県南東部のタッル・トゥーカーン村一帯では、シリア軍、ヒズブッラー、イラン・イスラーム革命防衛隊の支援を受ける民兵が、シャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党、シャーム自由人イスラーム運動、自由イドリブ軍、イッザ軍、ナスル軍などからなる反体制武装集団と激しく交戦した。

SANA(2月3日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに、県南東部でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対する掃討作戦を継続し、ムアスラーン村、タッル・トゥーカーン村を制圧した。

タッル・トゥーカーン村の制圧により、シリア軍は、アブー・ズフール町とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるサラーキブ市を結ぶ幹線道路の遮断に成功した。

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ハマー県では、SANA(2月3日付)によると、シリア軍が県北東部でダーイシュ(イスラーム国)に対する追撃作戦を継続し、アブヤーン村、アブー・クスール村、トゥライハーン丘を制圧した。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月3日付)によると、県南西部のジャズラーヤー村一帯で、シリア軍、ヒズブッラー、イラン・イスラーム革命防衛隊の支援を受ける民兵が、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と激しく交戦した。

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ヒムス県では、SANA(2月3日付)によると、シリア軍がイッズッディーン町からタルビーサ市に武器を密輸しようとしていた武装集団を要撃し、大量の武器弾薬、爆発物を押収した。

AFP, February 3, 2018、ANHA, February 3, 2018、AP, February 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018、al-Hayat, February 4, 2018、Reuters, February 3, 2018、SANA, February 3, 2018、UPI, February 3, 2018などをもとに作成。

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YPJ、YPG主体のシリア民主軍はアレッポ県アフリーン市一帯に侵攻したトルコ軍戦車2輌を撃破(2018年2月3日)

アレッポ県では、ANHA(2月3日付)によると、西クルディスタン移行期民政局の女性防衛部隊(YPJ)が、ブルブル町近郊のハフタールー村に侵攻したトルコ軍戦車を攻撃、これを破壊した。

ANHA, February 3, 2018

また人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍も、ラージュー町近郊のマアマラー村に侵攻したトルコ軍戦車を攻撃、これを破壊、乗っていたトルコ軍兵士と戦車の近くにいた反体制武装集団多数を殺害した。

シーヤ町近郊のハリール村でも、シリア民主軍はトルコ軍の装甲車を破壊した。

これに関して、トルコ軍参謀本部は、「クルド人民兵とダーイシュ(イスラーム国)」がアフリーン市北東部のシャイフ・フールズ地区でトルコ軍戦車1輌を撃破し、兵士5人を殺害したことを認めた。

アナトリア通信(2月3日付)が伝えた。

なお、シリア民主軍広報センターによると、トルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団の爆撃・砲撃および戦闘は、ラージュー町、ジャッラー村、ジャーンカー村、ジャクマーマク村、ビーラー山、ラージュー町一帯、ジャンディールス市近郊の西アーシュカーン村、ハマーム村、ビークダール山、シャッラー村一帯、ブルブル町近郊のハフタールー村、カフリー・カッル丘一帯で発生した。

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ラッカ県では、ANHA(2月3日付)によると、トルコ軍がタッル・アブヤド市西方のスーサク村を越境砲撃、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がただちに応戦した。

AFP, February 3, 2018、Anadolu Ajansı, February 3, 2018、ANHA, February 3, 2018、AP, February 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018、al-Hayat, February 4, 2018、Reuters, February 3, 2018、SANA, February 3, 2018、UPI, February 3, 2018などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダ「シャーム解放機構」はロシア空軍Su-25を撃墜し、パイロットを殺害(2018年2月3日)

ロシア国防省は声明を出し、イドリブ県でロシア空軍のSu-25戦闘爆撃機が反体制武装集団の攻撃を受けて墜落、パイロットは墜落後に投降を拒否し、武装集団との戦闘で死亡したと発表した。

ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令室は現在、トルコを通じて遺体返還のため折衝を行っているという。

RT(2月2日付)が伝えた。

これに関して、シャーム解放機構に近いイバー通信(2月2日付)は、シャーム解放機構がサラーキブ市近郊(ムアスラーン村近郊)でSu-25を撃墜したと伝えた。

シャーム解放機構の防空大隊を指揮するマフムード・トゥルクマーニー司令官がイバー通信(2月3日付)に明らかにしたところによると、Su-25撃墜に使用されたのは、携帯式防空ミサイル・システムだという。

al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018
al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018
al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018

AFP, February 3, 2018、ANHA, February 3, 2018、AP, February 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018、al-Hayat, February 4, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 3, 2018、Reuters, February 3, 2018、RT, February 3, 2018、SANA, February 3, 2018、UPI, February 3, 2018、Wikalat al-Iba’ al-Ikhbariya, February 3, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは10件の停戦違反を、トルコ側は8件の違反を確認(2018年2月3日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(2月3日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を10件(アレッポ県2件、ラタキア県6件、ヒムス県1件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも8件(イドリブ県5件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県3件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

一方、過去24時間にアレッポ県の1カ村、ヒムス県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,348市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 3, 2018をもとに作成。

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