フォード前駐シリア米大使「イスラーム軍とラフマーン軍団に伝えたい。ヒムス市やアレッポ市東部と同じことが東グータ地方で起きるだろう。誰も同地を救おうとはしない」(2018年2月27日)

ロバート・フォード前駐シリア米大使は『シャルク・アウサト』(2月27日付)に論説記事(https://aawsat.com/home/article/1187886/)を寄稿、そのなかでダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続けるイスラーム軍とラフマーン軍団に「誰も東グータ地方を救うために介入することはないだろうというメッセージを送りたい」と述べた。

フォード前大使は以下の通り綴った。

「東グータ地方にいるイスラーム軍とラフマーン軍団、国際社会、国連、西側諸国、アラブ世界にメッセージを送りたい。彼らが東グータ地方を救うために介入することはない、と…。事実、彼らははヒムス市も、アレッポ市東部もこれまでに救済しなかった。国連での18番目、19番目、20番目の決議もあなた方を救うことはないだろう…。ヒムス市でも、アレッポ市東部でも、民間人数千人が命を落とした後に、シリア軍が最終的に両市を制圧した。戦闘員とその家族は遅かれ早かれ退去した。同じことが東グータ地方でも起こるだろう…。数千という民間人のために活動するというあなた方(イスラーム軍とラフマーン軍団)に求めたい。あなた方の戦略がヒムス市やアレッポ市東部の時と同じだとしたら…、別の措置を検討すべきだ…。革命を高めるためにそうするべきだ」。

al-Sharq al-Awsat, February 27, 2018をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米各紙「国連安全保障理事会・北朝鮮制裁委員会の専門家パネルが、北朝鮮が化学兵器の製造に使用できる部品をシリアに提供しているとする報告書を作成」(2018年2月27日)

『ニューヨーク・タイムズ』(2月27日付)、『ウォールストリート・ジャーナル』(2月27日付)などは、北朝鮮が化学兵器の製造に使用できる部品をシリアに提供しているとする報告書を、国連安全保障理事会・北朝鮮制裁委員会の専門家パネルがまとめたと伝えた。

提供された物資・部品には、耐熱・耐酸性タイルや耐食バルブ、温度計などが含まれ、タイルは化学兵器が製造された施設の建設に使われたとされる。

『ウォールストリート・ジャーナル』によると、北朝鮮は2016年末から2017年初頭にかけて、中国の貿易会社を通じて5回にわたりシリアに物資を送っており、物資搬送は数年間で何十回にも及んだという。

同紙は、シリア政府の科学調査研究センター(SSRC)が多数のフロント(隠れみの)企業を使って、北朝鮮に対価を支払っていたとも指摘している。

また、『ニューヨーク・タイムズ』によると、報告書では、北朝鮮のミサイル専門家らがシリアの武器製造施設にいたと指摘しているという。

なお、報告書は現時点で未公表。

AFP, February 28, 2018、ANHA, February 28, 2018、AP, February 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2018、al-Hayat, March 1, 2018、The New York Times, February 27, 2018、Reuters, February 28, 2018、SANA, February 28, 2018、UPI, February 28, 2018、The Wall Street Journal, February 27, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米フォックス・ニュースはイランが首都ダマスカス近郊に常設軍事基地を建設していると伝え、衛星写真を公開(2018年2月27日)

米フォックス・ニュース(2月28日付)は、イランが首都ダマスカスの均衡に常設軍事基地を建設した、と伝え、その衛星写真を掲載した(http://www.foxnews.com/world/2018/02/27/new-satellite-photos-show-iran-establishing-another-base-in-syria.html)。

基地は、首都ダマスカスの南西約8キロの距離に位置し、イラン・イスラーム革命防衛隊のゴドス軍団によって運営され、イスラエル全土を射程圏内に治めるミサイルの貯蔵施設も建設されているという。

掲載した衛星写真は、イメージサット・インターナショナル(ImageSat International)社が撮影したもの。

Fox News, February 27, 2018
Fox News, February 27, 2018

AFP, February 28, 2018、ANHA, February 28, 2018、AP, February 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2018、Fox News, February 27, 2018、al-Hayat, March 1, 2018、Reuters, February 28, 2018、SANA, February 28, 2018、UPI, February 28, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構はアレッポ県西部の支配地域からほぼ完全に撤退(2018年2月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構が、県西部のすべての支配地域から突如撤退を開始した。

撤退した部隊はイドリブ県に向かったという。

これにより、アレッポ県からシャーム解放機構はほぼ完全に撤退したという。

AFP, February 27, 2018、ANHA, February 27, 2018、AP, February 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2018、al-Hayat, February 28, 2018、Reuters, February 27, 2018、SANA, February 27, 2018、UPI, February 27, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム解放機構とシリア解放戦線はイドリブ県のハーン・シャイフーン市、サラーキブ市、カフルダルヤーン村で不戦合意(2018年2月27日)

イドリブ県、アレッポ県で対立を激化させているシャーム解放機構とシリア解放戦線は、イドリブ県のハーン・シャイフーン市、サラーキブ市、カフルダルヤーン村での戦闘を行わないことで合意した。

al-Durar al-Shamiya, February 27, 2018
al-Durar al-Shamiya, February 27, 2018
al-Durar al-Shamiya, February 27, 2018

**

アフラール軍は声明を出し、アレッポ県で対立を激化させているシャーム解放機構とシリア解放戦線に所属する武装集団に対して、戦闘に参加しないよう呼びかけた。

**

イドリブ県、アレッポ県でシャーム解放機構と衝突しているシリア解放戦線は声明を出し、両者の戦闘を回避するために他の反体制武装集団が兵力引き離し部隊として展開することを拒否した。

ドゥラル・シャーミーヤ(2月27日付)が伝えた。

AFP, February 27, 2018、ANHA, February 27, 2018、AP, February 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2018、al-Hayat, February 28, 2018、Reuters, February 27, 2018、SANA, February 27, 2018、UPI, February 27, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ジョンソン英外務大臣「アサド政権への軍事攻撃には化学兵器使用の確たる証拠が必要」(2018年2月27日)

英国のボリス・ジョンソン外務大臣は、「アサド政権に対して軍事攻撃を行うには、化学兵器を使用したことを示す議論の余地のない証拠が必要となる」と述べた。

ジョンソン外務大臣は「もし、そうしたことが起こり、そのことを確認できたら、行動するための提案がなされ…、我々はそれを真剣に検討することになると思う」と述べた。

BBC(2月27日付)が伝えた。

AFP, February 27, 2018、ANHA, February 27, 2018、AP, February 27, 2018、BBC, February 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2018、al-Hayat, February 28, 2018、Reuters, February 27, 2018、SANA, February 27, 2018、UPI, February 27, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続けるイスラーム軍、シャーム自由人イスラーム運動、ラフマーン軍団は停戦成立から15日以内にアル=カーイダ戦闘員とその家族を退去させると国連安保理に誓約(2018年2月27日)

ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続けるイスラーム軍、シャーム自由人イスラーム運動(シリア解放戦線)、そしてラフマーン軍団は、国連安保理に共同で書簡を送り、そのなかで、これらの組織が共闘を続けてきたアル=カーイダ系のシャーム解放機構の戦闘員の同地からの退去に合意する旨誓約した。

三組織は、(国連安保理決議第2401号に基づく)停戦が実現してから15日以内に、シャーム解放機構の戦闘員とその家族を退去させるとしている。

ドゥラル・シャーミーヤ(2月27日付)、『ハヤート』(2月28日付)が伝えた。

AFP, February 27, 2018、ANHA, February 27, 2018、AP, February 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2018、al-Hayat, February 28, 2018、Reuters, February 27, 2018、SANA, February 27, 2018、UPI, February 27, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国防総省報道官「米国は国連安保理決議第2401号が定める停戦の監視において何らの役割も果たさない」(2018年2月27日)

米国防総省のロブ・マニング報道官は、シリア国内で少なくとも30日間の人道停戦を行うことを定めた国連安保理決議第2401号に関して、停戦違反があった場合は「当然非難する」としつつ、「国防総省は安保理が発表した停戦の違反監視においていかなる役割も果たさない」と述べた。

**

フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン外務大臣は、モスクワでのセルゲイ・ラブロフ外務大臣との会談後の記者会見で、シリア政府に圧力をかけ、シリア国内での停戦を監視するための仕組みを確立させるようロシアに求めた。

**

国連のステファン・ドゥジャリク事務総長付報道官は、ロシア軍が午前9時から午後2時までの5時間の人道停戦を実施すると発表したことに関して、「何もないよりはましだが、5時間で人道支援活動が十分できるかどうかを話すことは難しい」と述べた。

AFP, February 27, 2018、ANHA, February 27, 2018、AP, February 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2018、al-Hayat, February 28, 2018、Reuters, February 27, 2018、SANA, February 27, 2018、UPI, February 27, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのブズダー副首相兼内閣報道官「ムスリムPYD前共同党首釈放は明らかなテロ支援だ」(2018年2月27日)

トルコのバクル・ブズダー副首相兼内閣報道官は、25日にチェコの警察当局によってプラハで拘束されていた民主統一党(PYD)のサーリフ・ムスリム前共同党首を釈放したことに関して、「政治的判断であり、明らかなテロ支援にあたる」と非難した。

ブズダー副首相兼内閣報道官は「国際法に違反した判断で、トルコ・チェコ関係に悪影響を及ぼす」と述べた。

ロイター通信(2月27日付)が伝えた。

AFP, February 27, 2018、ANHA, February 27, 2018、AP, February 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2018、al-Hayat, February 28, 2018、Reuters, February 27, 2018、SANA, February 27, 2018、UPI, February 27, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

チェコ警察当局はトルコの要請で拘束していたムスリムPYD前共同党首を釈放(2018年2月27日)

ANHA(2月27日付)は、25日にチェコの警察当局によってプラハで拘束されていた民主統一党(PYD)のサーリフ・ムスリム前共同党首が釈放されたと伝えた。

ムスリム前共同党首は国際会議に出席するために訪問していたプラハで、トルコ政府の要請を受けて拘束されていた。

なおムスリム前共同党首は現在、PYDの支持基盤である社会組織の民主連合運動(TEV-DEM)の総合関係委員会メンバーを務めている。

al-Durar al-Shamiya, February 27, 2018

AFP, February 27, 2018、ANHA, February 27, 2018、AP, February 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2018、al-Hayat, February 28, 2018、Reuters, February 27, 2018、SANA, February 27, 2018、UPI, February 27, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と反体制武装集団はアフリーン郡各所でYPG主導のシリア民主軍と交戦(2018年2月27日)

アレッポ県では、ANHA(2月27日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍広報センターによると、トルコ軍はシャッラー村近郊のウームラー村および周辺の丘陵地帯、マーバーター(マアバトリー)町近郊のクールカー村、シーヤ(シャイフ・マディード)村近郊のサンナーラ村、アーンカラ村、ジンディールス市およびその近郊のヤラーンクーズ村、ハイカジャ村、ラージュー町近郊のマスキー村、シーラーワー町近郊のジャムラ村を砲撃・爆撃し、反体制武装集団とともにシリア民主軍と交戦した。

AFP, February 27, 2018、ANHA, February 27, 2018、AP, February 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2018、al-Hayat, February 28, 2018、Reuters, February 27, 2018、SANA, February 27, 2018、UPI, February 27, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合はダイル・ザウル県の避難民キャンプを爆撃し、20人以上を殺害(2018年2月27日)

ダイル・ザウル県では、SANA(2月27日付)によると、米主導の有志連合が県東部のスーサ町・シャアファ村間に設置されたザフラト・アルーニー避難民収容キャンプを爆撃し、24人を殺害した。

シリア人権監視団によると、この爆撃での死者は25人。

AFP, February 27, 2018、ANHA, February 27, 2018、AP, February 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2018、al-Hayat, February 28, 2018、Reuters, February 27, 2018、SANA, February 27, 2018、UPI, February 27, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

反体制武装集団は東グータ地方の人道回廊入口を砲撃し住民の退去を阻止、シリア軍は東グータ地方各所を爆撃・砲撃(2018年2月27日)

ダマスカス郊外県では、SANA(2月27日付)によると、住民が非難するためにシリア軍がワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプ設置した人道回廊を、東グータ地方で活動を続けるシャーム解放機構などの反体制武装集団が砲撃した。

砲撃は、シリア政府支配地域に避難しようとした住民を狙ったもの。

同地では、関係当局がシリア軍の支援を受けて、住民を受け入れる態勢を整えているという。

SANA, February 27, 2018

反体制武装集団による砲撃はまた、ダーヒヤト・アサド町やジャルマーナー市に対しても行われた。

これらの砲撃で住民3人が負傷した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月27日付)によると、イスラーム軍はフーシュ・ダワーヒラ村一帯でシリア軍と交戦した。

また、シリア人権監視団によると、シリア軍は、ロシアが発表した午前9時から午後2時の人道停戦に違反して、ジスリーン町、ミスラーバー市を爆撃・砲撃し、住民2人が死亡、十数人が負傷した。

**

ダマスカス県では、SANA(2月27日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続けるシャーム解放機構などの反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が、ドゥワイラア地区に着弾し、住民1人が死亡、5人が負傷した。

AFP, February 27, 2018、ANHA, February 27, 2018、AP, February 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2018、al-Hayat, February 28, 2018、Reuters, February 27, 2018、SANA, February 27, 2018、UPI, February 27, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは16件の停戦違反を、トルコ側は3件の違反を確認(2018年2月27日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(2月27日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を16件(ラタキア県7件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県7件、アレッポ県2件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも3件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県)の停戦違反を確認したという。

一方、過去24時間にハマー県、ヒムス県、イドリブ県の11カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,407市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 27, 2018をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.