アル=カーイダの系譜を汲むシャーム自由人イスラーム運動と元「穏健な反体制派」のヌールッディーン・ザンキー運動がシリア解放戦線の名で完全統合(2018年2月18日)

シャーム自由人イスラーム運動とヌールッディーン・ザンキー運動は共同声明を出し、「シリア解放戦線」として完全統合すると発表した。

声明によると、完全統合は「革命を続ける我が人民の要請とシリア・イスラーム評議会のイニシアチブに応えた」もので、「アサド政権に対抗する…人民と革命の盾」になるのが目的だという。

シャーム解放機構はアル=カーイダの系譜を汲むが、2015年頃から自由シリア軍であることを強調するようになった。

これに対して、ヌールッディーン・ザンキー運動は、バラク・オバマ前米政権の支援を受ける「穏健な反体制派」だったが、2017年1月にアル=カーイダ系のシャーム・ファトフ戦線とともにシャーム解放機構を結成、その後同委員会を離反していた。

al-Durar al-Shamiya, February 18, 2018

AFP, February 18, 2018、ANHA, February 18, 2018、AP, February 18, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 18, 2018、al-Hayat, February 19, 2018、Reuters, February 18, 2018、SANA, February 18, 2018、UPI, February 18, 2018などをもとに作成。

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マティス米国防長官「ダーイシュから解放した広範な地域をトルコに割譲することで合意したが、マンビジュ市の処遇は決まっていない」(2018年2月18日)

ジェームズ・マティス米国防長官は欧州からの帰国途上の機内で記者団に対して、16日のレックス・ティラーソン米国務長官とトルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣のアンカラでの会談での合意内容を明らかにした。

それによると、米国とトルコ、米主導の有志連合がダーイシュ(イスラーム国)の支配から解放したシリア領内の広範な地域をトルコに割譲することで合意したという。

両国の間で争点となっているアレッポ県のマンビジュ市に関しては、「この問題について最終的な解決には至っていないが、この点に関して両者による行動は行われている」と述べた。

一方、4月7日の米主導の有志連合によるダイル・ザウル県の爆撃で、ロシア人傭兵多数が死傷した問題に関して、「ロシアは、一部の請負業者(民間軍事会社)がこの攻撃に関与していると言うようになった…。おそらく、攻撃は、我々がホットラインを通じて調整しているロシアの士官が承知しないところで起きたのだろう」と述べた。

しかし、マティス国防長官は「とはいえ、250人から300人が率先してユーフラテス川を渡河して敵地に入り…、砲撃を行い、戦車を進撃させたというのは疑わしい…。彼らに司令を下していた者がいる。司令が(シリア)国内からのものか、外国からのものかは分からない。いずれにせよ、我々は曖昧な点を解明したい」と付言した。

ロイター通信(2月18日付)が伝えた。

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ロジャヴァはトルコ軍の「オリーブの枝」作戦に対するシリア政府の介入をめぐって、アフリーン市一帯の移譲を受諾、シリア軍の進駐を認める(2018年2月18日)

ルダウ・チャンネル(2月18日付)は、アレッポ県アフリーン市一帯に対するトルコ軍の「オリーブの枝」作戦に対するシリア政府の介入をめぐるシリア政府と西クルディスタン移行期民政局(北シリア民主連邦、ロジャヴァ)の交渉が終わり、シリア政府が提示した条件をロジャヴァが受諾することで合意した、と伝えた。

ロジャヴァを主導する民主統一党(PYD)の幹部シャイフー・バッルー氏は17日、ルダウ・チャンネルに対して「シリア軍は月曜日(19日)にアフリーンを守るために同地に入る」と述べていた。

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『ハヤート』(2月19日付)によると、交渉はロシアが仲介役を務め、シリア軍ではなく、親政権民兵の「人民部隊」がアフリーン市一帯に進駐することなどを合意したという。

親政権民兵の進駐は、19日に予定されており、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍との連絡をとりつつ、トルコ軍との交戦が回避される模様。

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なお、ドゥラル・シャーミーヤ(2月17日付)によると、シリア政府側は西クルディスタン移行期民政局人民防衛部隊(YPG)との17日の会合で、①ロジャヴァがアフリーン郡の政府関連施設、自治体関連施設、病院、学校、治安関連施設をシリア軍に完全移譲すること、②YPGの兵舎(52カ所)、武器弾薬庫、重火器、中火器をシリア軍に移譲すること、③住民およびYPG戦闘員による軽火器の携帯禁止、④民間人および兵役年齢に達している男性のアフリーン郡からの退去、などを求めたという。

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PKKはイラクのクルド人ヤズィード教徒をアレッポ県アフリーン市一帯の戦闘に投入(2018年2月18日)

ドゥラル・シャーミーヤ(2月18日付)は、イラクのクルディスタン民主党の幹部カーディル・カージャーグ氏の話として、クルディスタン労働者党(PKK)の民兵が、イラク国内のクルド人ヤズィード教徒の戦闘員をアレッポ県アフリーン市一帯での戦闘に派遣したと伝えた。

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YPGはアレッポ県アフリーン市一帯での戦闘で西欧人を含む外国人戦闘員3人が戦死したと発表(2018年2月18日)

西クルディスタン移行期民政局人民防衛部隊(YPG)は声明を出し、アレッポ県アフリーン市一帯でのトルコ軍との戦闘に参加していたフランス人1人とスペイン人1人を含む外国人戦闘員3人が2月10日にジャンディールス市の戦線で戦死したと発表した。

ANHA, February 18, 2018

AFP, February 18, 2018、ANHA, February 18, 2018、AP, February 18, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 18, 2018、al-Hayat, February 19, 2018、Reuters, February 18, 2018、SANA, February 18, 2018、UPI, February 18, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はトルコ領内のトルコ軍、ヌスラ戦線、ダーイシュの拠点に対して特殊作戦を行ったと発表(2018年2月18日)

西クルディスタン移行期民政局(北シリア民主連邦)人民防衛部隊(YPG)主体のシリア民主軍は声明を出し、トルコのハタイ県の「カラ・カナ地方の中心地にあるトルコ軍とテロリストのヌスラ戦線(シャーム解放機構)およびダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対する特殊作戦」を実施した、と発表した。

作戦の詳細は不明。

シリア民主軍はまた声明で、トルコの住民に対して、トルコ軍、ヌスラ戦線とダーイシュのテロリストの拠点から離れる」よう呼びかけるとともに、「すべての軍事拠点が我が部隊の合法的な標的」と述べた。

シリア民主軍がトルコ領内に対して攻撃を行ったと発表したのはこれが初めて。

トルコの複数のメディアによると、17日晩、同地の国境警察の拠点1カ所に迫撃砲弾1発が着弾し、トルコ軍兵士2人とシリア人戦闘員5人が負傷したという。

『ハヤート』(2月19日付)が伝えた。

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トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団はアフリーン市西のラージュー町に迫る(2018年2月18日)

ドゥラル・シャーミーヤ(2月18日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛部隊主体のシリア民主軍との戦闘の末、ラージュー町近郊のダルウィーシャ村、上ハージーカーンリー村、下ハージーカーンリーを制圧した

al-Durar al-Shamiya, February 18, 2018

一方、ANHA(2月18日付)によると、トルコ軍がブルブル町近郊のクーター村、カーラ村を砲撃し、住民1人が負傷した。

トルコ軍はまたマアバトリー(マーバーター)町近郊のハッブー村、サーリヤー村、ダムリヤー村、バアディーナー村を砲撃した。

西クルディスタン移行期民政局人民防衛部隊主体のシリア民主軍広報センターによると、トルコ軍はまた、このほかにもシャッラー村近郊のクーブラーカー村、ディクマダーシュ村、ジャマー村、ドゥラーキルヤー村、ジャンディールス市近郊のカーニー・ムーリク村、ディーワー村、アークジャラ村、ブルブル町近郊のシャイフールザ村、ラージュー町一帯、シーヤ町村一帯、アフリーン市を爆撃・砲撃、反体制武装集団とともにシリア民主軍と交戦した。

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シリア軍はダマスカス郊外県東グータ地方各所を激しく爆撃・砲撃(2018年2月18日)

ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月18日付)やシリア人権監視団によると、シリア軍が東グータ地方のミスラーバー市の市場、アシュアリー農場とシャイフーニーヤ村を結ぶ街道、アイン・タルマー村、ナシャービーヤ町に対して20回以上の爆撃、50発の砲弾による砲撃を行い、女性1人、子供3人を含む10人が死亡、多数が負傷した。

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ダマスカス県では、SANA(2月18日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団がバーブ・トゥーマ地区を砲撃し、建物などが被害を受けた。

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アフリーン市一帯へのシリア軍の進駐を19日に控え、バアス党と内閣の代表団がハサカ県カーミシュリー市を視察訪問(2018年2月18日)

ハサカ県では、SANA(2月18日付)によると、シリア政府と西クルディスタン移行期民政局(北シリア民主連邦)が分割統治(共同支配)を行うカーミシュリー市を、バアス党シリア地域指導部と内閣の合同使節団が視察訪問した。

訪問は、アサド大統領の指示によるもので、ヤースィル・シューフィー・バアス党地域指導部教育前衛局長、ハズワーン・ワッズ教育大臣、ニザール・ワフバ・ヤーズジー保健大臣、アフマド・カーディリー農業・農業改革大臣が、カーミシュリー市のほか県内各所の福祉施設などを視察した。

SANA, February 18, 2018

 

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米ホワイト・ハウスNCS報道官「事実確認はできないが、トルコ軍が化学兵器を使用したということは決してないだろう」(2018年2月18日)

米ホワイト・ハウスの国家安全保障会議(NSC)のマイケル・アントン報道官は、16日にトルコ軍が西クルディスタン移行期民政局支配下のアレッポ県アフリーン市近郊のマズィーナ(アルナダ)村を、塩素ガスと思われる有毒ガスを装填した砲弾で攻撃したとされる問題に関して、トルコ軍が化学兵器を使用することはないとの見方を示した。

アントン報道官は「ホワイト・ハウスはこれらの報告について承知しているが、確認はできない。ただ、我々は、トルコ軍が化学兵器を使用したということは決してないだろうと思っている」と述べた。

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アフリーン市の複数の医療筋はトルコ軍が使用した有毒ガスを塩素と特定(2018年2月18日)

SANA(2月18日付)は、アレッポ県アフリーン市の複数の医療筋の話として、16日にマズィーナ村での砲撃でトルコ軍が使用した有毒ガスが塩素ガスであることが特定された、と伝えた。

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ダーイシュはアル=カーイダ系のシャーム解放機構との戦闘の末、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプの75%を掌握(2018年2月18日)

ダマスカス県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月18日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がアル=カーイダ系のシャーム解放機構との戦闘の末、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ内の支配地域を拡大、同キャンプの75%を手中に収めた。

ダーイシュが新たに掌握したのは、ハイファー通り、パレスチナ病院、マシュルーア地区内にあるシャーム解放機構の拠点複数カ所。

『ハヤート』(2月19日付)によると、両者の戦闘は14日から続いていた。

シリア人権監視団によると、この戦闘で、シャーム解放機構の戦闘員7人以上、ダーイシュ戦闘員少なくとも5人が死亡したという。

syria.liveuamap.com, February 18, 2018

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月18日付)によると、シリア軍がスバイハーン市でダーイシュ(イスラーム国)が掘削した地下トンネル網を発見した。

トンネル網は地下100メートルに掘削され、総延長が200メートル、16の部屋からなっていたという。

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シリア政府とロジャヴァが分割統治するハサカ県カーミシュリー市で爆弾テロが発生し、一家4人が死亡(2018年2月18日)

ハサカ県では、ANHA(2月18日付)やSANA(2月18日付)によると、シリア政府と西クルディスタン移行期民政局(北シリア民主連邦)が分割統治(共同支配)を行うカーミシュリー市西地区で爆弾が仕掛けられた車が爆発した。

ANHAによると、この爆発で女性3人と男性1人の一家4人が死亡、一方、SANAによると住民5人が死亡、7人が負傷した。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは13件の停戦違反を、トルコ側は4件の違反を確認(2018年2月18日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(2月18日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を13件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県9件、ラタキア県3件、アレッポ県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも4件(イドリブ県2件、ハマー県2件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 18, 2018をもとに作成。

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