イスラエルのオレン副首相「米国はシリア、イラン、イスラエルの対立をめぐって何の影響力もない」(2018年2月12日)

イスラエルのマイケル・オレン首相府外交担当副首相は米ブルームバーグ(2月13日付)のインタビューのなかで、10日のシリア軍によるイスラエル軍戦闘機撃墜に関して、イスラエル、シリア、イランの関係をめぐる「カードを握っている」のがロシアだとしたうえで、「戦争勃発は誰の利益にもならない…。ロシアは対立を終息させるとの期待感がある…。ロシアにはシリアとイランに力尽くで圧力をかける機会があると考えている。事態を見守りたい」と述べた。

その一方で、米国に関しては、イスラエルを支援してはいるものの、「現地で何らの影響力もない」と述べた。

AFP, February 12, 2018、ANHA, February 12, 2018、AP, February 12, 2018、Bloomberg, February 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 12, 2018、al-Hayat, February 13, 2018、Reuters, February 12, 2018、SANA, February 12, 2018、UPI, February 12, 2018などをもとに作成。

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YPGのハンムー総司令官「シリア軍が、トルコの占領からアフリーン市を防衛するために進軍することを我々は問題とはしない」(2018年2月12日)

西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊のスィーバーン・ハンムー総司令官は記者会見を開き、アレッポ県アフリーン市一帯でのトルコ軍に侵攻へのシリア軍の介入の是非に関する西クルディスタン移行期民政局の最終的な姿勢が確定したと発表した。

ハンムー総司令官は「シリア軍部隊が、トルコの占領に対抗し、アフリーン市および同市国境地帯を防衛するために進軍することを、我々は問題とはしない」と述べた。

また「我々はシリア政府に常に、アフリーンは今も昔もシリアの一部なので、あなた方は義務を果たさねばならないと言ってきた…。だが今のところ、アフリーンへのトルコの攻撃に対して国家が実質的な措置を講じてはいない」と述べ、シリア軍の介入に期待を寄せた。

ANHA, February 12, 2018

AFP, February 12, 2018、ANHA, February 12, 2018、AP, February 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 12, 2018、al-Hayat, February 13, 2018、Reuters, February 12, 2018、SANA, February 12, 2018、UPI, February 12, 2018などをもとに作成。

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ジョンソン英外務大臣はイスラエルに対するイランの挑発行為を非難(2018年2月12日)

英国のボリス・ジョンソン外務大臣は、シリア軍によるイスラエル軍戦闘機撃墜に関して、「我々は、シリアでの真の和平プロセス開始に向けた取り組みから注意を反らそうとするイランの振る舞いを懸念している」と述べうえで、ロシアに対し「(シリア)政府とその支援者たちに圧力をかけ、挑発行為を行わせない」よう求めた。

ロイター通信(2月12日付)が伝えた。

AFP, February 12, 2018、ANHA, February 12, 2018、AP, February 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 12, 2018、al-Hayat, February 13, 2018、Reuters, February 12, 2018、SANA, February 12, 2018、UPI, February 12, 2018などをもとに作成。

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『ウォールストリート・ジャーネル』:トルコ軍の「オリーブの枝」作戦がシリア東部での米国の計画を脅かす(2018年2月12日)

『ウォールストリート・ジャーネル』(2月12日付)は、トルコ軍によるアレッポ県アフリーン市一帯への侵攻により、米国のシリアでの計画が脅かされていると伝えた。

同誌によると、トルコ軍が1月20日に開始した「オリーブの枝」作戦を受け、ダイル・ザウル県南東部でのダーイシュ(イスラーム国)に対する戦いを担ってきた西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員がアフリーン市方面に転戦するようになり、米国高官らは、そうした戦闘員の数が増大すれば、米軍から軍事教練を受け、武器を提供されている彼らが、NATOの同盟国であるトルコと戦うことになると懸念するようになっているという。

AFP, February 12, 2018、ANHA, February 12, 2018、AP, February 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 12, 2018、al-Hayat, February 13, 2018、Reuters, February 12, 2018、SANA, February 12, 2018、UPI, February 12, 2018などをもとに作成。

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イラク内務省諜報テロ撲滅総局長「ダーイシュのバグダーディー指導者はシリア東部で潜伏を続けているが、脚を負傷し独りでは歩けない」(2018年2月12日)

イラク内務省諜報テロ撲滅総局のアブー・アリー・バスリー局長は、ダーイシュ(イスラーム国)のアブー・バクル・バグダーディー指導者が、イラク国境に近いシリア領内(ダイル・ザウル県東部)に依然として潜伏していると発表した。

バスリー局長は「バグダーディー氏の健康状態、精神状態は悪化しており、シリアのジャズィーラ地方にあるダーイシュの病院に搬送され、脚や体の骨折と重傷の治療が行われた。彼は独りでは歩けなくなっている」と述べた。

『サバーフ』(2月12日付)が伝えた。

AFP, February 12, 2018、ANHA, February 12, 2018、AP, February 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 12, 2018、al-Hayat, February 13, 2018、Reuters, February 12, 2018、al-Sabah, February 12, 2018、SANA, February 12, 2018、UPI, February 12, 2018などをもとに作成。

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イドリブ県でシャーム解放機構の本部、反体制武装集団車輌などを標的とした爆発が4回発生し、22人死亡(2018年2月12日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月12日付)によると、県内各所で連続して4回の爆発が起こり、22人が死亡した。

1度目の爆発はハーン・シャイフーン市で発生、爆弾はバイクに仕掛けられていた。

2度目の爆発はマアッル・シャマーリーン村とマアッラト・ヌウマーン市を結ぶ街道、3度目はマストゥーマ村とアリーハー市を結ぶ街道で発生した。

4度目の爆発はマアッラトミスリーン市で発生した。

シリア人権監視団によると、このうちマアッラトミスリーン市での爆発は、シャーム解放機構の本部を狙ったもので、マストゥーム村とアリーハ市を結ぶ街道での爆発は、反体制武装集団の車に爆弾仕掛けられた爆弾によるものだったという。

al-Durar al-Shamiya, February 12, 2018

AFP, February 12, 2018、ANHA, February 12, 2018、AP, February 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 12, 2018、al-Hayat, February 13, 2018、Reuters, February 12, 2018、SANA, February 12, 2018、UPI, February 12, 2018などをもとに作成。

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イドリブ県でアル=カーイダ系のシャーム解放機構などからなる反体制武装集団とダーイシュの戦闘続く(2018年2月12日)

イドリブ県では、シャーム解放機構に近いイバー通信(2月12日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(2月12日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がダーイシュ(イスラーム国)とウンム・ハラーヒール村で交戦し、戦闘員4人を殺害、また「侵略者撃退」作戦司令室は多数を捕捉した。

また、シリア人権監視団によると、戦闘はフワイン村、ザルズール村一帯でも行われた。

AFP, February 12, 2018、ANHA, February 12, 2018、AP, February 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 12, 2018、al-Hayat, February 13, 2018、Reuters, February 12, 2018、SANA, February 12, 2018、UPI, February 12, 2018、Wikalat al-Iba’ al-Ikhbariya, February 12, 2018などをもとに作成。

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ロシアのボグダノフ外務副大臣「イランがヒムス県に軍事基地を保有しているとの情報は持ち合わせていない」(2018年2月12日)

ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣は、イランがタドムル市近郊に軍事基地を保有している可能性があるという情報を持っているかとの記者団の問いに対して、「私はそうした情報を持ち合わせていない」と否定した。

ヒムス県のタイフール航空基地からイスラエルの無人航空機がイスラエルに飛来したことを受け、イスラエル軍が報復、その過程でシリア軍に戦闘機を撃墜されたとの主張に関して、ロシア政府が発言するのはこれが初めて。

ボグダノフ外務副大臣はまた、「地域諸国の緊張が悪化するのを許さないための融和」をすべての当事者に呼びかけると述べ、事態悪化を回避するために行動する意思を示した。

スプートニク・ニュース(2月12日付)が伝えた。

AFP, February 12, 2018、ANHA, February 12, 2018、AP, February 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 12, 2018、al-Hayat, February 13, 2018、Reuters, February 12, 2018、SANA, February 12, 2018、Sputnik News, February 12, 2018、UPI, February 12, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はトルコ軍の攻撃で民間人180人とシリア民主軍98人が死亡、トルコ軍側の戦死者数は862人と発表、トルコ軍も兵士31人が死亡したことを認める(2018年2月12日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは、トルコ軍が「オリーブの枝」作戦を開始した1月20日から2月12日までの被害状況を発表した。

それによると、民間人死者数は180人、負傷者数は413人にのぼり、シリア民主軍戦死者数は98人、トルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団戦闘員死者数は862人に達するという。

また、トルコ軍による爆撃は668回、砲撃は2,645回におよび、シリア民主軍とトルコ軍および反体制武装集団戦闘は500回以上発生しているという。

シリア民主軍が撃墜したトルコ軍航空機は2機(コブラ戦闘ヘリコプター、シコルスキー輸送機)、撃破した戦車などの車輌は51輌におよぶという。

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一方、トルコ軍参謀本部は同じ期間で、トルコ軍兵士31人が死亡、143人が負傷する一方、テロリスト1,369人を無力化(うち103人を殺害)したと発表した。

AFP, February 12, 2018、ANHA, February 12, 2018、AP, February 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 12, 2018、al-Hayat, February 13, 2018、Reuters, February 12, 2018、SANA, February 12, 2018、UPI, February 12, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はトルコ軍の無人偵察機を撃墜、トルコ軍の支援を受ける反体制武装集団はムハンマディーヤ村、アマーラ丘を制圧(2018年2月12日)

アレッポ県では、ANHA(2月12日付)によると、トルコ軍戦闘機がブルブル町近郊のバルカーシャ村を爆撃し、民家3棟が倒壊した。

トルコ軍はまた、シャイフールザ丘一帯で西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊および女性防衛隊と交戦した。

これに対して、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、ラージュ町近郊のクーダ村で、トルコ軍の無人偵察機(バイラクタル)1機を撃墜した。

ANHA, February 12, 2018

このほか、トルコ軍はハマーム村、ダイル・バッルート村、西アーシュカー村、ハッジ・イスカンダル村、ナスリーヤ村、アグジャラ村、バーフルール丘、ムハンマディーヤ村を爆撃・砲撃、シリア民主軍と交戦した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月12日付)によると、「オリーブの枝」作戦司令室はジャンディールス市近郊のムハンマディーヤ村、アマーラ丘を制圧した。

ANHA, February 12, 2018

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ハサカ県では、ANHA(2月12日付)によると、カーミシュリー市でトルコ軍によるアレッポ県アフリーン市一帯への侵攻に反対するデモが行われ、数千人が参加した。

AFP, February 12, 2018、ANHA, February 12, 2018、AP, February 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 12, 2018、al-Hayat, February 13, 2018、Reuters, February 12, 2018、SANA, February 12, 2018、UPI, February 12, 2018などをもとに作成。

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反体制武装集団はダマスカス県、ダマスカス郊外県の病院を砲撃(2018年2月12日)

ダマスカス県では、SANA(2月12日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団が、南部の総合診察所施設を砲撃した。

一方、『ハヤート』(2月13日付)によると、シリア軍がジャウバル区を砲撃し、ラフマーン軍団戦闘員4人、住民6人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月12日付)によると、東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団が、アドラー市近郊のイブン・スィーナ病院を砲撃した。

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ダルアー県では、SANA(2月12日付)によると、反体制武装集団がヒルバト・ガザーラ変電所を砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月12日付)によると、シャーム解放機構が主導する「堅固な建造物」作戦司令室に所属する第18師団が、ダルアー市内のシリア軍およびヒズブッラーの拠点を砲撃した。

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ハサカ県では、SANA(2月12日付)によると、トルコ軍がラアス・アイン市で10歳の子供1人を狙撃し、殺害した。

AFP, February 12, 2018、ANHA, February 12, 2018、AP, February 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 12, 2018、al-Hayat, February 13, 2018、Reuters, February 12, 2018、SANA, February 12, 2018、UPI, February 12, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは13件の停戦違反を、トルコ側は2件の違反を確認(2018年2月12日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(2月12日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を13件(アレッポ県5件、ラタキア県3件、ヒムス県1件、ダルアー県1件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県3件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも2件(ヒムス県1件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

一方、過去24時間にハマー県の1カ村とヒムス県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,359市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 12, 2018をもとに作成。

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ロシアはシリア軍によるイスラエル軍戦闘機撃墜を事前に許可(2018年2月12日)

『ハヤート』(2月12日付)は、10日のシリア軍防空部隊によるシリア領空でのイスラエル軍戦闘機撃墜に関して、ロシアがシリア政府に撃墜の「青信号」を事前に出していた、と伝えた。

AFP, February 11, 2018、ANHA, February 11, 2018、AP, February 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2018、al-Hayat, February 12, 2018、Reuters, February 11, 2018、SANA, February 11, 2018、UPI, February 11, 2018などをもとに作成。

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