ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは5件の停戦違反を、トルコ側は2件の違反を確認(2018年7月8日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月8日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(ラタキア県)確認したと発表した。

トルコ側の監督チームも2件(場所は明示せず)の停戦違反を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 8, 2018をもとに作成。

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トルコ軍がイドリブ県に通信設備を搬入(2018年7月7日

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月7日付)によると、トルコ軍の車列が、トルコ軍の車列は、ヒルバト・ジャウズ村に設置された仮設の通行所からシリアに入国、通信用アンテナなどを搬入したという。

複数の活動家によると、行く先は明らかではないが、ジスル・シュグール市近郊のイシュタブリク村の監視所に向かったと見られる。

AFP, July 7, 2018、ANHA, July 7, 2018、AP, July 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 7, 2018、al-Hayat, July 8, 2018、Reuters, July 7, 2018、SANA, July 7, 2018、UPI, July 7, 2018などをもとに作成。

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アサド大統領の弟マーヒル・アサド少将がレバノン在住の離反兵、活動家の帰国を仲介(2018年7月7日)

『シャルク・アウサト』(7月7日付)は、レバノンに滞在しているシリア軍の離反招聘や反体制活動家の帰国に向けて、アサド大統領の弟マーヒル・アサド少将に近いレバノン人が仲介人となって免罪手続きを行っていると伝えた。

仲介人を務めているのはザーフィル・ナフラーウィー氏ら。

彼らの仲介により、離反兵や活動家は、シリア政府やロシアが帰国後の身の安全を保証されるという。

AFP, July 7, 2018、ANHA, July 7, 2018、AP, July 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 7, 2018、al-Hayat, July 8, 2018、Reuters, July 7, 2018、SANA, July 7, 2018、al-Sharq al-Awsat, July 7, 2018、UPI, July 7, 2018などをもとに作成。

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アブー・アマーラ特殊任務中隊がシリア政府支配下のムハルダ市に潜入し、複数カ所で爆弾を爆発させる(2018年7月7日)

ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月7日付)によると、アブー・アマーラ特殊任務中隊がシリア政府支配下のムハルダ市に潜入し、複数カ所に爆弾を敷設、爆発させた。

アブー・アマーラ特殊任務中隊によると、これによって、シリア軍(第5軍団)の兵士20人を殺害したという。

AFP, July 7, 2018、ANHA, July 7, 2018、AP, July 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 7, 2018、al-Hayat, July 8, 2018、Reuters, July 7, 2018、SANA, July 7, 2018、UPI, July 7, 2018などをもとに作成。

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停戦を拒否したダルアー県の武装集団11組織が「南部軍」を結成(2018年7月7日)

ダルアー県でのシリア政府と南部中央作戦司令室の停戦合意に異議を唱える反体制武装集団が、共同声明を出し、「南部軍」の名で新たな武装集団を結成したと発表した。

南部軍に参加したのは、アバービール軍、カシオン旅団、ジャイドゥール・ハウラーン旅団、ジャイドゥール地区革命軍、ワ・ウタスィムー作戦司令室、ハーッラ軍事評議会、タスィール軍事評議会、真実の剣司令室、キータ自由人旅団、歴然たる勝利(ナスル・ムビーン)作戦司令室、東部地区支援部隊からなる。

AFP, July 7, 2018、ANHA, July 7, 2018、AP, July 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 7, 2018、al-Hayat, July 8, 2018、Reuters, July 7, 2018、SANA, July 7, 2018、UPI, July 7, 2018などをもとに作成。

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レバノンに身を寄せていたシリア人避難民377人が帰還(2018年7月7日)

ダマスカス郊外県では、SANA(7月7日付)によると、レバノンのベカーア県バアルベック郡アルサール村一帯で避難生活を送ってきたシリア人避難民数百人が、ザムラーニー国境通行所を経由し、カラムーン地方に帰還した。

『ハヤート』(7月8日付)によると、帰宅したのは377人。

SANA, July 7, 2018

AFP, July 7, 2018、ANHA, July 7, 2018、AP, July 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 7, 2018、al-Hayat, July 8, 2018、Reuters, July 7, 2018、SANA, July 7, 2018、UPI, July 7, 2018などをもとに作成。

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YPGはアフリーン郡でトルコ軍兵士2人を殺害したと発表(2018年7月7日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)の広報センターは声明を出し、トルコの実質占領下にあるアレッポ県アフリーン郡シャッラー村近郊のカフルジャンナ村で3日にトルコ軍の車列を攻撃し、兵士2人を殺害したと発表した。

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アレッポ県では、ANHA(7月7日付)によると、シャーム軍団とハムザート旅団の戦闘員がトルコの実質占領下にあるアフリーン郡ジンディールス町近郊のサティヤー村で住民多数を逮捕した。

武器携帯にかかる許可証を持っていないというのが逮捕の理由だという。

AFP, July 7, 2018、ANHA, July 7, 2018、AP, July 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 7, 2018、al-Hayat, July 8, 2018、Reuters, July 7, 2018、SANA, July 7, 2018、UPI, July 7, 2018などをもとに作成。

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シリア政府と反体制派の停戦合意を受けて、避難民数千人が帰宅、数千人は逮捕を恐れ帰宅を躊躇(2018年7月7日)

シリア人権監視団によると、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センター仲介によるシリア政府と南部中央作戦司令室の停戦合意を受けて、6月19日の戦闘激化以降ヨルダン国境地帯で避難生活を送ってきた住民数千人が、戦闘が停止した反体制派支配地域に帰還した。

同監視団によると、その一方で、シリア政府の支配下に復帰した村々の住民は、帰村後の逮捕を恐れて、数千人が帰宅を躊躇しているという。

シリア人権監視団によると、6月19日以降のダルアー県での戦闘員による民間人の死者数は159人(うち子供32人、女性33人)、シリア軍戦死者数は135人、武装集団戦死者数は131人を記録しているという。

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一方、ドゥラル・シャーミーヤ(7月7日付)は、ダルアー県南部でのシリア政府と南部中央作戦司令室の停戦合意(6日)を受けて、シリア政府がヨルダン国境地帯に避難していた住民の帰宅を支援するため、大型バス数十両を派遣した。

大型バスは、ナスィーブ国境通行所に近い自由貿易地域に入り、同地に避難している2万人とも言われる避難民の帰宅を支援する。

なお、帰宅先となる村は、現在シリア政府の支配下にあるが、停戦合意を受けて撤退が予定されているという。

AFP, July 7, 2018、ANHA, July 7, 2018、AP, July 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 7, 2018、al-Hayat, July 8, 2018、Reuters, July 7, 2018、SANA, July 7, 2018、UPI, July 7, 2018などをもとに作成。

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シリア軍がヨルダン国境に面するナスィーブ国境通行所に進駐(2018年7月7日)

ダルアー県では、SANA(7月7日付)によると、シリア軍部隊がヨルダンとの国境に面するナスィーブ国境通行所に進駐した。

シリア軍の展開は、6日のラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センター仲介によるシリア政府とシャーム解放機構などからなる南部中央作戦司令室による停戦合意を受けたもの。

syria.liveuamap.com, July 7, 2018

AFP, July 7, 2018、ANHA, July 7, 2018、AP, July 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 7, 2018、al-Hayat, July 8, 2018、Reuters, July 7, 2018、SANA, July 7, 2018、UPI, July 7, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは3件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年7月7日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月7日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(アレッポ県2件、ラタキア県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 7, 2018をもとに作成。

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イドリブ県にあるシャーム解放機構の検問所が襲撃を受ける一方、イドリブ市内で爆発発生(2018年7月6日)

イドリブ県では、AFP(7月6日付)によると、イドリブ市内のアブラール・モスク地区で爆弾が爆発した。

また、サラーキブ市では、正体不明の武装集団がシャーム解放機構の検問所を襲撃し、シャーム解放機構のメンバー3人が死亡、2人が負傷した。

AFP, July 6, 2018、ANHA, July 6, 2018、AP, July 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 6, 2018、al-Hayat, July 7, 2018、Reuters, July 6, 2018、SANA, July 6, 2018、UPI, July 6, 2018などをもとに作成。

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トルコのチャヴシュオール外務大臣「マンビジュでのミッションが完了したら、工程表をめぐる米国とのコンセンサスはシリア北部のその他の地域にも適用される」(2018年7月6日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)の支配下にあるアレッポ県マンビジュ市一帯の処遇をめぐって米国とトルコが交わした工程表に関して、「マンビジュでのミッションが完了したら、工程表をめぐるコンセンサスはシリア北部のその他の地域にも適用されるだろう」と述べた。

アナトリア通信(7月6日付)が伝えた。

AFP, July 6, 2018、Anadolu Ajansı, July 6, 2018、ANHA, July 6, 2018、AP, July 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 6, 2018、al-Hayat, July 7, 2018、Reuters, July 6, 2018、SANA, July 6, 2018、UPI, July 6, 2018などをもとに作成。

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OPCWは米英仏のシリア攻撃の根拠となった4月のドゥーマー市での化学兵器使用疑惑事件に関して、化学兵器関連の物質は検出されなかったとしつつ、塩素系の化学物質が発見されたと発表(2018年7月6日)

化学兵器機関(OPWC)は6日(金曜日)、4月7日に東グータ地方ドゥーマー市(ダマスカス郊外県)で発生し、13日の米英仏によるシリア爆撃の根拠となった化学兵器攻撃疑惑事件に関する事実調査の中間報告書を発表した。

OPCWの声明の内容は以下の通り:

ハーグ、オランダ――2018年7月6日――OPCWの事実調査団(FFM)は、2018年4月7日にシリアのドゥーマーで発生したとされる化学兵器使用事件に関して、現時点までに行われたFFM調査の中間報告書を発表した。

FFMは事件が発生したとされるドゥーマー市内の現場で、環境サンプルを収集、複数の目撃者にインタビューを行うとともに、データ収集を行った。FFMチームはまた、隣国(国名は明示せず)でも、生物学的サンプル、環境サンプルを収集、目撃者に対するインタビューを行った。

OPCW指定の実験施設で、優先順にサンプル分析を行った結果、有機リン系神経剤、あるいはその分解産物は、環境サンプルおよび被害者とされる検体から採取された血漿サンプルからは検出されなかった。2カ所で採取されたサンプルから、さまざまな有機塩素系化学物質が爆発物の残骸とともに発見され、分析が続けられている。これらの結果の意義を確定するためのFFMチームの作業は現在も継続中である。FFMチームは最終結論に達するまで作業を続ける。

FFMはまた、2016年10月30日にシリアのハムダーニーヤ地区(アレッポ市)と2016年11月13日にカルム・タッラーブ地区(アレッポ市)で発生したとされる化学兵器使用事件についての報告書を2018年7月2日に発表した。入手・分析された情報、インタビューによって得られた話、実験施設での分析結果から、FFMは、ハムダーニーヤ近隣地域とカルム・タッラーブ地区において発生した事件で特定の化学物質が兵器として使用されたか否かを断定することはできなかった。FFMは、報告された事件の被害にあった人々がおそらく、何らかの持続性のない刺激物質を浴びたと付言する。

ドゥーマー市、ハムダーニーヤ地区、カルム・タッラーブ地区、で発生したとされる化学兵器使用、FFMの報告書は、化学兵器禁止条約(CWC)の締約国に共有された。報告書はまた、国連事務総長を通じて安全保障理事会に回付された。

https://www.opcw.org/

AFP, July 6, 2018、ANHA, July 6, 2018、AP, July 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 6, 2018、al-Hayat, July 7, 2018、Reuters, July 6, 2018、SANA, July 6, 2018、UPI, July 6, 2018などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダはダルアー県の同胞を救済するとして、ハマー県での軍事作戦開始を宣言(2018年7月6日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の南部司令部は声明を出し、「ダルアー県の同胞を救済するため」として、ハマー県でシリア軍に対する軍事作戦を開始すると発表した。

AFP, July 6, 2018、ANHA, July 6, 2018、AP, July 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 6, 2018、al-Hayat, July 7, 2018、Reuters, July 6, 2018、SANA, July 6, 2018、UPI, July 6, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍支配下のブサイラ市(ダイル・ザウル県)で爆発が発生、10人あまりが死亡(2018年7月6日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(7月7日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支配下にあるブサイラ市で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、10人が死亡、20人が負傷した。

シリア人権監視団によると、この爆発で19人(シリア民主軍戦闘員11人、住民8人)が死亡した。

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アレッポ県では、ANHA(7月7日付)によると、トルコの実質占領下にあるアフリーン郡ジンディールス町で反体制武装集団が撃った空砲で子供1人が死亡した。

AFP, July 6, 2018、ANHA, July 6, 2018、AP, July 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 6, 2018、al-Hayat, July 7, 2018、Reuters, July 6, 2018、SANA, July 6, 2018、UPI, July 6, 2018などをもとに作成。

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イスラエル軍はシリア軍とアル=カーイダが交戦中のクナイトラ県を砲撃(2018年7月6日)

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ(Avichay Adraee)報道官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)を通じて、「迫撃砲による砲撃を受け、緩衝地帯内の有刺鉄線の東側(シリア政府支配地域)およびその近くに着弾したこを受けて、イスラエル軍はシリア軍の拠点1カ所を砲撃した」と発表した。

アドライ報道官はまた「この迫撃砲は、政権と破壊分子の内戦のなかで発射されたもので、イスラエル国防軍はシリアの内戦には干渉しない」としつつ、「しかし同時に、ゴラン高原の緩衝地帯の維持を含む1974年の兵力引き離し協定の実施を支持し続ける」と付言した。

AFP, July 6, 2018、ANHA, July 6, 2018、AP, July 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 6, 2018、al-Hayat, July 7, 2018、Reuters, July 6, 2018、SANA, July 6, 2018、UPI, July 6, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はクナイトラ県でシャーム解放機構と交戦(2018年7月6日)

ダルアー県では、SANA(7月6日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団(南部中央作戦司令室)との戦闘の末、ヌアイマ村を制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍はヌアイマ村、ウンム・マヤーズィン町、タファス市一帯、タイバ村を砲撃・爆撃した。

同監視団によると、シリア軍はまたナスィーブ国境通行所に近いヨルダン国境地帯に対して重点的な砲撃を行い、同通行所3キロの距離まで進軍した。

その後、ブスラー・シャーム市一帯での停戦合意を受けて、シリア軍(そしてロシア軍)は同地への攻撃を停止した。

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クナイトラ県では、SANA(7月6日付)によると、シャーム解放機構がバアス市一帯のシリア軍拠点を攻撃、シリア軍が応戦した。

反体制武装集団はまた、ハーン・アルナバ市を砲撃した。

AFP, July 6, 2018、ANHA, July 6, 2018、AP, July 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 6, 2018、al-Hayat, July 7, 2018、Reuters, July 6, 2018、SANA, July 6, 2018、UPI, July 6, 2018などをもとに作成。

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シリア政府とシャーム解放機構などからなる南部中央作戦司令室がダルアー県での停戦で合意(2018年7月6日)

ダルアー県では、SANA(7月6日付)によると、ロシア軍代表団とシャーム解放機構などからなる南部中央作戦司令室による交渉の結果、UNESCO世界文化遺産を擁するブスラー・シャーム市一帯で活動を続けてきた反体制武装集団が、シリア政府との停戦・和解合意に応じた。

停戦・和解合意は、戦闘停止、重火器・中火器の引き渡し、残留を希望する戦闘員の免罪、退去を希望する戦闘員とその家族のイドリブ県への退去、対ヨルダン国境地帯の監視所のシリア政府への引き渡しなどを骨子とするという。

また、ロシア国防省も7日、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターの仲介により、シリア政府とダルアー県の武装集団が停戦に合意したと発表した。

声明によると、停戦合意は、①停戦の実施、武装集団の支配下にあった居住地域に配備されていた重火器・中火器の引き渡し、②和解を拒否する戦闘員とその家族のイドリブ県への退去、③居住地域におけるシリア政府の行政機関の復活、などを骨子とする。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(7月6日付)によると、停戦・和解合意は、①即時停戦、②ロシア軍憲兵隊の国境地帯への展開、③シリア軍と「イランの民兵」のムサイフラ町、キヒール村、ジーザ町、サフワ村からの撤退、④ロシア側への反体制武装集団の重火器の引き渡し、⑤退去希望者の退去、を骨子とするという。

また、『ハヤート』(7月7日付)によると、このほか、仲介者となったヨルダンの要請として、避難民の帰還が盛り込まれたという。

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これを受け、シリア軍消息筋は、ヨルダンとの国境に面するナスィーブ国境通行所にシリア国旗を掲揚したと発表した。
https://www.sana.sy/wp-content/uploads/2018/07/0-26-660×330.jpg

一方、南部中央作戦司令室は、停戦合意を受けて声明を出し、「合意は尊厳、自由、威厳、栄光が南部の血によって流されるのを回避するために不可欠だった」としたうえで、受諾が苦汁の決断だったことを明らかにした。

syria.liveuamap.com, July 6, 2018

AFP, July 6, 2018、ANHA, July 6, 2018、AP, July 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 6, 2018、al-Hayat, July 7, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 7, 2018、Reuters, July 6, 2018、SANA, July 6, 2018、UPI, July 6, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは5件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年7月6日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月6日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(ハマー県2件、アレッポ県1件、ラタキア県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 6, 2018をもとに作成。

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イスラエル軍事ジャーナリストは、イスラエル軍が6月にダイル・ザウル県でイラク人民兵を爆撃したことを示す航空写真を公開(2018年7月5日)

イスラエルの軍事ジャーナリスト、アロン・ベン・デイヴィッド氏は自身のツイッターのアカウント(https://twitter.com/alonbd)を通じて、イスラエル軍戦闘機がシリア領内で活動するイラク人民動員隊のヒズブッラー大隊の拠点を爆撃したことを示した航空写真を公開した。

ベン・デイヴィッド氏によると、爆撃は6月18日にダイル・ザウル県ブーカマール市近郊の拠点に対して行われ、ヒズブッラー大隊の将兵55人が死亡したという。

なお、この爆撃に関して、SANAなどは米主導の有志連合による爆撃と伝えた。

AFP, July 5, 2018、ANHA, July 5, 2018、AP, July 5, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 5, 2018、al-Hayat, July 6, 2018、Reuters, July 5, 2018、SANA, July 5, 2018、UPI, July 5, 2018などをもとに作成。

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イスラエルのモサドがダマスカスで極秘特殊作戦を敢行し、エリ・コーヘン氏の腕時計を「奪還」(2018年7月5日)

イスラエル政府のアラビア語版公式ツイッター・アカウント「イスラエル・アラビック(イスラエル・ビ・アル=アラビーヤ」(https://twitter.com/israelarabic)は、モサドがシリアの首都ダマスカスで極秘特殊作戦を遂行、1965年にシリアで処刑されたイスラエル人工作員エリ・コーヘン氏が身につけていた腕時計を「奪還」したと発表し、その写真を公開した。

AFP, July 5, 2018、ANHA, July 5, 2018、AP, July 5, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 5, 2018、al-Hayat, July 6, 2018、Reuters, July 5, 2018、SANA, July 5, 2018、UPI, July 5, 2018などをもとに作成。

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トルコの実質占領下のアフリーン郡でシャーム軍団とシャーム自由人イスラーム運動が略奪品の分配をめぐって交戦(2018年7月5日)

アレッポ県では、ANHA(7月5日付)によると、トルコの実質占領下にあるアフリーン郡のジンディールス町中心街で、シリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団とアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動(シリア解放戦線)が交戦した。

戦闘は略奪品の分配をめぐる対立に端を発し、双方に負傷者が出たという。

AFP, July 5, 2018、ANHA, July 5, 2018、AP, July 5, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 5, 2018、al-Hayat, July 6, 2018、Reuters, July 5, 2018、SANA, July 5, 2018、UPI, July 5, 2018などをもとに作成。

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米軍が駐留するマンビジュ市での反トルコ・デモ参加者近くで爆弾が爆発、1人が死亡、22人が負傷、トルコの実質占領下のジャラーブルス市でも爆発(2018年7月5日)

アレッポ県では、ANHA(7月5日付)によると、米軍が進駐する西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)支配下のマンビジュ市のハイヤ地区でトルコ軍の脅威に抗議するデモが行われたが、デモ参加者の近くで爆発が発生した。

この爆発で、住民1人が死亡、22人が負傷した。


一方、トルコの実質占領下にあるジャラーブルス市内で爆弾が仕掛けられた車2台が相次いで爆発した。

AFP, July 5, 2018、ANHA, July 5, 2018、AP, July 5, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 5, 2018、al-Hayat, July 6, 2018、Reuters, July 5, 2018、SANA, July 5, 2018、UPI, July 5, 2018などをもとに作成。

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ヨルダンの仲介によりロシア軍とシャーム解放機構などからなる南部中央作戦司令室が停戦交渉を再々開(2018年7月5日)

ヨルダン軍が運営するハラー・アフバール(7月5日付)は、複数の消息筋の話として、シャーム解放機構などからなる南部中東作戦司令室とロシア軍代表団がヨルダンの仲介のもとに、停戦交渉を再開した、と伝えた。

また、最高交渉委員会元副議長のハーリド・マハーミード氏は、ハダス・チャンネル(7月5日付)に対して、ヨルダンが最高交渉委員会とともに、改めて停戦交渉を行うよう両当事者に求めたとしたうえで、ロシアが停戦を受け入れない一部戦闘員を家族とともにダルアー県から退去させることに同意したことを明らかにした。

停戦交渉は4日に中断していた。

AFP, July 5, 2018、ANHA, July 5, 2018、AP, July 5, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 5, 2018、al-Hadath, July 5, 2018、Hala Akhbar, July 5, 2018、al-Hayat, July 6, 2018、Reuters, July 5, 2018、SANA, July 5, 2018、UPI, July 5, 2018などをもとに作成。

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ロシア軍とシャーム解放機構などからなる南部中央作戦司令室の停戦交渉決裂を受け、ロシア・シリア両軍はダルアー県各所を激しく攻撃(2018年7月5日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団(南部中央作戦司令室)とロシア軍の停戦交渉が決裂したのを受け、ロシア・シリア両軍はタイバ町、サイダー町、ウンム・マヤーズィン村、ヤードゥーダ村、ダルアー市ダルアー・バラド地区を「樽爆弾」などで爆撃した。

爆撃は600回以上に及んだという。

一方、SANA(7月5日付)によると、シリア軍が県東部、南東部でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対する掃討戦を継続し、サイダー町とキヒール村の間に位置する防空大隊基地を制圧、サイダー町に突入、これを制圧した。

これに対し、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団は、ダルアー市住宅街各所を砲撃し、住民1人が死亡、10人が負傷した。

なお、シリア人権監視団によると、6月19日以降のダルアー県での死者数は149人を記録しているという。

AFP, July 5, 2018、ANHA, July 5, 2018、AP, July 5, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 5, 2018、al-Hayat, July 6, 2018、Reuters, July 5, 2018、SANA, July 5, 2018、UPI, July 5, 2018などをもとに作成。

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ダルアー県の反体制派支配地域住民453世帯がシリア政府支配下に設置された仮設住宅センターに収容、シリア政府の支配下に復帰したダーイル町に住民3万人が帰宅(2018年7月5日)

ダルアー県では、SANA(7月5日付)によると、反体制派の支配下にあるナワー市、シャイフ・サアド村の住民453世帯が、シリア政府支配下のジバーブ村に設置された仮設居住センターに収容された。

SANA, July 5, 2018

一方、シリア政府の支配下に復帰したダーイル町では、戦闘激化に伴い退避していた住民3万人以上が帰宅した。

SANA, July 5, 2018

AFP, July 5, 2018、ANHA, July 5, 2018、AP, July 5, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 5, 2018、al-Hayat, July 6, 2018、Reuters, July 5, 2018、SANA, July 5, 2018、UPI, July 5, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは8件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年7月5日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月5日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(ハマー県1件、アレッポ県2件、ラタキア県5件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 5, 2018をもとに作成。

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ダーイシュがダイル・ザウル県で有志連合とシリア民主軍の合同パトロール部隊を襲撃し、米軍兵士2人を殺害(2018年7月4日)

ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル24(7月5日付)によると、米主導の有志連合の地上部隊が、ナムリーヤ村近郊の街道でダーイシュ(イスラーム国)が敷設した地雷の爆発に巻き込まれ、米軍兵士2人が死亡した。

死亡した米軍兵士は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と有志連合の合同パトロール部隊に所属していたという。

同サイトによると、地雷が爆発した直後、ダーイシュと合同パトロール部隊が交戦、ダーイシュ戦闘員は逃走したという。

一方、ユーフラテス・ポスト(7月5日付)によると、ダーイシュは、街道に仕掛けた爆弾を爆発させ、シリア民主軍と有志連合の合同パトロール部隊の車列を襲撃したという。

AFP, July 5, 2018、ANHA, July 5, 2018、AP, July 5, 2018、Deirzoor24, July 5, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 5, 2018、Euphrates Post, July 6, 2018、al-Hayat, July 6, 2018、Reuters, July 5, 2018、SANA, July 5, 2018、UPI, July 5, 2018などをもとに作成。

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イラク諜報機関「鷹諜報細胞」:「ダーイシュ最高指導者の長男はロシア軍の爆撃で7月2日に殺害された」(2018年7月4日)

イラク諜報機関「鷹諜報部隊」の高官は、ダーイシュ(イスラーム国)に近いナーシル・ニュース(7月3日付)が、最高指導者アブー・バクル・バグダーディー氏の長男のフザイファ・バドリー氏(15歳)の死亡を報じたことに関して、AFP(7月4日付)に対して「フザイファ・バドリーはロシアが2018年7月2日にヒムス県内の洞窟に対して行った爆撃で殺害された。洞窟ではダーイシュのメンバー11人が死亡した」ことを明らかにした。

AFP, July 4, 2018、ANHA, July 4, 2018、AP, July 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 4, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Nashir News, July 3, 2018、Reuters, July 4, 2018、SANA, July 4, 2018、UPI, July 4, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍がハサカ県南東部の2カ村をダーイシュより解放(2018年7月4日)

ハサカ県では、ANHA(7月4日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が県南東部でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討戦を続け、カブル・ターハー村、マディーナ村を制圧した。

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ラッカ県では、ANHA(7月4日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)支配下のラッカ市工業地区にあるダーイシュ(イスラーム国)が武器庫として使用していた倉庫が爆発し、6人が負傷した。

AFP, July 4, 2018、ANHA, July 4, 2018、AP, July 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 4, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Reuters, July 4, 2018、SANA, July 4, 2018、UPI, July 4, 2018などをもとに作成。

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