YPG主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会は支配地域の自治を統括する新たな政体「北・東シリア自治局」の樹立を宣言(2018年9月6日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会は、ラッカ県アイン・イーサー市で会合を開き、シリア北部および東部の民政局、地元評議会からなる新たな自治政体「北・東シリア自治局」を樹立することを決定した。

北・東シリア自治局は、7月半ばに開催された第3回シリア民主評議会大会での決定に基づくもので、シリア民主軍支配地域全体の自治を担う予定。

2018年3月にトルコに占領されたアレッポ県アフリーン郡がこの自治政体に含まれるかは不明。

北・東シリア自治局樹立会合では、意思決定機関にあたる総務評議会の評議員70人が任命され、同評議会がスィハーム・カルユー氏(シリア正教徒、女性)、ファリード・アティーユ氏(アレッポ県コバネ市の弁護士)を共同議長に選出するとともに、両共同議長を補佐する総務評議会事務局(ディーワーン)のメンバー5人を選出した。

会合ではまた、ビーリーファーン・ハーリド氏、アブドゥルハーミド・ミフバーシュ氏が執行機関にあたる執行評議会の共同議長に選出された。

ANHA(9月6日付、10月6日付)が伝えた。

ANHA, September 7, 2018

AFP, September 6, 2018、ANHA, September 6, 2018、October 6, 2018、AP, September 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 6, 2018、al-Hayat, September 7, 2018、Reuters, September 6, 2018、SANA, September 6, 2018、UPI, September 6, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ当局が指名手配中の親政権民兵の代表がシリア国内で暗殺未遂に遭う(2018年9月6日)

シリア軍とともに反体制武装集団に対する人民防衛諸集団の一つ→アサド政権を支持し反体制派との戦闘に参加してきた人民防衛諸集団の一つの

ラタキア県では、アレキサンドレッタ地方解放人民戦線の代表を務めるアリー・カヤーリー氏(別名ミフラチュ・ウラル、トルコのハタイ県出身)が乗った車列がスランファ、近郊の街道を通行中に、道路脇に仕掛けられていた爆弾が爆発し、1人が死亡、2人が負傷した。

複数の消息筋によると、カヤーリー氏本人も軽傷を負ったが、無事だった。

アレキサンドレッタ地方解放人民戦線は、シリア政府を支持し、反体制派との戦闘に参加してきた人民防衛諸集団の一つで、トルコ当局はカヤーリー氏を指名手配している。

al-Durar al-Shamiya, September 6, 2018

AFP, September 6, 2018、ANHA, September 6, 2018、AP, September 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 6, 2018、al-Hayat, September 7, 2018、Reuters, September 6, 2018、SANA, September 6, 2018、UPI, September 6, 2018などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県でシリア政府と和解した反体制武装集団のメンバー25人が拘束(2018年9月6日)

ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月6日付)によると、ドゥマイル市一帯でシリア政府との和解に応じた反体制武装集団のメンバー25人がシリア軍によって拘束された。

25人はスンナ青年旅団のメンバーだという。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月6日付)によると、アトマーン村でダーイシュ(イスラーム国)、ないしは反体制武装集団のメンバーと思われる男性複数人が拘束された。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月6日付)によると、アレッポ市バーブ・ファラジュ地区で、刑事治安局と人民諸委員会が交戦し、刑事治安局のアリー・スライマーン大尉が死亡、双方に4人の負傷者が出た。

AFP, September 6, 2018、ANHA, September 6, 2018、AP, September 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 6, 2018、al-Hayat, September 7, 2018、Reuters, September 6, 2018、SANA, September 6, 2018、UPI, September 6, 2018などをもとに作成。

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YPGおよび「オリーブの怒り」作戦司令室はトルコ実質占領下のアフリーン郡で反体制武装集団メンバーを殺害(2018年9月6日)

アレッポ県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)に近い「オリーブの怒り」作戦司令室が、トルコの実質占領下にあるアレッポ県アフリーン郡シャッラー村でシャーム軍団の司令官1人を殺害したと発表した。

「オリーブの怒り」作戦はまた、アフリーン市とジンディールス町を結ぶ街道でシャーム戦線のメンバー1人を殺害したと発表した。

一方、YPG広報センターも、ディークマダーシュ村でシャーム戦線のメンバー2人を殺害したと発表した。AFP, September 6, 2018、ANHA, September 6, 2018、AP, September 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 6, 2018、al-Hayat, September 7, 2018、Reuters, September 6, 2018、SANA, September 6, 2018、UPI, September 6, 2018などをもとに作成。

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シリア軍がイドリブ県、ハマー県への砲撃を続けるなか、イドリブ県で1,000人あまりが戦闘を避け避難(2018年9月6日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフワイン村、タマーニア町、ジャルジャナーズ町、マアッル・シャマーリーン村などを砲撃した。

また、シリア軍による砲撃を受けて、180世帯、1,000人あまりが5日以降、反体制派支配地域内を県東部に向かって避難した。

一方、SANA(9月6日付)によると、シリア軍がタッフ村、タッル・アース村にある反体制武装集団の教練キャンプや拠点を砲撃した。

これに対し、ドゥラル・シャーミーヤ(9月6日付)によると、国民解放戦線がジューリーン軍事基地をグラード・ロケット弾で砲撃した。

このほか、アナトリア通信(9月6日付)によると、戦車などからなるトルコ軍の車列が、キリス市からシリア領内に入った。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヒルバト・ナークース村などを砲撃した。

一方、SANA(9月6日付)によると、シリア軍がカフルズィーター市にある反体制武装集団の拠点を砲撃した。

AFP, September 6, 2018、Anadolu Ajansı, September 6, 2018、ANHA, September 6, 2018、AP, September 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 6, 2018、al-Hayat, September 7, 2018、Reuters, September 6, 2018、SANA, September 6, 2018、UPI, September 6, 2018などをもとに作成。

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第60回ダマスカス国際博覧会が開幕、48カ国が参加(2018年9月6日)

ダマスカス郊外県マディーナト・マアーリド(エクスポ・シティ)で第60回ダマスカス国際博覧会が開幕し、イマード・ハミース首相がアサド大統領の代理として開会式に出席し、開会の辞を述べた。

第60回ダマスカス国際博覧会にはアラブ諸国を含む48カ国が参加している。

SANA, September 6, 2018

AFP, September 6, 2018、ANHA, September 6, 2018、AP, September 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 6, 2018、al-Hayat, September 7, 2018、Reuters, September 6, 2018、SANA, September 6, 2018、UPI, September 6, 2018などをもとに作成。

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国連安保理でシリアでの化学兵器保有・開発にかかる会合開催、米仏とロシア・シリアが非難の応酬(2018年9月6日)

国連安保理は、イドリブ県でのシリア軍の攻撃が激しさを増すなか、シリアでの化学兵器保有・開発にかかる会合を開催した。

会合では、軍縮担当上級代表の中満泉氏が、シリア国内の化学兵器関連施設27カ所の廃棄を確認したとしたうえで、シリアでの化学兵器使用に関する調査を行う国連および化学兵器禁止機関(OPCW)の合同査察機構(Joint Investigation Mechanism、JIM)が活動を停止したことに伴う化学兵器再使用の危険について指摘した。

フランスのフランソワ・デラトレ国連代表は、イドリブ県での化学兵器使用の可能性について、使用された場合「シリアの長い悲劇の歴史の新たな一章が幕開けする」と懸念を表明した。

米国のニッキー・ヘイリー国連大使も、シリア政府がイドリブ県で再び化学兵器を使用していると主張した。

これに対して、ロシアのワシーリー・ネベンジャ国連大使は、OPCWがシリアでの化学兵器廃絶を確認しているとしたうえで、欧米諸国がシリア政府に使用の嫌疑をかけ続けいていると批判した。

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表も「シリアには化学兵器はもう存在しない」と共同、一部諸国が、シリア国内の化学兵器関連施設が廃棄されたとの報告に耳を傾けようとしない、と批判し、「我々は戦争に勝利しつつあり、化学兵器を使用する必要はない…。シリアが、テロリストではなくて、女性や子供に対して武器を使用する理由がどこにあるのか!」と強調した。

『ハヤート』(9月7日付)などが伝えた。

AFP, September 6, 2018、ANHA, September 6, 2018、AP, September 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 6, 2018、al-Hayat, September 7, 2018、Reuters, September 6, 2018、SANA, September 6, 2018、UPI, September 6, 2018などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:9月5日に難民960人が新たに帰国、7月18日以降に帰国したシリア難民は11,572人に(2018年9月6日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月6日付)を公開し、9月5日に難民960人(うち女性288人、子供490人)が新たに帰国したと発表した。

これにより、7月18日以降に帰国したシリア難民の数は11,572人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者11,254人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は698万6,358人(うち女性209万5,907人、子供356万3,043人)。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(9月6日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を26件(アレッポ県10件、ハマー県1件、ラタキア県15件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 6, 2018をもとに作成。

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