シリア石油公社:2011年3月以降の原油約2億5,200万バレル(約520万米ドル)を損失、略奪・破壊による被害額は1億1,000万米ドル)に(2018年9月30日)

シリア石油公社(SPC)は、2011年3月から2018年半ばまでに原油約2億5,200万バレル(26億2,300万シリア・ポンド、約520万米ドル)を損失、また略奪・破壊による物的被害が550億シリア・ポンド(約1億1,000万米ドル)に及んでいるとの試算を発表した。

同公社は現在、ヒムス県、ハサカ県、ラッカ県、ダイル・ザウル県で解放された油田の復旧、生産再開、増産を推し進めており、2018年上半期には914万バレル(5万500バレル/日)の原油を生産したという。

このうち、690万バレルがハサカ県各所で、39万400バレルが中部地方(ヒムス県、ラッカ県)で、170万バレルがハサカ県ジャブサ油田で、14万7,500バレルがダイル・ザウル県のマハーユ油田で生産されたという。

『ハヤート』(10月1日付)が伝えた。

AFP, September 30, 2018、ANHA, September 30, 2018、AP, September 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018、al-Hayat, October 1, 2018、Reuters, September 30, 2018、SANA, September 30, 2018、UPI, September 30, 2018などをもとに作成。

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ヨルダン北東部のラクバーン・キャンプに身を寄せるシリア難民のなかの部族名士が、負傷者の移送・治療、病人の兵役免除などを骨子とする合意をシリア政府と交わす(2018年9月30日)

ドゥラル・シャーミーヤ(9月30日付)は、複数の地元筋の話として、米主導の有志連合が占領するヒムス県のタンフ国境通行所一帯(55キロ地帯)に近いヨルダン北東部に設置されているルクバーン・キャンプに身を寄せるシリア難民のなかの部族名士らが、シリア政府と和解合意を交わしたと伝えた。

同消息筋によると、9月29日(土曜日)にシリア政府の支配下にあるジュライギーム通行所近くでシリア政府の代理人らと名士たちが会合を開き、9項目からなる合意を交わしたという。

バーディヤ24(9月30日付)によると、9項目の中には、キャンプで暮らす負傷者150人を首都ダマスカスなどの病院に搬送して治療すること、病人の兵役免除と兵役忌避の免罪などが盛り込まれている。

 

al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018
al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018

AFP, September 30, 2018、ANHA, September 30, 2018、AP, September 30, 2018、al-Badiya 24, September 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018、al-Hayat, October 1, 2018、Reuters, September 30, 2018、SANA, September 30, 2018、UPI, September 30, 2018などをもとに作成。

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トルコの支援を受ける国民解放戦線はイドリブ県の非武装地帯からの撤退を否定、また同地へのロシア軍進駐を拒否(2018年9月30日)

国民解放戦線の法務局長を務めるウマル・フザイファ氏(シャーム軍団法務官)はテレグラムのアカウントを通じて、17日にロシア・トルコ首脳が設置合意したイドリブ県の非武装地帯からの撤退を否定した。

フザイファ氏は「(非武装地帯にかかる)合意には、各戦線や敵との前線に設置されている拠点からの放棄や撤退、我々が過去数ヶ月にわたって活用していた人事からの撤退を示す文言はない…。我々側のいかなる戦闘員が退去することも盛り込まれていない。我々は緩衝地帯において、中火器、対装甲兵器による攻撃…に対抗するのに必要なものを保持している」と綴った。

また「トルコ軍兵士は、政権側からの攻撃に対応するための重火器や完全装備を用意することになる」と付言した。

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国民解放戦線報道官のナージー・ムスタファー(アブー・フザイファ)報道官もテレグラムのアカウントを通じて、「同盟国であるトルコと(非武装地帯にかかる)合意の文言、とりわけ非武装地帯におけるロシアの進駐に関して長時間にわたる会合を行い…、国民解放戦線からこれを拒否するとの明確な姿勢が示された。またこうしたことが起こらないようするとの約束を彼ら(トルコ)から得た。トルコ側は今日、このことを確認した」とする声明を出した。

al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018

AFP, September 30, 2018、ANHA, September 30, 2018、AP, September 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018、al-Hayat, October 1, 2018、Reuters, September 30, 2018、SANA, September 30, 2018、UPI, September 30, 2018などをもとに作成。

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シリア人権監視団は、国民解放戦線に所属する自由イドリブ軍がイドリブ県の非武装地帯からの撤退を開始したと発表(2018年9月30日)

英国で活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団は、「トルコに近いイスラーム主義の軍団」が、17日にロシア・トルコ首脳によって設置合意されたイドリブ県の非武装地帯から撤退を開始した、と発表した。

撤退を開始したのは、国民解放戦線に所属する自由イドリブ軍。

AFP, September 30, 2018、ANHA, September 30, 2018、AP, September 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018、al-Hayat, October 1, 2018、Reuters, September 30, 2018、SANA, September 30, 2018、UPI, September 30, 2018などをもとに作成。

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ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が国連本部でバーレーン外務大臣と偶然鉢合わせとなり、懇談(2018年9月30日)

ハダス・チャンネル(9月29日付)は、第73回国連総会に出席するためにニューヨークを訪問中のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相が、国連本部でバーレーンのハーリド・ビン・アフマド・アール・ハリーファ外務大臣と偶然鉢合わせなり、懇談したと伝え、その映像(https://youtu.be/A6KMRLydTa0)を公開した。

シリアの外務大臣がアラブ湾岸諸国の外務大臣と公の場で友好的に言葉を交わすのは2011年以降初めて。

Al-Hadath Channel, September 30, 2018

AFP, September 30, 2018、ANHA, September 30, 2018、AP, September 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018、Al-Hadath Channel, September 30, 2018、al-Hayat, October 1, 2018、Reuters, September 30, 2018、SANA, September 30, 2018、UPI, September 30, 2018などをもとに作成。

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ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣「シリアには、あらゆる手段を駆使して、イドリブ県を回復する権利がある」(2018年9月30日)

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相は、RT(9月30日付)のインタビューに応じ、そのなかで「シリアには、和解であれ、それ以外の方法であれ、あらゆる手段を駆使して、イドリブ県を回復する権利がある」と述べた。

ムアッリム外務在外居住者大臣はまた、「イドリブ県の非武装地帯合意は発効された。我々は今も、平和的解決を望んでいる。イドリブ県における問題解決は可能で、トルコは同地にいる武装勢力がどのような者たちなのかを熟知している」と述べた。

一方、ロシアの役割については、「ロシアの軍事作戦によってシリア情勢は根本的に変化した。軍事面でも政治面でも変化をもたらした」と評価した。

Naharnet, September 30, 2018

 

https://www.youtube.com/watch?v=13ipD8wiuSU

 

AFP, September 30, 2018、ANHA, September 30, 2018、AP, September 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018、al-Hayat, October 1, 2018、Reuters, September 30, 2018、RT, September 30, 2018、SANA, September 30, 2018、UPI, September 30, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダイル・ザウル県でダーイシュ戦闘員49人を殲滅(2018年9月30日)

ダイル・ザウル県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターによると、「テロ駆逐の戦い」を続行するシリア民主軍が上バーグーズ村一帯、ハジーン市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、戦闘員49人を殲滅した。

AFP, September 30, 2018、ANHA, September 30, 2018、AP, September 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018、al-Hayat, October 1, 2018、Reuters, September 30, 2018、SANA, September 30, 2018、UPI, September 30, 2018などをもとに作成。

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シリア人権監視団:ロシア軍の爆撃による死者数は18,074人でうち民間人は7,988人(2018年9月30日)

英国で活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団は、ロシアがシリア領内で爆撃を開始した2015年9月30日から2018年9月末までの3年間で、同軍の爆撃による死者数が18,074人に達していると発表した。

このうち、民間人は7,988人(子供1,936人、女性1,199人、男性4,853人)、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーは5,233人、それ以外の反体制武装集団(そのほとんどがトルコの支援を受けている)のメンバーは4,853人に達している。

だが、シリア人権監視団がどのようにロシア軍の爆撃とシリア軍の爆撃の被害者を分けているのか、爆撃による犠牲者とそれ以外の攻撃による犠牲者を分けているのかは不明。

またこの間、国土の26%しか掌握していなかったシリア政府は、60%の国土で支配を回復、これに対して反体制派の支配地域は11.7%から8.7%に減少したという。

同監視団によると、ロシア軍はテルミット白リン弾を使用し、爆撃を繰り返してきたという。

AFP, September 30, 2018、ANHA, September 30, 2018、AP, September 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018、al-Hayat, October 1, 2018、Reuters, September 30, 2018、SANA, September 30, 2018、UPI, September 30, 2018などをもとに作成。

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アレッポ県、イドリブ県、ラタキア県でシリア軍と反体制武装集団が交戦(2018年9月30日)

アレッポ県では、SANA(9月30日付)によると、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾4発がアレッポ市ハーリディーヤ地区とナイル通りに着弾した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタマーニア町一帯を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がクルド山一帯を砲撃した。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは24件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年9月30日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(9月30日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を12件(アレッポ県3件、ラタキア県9件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは1件(イドリブ県)の停戦違反を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 30, 2018をもとに作成。

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