国連事務総長特別顧問「シリアの復興には半世紀はかかる」(2018年9月20日)

国連のアダマ・ディエン(Adama Dieng)事務総長特別顧問(ジェノサイド防止担当)はニューヨークでの記者会見で、「7年以上内戦が続いたシリアの復興には、半世紀はかかるだろう」と述べた。

『ハヤート』(9月21日付)が伝えた。

AFP, September 20, 2018、ANHA, September 20, 2018、AP, September 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 20, 2018、al-Hayat, September 21, 2018、Reuters, September 20, 2018、SANA, September 20, 2018、UPI, September 20, 2018などをもとに作成。

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ロシア軍はIL-20撃墜事件に対処するため、新たな軍事演習の実施を決定、シリア沖の海域・空域を封鎖(2018年9月20日)

インターファクス通信(9月20日)は、ロシア軍がシリア沖の地中海東部の海域を封鎖したと伝えた。

封鎖措置は、同地でロシア海軍艦船の演習とミサイル発射実験を行うためだという。

これに関して、ロシアのユーリイ・ボリソフ副首相は、フマイミーム航空基地(ラタキア県)とタルトゥース港(タルトゥース県)に駐留するロシア軍が新たな演習を実施すると発表した。

一方、イスラエルのイェディオト・アハロノト(9月20日付)も、17日のIL-20撃墜事件への対抗措置をとるかのように、ロシアがシリア沖の海域の航行と同海域上空の飛行を制限している、と伝えた。

IL-20撃墜事件に関しては、ロシア側は、イスラエル軍戦闘機がロシア軍機を装い、撃墜されたIL-20を盾とするかたちでラタキア県をミサイル攻撃したことが原因だと非難していた。

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イスラエルのイメージサット・インターナショナル社は、17日にイスラエル軍戦闘機がミサイル攻撃を行ったとされるラタキア県内の施設の爆撃前および爆撃後の画像を公開した。

ドゥラル・シャーミーヤ(9月20日付)が伝えた。

al-Durar al-Shamiya, September 19, 2018

AFP, September 20, 2018、ANHA, September 20, 2018、AP, September 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 20, 2018、al-Hayat, September 21, 2018、Interfax, September 20, 2018、Reuters, September 20, 2018、SANA, September 20, 2018、UPI, September 20, 2018、Ynet News, September 20, 2018などをもとに作成。

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ロシアTASS通信:米国はヨルダン北東部のラクバーン・キャンプのシリア難民をシリア政府支配地域に移送することを提案(2018年9月20日)

ロシアのTASS通信(9月20日付)は、ヨルダン北東部のルクバーン・キャンプの処遇をめぐるロシアとの折衝で、米国が同キャンプに身を寄せるシリア難民をシリア政府支配地域に移送することを提案している、と伝えた。

同通信によると、詳細については協議されていないという。

AFP, September 20, 2018、ANHA, September 20, 2018、AP, September 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 20, 2018、al-Hayat, September 21, 2018、Reuters, September 20, 2018、SANA, September 20, 2018、TASS, September 20, 2018、UPI, September 20, 2018などをもとに作成。

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トルコのアナトリア通信:「イランの民兵」22組織がイドリブ県を三方から包囲するかたちで拠点を設営、その数は232カ所に(2018年9月20日)

トルコのアナトリア通信(9月20日付)は、シリア政府を支援する22の外国人テロ民兵組織(いわゆる「イランの民兵」)がイドリブ県を三方から包囲するかたちで拠点を設営、その数は232カ所に達していると伝えた。

イドリブ県一帯に拠点を設営しているは、アフガン人からなるファーティミーユーン旅団、パキスタン人からなるザイナビーユーン旅団、イラク人民動員隊に所属するヌジャバー運動、バドル機構、イマーム・アリー大隊、イマーム・フサイン大隊、アサーイブ・アフル・ハック、アブー・ファドル・アッバース旅団、レバノンのヒズブッラー、同じくレバノン人からなるガーリブーン中隊、イラク人からなるイマーム・マフディー軍、シリア人とレバノン人からなるイマーム・ムハンマド・バーキル旅団、イラン・イスラーム革命防衛隊のゴドス軍団。

al-Durar al-Shamiya, September 19, 2018

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反体制派系サイト「統一監視団」(https://www.facebook.com/kafrziat/)のアンマール・アブー・ハサン氏は、ドゥラル・シャーミーヤ(9月20日付)に対し、ハマー県北部に展開していたシリア軍および親政権民兵(「イランの民兵」)が撤退したとの情報に関して、「武装勢力支配地域に接する地域からのシリア軍の撤退は記録されていない」と述べた。

アブー・ハサン氏はまた、17日のソチでのロシア・トルコ首脳によるイドリブ県での非武装地帯設置にかかる合意以降、シリア軍と「シーア派民兵」が新たにアレッポ県南部に進軍していた、と付言した。

AFP, September 20, 2018、Anadolu Ajansı, September 20, 2018、ANHA, September 20, 2018、AP, September 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 20, 2018、al-Hayat, September 21, 2018、Reuters, September 20, 2018、SANA, September 20, 2018、UPI, September 20, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍はタッル・アブヤド市郊外の学校とカーミシュリー市近郊に発砲、子供1人が負傷(2018年9月20日)

ラッカ県では、ANHA(9月20日付)によると、トルコ軍国境警備隊がタッル・アブヤド市の西方にあるスーサク村の学校に向けて発砲した。

この学校は9月19日に開校したばかり。

トルコ軍はまた、タッル・アブヤド市に面する国境地帯に部隊を増強した。

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ハサカ県では、ANHA(9月20日付)によると、トルコ軍がカーミシュリー市近郊のハッラーブ・クールト村に向けて発砲し、子供1人が負傷した。

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アレッポ県では、ANHA(9月20日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)が、トルコの実質占領下にあるアフリーン郡ジンディールス町とシーヤ(シャイフ・ハディード)村で、反体制武装集団に対する特殊作戦を敢行し、戦闘員4人を殺害した。

AFP, September 20, 2018、ANHA, September 20, 2018、AP, September 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 20, 2018、al-Hayat, September 21, 2018、Reuters, September 20, 2018、SANA, September 20, 2018、UPI, September 20, 2018などをもとに作成。

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ダーイシュに所属していたスーダン人女性をロジャヴァがスーダン大使館に引き渡す(2018年9月20日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)ジャズィーラ地区の渉外委員会(外務省に相当)は、駐シリア・スーダン大使館に、ダーイシュ(イスラーム国)に所属していた女性1人の身柄を引き渡した。

身柄引き渡しは、ハサカ県カーミシュリー市にある渉外委員会庁舎で行われた。

引き渡されたのは、ナダー・サーミー・サイードさんで、2018年1月10日に拘束されていた。

ANHA, September 19, 2018

ANHA(9月20日付)が伝えた。

AFP, September 20, 2018、ANHA, September 20, 2018、AP, September 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 20, 2018、al-Hayat, September 21, 2018、Reuters, September 20, 2018、SANA, September 20, 2018、UPI, September 20, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダイル・ザウル県南東部の上バーグーズ村をダーイシュから解放(2018年9月20日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(9月20日付)によると、「テロ駆逐の戦い」を続行する西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、ダーイシュ(イスラーム国)との交戦の末、上バーグーズ村を制圧した。

https://youtu.be/4kkxu7UHXw8

スーサ町から1キロの地点にまで到達した。

AFP, September 20, 2018、ANHA, September 20, 2018、AP, September 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 20, 2018、al-Hayat, September 21, 2018、Reuters, September 20, 2018、SANA, September 20, 2018、UPI, September 20, 2018などをもとに作成。

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ロシア外務省報道官「シャーム解放機構はシリアの反体制派にサリン・ガスを含む化学兵器を供与している」(2018年9月20日)

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)が、サリン・ガスを含む化学兵器をシリア国内の反体制武装集団に供与していると述べた。

RT(9月20日付)が伝えた。

AFP, September 20, 2018、ANHA, September 20, 2018、AP, September 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 20, 2018、al-Hayat, September 21, 2018、Reuters, September 20, 2018、RT, September 20, 2018、SANA, September 20, 2018、UPI, September 20, 2018などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民107人が新たに帰国、避難民435人が新たに帰宅(2018年9月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月20日付)を公開し、9月19日に難民107人(うち女性31人、子供55人)が新たに帰国したと発表した。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は14,250人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者13,932人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は24万3,530人(うち女性7万3,057人、子供12万4,202人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は663万1,873人(うち女性216万9,215人、子供349万8,734人)。

一方、国内避難民435人が9月19日に新たに帰宅した。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は14万9,801人(うち女性4万5,447人、子供7万6,203人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は123万2,163人(うち女性37万186人、子供62万8,207人)となった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(9月19日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を16件(アレッポ県6件、ハマー県1件、ラタキア県9件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 20, 2018をもとに作成。

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シンポジウム「生写真が語るシリアの今:人々は紛争の苦難をどう乗り越えようとしているのか?」(2018年10月6日、於東京外国語大学)

「今世紀最悪の人道危機」と呼ばれたシリア内戦も、主要な戦闘が収束し、終わりを迎えようとしています。日本で得られる情報は、欧米諸国のメディア、そしてこれらの国々の支援を受ける反体制派が発信するものが多く、政府支配地域の様子を知ることはなかなかできません。しかし、今回シリア世論調査研究センター(SOCPS、ダマスカス)の協力により、シリア国内で撮影された写真を入手することができました。
本シンポジウムは、これらの資料を解説しながら、シリアでの復興の現状や課題について明らかにしていこうと思います。等身大のシリアに寄り添うまたとない機会ですので、シリアをもっと知りたいという方、シリアのために何かしたいという方のお越しをお待ちしています。

日時
2018年10月6日(土) 14:00~17:00(13:45開場)

場所
東京外国語大学 講義棟113教室

参加費
無料

登壇者
青山弘之(東京外国語大学・教授)
髙岡豊(公益財団法人中東調査会・主席研究員)
佐藤真紀(JIM-NET事務局長)
小泉尊聖(サダーカ・アドボカシー・グループ・リーダー)

プログラム
14:00-14:05 開会挨拶(青山)
14:05-14:35 シリア情勢解説(髙岡)
14:35-16:45生写真解説(青山、髙岡、佐藤、小泉)
14:35-15:15 平穏な街
15:15-15:55 内戦の爪痕
(15:55-16:05 休憩)
16:05-16:45 復興に向けて
16:45-16:55 質疑応答
16:55-17:00 閉会挨拶(青山)

アクセス
◆JR中央線
「武蔵境」駅のりかえ
西武多摩川線「多磨」駅下車
徒歩5分
(JR新宿駅から約40分)
◆京王電鉄
「飛田給」駅北口より多磨駅行き京王バスにて約10分
「東京外国語大学前」下車

主催
科学研究費補助金(基盤研究(A))「東アラブ地域の非公的政治主体による国家機能の補完・簒奪に関する研究」(東京外国語大学)

共催
日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)
東京外国語大学シリア研究会