ロイター通信:2018年に入ってシリア軍が新たに3度化学兵器攻撃を行ったと国連調査メンバーが指摘(2018年9月12日)

ロイター通信(9月12日付)は、国連の複数の調査メンバー(U.N. investigators、匿名)が報告書のなかで、シリア軍がその後も3度にわたって化学兵器(塩素ガス)を使用したと指摘、戦争犯罪を追究していると伝えた。

化学兵器の使用が新たに指摘されたのは、2018年1月から2月初めにかけてのダマスカス郊外県東グータ地方とイドリブ県での戦闘で、米英仏によるミサイル攻撃のきっかけとなった4月7日のドゥーマー市での化学兵器使用疑惑事件については調査が続いているという。

なお、2013年以降、シリア国内で発生した化学兵器使用疑惑事件39件のうち、33件がシリア軍によるもので、残りの6件について実行犯は特定されていないという。

AFP, September 12, 2018、ANHA, September 12, 2018、AP, September 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 12, 2018、al-Hayat, September 13, 2018、Reuters, September 12, 2018、SANA, September 12, 2018、UPI, September 12, 2018などをもとに作成。

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トルコ諜報機関がシリア領内(ラタキア県)で特殊作戦を敢行、2013年のレイハンル市で発生した爆破事件の容疑者を拘束、連行(2018年9月12日)

アナトリア通信(9月12日付)は、トルコの諜報機関がラタキア市(ラタキア県)で特殊作戦を敢行し、2013年にレイハンル市で発生した爆破事件の容疑者の1人ユースフ・ナーズィーク氏を拘束、トルコ領内に連行したと伝えた。

ナーズィーク氏は取り調べで、シリアの諜報機関の指示を受けて、事件を計画したことを認めたという。

2013年5月1日にハタイ県レイハンル市のPTT前で発生した爆破事件では、住民53人が死亡、住宅912棟、工場891棟、自動車148台が被害を受けていた。

また『ハベル・トゥルク』(9月12日付)によると、ナーズィーク氏は、シリアからトルコ領内に来るまで爆発物を持ち込み、事件現場での爆発物設置を監督したと証言する一方、アレキサンドレッタ地方解放人民戦線を率いるアリー・カヤーリー(別名ミフラチュ・ウラル)氏に関する詳細な情報も提供したという。

al-Durar al-Shamiya, September 12, 2018

AFP, September 12, 2018、Anadolu Ajansı, September 12, 2018、ANHA, September 12, 2018、AP, September 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 12, 2018、Haberturk, September 12, 2018、al-Hayat, September 13, 2018、Reuters, September 12, 2018、SANA, September 12, 2018、UPI, September 12, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダイル・ザウル県東部でダーイシュと交戦(2018年9月12日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは声明を出し、ダイル・ザウル県東部の上バーグーズ村一帯で、「傭兵」(ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員)と交戦し、41人を殲滅、同地の拠点10カ所を制圧したと発表した。

AFP, September 12, 2018、ANHA, September 12, 2018、AP, September 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 12, 2018、al-Hayat, September 13, 2018、Reuters, September 12, 2018、SANA, September 12, 2018、UPI, September 12, 2018などをもとに作成。

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サファー丘(ダマスカス郊外県)でシリア軍がダーイシュ掃討戦を続ける(2018年9月12日)

ダマスカス郊外県では、SANA(9月12日付)によると、シリア軍と予備部隊がスワイダー県東部に隣接するサファー丘でダーイシュ(イスラーム国)への掃討戦を続けた。

ドゥラル・シャーミーヤ(9月12日付)によると、シリア政府との和解に応じ第4軍団、第5軍団に従軍していた元反体制武装集団戦闘員14人がダーイシュとの戦闘で死亡した。

AFP, September 12, 2018、ANHA, September 12, 2018、AP, September 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 12, 2018、al-Hayat, September 13, 2018、Reuters, September 12, 2018、SANA, September 12, 2018、UPI, September 12, 2018などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センター:アラブ諸国と衛星テレビ局複数社と米国のニュース・チャンネル1社からなるチームがイドリブ県で、シリア軍が化学兵器を使用したとする映像9シーンの収録を終えたと発表(2018年9月12日)

ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターは声明を出し、イドリブ県で「テロリスト」が住民に対して化学兵器を使用し、シリア軍にその責任を負わせようとしていると発表した。

イドリブ県内の複数の消息筋から得た信頼できる情報によると、アラブ諸国と衛星テレビ局複数社と米国のニュース・チャンネル1社からなるチームが、ジスル・シュグール市で、シリア軍が化学兵器を使用したとする映像9シーンの収録を終えたという。

声明によると、ホワイト・ヘルメットは9日(日曜日)以降、連日、ハーン・シャイフーン市で偽の「化学兵器攻撃劇場」の撮影の訓練を行い、練習にはアレッポ県で拉致された子供22人や孤児も参加させられているという。

また、この偽の「化学兵器攻撃劇場」には、新興のアル=カーイダ系組織のフッラース・ディーンも参加し、有毒化学物質を装填した爆発物の爆発の準備を行っているという。

al-Durar al-Shamiya, September 12, 2018

AFP, September 12, 2018、ANHA, September 12, 2018、AP, September 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 12, 2018、al-Hayat, September 13, 2018、Reuters, September 12, 2018、SANA, September 12, 2018、UPI, September 12, 2018などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民78人が新たに帰国、避難民359人が新たに帰宅(2018年9月12日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月12日付)を公開し、9月11日に難民78人(うち女性23人、子供40人)が新たに帰国したと発表した。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は13,015人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者12,697人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は24万2,295人(うち女性7万2,679人、子供12万3,560人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は699万276人(うち女性211万6,986人、子供349万5,138人)。

一方、国内避難民359人が9月11日に新たに帰宅した。

これにより、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は123万342人となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 12, 2018をもとに作成。

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