シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構と、トルコの支援を受ける国民解放戦線がイドリブ県の非武装地帯への対応をめぐって会合するも結論を得ず(2018年9月29日)

ドゥラル・シャーミーヤ(9月29日付)は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構と、トルコの支援を受ける国民解放戦線が29日に幹部会合を開いたと伝えた。

同サイトによると、会合は5時間におよび、シリア北部の反体制派支配地域で活動する反体制武装集団の連携、ロシア・トルコ首脳会談が17日に設置合意したイドリブ県で非武装地帯への対応などについて意見が交わされたが、結論を得ないまま閉会となった。

両者は近日中に再び会合を持つ予定だという。

AFP, September 29, 2018、ANHA, September 29, 2018、AP, September 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018、al-Hayat, September 30, 2018、Reuters, September 29, 2018、SANA, September 29, 2018、UPI, September 29, 2018などをもとに作成。

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トルコ諜報機関は反体制武装集団司令官らと会合、イドリブ県の非武装地帯への同意を求める(2018年9月29日)

ドゥラル・シャーミーヤ(9月29日付)は、トルコ諜報機関の士官らが、トルコの支援を受ける反体制武装集団司令官らと会合を重ねている、と伝えた。

会合は、17日にロシア・トルコ首脳が設置合意した非武装地帯への同意を得るためのもので、トルコ諜報機関側の説明によると、トルコとロシアが「穏健な反体制派」とみなした武装集団は、重火器を放棄すれば、非武装地帯への残留を認められるという。

AFP, September 29, 2018、ANHA, September 29, 2018、AP, September 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018、al-Hayat, September 30, 2018、Reuters, September 29, 2018、SANA, September 29, 2018、UPI, September 29, 2018などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダと共闘する「穏健な反体制派」のイッザ軍がロシア・トルコによるイドリブ県での非武装地帯設置合意を拒否(2018年9月29日)

イッザ軍は声明を出し、17日にロシア・トルコ首脳が設置合意したイドリブ県の非武装地帯を拒否すると表明した。

声明において、イッザ軍は「解放区から重火器を排除し、ロシア・トルコの連携パトロールを許可し、彼ら(ロシア)が好きな場所で検問を行うことができるようになることが明らかなった」と指摘、「これは、ロシアが進駐することでこの地域が政権の支配下に入ることを意味している。こうした状況に対して、我々は非武装地帯を受け入れることはないと宣言したい」と表明した。

イッザ軍はそのうえで、ロシア軍によるパトロールと、アレッポ市、ハマー市、ラタキア市を結ぶ高速道路の再開を拒否、逮捕者の釈放、イランと政権によるイドリブ県への包囲解除を求めた。

イッザ軍は、バラク・オバマ前米政権の支援を受けてきた「穏健な反体制派」で、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構やトルキスタン・イスラーム党と連携している。

al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018
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AFP, September 29, 2018、ANHA, September 29, 2018、AP, September 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018、al-Hayat, September 30, 2018、Reuters, September 29, 2018、SANA, September 29, 2018、UPI, September 29, 2018などをもとに作成。

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ダルアー県タファス市の名士・部族長がロシアの使節団と会談、シリア政府との和解について意見を交わす(2018年9月29日)

ダルアー県では、イナブ・バラディー(9月30日付)によると、タファス市で地元名士や部族長がロシアの使節団と会談し、シリア政府との和解について意見を交わした。

会談では、シリア政府側が善意を示すための措置として、逮捕者の釈放の是非が議論されたほか、解職された公務員の対応、検問所設置に伴う住民の往来の障害などが議題となったという。

AFP, September 29, 2018、ANHA, September 29, 2018、AP, September 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018、al-Hayat, September 30, 2018、‘Inab Baladi, September 30, 2018、Reuters, September 29, 2018、SANA, September 29, 2018、UPI, September 29, 2018などをもとに作成。

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ハマー県でシリア軍が潜入を試みた反体制武装集団を撃退(2018年9月29日)

ハマー県では、SANA(9月29日付)によると、マサースィナ村に展開するシリア軍部隊が、ラターミナ町東部からアースィー川沿岸方面に潜入を試みた反体制武装集団を撃退した。

またブライディージュ村に展開する部隊がジャイサート村西側からに潜入を試みた反体制武装集団を撃退した。

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ドゥラル・シャーミーヤ(9月29日付)によると、イッザ軍広報局のアブドゥッラッザーク・ハサン氏は、ドゥラル・シャーミーヤ(9月29日付)に対して、イドリブ県およびハマー県でシリア政府内通者と思われる3人を拘束したことを明らかにした。

AFP, September 29, 2018、ANHA, September 29, 2018、AP, September 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018、al-Hayat, September 30, 2018、Reuters, September 29, 2018、SANA, September 29, 2018、UPI, September 29, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はダマスカス郊外県サファー丘の支配地域を拡大する一方、YPG主体のシリア民主軍はダイル・ザウル県東部でダーイシュの攻撃に苦戦(2018年9月29日)

ダマスカス郊外県では、SANA(9月29日付)によると、シリア軍が予備部隊とともにスワイダー県東部に隣接するサファー丘の岩石砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦を続け、カブル・シャイフ・フサイン地区一帯の複数カ所を制圧した。

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ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月29日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がウマル油田西方に位置するハワーイジュ村でダーイシュ(イスラーム国)の攻撃を受け、20人が死傷した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市内のダルイーヤ地区でダーイシュ(イスラーム国)と西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)のアサーイシュが交戦し、ダーイシュのメンバー10人が死亡した。

殺害されたダーイシュのメンバーは、黒旗を掲げようとしていたという。

AFP, September 29, 2018、ANHA, September 29, 2018、AP, September 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018、al-Hayat, September 30, 2018、Reuters, September 29, 2018、SANA, September 29, 2018、UPI, September 29, 2018などをもとに作成。

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ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣「テロに対する我々の戦いは終わりに近づいている…シリア全土をテロと外国の違法占領から浄化するまで、聖なる戦いを続ける」(2018年9月29日)

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相は、ニューヨークの国連本部で開催されている第73回国連総会の一般討論で演説を行った。

ムアッリム外務在外居住者大臣は演説のなかで「一部の国々の願望とは裏腹に…、我々は7年の汚れた戦争を経て…世界にこう宣言したい。事態はより安定し、安全になった。テロに対する我々の戦いは終わりに近づいている」としたうえで、「シリア全土をテロ…、そして違法な外国の存在から浄化するまで、この聖なる戦いを続ける決意がある」と表明した。

SANA, Sepbember 29, 2018

ムアッリム外務在外居住者大臣はまた「すべてのシリア人が帰国することが、シリアにとって最優先課題である…。外国にいるすべてのシリア人が自発的、そして安全に帰国するための門戸は開かれている」と述べ、復興プロセスにおける難民の帰還の重要性を強調した。

そのうえで、「テロとの戦い」と復興プロセスと並行して、「主権、独立、領土の統一性性、国民統合といった…我が国にとっての基本原則を維持するかたちで政治プロセスを前進」させるべきだと主唱した。

一方、化学兵器使用疑惑に関しては、改めて使用・保有を否定、米英仏が4月にシリア軍による化学兵器使用の証拠を欠いたままミサイル攻撃に踏み切ったことを厳しく非難した。

ロシア・トルコ首脳が17日にイドリブ県で非武装地帯設置で合意したことについては、「期間限定」としつつ、シリア人の流血を回避し、治安と安定の回復に貢献しようとするすべてのイニシアチブを歓迎すると表明した。

イスラエルとの関係については、1967年に同国によって占領されたゴラン高原の即時完全返還を改めて求めた。

https://youtu.be/6J7od4av_Hs

AFP, September 29, 2018、ANHA, September 29, 2018、AP, September 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018、al-Hayat, September 30, 2018、Reuters, September 29, 2018、SANA, September 29, 2018、UPI, September 29, 2018などをもとに作成。

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運輸省はナスィーブ国境通行所を再開したと発表するも、ヨルダン政府が否定したことを受け、10月10日に再開すると訂正(2018年9月29日)

運輸省は、ツイッターのアカウントを通じて「ナスィーブ国境通行所は開通し、貨物車輌の通行が開始された」と発表した。

だが、『ハヤート』(9月30日付)やドゥラル・シャーミーヤ(9月29日付)が伝えたところによると、ヨルダンのジュマーナ・グナイマート内閣報道官は「ナスィーブ国境通行所は閉鎖されたままで、貨物や旅行者に対して開放されていない…。両国は国境開放について検討をtづけている最中だ」と述べ、通行所再開を否定した。

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その後、運輸省は、ヨルダン領に面するナスィーブ国境通行所を10月10日に再開し、車輌の通行を認めると改めて発表した。

同省が発表した声明によると、7月にシリア軍によって解放されたナスィーブ国境通行所であ、貨物車輌の往来を再開するのに必要なすべての復旧作業が完了したという。

SANA(9月29日付)が伝えた。

SANA, Sepbember 29, 2018

AFP, September 29, 2018、ANHA, September 29, 2018、AP, September 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018、al-Hayat, September 30, 2018、Reuters, September 29, 2018、SANA, September 29, 2018、UPI, September 29, 2018などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:2015年9月末以降、難民24万4,343人が帰国、避難民123万7,154人が帰宅(2018年9月29日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月29日付)を公開し、9月28日に難民107人(うち女性31人、子供52人)が新たに帰国したと発表した。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は15,063人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者14,745人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は24万4,343人(うち女性7万3,292人、子供12万4,608人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は663万9,529人(うち女性199万1,892人、子供338万6,150人)。

一方、国内避難民739人が9月28日に新たに帰宅した。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は15万4,781人(うち女性4万6,625人、子供7万8,703人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は123万7,154人(うち女性37万1,334人、子供63万708人)となった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(9月29日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を24件(アレッポ県7件、ハマー県2件、ラタキア県15件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 29, 2018をもとに作成。

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