シリア軍がハマー県、イドリブ県への砲撃を続ける一方、シャーム解放機構はSNSにフーア市、カファルヤー町の住民の帰還を望む書き込みをした弁護士ら2人を拘束(2018年9月22日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がブワイダ村、ラターミナ町、マアルカバ村を砲撃した。

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフワイン村各所を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が、カフルナブル市でヤースィル・サリーム弁護士とアブドゥルハミード・アイユーシュ氏を拉致した。

サリーム弁護士は、フーア市、カファルヤー町の住民の帰還を望む書き込みをフェイスブックに行っており、これが拘束の背景にあるという。

AFP, September 22, 2018、ANHA, September 22, 2018、AP, September 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 22, 2018、al-Hayat, September 23, 2018、Reuters, September 22, 2018、SANA, September 22, 2018、UPI, September 22, 2018などをもとに作成。

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新興のアル=カーイダ系組織のフッラース・ディーンはロシア・トルコ首脳によるイドリブ県での非武装地帯設置合意を拒否(2018年9月22日)

新興のアル=カーイダ系組織のフッラース・ディーンは声明を出し、17日のロシア・トルコ首脳によるイドリブ県での非武装地帯設置合意に関して、「我々は声明(設置合意)、そしてイドリブ県をめぐる諸々の会議を拒否する」と表明した。

フッラース・ディーンは「我々はこの大きな陰謀に警告を発する。我々は武装解除が合意されたボスニアで起きたことを思い出す。我々は同胞に、アッラーのもとに立ち返り、自らを清算することを忠告する」としたうえで、イスラーム諸国に向けて「総動員令」を発し、シリアでの戦いに加勢するよう呼びかけるとともに、イドリブ県の武装勢力に対しては、政権に対する軍事行動を開始するため隊列を整えるよう求めた。

 

Kull-na Shuraka’, September 22, 2018
Kull-na Shuraka’, September 22, 2018

AFP, September 22, 2018、ANHA, September 22, 2018、AP, September 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 22, 2018、al-Hayat, September 23, 2018、Reuters, September 22, 2018、SANA, September 22, 2018、UPI, September 22, 2018などをもとに作成。

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国民解放戦線はロシア・トルコ首脳によるイドリブ県での非武装地帯設置合意を「トルコの勝利」と絶賛しつつ、「ロシアを信用しない」と批判、革命の継続を強調(2018年9月22日)

イドリブ県で活動を続ける国民解放戦線は声明を出し、17日のロシア・トルコ首脳によるイドリブ県での非武装地帯設置合意に関して、「トルコ外交の大いなる努力と明白な勝利」と称賛しつつも、「敵国ロシアを信用しない」と非難、「我々は、体制打倒をはじめとする偉大なる革命の目標が実現するまで、武器、土地、そして革命を放棄することはない」と表明した。

Kull-na Shuraka’, September 22, 2018

AFP, September 22, 2018、ANHA, September 22, 2018、AP, September 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 22, 2018、al-Hayat, September 23, 2018、Reuters, September 22, 2018、SANA, September 22, 2018、UPI, September 22, 2018などをもとに作成。

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トルコ日刊紙「米CIAはロジャヴァ支配下で3,000人以上のスパイを養成、モサドの工作員も70人以上が潜入」(2018年9月22日)

トルコ日刊紙『イェニ・シャファク』(9月22日付)は、シリア諜報機関(ムハーバラート)の元高官だというアフマド・ジャービル氏の情報として、「米国の諜報機関は、過去2年間に、ハサカ市、ラッカ市、ダイル・ザウル市、マンビジュ市(アレッポ県)、アイン・アラブ(コバネ)市(アレッポ県)、タッル・アブヤド市(ラッカ県)で、3,000人以上の「通報者」(スパイ)を養成した」と伝えた。

このうちハサカ市とダイル・ザウル市を除く都市は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)、そして人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支配下にある。

ハサカ市は、シリア政府とロジャヴァが分割(共同)統治を行い、ダイル・ザウル市はシリア政府の支配下にあるが、同市に面するユーフラテス川東岸はシリア民主軍が支配する。

同紙によると、米国は教会や支援機関といった場所を借りて、「通報者」となる人材を探し、米CIAとともに、イスラエルのモサドの工作員70人以上も、保健関係者、ボランティア、農業専門家、都市計画専門家、宗教関係者として、これらの地域に入っているという。

AFP, September 22, 2018、ANHA, September 22, 2018、AP, September 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 22, 2018、al-Hayat, September 23, 2018、Reuters, September 22, 2018、SANA, September 22, 2018、UPI, September 22, 2018Yeni Safak, September 22, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍によるダイル・ザウル県での「テロ駆逐の戦い」に合わせて、イラク軍も国境地帯で大規模作戦開始(2018年9月22日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(9月22日付)によると、「テロ駆逐の戦い」を続行する西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がハジーン市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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一方、複数のイラク軍消息筋によると、イラク軍は、アンバール県、サラーフッディーン県、ニナワ県の対シリア国境地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)の相当を目的とした大規模な軍事作戦を開始した。

ドゥラル・シャーミーヤ(9月22日付)が伝えた。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月22日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、マンビジュ市近郊のクッバ村とジャアダ村(いずれもアラブ人の村で、村人らにダーイシュ(イスラーム国)メンバー、「ユーフラテスの盾」作戦司令室構成組織内通者、といった嫌疑をかけ、59人を拘束した。

AFP, September 22, 2018、ANHA, September 22, 2018、AP, September 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 22, 2018、al-Hayat, September 23, 2018、Reuters, September 22, 2018、SANA, September 22, 2018、UPI, September 22, 2018などをもとに作成。

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ハマー県北部の地元評議会27団体がロシア・トルコ首脳によるイドリブ県での非武装地帯設置合意を拒否(2018年9月22日)

ハマー県北部の地元評議会27団体が共同声明を出し、17日のロシア・トルコ首脳によるイドリブ県での非武装地帯設置合意に関して、シリア国民の意思を反映していないと批判、合意を拒否する姿勢を示した。

共同声明は、「我々は(ジャルニーヤト・)タール地方、カルナーズ地方からの難民・避難民で、25以上の町村農場からなり、住民の数は16万2000人にのぼり、トルコ、解放区、キャンプで暮らしている。我々は政治的解決が総括的で包括的であれば歓迎する」としたうえで、「殺人者であるロシアを解決策の保証国としたかたちでの帰宅や生活を難民・避難民は受け入れない」と主張、トルコに「ロシアとの合意を再検討」するよう求めた。

Kull-na Shuraka’, September 22, 2018

AFP, September 22, 2018、ANHA, September 22, 2018、AP, September 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 22, 2018、al-Hayat, September 23, 2018、Reuters, September 22, 2018、SANA, September 22, 2018、UPI, September 22, 2018などをもとに作成。

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スプートニク・ニュースはヌスラ戦線(シャーム解放機構)がダーイシュと新興のアル=カーイダ系組織にサリン・ガスや塩素ガスの入ったボンベ6本を引き渡したと伝える(2018年9月22日)

スプートニク・ニュース(9月22日付)は、イドリブ県の複数の消息筋の話として、シャームの民のヌスラ戦線(現シャーム解放機構)が、ダーイシュ(イスラーム国)とアンサール・タウヒードを名のる武装集団に、サリン・ガスや塩素ガスの入ったボンベ6本を引き渡したと伝えた。

有毒ガスを引き渡されたダーイシュやアンサール・タウヒードは、シリア軍が化学兵器攻撃を行ったと見せ掛けようとしているという。

アンサール・タウヒードは4月末、新興のアル=カーイダ系組織であるフッラース・ディーンとともにヌスラ・イスラーム同盟を結成し、共闘する組織。

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シャーム解放機構の治安機関幹部のアナス・シャイフ氏は、ダーイシュ(イスラーム国)ハマー州の副司令官(ワーリー)を務めているアブ・アフマド・ムハージル氏、同州大5大隊司令官のアブー・ハージル・ハマウィー氏をイドリブ県アティマ村近郊で拘束した、と発表した。

両氏は、イドリブ県などでの暗殺テロに関与していたという。

シャーム解放機構に近いイバー通信(9月22日付)が伝えた。

AFP, September 22, 2018、ANHA, September 22, 2018、AP, September 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 22, 2018、al-Hayat, September 23, 2018、Reuters, September 22, 2018、SANA, September 22, 2018、Sputnik News, September 22, 2018、UPI, September 22, 2018、Wikalat al-Iba’ al-Ikhbariya, September 22, 2018などをもとに作成。

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シリア外務省はイラン南西部アフワズ市で発生した軍事パレード襲撃事件を非難、アサド大統領はロウハーニー大統領に弔意(2018年9月22日)

外務在外居住者大臣高官は、イラン南西部アフワズ市で発生した軍事パレード襲撃事件に関して、もっとも厳しい表現で非難の意を表明した。

またアサド大統領も、ハサン・ロウハーニー大統領に電文を送り、事件を非難するとともに、犠牲者(29人)に弔意を示した。

SANA(9月22日付)が伝えた。

AFP, September 22, 2018、ANHA, September 22, 2018、AP, September 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 22, 2018、al-Hayat, September 23, 2018、Reuters, September 22, 2018、SANA, September 22, 2018、UPI, September 22, 2018などをもとに作成。

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SANA:米主導の有志連合がダイル・ザウル県南部で空挺作戦を実施し、ダーイシュ幹部を連れ去る(2018年9月22日)

ダイル・ザウル県では、SANA(9月22日付)が地元消息筋の話などとして伝えたところによると、米主導の有志連合所属の航空機(ヘリコプター)複数機が県南部のマラーシダ村近郊のダーイシュ(イスラーム国)支配地域で空挺作戦を実施し、同地で活動を続けてきたダーイシュの幹部らを連れ去った。

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しかし、RIAノーヴォスチ通信(9月24日付)によると、米国防総省のコーン・フォークナー報道官(中佐)は、24日にこれを否定した。

AFP, September 22, 2018、ANHA, September 22, 2018、AP, September 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 22, 2018、al-Hayat, September 23, 2018、Reuters, September 22, 2018、RIA Novosti, September 24, 2018、SANA, September 22, 2018、UPI, September 22, 2018などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民107人が新たに帰国、避難民388人が新たに帰宅(2018年9月22日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月22日付)を公開し、9月21日に難民107人(うち女性31人、子供55人)が新たに帰国したと発表した。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は14,470人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者14,152人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は24万3,750人(うち女性7万3,123人、子供12万4,314人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は663万1,873人(うち女性216万9,215人、子供349万8,734人)。

一方、国内避難民388人が9月21日に新たに帰宅した。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は15万603人(うち女性4万5,758人、子供7万6,564人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は123万2,965人(うち女性37万467人、子供62万8,568人)となった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(9月21日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(アレッポ県6件、ラタキア県5件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも1件(イドリブ県)の停戦違反を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 22, 2018をもとに作成。

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