シリア軍武装部隊総司令部は「武装テロ集団」による停戦合意違反への対抗措置として戦闘を再開すると発表(2019年8月5日)

シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、「武装テロ集団」がイドリブ県を中心とする緊張緩和地帯(第1ゾーン)での停戦遵守を拒否し、周辺地域の民間人に対する攻撃を行っていると批判、この攻撃への対抗阻止として作戦を再開すると発表した。

総司令部はまた、トルコ政府当局が、2018年9月のソチでのロシア・トルコ首脳会談での合意(非武装地帯設置にかかる合意)を無視し、イドリブ県に集結しているテロ組織の攻撃を支援し、そのことがテロリストの立場を強め、シリア領内でテロの脅威を拡大させている、と批判した。

そのうえで、停戦合意はトルコが非武装地帯設置にかかる合意を遵守することを条件としていることを鑑み、シリア軍はシリア国民を保護し、その安全を保証するという憲法上の義務に基づき、テロ組織に対する戦闘行為を再開すると表明した。

SANA(8月5日付)が伝えた。

AFP, August 5, 2019、ANHA, August 5, 2019、AP, August 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 5, 2019、Reuters, August 5, 2019、SANA, August 5, 2019、SOHR, August 5, 2019、UPI, August 5, 2019などをもとに作成。

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新興のアル=カーイダ系組織「信者を煽れ」作戦司令室はアスタナ13会議と停戦合意を拒否すると表明(2019年8月5日)

新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室は声明を出し、シリア軍とシリア軍事革命諸勢力代表団(アスタナ会議に参加する反体制派の代表団)がロシア・トルコの仲介によって交わした停戦合意を拒否すると発表した。

声明で、「信者を煽れ」作戦司令室は、「アスタナ・プロセス、そしてシャームにおける革命にかかわるそのほかの国際会議が革命とジハードを生き埋めにしようとし、犯罪者体制を再生しようとしていることは今や隠し事ではない…。我々は何度もアスタナ・プロセスを拒否すると明言してきたし、我々の革命とジハードに深刻な結果をもたらすと警告してきた」としたうえで、「アスタナの陰謀の成果を拒否し、ソチでの(非武装地帯設置にかかる)合意を拒否する」と表明した。

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YPG主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会はアスタナ13会議を「戦争を煽っている」と批判(2019年8月5日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会は声明を出し、アスタナ13会議を「戦争を煽っている」と批判した。

声明は、アスタナ13会議の閉幕声明で、「ユーフラテス川以東地域(ジャズィーラ地方)に関して、シリアの主権と領土保全に抵触する分離主義的アジェンダを拒否する」ことが確認されたのを受けたも。

声明では「我々はシリア民主評議会は、戦争を終わらせ、民間人を戦争の苦悩と悲劇から回避させようとするいかなる決定であれ歓迎する一方、こうした国際的なイニシアチブ(アスタナ会議)がシリアの状況を網羅し、地理的一体を有するシリアの利益を守るのに成功した試しがないと見ている」としたうえで、「トルコ政府は自分たちの国益のためにアスタナ・プロセスを利用しようとし、情報操作を続け、地域の諸人民を虐殺し、民族浄化することにこだわっている。日々地域の安全を脅かす国家には、数百万人という民衆からなり、その支援を受けている部隊にテロを行っているという嫌疑を向ける権利はない」と批判した。

そのうえで、「シリア民主軍は一部の当事者がこうした真実を無視していることを遺憾とする」と付言した。

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ダイル・ザウル県でシリア軍がユーフラテス川を渡河、東岸でYPG主体のシリア民主軍と激しく交戦(2019年8月5日)

ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月5日付)が複数の現地情報筋の話として伝えたところによると、タヤーナ村でシリア軍と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が激しく交戦した。

戦闘は、シリア軍がユーフラテス川西岸のクーリーヤ市から東岸に渡河し、北・東シリア自治局支配下のタヤーナ村にある浄水施設に向かった進軍を試みたために発生した。

これによりシリア民主軍が保有する米国製のハマー・ジープ1輌がシリア軍のミサイルによって破壊され、双方の兵士複数人が死傷した。

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トルコ軍がハサカ県との国境地帯に展開、米主導の有志連合のヘリコプターが曳光弾を発射し、監視強化(2019年8月5日)

ハサカ県では、ANHA(8月5日付)によると、トルコ軍部隊が国境に面するラアス・アイン市西のタッル・ヒンズィール村北部のトルコ領内に展開、米主導の有志連合ヘリコプターが上空を飛来、曳光弾を発射するなどして、監視を強化した。

また、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍も国境地帯に展開、有事に備えた。

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トルコ占領下のジャラーブルス市(アレッポ県)でトルコの支援を受ける国民軍第3軍団司令官が爆死(2019年8月5日)

アレッポ県では、ANHA(8月5日付)によると、トルコ占領下のジャラーブルス市で、国民軍第3軍団の司令官を務めるフサイン・アミーン氏(アブー・アリー・タクスィー)の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、アミーン氏が死亡した。

また、アフリーン解放戦線が声明を出し、4日にトルコ占領下のマーリア市近郊のアブラ村とバーブ市近郊のハズワーン村一帯でシャーム自由人イスラーム運動、シャームの鷹旅団、ハムザ師団の拠点を攻撃し、武器弾薬を捕獲、戦闘員3人を殺害したと発表した。

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米主導の有志連合が武器兵站物資を積んだ車輌数十両をイラクから北・東シリア自治局支配地域に派遣(2019年8月5日)

シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の貨物車輌数十両が、イラク・クルディスタン地域の支配下にあるイラク北部のドホーク県のスワイディーヤ村にあるワリード国境通行所を経由して、シリア領内の北・東シリア自治局の支配地域に入った。

車列は人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍への武器・兵站物資を積載しているという。

有志連合による武器・兵站支援は今回で22回目で、これまでに提供された物資は2,100台分に達したという。

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反体制派はフマイミーム航空基地を砲撃、シリア・ロシア軍はイドリブ県、ハマー県への爆撃を再開し民間人4人死亡(2019年8月5日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア軍とシリア軍事革命諸勢力代表団(アスタナ会議に参加する反体制派の代表団)の停戦がロシア・トルコの仲介により発効してから4日目を迎えたが、シリア・ロシア軍が爆撃を再開、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団も交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は42回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」38発を投下、ロシア軍も12回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は250発におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より4人(民間人4人、シリア軍兵士は0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,925人となった。

うち、872人が民間人(女性161人、子供217人を含む)、984人がシリア軍兵士、1,069人が反体制武装集団戦闘員。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でラターミナ町、カフルズィーター市、サルマーニーヤ村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでムーリク市、カフルズィーター市、ラターミナ町、アルバイーン村に「樽爆弾」を投下、ムーリク市で民間人4人が死亡した。

これに対して、反体制武装集団はジューリーン村を砲撃した。

一方、SANA(8月5日付)によると、シリア軍が、ラターミナ町、ザカート村、アルバイーン村、タッル・ミルフ一帯、ジャビーン村一帯にあるシャーム解放機構をはじめとする反体制武装集団の拠点に対して砲撃を行った。

砲撃は反体制武装集団の停戦違反への対抗措置だという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、カフルサジュナ村、タマーニア町、ヒーシュ村、シャイフ・ダーミス村、タッフ村、マダーヤー村、バスィーダー村、マアッラト・ヌウマーン市一帯に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでハーン・シャイフーン市に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊がアブー・ズフール町西方一帯を砲撃した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市、タッルアース村、マダーヤー村、アービディーン村を爆撃した。

一方、SANA(8月5日付)によると、シリア軍が反体制武装集団の停戦違反への対抗措置として、ハーン・シャイフーン市、フワイン村、ザルズール村一帯を砲撃した。

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ラタキア県では、SANA(8月5日付)によると、シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているフマイミーム航空基地に向けて、反体制武装集団が午前3時半頃に砲撃を行い、砲弾複数発が基地の周辺に着弾、人的・物的被害が出た。

被害の詳細は不明。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機もフドル丘一帯、タルディーン村を爆撃した。

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シャイーラート航空基地で「技術的なミス」により発生した爆発の犠牲者リストが公開される(2019年8月5日)

8月3日にヒムス県シャイーラート航空基地で「技術的なミス」により発生した爆発に関して、HNN(8月5日付)などが、犠牲者のリストの写真を公開した。

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