軍事情報局がイドリブ県での戦闘参加に消極的な親政権民兵組織の部族軍のメンバー複数人を拘束、司令官は自宅軟禁に(2019年8月15日)

ラッカ県では、ジュルフ・ニュース(8月16日付)によると、軍事情報局がシリア政府支配下のガーニム・アリー村、ブー・ハマド村、マアダーン町で大規模な家宅捜索を実施し、トゥルキー・ブーハムド氏が率いる親政権民兵組織の部族軍のメンバー複数人を拘束、武器弾薬、盗品を押収した。

ブーハムド氏自身は、軍事治安局と空軍情報部に「仲介料」として、2億シリア・ポンドあまりを支払うことで逮捕を免れ、自宅軟禁状態に置かれているという。

なお、シリア軍は部族軍に対してイドリブ県やハマー県での戦闘に300名の戦闘員を派遣するよう要請していたが、部族軍のメンバー8人が、動員を嫌い、北・東シリア自治局の支配地域に逃亡していた。

AFP, August 16, 2019、ANHA, August 16, 2019、AP, August 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 16, 2019、Jurf News, August 15, 2019、Reuters, August 16, 2019、SANA, August 16, 2019、SOHR, August 16, 2019、UPI, August 16, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア・トルコ両軍は北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるアレッポ県北部のタッル・リフアト市一帯で合同パトロールを開始(2019年8月15日)

ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターは声明を出し、ロシア軍とトルコ軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるアレッポ県北部のタッル・リフアト市一帯で合同パトロールを開始したと発表した。

アレクセイ・バキン(Alexey Bakin)司令官(中将)は、「ロシア軍憲兵隊とトルコ軍部隊が8月14日12:00から12:40にかけて、タッル・リフアトの緊張緩和地帯で合同パトロールを実施した」と発表、タッル・リフアト市とトルコ占領下のマーリア市の間に位置するハルバル村、シャイフ・イーサー村でパトロールが実施されたことを明らかにした。

AFP, August 15, 2019、ANHA, August 15, 2019、AP, August 15, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 15, 2019、Reuters, August 15, 2019、SANA, August 15, 2019、SOHR, August 15, 2019、UPI, August 15, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のアレッポ県北部で活動を続ける国民軍がイドリブ県、ハマー県への戦闘員派遣を決定(2019年8月15日)

トルコ占領下のアレッポ県北部のいわゆる「ユーフラテスの盾」地域と「オリーブの枝」地域で活動を続ける反体制武装集団の連合体である国民軍のユースフ・ハンムード報道官(少佐)は、ドゥラル・シャーミーヤ(8月15日付)の取材に応じ、そのなかで、国民軍所属の第3軍団が15日朝、イドリブ県とハマー県に戦闘員数十人を派遣するための準備を開始したと発表した。

同地で反体制武装集団(シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍など)とともにシリア軍と戦うのが目的だという。

ハンムード報道官によると、戦闘員派遣は、国民軍司令部と国民解放戦線司令部との会合で決定されたという。

国民軍と国民解放戦線はいずれもトルコの支援を受けている。

**

なお、これに先立って、シリア・イスラーム評議会のアブドゥルカリーム・バッカール報道官もフェイスブックのアカウントを通じて、国民軍にイドリブ県、ハマー県での戦闘に参加するよう呼びかけていた。

https://www.facebook.com/DrBakkar1/posts/2470551146300532

AFP, August 15, 2019、ANHA, August 15, 2019、AP, August 15, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 15, 2019、Reuters, August 15, 2019、SANA, August 15, 2019、SOHR, August 15, 2019、UPI, August 15, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハマー県ミスヤーフ市一帯がイスラエル軍によると思われるミサイル攻撃を受け、シリア軍が迎撃(2019年8月15日)

シリア軍筋は、シリア軍防空部隊がレバノン北部から飛来した「敵の標的」を迎撃、ハマー県ミスヤーフ市一帯に着弾する前にこれを破壊したと発表した。

同筋によると、「敵の標的」は15日午後11時6分に防空部隊によって補則され撃破されたという。

SANA(8月15日付)が伝えた。

シリア人権監視団によると、「敵の標的」はイスラエル軍戦闘機が発射したミサイルだと思われる。

AFP, August 15, 2019、ANHA, August 15, 2019、AP, August 15, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 15, 2019、Reuters, August 15, 2019、SANA, August 15, 2019、SOHR, August 15, 2019、UPI, August 15, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから344人、ヨルダンから572人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年8月15日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月15日付)を公開し、8月14日に難民916人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは344人(うち女性62人、子供105人)、ヨルダンから帰国したのは572人(うち女性172人、子供292人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は358,029人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者113,282人(うち女性34,140人、子ども57,699人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者244,747人(うち女性73,457人、子ども124,809人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 587,309人(うち女性176,255人、子供299,430人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,634,214人(うち女性1,990,264人、子供3,383,449人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 15, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・ロシア軍はイドリブ県南部のハーン・シャイフーン市一帯に対する攻撃を続ける(2019年8月15日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから106日目を迎えた8月15日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は84回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」64発を投下、ロシア軍も47回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は920発におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より55人(民間人3人(うち女性1人、子供0人)、シリア軍兵士24人、反体制武装集団戦闘員28人)増えて3,385人となった。

うち、908人が民間人(女性165人、子供221人を含む)、1,164人がシリア軍兵士、1,313人が反体制武装集団戦闘員。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がシリア政府支配地域を砲撃、ジャブラ市一帯、スルンファ町一帯に砲弾複数発が着弾した。

死傷者はなかった。

これに対して、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下、地上部隊が同地を砲撃した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、ラカーヤー村、カフルサジュナ村、アーミリーヤ村一帯、マアッラト・ヌウマーン市、シャイフ・ムスタファー村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでシャイフ・ムスタファー村、ハーン・シャイフーン市およびその一帯、タッル・タルイー村、ラカーヤー村、ファッティーラ村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市、タマーニア町、ラカーヤー村、カフルサジュナ村、タッル・タルイー村を爆撃した。

シリア軍は反体制武装集団との戦闘の末、マダーヤー村を制圧したが、その後反体制武装集団がこれを奪還した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でムーリク市、ラトミーン村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県北部および北西部の戦闘地域を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(アレッポ県14件、ラタキア県21件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を34件(イドリブ県1件、ハマー県33件)確認した。

AFP, August 15, 2019、ANHA, August 15, 2019、AP, August 15, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 15, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 15, 2019、Reuters, August 15, 2019、SANA, August 15, 2019、SOHR, August 15, 2019、UPI, August 15, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.