シリアのアル=かーイダと目されるシャーム解放機構はアスタナ13会議に参加する反体制派とシリア政府の停戦に従うと暗に表明(2019年8月2日)

イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンの軍事・治安権限を握るシリアのアル=カーイダのシャーム解放機構は声明を出し、8月2日0:00に発効したシリア政府とシリア軍事革命諸勢力代表団の停戦合意に関して、「犯罪者である政権が90日以上にわたり北部解放区に軍事攻撃を続けた末に昨日(木曜日)に停戦すると発表し、その失敗と挫折を宣言した」と発表、「北部解放区の都市や町に何らかの砲撃、攻撃があれば、我々の側から停戦は破棄され、我々は報復権を有する」と発表した。

AFP, August 2, 2019、ANHA, August 2, 2019、AP, August 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2019、Reuters, August 2, 2019、SANA, August 2, 2019、SOHR, August 2, 2019、UPI, August 2, 2019などをもとに作成。

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トルコが後援する国民解放戦線はアスタナ13会議に参加する反体制派とシリア政府の停戦に従うと表明(2019年8月2日)

トルコが後援する国民解放戦線は声明を出し、8月2日0:00に発効したシリア政府とシリア軍事革命諸勢力代表団(アスタナ13会議における反体制武装集団の代表)の停戦合意に関して、イドリブ県を中心とする反体制派支配地域を掌握しようとする軍事攻勢に失敗した「彼ら(シリア政府とロシア)の側から停戦を宣言してきた」としたうえで、「我々は武器を安め、我らムジャーヒディーンが負傷者を癒やし、家族を避難させ、今後に備える機会を与えるともに、我々の敵が考えるあらゆる愚行に対抗するために引き金に手をかけ続ける」と表明した。

AFP, August 2, 2019、ANHA, August 2, 2019、AP, August 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2019、Reuters, August 2, 2019、SANA, August 2, 2019、SOHR, August 2, 2019、UPI, August 2, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃(2019年8月2日)

アレッポ県では、ANHA(8月2日付)によると、トルコ軍とその支援を支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のバルーニーヤ村、ハルバル村、シャイフ・イーサー村を砲撃し、住宅などが被害を受けた。

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一方、アフリーン解放軍団が声明を出し、31日にシーラーワー町近郊のキーマール村でトルコ軍の拠点2カ所に対する攻撃を行い、トルコ軍兵士3人を殺害、4人を負傷させたと発表した。

ANHA(8月2日付)が伝えた。

AFP, August 2, 2019、ANHA, August 2, 2019、AP, August 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2019、Reuters, August 2, 2019、SANA, August 2, 2019、SOHR, August 2, 2019、UPI, August 2, 2019などをもとに作成。

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ジャアファリー国連シリア代表「トルコは1万人以上をシリア各所に駐留させている。この占領は敵対行為であり、シリアは報復権を有する」(2019年8月2日)

シリア政府代表団の団長を務めるバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は、アスタナ13会議閉幕後の記者会見で、2018年9月のソチでのロシア・トルコ首脳会談での合意(非武装地帯設置などにかかる合意)をトルコが履行するのを際限なく待つことはないとしたうえで、シリア国民がイドリブ県でのテロ根絶を求めていると述べた。

ジャアファリー国連代表は、ロシア、イランなどとの協議内容が閉幕声明に適切に反映されているとしたうえで、トルコにロシア・トルコ首脳会談での合意を履行し、非武装地帯からの重武装の撤去、そして戦闘員、とりわけ外国人戦闘員の退去を求めた。

ジャアファリー国連代表はまた、トルコが現在、シリア領内各所に1万655人の将兵、戦車166輌、装甲車278輌、武装車輌73台、対戦車ミサイル発射台41基を配置していると指摘、緊張緩和地帯に12の監視所、280人の憲兵を配置することのみを定めたアスタナ会議の合意に違反していると非難、シリアはこうした占領を敵対行為をみなし、シリアはこれに報復する権利を有すると主張した。


SANA(8月2日付)やANHA(8月2日付)が伝えた。

AFP, August 2, 2019、ANHA, August 2, 2019、AP, August 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2019、Reuters, August 2, 2019、SANA, August 2, 2019、SOHR, August 2, 2019、UPI, August 2, 2019などをもとに作成。

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ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使「我々はクルド勢力とシリア政府の対話を支持している。この点がほかの当事者の姿勢と異なる」(2019年8月2日)

ロシア代表団の団長を務めるアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使は、アスタナ13会議閉幕後の記者会見で、イドリブ県の大部分が「テロリスト」に掌握され、数十万の市民が人質に取られていると指摘した。

ラヴレンチエフ特使は、会議において、シリア国内での「テロとの戦い」について重大な関心が寄せられたとしたうえで、イドリブ県の大部分が「テロリスト」に掌握され、数十万の市民が人質に取られていると指摘した。

また、米国をはじめとする西側諸国に対して、ダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」を口実にシリアに駐留することを止め、違法な駐留部隊を撤退させるよう求めた。

さらに、国際社会は難民と国内避難民の帰還を促すべきだと述べた。

一方、北・東シリア自治局の存在については、「我々はシリア政府と彼らの対話を支持している。この点がほかの当事者の姿勢と異なる」と述べた。

SANA(8月2日付)やANHA(8月2日付)が伝えた。

AFP, August 2, 2019、ANHA, August 2, 2019、AP, August 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2019、Reuters, August 2, 2019、SANA, August 2, 2019、SOHR, August 2, 2019、UPI, August 2, 2019などをもとに作成。

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アスタナ13会議が閉幕し、シャーム解放機構などのテロ組織の完全根絶と、クルド民族主義勢力による分離主義的アジェンダの拒否などを確認(2019年8月2日)

カザフスタンの首都ヌルスルターンで8月2日に開幕したアスタナ13会議は2日の日程を終え、会議の保障国であるロシア、トルコ、イランが閉幕声明を発表し、閉会した。

閉幕声明の骨子は以下の通り:


1. アスタナ会議の保障国であるロシア、トルコ、イランは、イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンで民間人を含む犠牲者が出ていることに遺憾を表明し、民間人を保護するための実質的な措置を講じることで合意した。

2. シリアのアル=カーイダであるシャームの民のヌスラ戦線(現シャーム解放機構)が緊張緩和地帯第1ゾーンで影響力を増大させていることに懸念を表明する。

3. シリアの主権、独立、領土の統一性と保全を遵守する。

4. 国連憲章および、イスラエルによるゴラン高原の併合を非難・拒否した国連安保理決議第497号を含む国連安保理での諸決議を遵守する。

5. ダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線、アル=カーイダとダーイシュとつながりのあるすべての組織・個人などのテロ組織を完全に根絶するまで協力を続ける。

6. 2018年9月のソチでのロシア・トルコ首脳会談での合意(非武装地帯などにかかる合意)を含む一連の合意を実施し、イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンで事態収拾を図ることの必要を強調する。

7. ユーフラテス川以東地域(ジャズィーラ地方)に関して、シリアの主権と領土保全に抵触する分離主義的アジェンダを拒否する。

8. 国連安保理決議第2254号および、2018年1月のソチでのシリア国民対話大会での決定を踏まえて、制憲委員会設置など、シリア人による政治プロセスを推進させる。

9. 国連および人道機関に人道支援の増加、インフラ復旧などへの支援強化を求める。

なお、アスタナ13会議には、イラクとレバノンが初めてオブザーバーを参加させ、閉幕声明では、両国の参加に歓迎の意が表された。

アスタナ14会議は10月開催をめざすという。

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『シャルク・アウサト』(8月3日付)は、複数の外交筋の話として、会議では、トルコがシャーム解放機構、ダーイシュ(イスラーム国)、そしてアル=カーイダやダーイシュとつながりがある組織の殲滅に向けた協力の強化をロシアに確約、これに対してロシアは緊張緩和地帯境界地帯に配置されているトルコ軍の12の監視所の安全を保証したと伝えた。

AFP, August 2, 2019、ANHA, August 2, 2019、AP, August 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2019、Reuters, August 2, 2019、SANA, August 2, 2019、al-Sharq al-Awsat, August 3, 2019、SOHR, August 2, 2019、UPI, August 2, 2019などをもとに作成。

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反体制武装集団はアサド前大統領の生地であるカルダーハ市近郊のバシュラーマー村を砲撃し、市民1人が死亡、3人が負傷(2019年8月2日)

ラタキア県では、SANA(8月2日付)によると、緊張緩和地帯第1ゾーンでの停戦発効(2日0:00)の約7時間後の2日早朝、反体制武装集団がイドリブ県のシャフシャブー山一帯から地中海方面に向けてロケット弾5発を発射、うち1発がハーフィズ・アサド前大統領の生地であるカルダーハ市近郊のバシュラーマー村に着弾し、市民1人が死亡、3人が負傷した。

AFP, August 2, 2019、ANHA, August 2, 2019、AP, August 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2019、Reuters, August 2, 2019、SANA, August 2, 2019、SOHR, August 2, 2019、UPI, August 2, 2019などをもとに作成。

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停戦合意の発効を受け、シリア・ロシア軍は爆撃を停止するも、ハマー県、イドリブ県で散発的戦闘が発生(2019年8月2日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから93日目となる8月2日、シリア軍とシリア軍事革命諸勢力代表団(アスタナ会議に参加する反体制派の代表団)の停戦がロシア・トルコの仲介により発効したことを受け、シリア・ロシア軍は爆撃を停止したが、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の戦闘は続き、双方が撃った砲撃は410発におよんだ。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より1人(民間人1人、シリア軍兵士は0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,196人となった。

うち、856人が民間人(女性160人、子供215人を含む)、982人がシリア軍兵士、1,069人が反体制武装集団戦闘員。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカフルズィーター市、ザカート村、ラハーヤー村、アルバイーン村、ラターミナ町、ラトミーン村、シャリカ村を砲撃した。

これに対して反体制武装集団はジューリーン村、タッル・フワーシュ村、フワイズ村、カルカート村を砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(8月2日付)は、シリア軍が停戦合意に違反し、ラトミーン村、ザカート村、アルバイーン村、ザイズーン村、カフルズィーター市を砲撃し、市民1人が負傷したと伝えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がシャッアーラ村、ムシャイリファ村、ハーン・シャイフーン市、カッサービーヤ村、フバイト村を砲撃、イウジャーズ村、ムシャイリファ村一帯で反体制武装集団と交戦した。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月2日付)は、シリア軍が停戦合意に違反し、ビダーマー町を砲撃したが、これに対してシャーム解放機構は応戦しなかったと伝えた。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 2, 2019をもとに作成。

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