ロシアとトルコは緊急会合で停戦とハーン・シャイフーン市の処遇を協議(2019年8月21日)

トルコの支援を受ける国民解放戦線のアブー・スブヒー・ナッハース政治局長は、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室がイドリブ県ハーン・シャイフーン市、ハマー県北部を放棄したことを受け、トルコ・ロシア両国の高官が緊急会合を開いたことを明らかにした。

ナッハース政治局長によると、会合はイドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンでの停戦、ハーン・シャイフーン市の処遇を協議するのが目的で、反体制派は会合の結果を待っている状態だという。

イナブ・バラディー(8月21日付)が伝えた。

これに関して、ラタキア県フマイミーム航空基地の駐留ロシア軍のアレクサンドル・イヴァノフ報道官は、会合の目的が停戦とハーン・シャイフーン市の処遇を協議することにあることを認めた。

AFP, August 21, 2019、ANHA, August 21, 2019、AP, August 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 21, 2019、‘Inab Baladi, April 21, 2019、Reuters, August 21, 2019、SANA, August 21, 2019、SOHR, August 21, 2019、UPI, August 21, 2019などをもとに作成。

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米国防総省報道官「シリアで化学兵器が使用される、あるいは使用を裏づける何らかの証拠があれば、我々は報復する」(2019年8月21日)

米国防総省のショーン・ロバートソン報道官は、シリア情勢に関して「化学兵器が使用される、あるいは使用を裏づける何らかの証拠があれば、我々による報復が行われることになる」と述べた。

ロバートソン報道官はまた、イドリブ県に対するシリア・ロシア軍の攻撃に関して「無謀な行為、この地域に深刻な人道的危機をもたらしかねない」としたうえで「シリア政府とロシアが、人道活動家を標的とすること止め、イドリブ県に人道支援が届くことを許さねばならないと見ている」を非難した。

フッラ・チャンネル(8月21日付)が伝えた。

AFP, August 21, 2019、ANHA, August 21, 2019、AP, August 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 21, 2019、Alhurra, August 21, 2019、Reuters, August 21, 2019、SANA, August 21, 2019、SOHR, August 21, 2019、UPI, August 21, 2019などをもとに作成。

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アフリーン解放軍団はトルコ占領下のアアザーズ市近郊で反体制武装集団の戦闘員3人を殺害したと発表(2019年8月21日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、トルコの占領下にあるアアザーズ市近郊のカフルハーシル村で18日に反体制武装集団と交戦し、戦闘員3人を殺害したと発表した。

ANHA(8月21日付)が伝えた。

AFP, August 21, 2019、ANHA, August 21, 2019、AP, August 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 21, 2019、Reuters, August 21, 2019、SANA, August 21, 2019、SOHR, August 21, 2019、UPI, August 21, 2019などをもとに作成。

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武器を棄て当局に投降していたヒムス県出身の115人の免罪手続きが終了(2019年8月21日)

ヒムス県では、SANA(8月21日付)によると、武器を棄て当局に投降していた県出身の115人の免罪手続きが終了し、社会復帰を果たした。

AFP, August 21, 2019、ANHA, August 21, 2019、AP, August 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 21, 2019、Reuters, August 21, 2019、SANA, August 21, 2019、SOHR, August 21, 2019、UPI, August 21, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍はM5高速道路上の拠点都市マアッラト・ヌウマーン市一帯を激しく攻撃、ロシア軍の爆撃で病院が利用不能に(2019年8月21日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから112日目を迎えた8月21日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は100回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」75発を投下、ロシア軍も55回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は850発以上におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より61人(民間人22人(うち女性1人、子供2人)、シリア軍兵士16人、反体制武装集団戦闘員31人)増えて3,735人となった。

うち、972人が民間人(女性173人、子供242人を含む)、1,270人がシリア軍兵士、1,491人が反体制武装集団戦闘員。

なお、ドゥラル・シャーミーヤ(8月21日付)によると、シリア・ロシア軍の攻撃は20日夜から断続的に続いたという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でM5高速道路上の拠点都市マアッラト・ヌウマーン市、タマーニア町、ジャルジャナーズ町、ガドファ村、マアッルシューリーン村、タッフ村、ダイル・シャルキー村、タッル・マンス村、マアッラト・スィーン村、バシーリーヤ村、ハザーリーン村、ブサンクール村灌木地帯、サラーキブ市に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでヒーシュ村、シャイフ・ダーミス村、スィフヤーン村、ラカーヤー村、マアッルシューリーン村、タマーニア町、タフターヤー村、バスィーダー村、カフルサジュナ村、ジャルジャナーズ町、ガドファ村、マアッラト・ヌウマーン市、ダイル・シャルキー村、タッフ村に「樽爆弾」を投下し、タッル・マンス村で女児1人を含む3人が、マアッルシューリーン村で市民1人が死亡した。

またシリア軍は地上部隊が県内の戦闘地域を砲撃し、バシーリーヤ村で子供1人を含む3人が死亡した。

ロシア軍もタマーニア町、タッル・タルイー村、マアッラト・ハルマ村、タッフ村、ダイル・シャルキー村、ダイル・ガルビー村、マアッルシューリーン村、ガドファ村、ジャルジャナーズ町を爆撃し、ダイル・ガルビー村で市民3人が死亡した。

ホワイト・ヘルメットによると、タッル・マンス村に対するロシア軍の爆撃では、ラフマ病院が標的となり、利用不能となったという。

一方、SANA(8月21日付)によると、シリア軍がタマーニア町とハマー県ムーリク市の間に位置するタッル・タルイー村一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月21日付)によると、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室はハーン・シャイフーン市東に位置する戦略的要衝のタルイー丘一帯でシリア軍と激しく交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でICARDA一帯に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県南西部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もカフル・ハラブ村一帯を爆撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県北東部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もカッバーナ村一帯を爆撃した。

シャーム解放機構に近いイバー通信(8月21日付)によると、シリア軍とヒズブッラーがクバイナ丘に進軍、シャーム解放機構がこれを迎撃した。

同通信によると、この戦闘でシリア軍とヒズブッラー側は25人が死亡、60人あまりが負傷したという。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月21日付)もまた、クバイナ丘一帯で、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室の軍事筋の話として、同作戦司令室がシリア軍と激しく交戦したと伝えた。

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ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月21日付)によると、シリア軍が、ムーリク市に近いトルコ軍の監視所(第9監視所)一帯に対して爆撃・砲撃を行った。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を27件(ラタキア県14件、アレッポ県11件、イドリブ県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を9件(イドリブ県5件、ハマー県3件、アレッポ県1件)確認した。

AFP, August 21, 2019、ANHA, August 21, 2019、AP, August 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 21, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 21, 2019、Reuters, August 21, 2019、SANA, August 21, 2019、SOHR, August 21, 2019、UPI, August 21, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, August 21, 2019などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市およびハマー県北部の支配地域を放棄したことを受け初めて声明を出し、反体制派に戦闘継続を呼びかける(2019年8月21日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の軍事部門は声明を出し、イドリブ県ハーン・シャイフーン市およびハマー県北部の支配地域を放棄したことに関して、シリア政府を打倒し、その軍事侵攻を頓挫させるまで、戦闘を続けるよう反体制派諸派に呼びかけた。

声明の主な内容は以下の通り:

「我々は苦難に満ちたこの時、歴史上類を見ない勇敢さと犠牲の瞬間を生きており、マスアブ・ブン・ウマイル、タルハト・ブン・ウバイドッラー、サアド・ブン・アビー・・ワカースといった教友に倣い、彼らの犠牲の精神を手本としている若者たちを目にするに至っている。

我々はこうした偉大な犠牲を目にして、ムジャーヒディーンたちが死力を尽くし、ためらうことなく行っている強靱なジハードが行われていることをアッラーに感謝する。

我々はどれほどの傷を負おうと降伏せずに、自らのジハードを続ける。傷を癒やし、準備を続ける。祝福されたこの地を、最後の血の一滴まで守り続ける。

偉大なムジャーヒディーンたちよ、我々は、激しい空爆と破壊にもかかわらず、この戦いのなかでシャームのくにとそこで暮らす民に対するアッラーの助けがどれほどのものであるかを見てきた。損害は僅かであり、我々が受けた傷の何倍もの傷を敵は味わっている。我々はそれゆえ、持っている武器をさらに強く握りしめ…、絶望せず、勝利を確信せねばならない」。

AFP, August 21, 2019、ANHA, August 21, 2019、AP, August 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 21, 2019、Reuters, August 21, 2019、SANA, August 21, 2019、SOHR, August 21, 2019、UPI, August 21, 2019などをもとに作成。

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