シャアバーン大統領府政治報道補佐官「シリア軍はハマー県北部のムーリク市近郊に設置されているトルコ軍の検問所を撤去できる」(2019年8月23日)

ブサイナ・シャアバーン大統領府政治報道補佐官はレバノンのマヤーディーン(8月23日付)のインタビューに応じ、そのなかで、ハマー県北部のムーリク市近郊に設置されているトルコ軍の検問所をシリア軍が撤去するだろうと述べた。

シャアバーン補佐官は「ムーリク市近郊のトルコ軍監視所は包囲されている。シリア軍はこの拠点を撤去し、テロリストを排除することができる」と述べた。

また「トルコは、アスタナ合意に基づいて配置した監視所を、彼ら自身がテロリストと呼んでいる連中に武器を運ぶ拠点に変えてしまった…。シリア国内の一部を占領するための拠点だ…。トルコはアスタナ合意を遵守していない。ヌスラ戦線(シャーム解放機構)に武器をやりとりし、領土を占領し、シリア国民に対して犯罪を行ってきた」と批判した。

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米中央軍は、YPG主体のシリア民主軍がトルコ国境地帯に設置していた軍事要塞を撤去したと発表(2019年8月23日)

米中央軍はツイッターのアカウント(https://twitter.com/centcom)で、「米国防長官とトルコ国防大臣がシリア北東部の安全保障について協議してから24時間を経ずして、シリア民主軍(人民防衛隊(YPG)主体)は8月22日、軍事要塞複数カ所を撤去した。これは、安全保障対策の枠組みを支持するというシリア民主軍の姿勢を示している」と発表し、その写真を公開した。

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ハマー県北部の自治を担っていたとされる反体制派は同地に民間人など1人もおらず、政府が設置した人道回廊を「劇場」だと非難(2019年8月23日)

ハマー県北部のカフルズィーター市とラターミナ町の自治を担っていたとされる地元評議会は、反体制派系サイトのザマーン・ワスル(8月23日付)に対して、22日に同地の住民をシリア政府支配地域に避難させるために政府がスーラーン町に人道回廊を設置したことに関して、ウソだと反論した。

ラターミナ町の評議会は、「町には民間人は1人もいない。住居と公共施設は95%以上が破壊されてしまっている」としたうえで「政権が、ハマー市に住んでいるシャッビーハを連れてきて作り出そうとしている劇場は、一連の嘘の1幕以外の何ものでもなく、自分たちの陰謀を正当化しようとする試みに過ぎない」と非難した。

カフルズィーター市の評議会も「アサド政権はスーラーン市に人道回廊を設置し、市内から出れずにいた民間人を避難させると言い張っている。しかし、我々は、2011年から政権とその同盟者どもが爆撃を続け、90%以上が破壊されてしまった市内に民間人など1人もいないことを確認している」と述べた。

また「市内に留まっていた最後の市民も、犯罪者である政権軍とシャッビーハが迫っていると感じ、数日前に退去した」と付言した。

AFP, August 23, 2019、ANHA, August 23, 2019、AP, August 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2019、Reuters, August 23, 2019、SANA, August 23, 2019、SOHR, August 23, 2019、UPI, August 23, 2019、Zaman al-Wasl, August 23, 2019などをもとに作成。

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(2019年8月23日)# # # # #

トルコのチャヴシュオール外務大臣はハマー県ムーリク市近郊のトルコ軍監視所包囲を頑なに否定、エルドアン大統領はシリア軍のイドリブ県進攻を安全保障上の脅威と警告(2019年8月23日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は訪問先のレバノンの首都ベイルートでのジュブラーン・バースィール外務大臣との共同記者会見で、ハマー県ムーリク市近郊にあるトルコ軍の監視所(第9監視所)がシリア軍に包囲されていることに関して、これを頑なに否定した。

チャヴシュオール外務大臣は「我が国の監視所は包囲されていない。誰にも我が軍を包囲することなどできない。シリア政府は我が国の検問所の北方で反体制派と戦闘している」としたうえで、監視所を撤退させるつもりがないと改めて強調した。

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トルコ大統領府は声明を出し、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がロシアのヴラジミール・プーチン大統領と電話会談を行い、シリア情勢について意見を交わしたと発表した。

声明によると、会談でエルドアン大統領は「シリア軍による攻撃とイドリブ県での停戦違反は、甚大な人道危機をもたらす」としたうえで、それが「問題解決への努力を阻害し、トルコの安全保障への真の脅威となっている」と警鐘を鳴らした。

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親政権系のメディアはハマー県ムーリク市近郊のトルコ軍監視所をバックに記念撮影するシリア軍兵士の画像を公開(2019年8月23日)

アキトTV(8月23日付)などトルコの複数のメディアは、ハマー県北部のムーリク市近郊に設置されているトルコ軍の監視所(第9監視所)が、シリア軍によって包囲されたと伝えた。

また、シリア・トゥルー・チューブ(8月23日付)など親政権系のメディアは、この監視所をバックに記念撮影するシリア軍兵士の画像を公開した。

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アフガン人民兵組織のファーティミーユーン旅団の戦闘員約100人がダイル・ザウル県からアレッポ県に移動(2019年8月23日)

ジュルフ・ニュース(8月23日付)は、複数の地元筋の話として、ダイル・ザウル県内に展開していたアフガン人民兵組織のファーティミーユーン旅団の戦闘員約100人が、イラン・イスラーム革命防衛隊が用意した装甲車輌数十輌に乗って、アレッポ県に移動したと伝えた。

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ダーイシュがダイル・ザウル県でシリア軍と交戦、YPG主体のシリア民主軍を襲撃(2019年8月23日)

ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月23日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、ダーイシュ(イスラーム国)がブーカマール市近郊の砂漠地帯でシリア軍部隊と交戦した。

また、アアマーク通信(8月23日付)によると、ダーイシュはズィーバーン町近郊の街道で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を襲撃し、2人を殺害、1人を負傷させた。

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ハマー県ムハルダ市で県北部の解放を祝うデモが行われ、住民らが参加(2019年8月23日)

ハマー県では、SANA(8月23日付)によると、県北部のムハルダ市の中心街でシリア軍による県北部の解放を祝うデモ行進・集会が開かれ、住民らが参加した。

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シリア・ロシア軍はイドリブ県への爆撃を続ける(2019年8月23日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから114日目を迎えた8月23日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は85回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」78発を投下、ロシア軍も55回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は800発におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より5人(民間人7?人(うち女性0人、子供1人)、シリア軍兵士は0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて3,763人となった。

うち、983人が民間人(女性174人、子供244人を含む)、1,281人がシリア軍兵士、1,499人が反体制武装集団戦闘員。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でタマーニア町、カフルナブル市、マアッラト・ハルマ村、カフルサジュナ村、カフルルーマー村、ガドファ村、ジャルジャナーズ町、ダイル・シャルキー村、タッフ村、タッル・マンス村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでマアッラト・ヌウマーン市、ガドファ村、ジャルジャナーズ町、カフルサジュナ村、バスィーダー村、マアッル・シャマーリーン村、ダイル・シャルキー村、タッフ村、ヒーシュ村、ハーミディーヤ村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もタマーニア町、タッフ村、タフターヤー村、ハーン・シャイフーン市一帯、ガドファ村、ジャルジャナーズ村、カフルジャジュナ村、ラッファ村を爆撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でICARDA、バルクーム村、バウワービーヤ村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県北東部の戦闘地域を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を30件(アレッポ県13件、ヒムス県1件、ラタキア県16件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を4件(イドリブ県)確認した。

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シリア軍はイドリブ県ハーン・シャイフーン市、ハマー県北部(カフルズィーター市、ラターミナ町、ムーリク市など)を制圧したと正式に発表(2019年8月23日)

軍武装部隊総司令部は声明を出し、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構、トルコの支援を受ける国民解放戦線、「穏健な反体制派」と目されるイッザ軍の活動拠点だったイドリブ県南部のハーン・シャイフーン市、ハマー県ムーリク市、ラターミナ町、サイヤード丘、貯蔵施設群、ワーディー・アンズ、ワーディー・アサル、カフルズィーター市、ラトミーン村、マアルカバ村、ラハーヤー村(西ラハーヤー村、東ラハーヤー村)、ファース丘、ラトミーン丘、ワーディー・ハスマイン、ワーディー・カスマイン、カアブ・ファルスを解放し、爆発物の撤去など同地の浄化を完了したと発表した。

https://youtu.be/lbuIQI98FlM

シリア軍は19日に反体制武装集団の撤退を受けて同地を制圧していたが、これを正式に認めたのはこの声明が初めて。

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SANA(8月24日付)は、シリア軍によって浄化が完了した地域の写真を公開した。

カフルズィーター市
ムーリク市
ハーン・シャイフーン市
サイヤード丘

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SANA(8月23日付)はまた、シリア軍がハーン・シャイフーン市近郊で、シャーム解放機構が作った地下トンネルを発見したと伝え、ビデオ映像と写真を公開した。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから128人、ヨルダンから1,024人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年8月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月23日付)を公開し、8月22日に難民1,451人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは427人(うち女性128人、子供218人)、ヨルダンから帰国したのは1,024人(うち女性307人、子供522人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は367,100人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者116,426人(うち女性35,084人、子ども59,303人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者250,674人(うち女性75,235人、子ども127,832人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。
45カ国で難民登録したシリア人の数は6,634,214人(うち女性1,990,264人、子供3,383,449人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 596,380人(うち女性178,977人、子供304,057人)となった。

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一方、国内避難民の帰宅は行われず、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,237人(うち女性10,920人、子供16,188人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,303,833人(うち女性393,479人、子供659,954人)とままだった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 23, 2019をもとに作成。

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