ダイル・ザウル県でアラブ系のアカイダート部族の名士が殺害される:シリア民主軍、ダーイシュによる犯行の可能性(2021年1月11日)

ダイル・ザウル県では、SANA(1月11日付)、ANHA(1月10日付)、ユーフラテス・ポスト(1月11日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(1月11日付)、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるフワーイジュ・ズィーバーン町でアカイダート部族の名士の1人でシャイフのアトリユーシュ・アフィー・シャタート・ザーヒル氏が、自宅でオートバイに乗った武装集団の襲撃を受けて、シャタート氏と息子のムハンマド氏、そしてシャタート氏の家に居合わせていた1人が殺害された。

シャタート氏を襲撃した武装集団に関して、ドゥラル・シャーミーヤは、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属する集団と思われると伝えた。

これに対し、ユーフラテス・ポストは、この集団がダーイシュ(イスラーム国)と思われると伝えた。

また、ANHAやシリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるシュハイル村で、アブー・ハルドゥーブ村出身の青年1人が、オートバイに乗った正体不明の武装集団の襲撃を受けて、死亡した。

さらに、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるブサイラ市でオートバイに乗った正体不明の武装集団が、「自由シリア軍」の元司令官1人、内務治安部隊(アサーイシュ)の司令官1人を含む3人を襲撃し、殺害した。

一方、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるサジュル村にシリア軍が突入し、1月10日に仕掛けられていた爆弾が爆発した村の名士の住居の近くで、住民20人以上を逮捕した。

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ラッカ県では、SANA(1月11日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ市東のマンハル村に至る街道で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車輌の通行に合わせて、道路に仕掛けられていた爆弾が爆発し、兵士多数が負傷した。

AFP, January 11, 2021、ANHA, January 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2021、Euphrates Post, January 11, 2021、Reuters, January 11, 2021、SANA, January 11, 2021、SOHR, January 11, 2021などをもとに作成。

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反体制系サイトは、アスマー大統領夫人が「樽爆弾」で脚に障害を負った優秀学生と面談したとこぞっと伝える(2021年1月11日)

オリエント・ニュース(1月11日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(1月11日付)など反体制系のインターネット・メディアは、アスマー・アフラス大統領夫人が障害を持つ優秀な学生たちと面談、そのなかに、「樽爆弾」での攻撃で脚に障害を負ったアンワール・アブドゥッラッザーク・アリーさんが含まれていたと伝え、その写真を公開した。

オリエント・ニュースがダルアー県の殉教者記録局から得た情報として伝えたところによると、アンワールさんは、ダルアー県西ガーリヤ村の出身で、2017年11月4日のシリア軍のヘリコプター複数機による「樽爆弾」での爆撃で重傷を負い、脚に障害を抱えることになったのだという。

この攻撃では、母親が死亡したという。

ダルアー市の地元筋によると、アスマー夫人がアンワールさんを人選したが、アンワールさんには当日、誰と会うかを知らされていなかったのだという。

AFP, January 11, 2021、ANHA, January 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2021,、Orient News, January 11, 2021、Reuters, January 11, 2021、SANA, January 11, 2021、SOHR, January 11, 2021などをもとに作成。

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シリア国民連合が米国の支援を受け、シリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会とともに、シリア北東部に拠点を持つ新たな政治組織の結成をめざす(2021年1月11日)

ハッル・ネット(1月11日付)は、クルド人幹部司令官の話として、トルコで活動するシリア革命反体制派国民連立(シリア国民連合)、反体制派の指導者や活動家が、米国の支援を受けて、シリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会とともに、シリア北東部に拠点を持つ新たな政治組織を結成しようとしている、と伝えた。

この政治組織には、エジプトのカイロで活動してきたいわゆる「カイロ・プラットフォーム」の離反者、自由シリア軍の司令官が参加を予定しているが、その氏名については明らかにされなかった。

AFP, January 11, 2021、ANHA, January 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2021、al-Hall net, January 11, 2021、Reuters, January 11, 2021、SANA, January 11, 2021、SOHR, January 11, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアレッポ県タッル・リフアト市近郊を砲撃(2021年1月11日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、アイン・ダクナ村、バイルーナ村を砲撃した。

AFP, January 11, 2021、ANHA, January 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2021、Reuters, January 11, 2021、SANA, January 11, 2021、SOHR, January 11, 2021などをもとに作成。

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「イランの民兵」の一つでアフガニスタン人によって構成されるファーティミーユーン旅団がイラン製のロケット弾をシリアに持ち込む一方、所属不明のドローンがダイル・ザウル県南東部に飛来、8回の爆発が発生(2021年1月11日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、「イランの民兵」の一つでアフガニスタン人によって構成されるファーティミーユーン旅団が、イラン製のロケット弾を野菜・果物運搬用の大型トラック4台に積んで、イラクからシリア領内に持ち込んだ。

一方、シリア政府の支配下にあるブーカマール市南では、所属不明の無人航空機(ドローン)が飛来、これと時を同じくして8回の爆発が起きた。

爆発が発生した一帯は、「イランの民兵」の展開地域。

AFP, January 11, 2021、ANHA, January 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2021、Reuters, January 11, 2021、SANA, January 11, 2021、SOHR, January 11, 2021などをもとに作成。

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ダーイシュがダイル・ザウル市近郊の砂漠地帯で、シリア軍とパレスチナ人民兵のクドス旅団の拠点複数カ所を襲撃し、兵士・民兵8人死亡、11人負傷(2021年1月11日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市近郊の砂漠地帯で、シリア軍とパレスチナ人民兵のクドス旅団の拠点複数カ所を襲撃し、兵士・民兵8人が死亡、11人が負傷した。

AFP, January 11, 2021、ANHA, January 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2021、Reuters, January 11, 2021、SANA, January 11, 2021、SOHR, January 11, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるアレッポ県アターリブ市南のワサータ村に新たな軍事拠点を設置(2021年1月11日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるアターリブ市南のワサータ村に新たな軍事拠点を設置した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これにより、シリア領内(緊張緩和地帯第1ゾーン)にあるトルコ軍監視所・拠点は70カ所、撤去済みとなった監視所・拠点は13カ所となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所
イドリブ県:サルワ村(第1監視所)、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)(第11監視所)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡(第2監視所)
ラタキア県:ザイトゥーナ村(第12監視所)

拠点
イドリブ県:サラーキブ市(2カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村(2カ所)、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ村(バアス前衛キャンプ)、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市、マンタフ村、ムハムバル村(2カ所)、ラーキム丘、バイルーン村、クークフィーン村、ダイル・サンバル村・イフスィム町間、バーラ村、バイルーン村、マルカブ丘、バドラーン丘、バーラ村、カドゥーラ村
アレッポ県:アナダーン市、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村、ワサータ村
ハマー県:ムガイル村

また撤退が完了した監視所・拠点は以下の通り:

監視所
イドリブ県:サルマーン村(第7監視所)、タッル・トゥーカーン村(第8監視所)
アレッポ県:アナダーン山(第3監視所)、シャイフ・アキール山(第4監視所)、アレッポ市ラーシディーン地区(南)(第5監視所)、アイス村(アイス丘)(第6監視所)
ハマー県:ムーリク市(第9監視所)、シール・マガール村(第10監視所)

拠点
イドリブ県:サラーキブ市(1カ所)、マアッル・ハッタート村
アレッポ県:アレッポ市ラーシディーン地区、ハーン・トゥーマーン村、ズィルバ村(クーラーニー工場)

AFP, January 11, 2021、ANHA, January 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2021、Reuters, January 11, 2021、SANA, January 11, 2021、SOHR, January 11, 2021などをもとに作成。

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「イランの民兵」の一つでパキスタン人によって構成されているザイナビーユーン旅団がラッカ県マアダーン町で地元名士と会合し、住民を勧誘(2021年1月11日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、「イランの民兵」の一つでパキスタン人によって構成されているザイナビーユーン旅団が、本部を設置しているマアダーン町で地元名士と会合を開いた。

会合では、福祉や食糧の供給を見返りとして、地元住民の旅団への勧誘が行われた。

AFP, January 11, 2021、ANHA, January 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2021、Reuters, January 11, 2021、SANA, January 11, 2021、SOHR, January 11, 2021などをもとに作成。

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シリア軍はハマー県で国民解放戦線所属のナスル軍戦闘員11人とイドリブ県で新興のアル=カーイダ系組織のアンサール・タウヒードの戦闘員1人を殺害(2021年1月11日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が10日深夜から11日未明にかけて、「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村一帯に潜入し、国民解放戦線に所属するナスル軍の戦闘員11人を殺害した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるジューリーン村のシリア軍基地などを砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村一帯で、シリア軍が、新興のアル=カーイダ系組織の一つアンサール・タウヒードの戦闘員1人を狙撃し、殺害した。

シリア軍はまた、ザーウィヤ山地方のバーラ村などを砲撃した。

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるジャッバー村で、レバノンのヒズブッラーに近い親政権民兵のゴラン中隊の兵士1人が、正体不明の武装集団の襲撃を受けて死亡した

AFP, January 11, 2021、ANHA, January 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2021、Reuters, January 11, 2021、SANA, January 11, 2021、SOHR, January 11, 2021などをもとに作成。

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米軍が違法に駐留する北・東シリア自治局支配下のハサカ県シャッダーディー市で住民がシリア民主軍に対する抗議デモ(2021年1月11日)

ハサカ県では、SANA(1月11日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあり、米軍が違法に駐留するシャッダーディー市で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の犯罪行為、徴兵、強制連行に抗議するデモが発生し、住民が参加した。

同様のデモは前日にも行われたという。

これに対して、シリア民主軍はデモ参加者に暴行を加えるなどして強制排除、一部参加者を拘束、連行した。

シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町とハサカ市を結ぶ街道沿線に位置するダシーシャ村でシリア民主軍の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、兵士多数が負傷した。

AFP, January 11, 2021、ANHA, January 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2021、Reuters, January 11, 2021、SANA, January 11, 2021、SOHR, January 11, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で98人、北・東シリア自治局支配地域で25人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で34人(2021年1月11日)

保健省は政府支配地域で新たに98人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者69人が完治し、7人が死亡したと発表した。

これにより、1月11日現在の同地での感染者数は計12,462人、うち死亡したのは781人、回復したのは6,098人となった。

SANA(1月11日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに25人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者5人が完治し、1人が死亡したと発表した。

これにより、1月10日現在の同地での感染者数は計8,252人、うち死亡したのは284人、回復したのは1,163人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性12人、女性13人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市5人、カーミシュリー市3人、マーリキーヤ(ダイリーク)市5人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市3人、マンビジュ市1人、ラッカ県のラッカ市4人、タブカ市3人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)1人。

ANHA(1月10日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で1月11日に新たに34人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、210人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡1人、イドリブ郡6人、ハーリム郡9人、アリーハー郡2人、アレッポ県スィムアーン山郡1人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡1人、アフリーン郡12人、アアザーズ郡2人。

これにより、同地での感染者数は計20,717人、うち回復したのは13,874人、死亡したのは358人となった。

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AFP, January 11, 2021、ACU, January 11, 2021、ANHA, January 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 11, 2021、Reuters, January 11, 2021、SANA, January 11, 2021、SOHR, January 11, 2021などをもとに作成。

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