エジプトのシュクリー外務大臣はシリアとの外交関係再開について前向きな姿勢を示す(2021年1月26日)

エジプトのサーミフ・シュクリー外務大臣は、シリアとの外交関係再開について前向きな姿勢を示した。

シュクリー外務大臣は、「みなが国家、そして国民としてのシリアに同情している…。エジプトは国内のシリア人を歓迎しており、そうすることが大切だとみな考えている」としたうえで、シリアとの外交関係再開の是非について「問題は複雑な面もあるが、我々はシリアが周辺アラブ諸国のなかに復帰することを願っている」と述べた。

シュクリー外務大臣はまた「シリア国民が晒されている悲劇、国外への避難、諸外国の政策が、この地域のシリアへの対応に制限を課している…。エジプトはシリアが周辺アラブ諸国のなかに復帰することを希望している。シリアが再び復帰し、我々みなが大切だと考えている場所に立ち返ることを願っている」と述べた。

バウワーバト・アフラーム(1月26日付)が伝えた。

AFP, January 27, 2021、ANHA, January 27, 2021、Bawwaba al-Ahram, January 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 27, 2021、Reuters, January 27, 2021、SANA, January 27, 2021、SOHR, January 27, 2021などをもとに作成。

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米軍がハサカ県マーリキーヤ市の基地を増派、M2ブラッドレー歩兵戦闘車などからなる部隊がヘリコプターの護衛を受けて国境地帯で異例のパトロールを実施(2021年1月26日)

ハサカ県では、シリア人権監視団などによると、米軍がイラクからマーリキーヤ(ダイリーク)市に違法に設置されている基地に装甲車や戦車複数輌を新たに増派した。

M2ブラッドレー歩兵戦闘車などからなる米軍部隊が、米軍ヘリコプターの護衛を受け、マーリキーヤ市一帯の国境地帯で異例のパトロールを実施した。

部隊はハッラーブ・ジール村からマーリキーヤ市に向かったという。

なお、スプートニク・ニュース(1月21日付)は、米軍はイラクからダイル・ザウル県ウマル油田、CONOCOガス工場に設置されている基地に200人を派兵したと伝えていた。

シリア人権監視団などによると、米軍はマーリキーヤ市近郊に新たな軍事基地を設置しようとしているとの見方を示した。

AFP, January 26, 2021、ANHA, January 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 26, 2021、Reuters, January 26, 2021、SANA, January 26, 2021、SOHR, January 26, 2021、Sputnik News, January 21, 2021などをもとに作成。

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ハサカ県カーミシュリー市でシリア軍検問所から旅客マイクロバスに向けて発砲、アサーイシュは同市の政府支配地域への封鎖を強化(2021年1月26日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市で、シリア政府が管理するカーミシュリー国際空港に設置されているシリア軍の検問所からバースィル交差点近くを走行中の旅客マイクロバスに向けて発砲があった。

死傷者はなかったが、これを受けて内務治安部隊(アサーイシュ)が、シリア政府支配下のいわゆる治安厳戒地区を包囲するかたちで複数の仮設検問所を増設した。

AFP, January 26, 2021、ANHA, January 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 26, 2021、Reuters, January 26, 2021、SANA, January 26, 2021、SOHR, January 26, 2021などをもとに作成。

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ダルアー県タファス市で、シリア軍第4師団とイスラームの暁旅団がロシア軍の仲介により事態収拾で合意(2021年1月26日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タファス市で対立を激化させていたシリア軍第4師団とイスラームの暁旅団の対立が、ロシア軍の仲介により、事態を収拾することで合意した。

合意は、イスラームの暁旅団が第4師団に重火器を引き渡すことと、その見返りとしてシリア軍第4師団が、アブー・ターリク・スバイヒーを名乗る指導者以外の幹部のシリア北部への退去を求めないことを骨子とする。

ズバイヒー氏は、ダルアー県アトマーン村の出身で、退去を希望する一部戦闘員らとともに、「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県に近く移送されるという。

なお、シリア人権監視団によると、合意に先立ち、タファス市上空には、シリア軍戦闘機複数機が飛来・旋回し、威嚇を行っていたという。

また、イスラームの暁旅団を支持すると見られる正体不明の武装集団が、サイダー町近郊の国際幹線道路沿いに設置されているシリア軍第15師団の検問所を襲撃、シリア軍がこれに応戦し、戦闘となった。

タスィール町にも、正体不明の武装集団が撃った砲弾が着弾した。

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同じダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるジッリーン村でシリア軍第5軍団の兵士1人が、正体不明の武装集団の発砲を受けて死亡した。

また、同村近郊でも、シリア政府との和解に応じ、軍事治安局に勤務していた元反対武装集団の戦闘員1人が遺体で発見された。

AFP, January 26, 2021、ANHA, January 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 26, 2021、Reuters, January 26, 2021、SANA, January 26, 2021、SOHR, January 26, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ県アイン・イーサー市一帯を砲撃(2021年1月26日)

ラッカ県では、SANA(1月26日付)、ANHA(1月26日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市一帯、ムシャイリファ村、M4高速道路沿線、ナヒール休憩所、穀物サイロを砲撃した。

AFP, January 26, 2021、ANHA, January 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 26, 2021、Reuters, January 26, 2021、SANA, January 26, 2021、SOHR, January 26, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がヒムス県東部砂漠地帯のダーイシュの拠点に対して40回以上の爆撃を実施(2021年1月26日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が県東部のスフナ市近郊の砂漠地帯のダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して40回以上の爆撃を実施した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(1月26日付)によると、シリア軍が、1月24日にダイル・ザウル市とヒムス県スフナ市を結ぶ街道で兵員輸送バスを襲撃し、兵士3人を殺害、10人を負傷させた「テロ集団」のメンバー2人を殺害した。

AFP, January 26, 2021、ANHA, January 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 26, 2021、Reuters, January 26, 2021、SANA, January 26, 2021、SOHR, January 26, 2021などをもとに作成。

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トルコの支援を受ける反体制武装集団がイドリブ県のビダーマー鉄橋を解体し、鉄骨やコンクリートを持ち去る(2021年1月26日)

運輸省は、トルコの支援を受ける「傭兵」「テロ集団」が、「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県のビダーマー町とズアイニーヤ村を結ぶビダーマー鉄橋を解体し、鉄骨やコンクリートを持ち去ったと発表した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

解体された鉄橋は、長さ16.5メートルのコンクリート構造物2つと34メートルの鉄筋構造物6つの合計8つの構造物から構成されていた。

「傭兵」はこれを解体し、専用の工場・作業場に運び、スクラップ鉄を再生したという。

SANA(1月26日付)が伝えた


一方、シリア人権監視団によると、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県ザーウィヤ山地方のカンスフラ村、ファッティーラ村、スフーフン村、フライフィル村を砲撃、「決戦」作戦司令室もこれに応戦した。

AFP, January 26, 2021、ANHA, January 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 26, 2021、Reuters, January 26, 2021、SANA, January 26, 2021、SOHR, January 26, 2021などをもとに作成。

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北・東シリア自治局の支配下にあるダイル・ザウル県スワル町で地元のアラブ系部族どうしが衝突し、撃ち合いに(2021年1月26日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるスワル町で地元のアラブ系部族どうしが衝突し、撃ち合いとなった。

衝突したのは、ブーウマイル村の部族とカッサール村の部族。

撃ち合いによって、双方合わせて3人が死亡、17人が負傷した。

また、シリア民主軍に所属する双方の部族の兵士が介入し、双方を引き離そうとしたが、1人が撃ち合いに巻き込まれて死亡した。

一方、北・東シリア自治局の支配下のズィーバーン町では、シリア民主軍がシリア政府支配地域への密輸に関与していたとされるユーフラテス川東岸の水上通行所を襲撃、密輸業者と交戦した。

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ハサカ県では、SANA(1月26日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、北・東シリア自治局の支配下にあるジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村の議長宅に突入し、議長を拘束した。

AFP, January 26, 2021、ANHA, January 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 26, 2021、Reuters, January 26, 2021、SANA, January 26, 2021、SOHR, January 26, 2021などをもとに作成。

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トルコ占領下のラッカ県タッル・アブヤド市で「テロリスト」が自爆、死傷者が出る一方、ハサカ県ラアス・アイン市では国民軍所属部隊どうしが交戦(2021年1月26日)

ラッカ県では、SANA(1月26日付)、ANHA(1月26日付)によると、トルコの占領下にあるタッル・アブヤド市の裁判所に面する野菜販売所の前で、「テロリスト」が自爆し、通行人多数が負傷した。

シリア人権監視団によると、爆弾ベルトを装着した男性が自爆し、3人が死亡、7人が負傷した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のラアス・アイン市で、国民軍に所属する東部自由人連合と第20師団が撃ち合いとなった。

撃ち合いは、国民軍憲兵隊に所属するダイル・ザウル県出身の戦闘員が、地元の女性に暴行を加えたことがきっかけ。

第20師団が女性の家族とともに介入しようとすると、ダイル・ザウル県出身者からなる東部自由人連合の戦闘員を後援するかたちで介入、戦闘に発展したという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のラーイー村近郊の検問所が正体不明の武装集団の襲撃を受け、国民軍に所属するスルターン・ムラード師団の戦闘員1人が死亡した。

AFP, January 26, 2021、ANHA, January 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 26, 2021、Reuters, January 26, 2021、SANA, January 26, 2021、SOHR, January 26, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で65人、北・東シリア自治局支配地域で30人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で21人(2021年1月26日)

保健省は政府支配地域で新たに65人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者64人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、1月26日現在の同地での感染者数は計13,762人、うち死亡したのは895人、回復したのは7,185人となった。

SANA(1月26日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに30人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者8人が完治したと発表した。

これにより、1月26日現在の同地での感染者数は計8,450人、うち死亡したのは289人、回復したのは1,202人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性18人、女性12人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市6人、カーミシュリー市2人、マーリキーヤ(ダイリーク)市4人、マアバダ(カルキールキー)町2人、ラッカ県のラッカ市2人、タブカ市9人、ダイル・ザウル県1人。

ANHA(1月26日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で1月26日に新たに21人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、30人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡2人、イドリブ郡3人、ハーリム郡5人、アリーハー郡1人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡2人、バーブ郡1人、アフリーン郡4人、アアザーズ郡3人。

これにより、同地での感染者数は計20,960人、うち回復したのは16,412人、死亡したのは380人となった。

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AFP, January 26, 2021、ACU, January 16, 2021、ANHA, January 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 26, 2021、Reuters, January 26, 2021、SANA, January 26, 2021、SOHR, January 26, 2021などをもとに作成。

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