イスラエル軍はシリアとレバノンの若者700人が同軍への従軍を志願してきたと発表(2021年1月3日)

イスラエル軍人事科は、イスラエル・アラブ人、シリア人、レバノン人多数が同軍への入隊を志願していると発表した。

Ynetニュース(1月3日付)が伝えた。

人事科によると、昨年(2020年)1年間にイスラエル軍に志願したイスラエル・アラブ人の数は予備役を含めて1,000人以上となった。

この数は前年の2倍以上だという。

イスラエル軍に従軍したイスラエル・アラブ人はタイベ市、 カランスワ市、東エルサレムのイスラーム教徒、ガレリアのベドウィン、北部のキリスト教徒など。

志願兵の増加は、人事科がオンラインを通じて従軍を呼びかけたことによるもので、2020年だけで約4,000人が志願を申し出てきたという。

この4,000人のなかには、域内のいわゆる「敵国」からの応募もあり、レバノンとシリアの若者約700人がイスラエル軍への従軍を志願してきたという。

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これに関して、『シャルク・アウサト』(1月4日付)は、イスラエルのアラブ人政治家たちがこのデータに疑義を呈し、ねつ造だと主張していると伝えた。

AFP, January 5, 2021、ANHA, January 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 5, 2021、Reuters, January 5, 2021、SANA, January 5, 2021、al-Sharq al-Awsat, January 4, 2021、SOHR, January 5, 2021、Ynet News, January 3, 2021などをもとに作成。

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ダーイシュと思われる武装集団がハマー県東部の街道でシリア軍の車列を襲撃、兵士と民間人が死傷(2021年1月3日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラッカ県からダマスカス県に向かっていたシリア軍の車列が県東部サラミーヤ市とイスリヤー村を結ぶ街道(ワーディー・ウザイブ近く)で、ダーイシュ(イスラーム国)と思われる武装集団の要撃を受け、兵士7人が死亡、民間人を含む16人以上が負傷した(シリア人権監視団によると、その後死者は国防隊兵士12人、女児1人を含む民間人3人に増加)。

これに関して、ハマー県のムハンマド・ターリク・クライシャーティー知事は報道声明を出し、「午後9時半、石油トレーラー1輌と大型旅客バス(ボールマーン)3輌が自動小銃などの攻撃を受けた」としたうえで、「9人が死亡、民間人4人が負傷したが、それ以外の乗客は無事で、負傷者はサラミーヤ市の病院に搬送された」と発表した。

ハバル(1月3日付)などが伝えた。

これを受けて、シリア軍は現場一帯に増援部隊を派遣し、街道沿線の安全を確保、ロシア軍戦闘機も同地一帯の砂漠地帯を重点的に爆撃した。

AFP, January 3, 2021、ANHA, January 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2021、al-Khabar, January 3, 2021、Reuters, January 3, 2021、SANA, January 3, 2021、SOHR, January 3, 2021、January 4, 2021などをもとに作成。

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ハサカ県カーミシュリー市で国防隊とアサーイシュが逮捕合戦(2021年1月3日)

ハサカ県では、ANHA(1月3日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市で、シリア軍が内務治安部隊(アサーイシュ)の隊員1人と、ロシア軍との連絡調整を行う運転手1人を拘束した。

シリア人権監視団によると、アサーイシュ隊員を拘束したのは国防隊。

アサーイシュは釈放を求めたが、国防隊がこれを拒否したため、対抗措置として国防隊隊員複数人を拘束した。

これを受け、カーミシュリー市内で緊張が高まり、シリア軍、アサーイシュ双方が厳戒態勢を敷いた。

AFP, January 3, 2021、ANHA, January 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2021、Reuters, January 3, 2021、SANA, January 3, 2021、SOHR, January 3, 2021などをもとに作成。

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北・東シリア自治局の支配下にあるダイル・ザウル県ズガイル・ジャズィーラ村での抗議デモにシリア民主軍が発砲し、子供1人負傷(2021年1月3日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるズガイル・ジャズィーラ村で住民が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による徴兵やオートバイの通行規制に抗議するデモが行われたが、シリア民主軍が実弾を発砲し、強制排除した。

これにより、子供1人が負傷した。

一方、SANA(1月3日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるカスラート村でシリア民主軍が住民多数を拉致、連行した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプの第5区で、イラク人難民が何者かの発砲を受けて死亡した。

AFP, January 3, 2021、ANHA, January 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2021、Reuters, January 3, 2021、SANA, January 3, 2021、SOHR, January 3, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ県アイン・イーサー市などを砲撃し、女性1人を含む2人負傷(2021年1月3日)

ラッカ県には、ANHA(1月3日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊、同市近郊のフーシャーン村、M4高速道路沿線、第93旅団基地、マアラク村を砲撃した。

この砲撃で、女性1人を含む2人が負傷した。

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アレッポ県では、ANHA(1月3日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市北のフーシャリーヤ村に侵攻しようとした国民軍を撃退した。

AFP, January 3, 2021、ANHA, January 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2021、Reuters, January 3, 2021、SANA, January 3, 2021、SOHR, January 3, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で94人、北・東シリア自治局支配地域で32人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で43人、2020年に感染死した医師は181人(2021年1月3日)

保健省は政府支配地域で新たに94人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者61人が完治し、6人が死亡したと発表した。

これにより、1月3日現在の同地での感染者数は計11,710人、うち死亡したのは729人、回復したのは5,546人となった。

SANA(1月3日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに32人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者1人が完治し、1人が死亡したと発表した。

これにより、1月3日現在の同地での感染者数は計8,099人、うち死亡したのは275人、回復したのは1,149人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性20人、女性12人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市1人、カーミシュリー市6人、タッル・タムル町1人、マーリキーヤ(ダイリーク)市3人、マアバダ(カルキールキー)町2人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市2人、マンビジュ市2人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)4人、ラッカ県のラッカ市4人、タブカ市6人、ダイル・ザウル県1人。

ANHA(1月3日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で1月3日に新たに43人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、139人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡1人、イドリブ郡7人、ハーリム郡13人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡3人、バーブ郡3人、アフリーン郡12人、アアザーズ郡4人。

これにより、同地での感染者数は計20,381人、うち回復したのは13,217人、死亡したのは346人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1482731475265072/

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シリア人権監視団は、2020年に新型コロナウイルス感染症に感染した死亡したシリア人医師が181人に達していると発表した。

181人の内訳は、シリア政府支配地域で医療に従事する医師が172人、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の「解放区」とトルコ占領下のアレッポ県北部の医師が7人、北・東シリア自治局の医師が2人。

AFP, January 3, 2021、ACU, January 3, 2021、ANHA, January 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2021、Reuters, January 3, 2021、SANA, January 3, 2021、SOHR, January 3, 2021などをもとに作成。

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イドリブ県でトルコ軍装甲車がRPG弾の攻撃を受ける一方、マストゥーマ村に駐留するトルコ軍はシリア政府支配下のサラーキブ市を砲撃(2021年1月3日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市北のカファルヤー町に至る街道を移動中のトルコ軍装甲車に対して、正体不明の武装集団がRPG弾複数発を発射した。

事件を受け、トルコ軍とその支援を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)が同地一帯に展開した。

一方、シャーム解放機構は、軍事・治安権限を握るマストゥーマ村のバアス前衛キャンプに駐留するトルコ軍部隊が、前日に引き続いて、シリア政府の支配下にあるサラーキブ市を砲撃した。

また「決戦」作戦司令室が、シリア政府の支配下にあるハザーリーン村、ミラージャ村などを砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、ファッティーラ村を砲撃した。

このほか、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約32輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原各所を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を17件(イドリブ県7件、ラタキア県6件、アレッポ県3件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は16件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を5件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, January 3, 2021、ANHA, January 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 3, 2021、Reuters, January 3, 2021、SANA, January 3, 2021、SOHR, January 3, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民317人と国内避難民(IDPs)3人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は641,575人、2019年以降帰還したIDPsは66,673人に(2021年1月3日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(1月3日付)を公開し、1月2日に難民317人(うち女性196人、子供162人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民317人(うち女性196人、子供162人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は641,575人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者246,327人(うち女性74,046人、子ども125,357人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,735,845人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は870,855人(うち女性261,322人、子供443,848人)となった。

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一方、国内避難民3人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は3人(うち女性1人)だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は66,673人(うち女性23,222人、子供27,457人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,335,269人(うち女性405,781人、子供671,223人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 3, 2021をもとに作成。

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