ハンター米国連代表部政治担当顧問はバイデン米大統領就任に合わせて「シリア政府が政治解決に完全に応じるまで、復興支援を行うことはない」と表明(2021年1月20日)

ロードニー・ハンター米国連代表部政治担当顧問は、ジョー・バイデン新大統領が正式に就任した1月20日に国連安保理で行われたシリア情勢への対応をめぐる会合で、「シリアの紛争は終わっていない。シリア政府が政治解決に完全に応じるまで、復興支援を行うことはない」と述べた。

ハンター氏はまた、「シリア国民を飢えさせ、必要としている人に支援が行きわたるのを阻止しているのは、アサド政権の振る舞いであって、国際社会における一方的制裁なるものなどではない」と非難した。

AFP, January 20, 2021、ANHA, January 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 20, 2021、Reuters, January 20, 2021、SANA, January 20, 2021、SOHR, January 20, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

バイデン米大統領就任に合わせて、外務在外居住者省は国連宛書簡でシリア北東部での米軍の侵略行為を非難、部隊撤退を求める(2021年1月20日)

外務在外居住者省は、ジョー・バイデン大統領の正式就任(1月20日)に合わせて、国連事務総長と安保理議長宛に書簡を送り、米軍が、ユーフラテス川以東のいわゆるジャズィーラ地方でほぼ毎日侵略行為を繰り返し、シリアの主権、領土の統一性と安全をあからさまに侵害し、国際法に違反していると厳しく非難、シリア領内に違法に駐留を続ける部隊を即時撤退させるよう改めて求めた。

AFP, January 20, 2021、ANHA, January 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 20, 2021、Reuters, January 20, 2021、SANA, January 20, 2021、SOHR, January 20, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合の車輌約40輌が兵站物資などを積んでイラクからシリア領内に新たに進入(2021年1月20日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の車輌約40輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、ハサカ県の各所に設置されている基地に向かった。

AFP, January 20, 2021、ANHA, January 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 20, 2021、Reuters, January 20, 2021、SANA, January 20, 2021、SOHR, January 20, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アラビーヤ:政治評論家のアブドゥンヌール氏はアサド大統領からアスマー夫人への大統領の交代が受け入れられない場合の「プランC」が浮上していると主張(2021年1月20日)

All4syriaを運営するジャーナリストで政治評論家のアイマン・アブドゥンヌール氏は、アラビーヤ・チャンネル(1月20日付)の電話取材に応じ、そのなかで、同氏がプラン2、ないしはプランBと呼ぶアサド大統領からアスマー・アフラス大統領夫人への大統領の交代によっても、欧米諸国によって受けいられない場合に備えて、第3のシナリオ、ないしはプランCが浮上していると主張した。

第3のシナリオ、ないしはプランCとは、シリアの宗教・宗派構成において、多数派を占めるイスラーム教スンナ派の「人物」をアサド大統領の後任に据えるというもの。

この「人物」は、軍関連の機関に所属する元少将、あるいは元准将で、「革命期においてアサド軍が関与した殺戮に参加してしてない」人物になる可能性が高いという。

AFP, January 20, 2021、Alarabia, January 20, 2021、ANHA, January 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 20, 2021、Reuters, January 20, 2021、SANA, January 20, 2021、SOHR, January 20, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アスマー・アフラス大統領夫人が2021年科学オリンピックのシリア代表チームらと面談、インターネット教育を強く推奨(2021年1月20日)

アスマー・アフラス大統領夫人は、首都ダマスカスにある優秀創造機構を訪問し、2021年科学オリンピックに出場するシリア代表チームの参加学生、過去の代表メンバー、指導にあたる同機構教育委員会および運営委員会のスタッフと面談した。

アスマー夫人は、国の復興は教育と知識なくしては実現せず、それらがより良い未来へと導くものであると述べる一方、インターネット教育は今や副教材ではなく、教育の基礎なし、ポスト・コロナの時代において不可欠なものとなっていると強調した。

https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/3882428028467667%20https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/140326190_3882423181801485_3817503530898964126_o.jpg?_nc_cat=1&ccb=2&_nc_sid=730e14&_nc_ohc=klRJAUf_XSAAX_NhSCx&_nc_ht=scontent-nrt1-1.xx&oh=c9e453192ca04c1e9a041ca9a443443d&oe=602EFDF5








https://youtu.be/T1pmTezW3Qs

SANA(1月20日付)が伝えた。

AFP, January 20, 2021、ANHA, January 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 20, 2021、Reuters, January 20, 2021、SANA, January 20, 2021、SOHR, January 20, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県のハサカ市、カーミシュリー市、アレッポ県タッル・リフアト市、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区へのシリア軍とシリア民主軍の封鎖合戦がロシアの仲介で解消か?(2021年1月20日)

ハサカ県では、シリア人権監視団が複数筋の情報をもとに発表したところによると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ市とカーミシュリー市のそれぞれの市内にあるシリア政府支配地域(いわゆる治安厳戒地区)に対する人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の封鎖を解除するための会合が、ロシアの仲介のもとシリア軍と内務治安部隊(アサーイシュ)の間で行われたが、アサーイシュ側は包囲解除に同意せず、決裂した。

会合ではまた、アサーイシュ側が、アレッポ県タッル・リフアト市一帯(いわゆるシャフバー地区)、アレッポ市アシュラフィーヤ地区、シャイフ・マクスード地区に対するシリア軍の包囲解除を要求したが、シリア軍もこれを拒否した。

一方、ハサカ市のハヤート病院前では、アサーイシュのメンバーどうしが口論となり、撃ち合いに発展、シリア軍とシリア民主軍の戦闘と勘違いした住民が一時避難する騒ぎが発生した。

**

これに対して、ジスル・プレス(1月20日付)は、ロシアの仲介でシリア軍とシリア民主軍が互いの封鎖を解除することを合意したと伝えた。

同サイトによると、合意は、以下の項目を骨子とする。

①シリア民主軍はハサカ市、カーミシュリー市内でシリア政府の支配が維持されている支配地治安厳戒地区への封鎖を解除する。
②シリア軍は、北・東シリア自治局の勢力下にあるタッル・リフアト市、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区への封鎖を解除する。
③シリア民主軍は、トルコの占領下にあるハサカ県ラアス・アイン市への電力供給を1日10時間再開する。
④トルコは、ハサカ県アルーク村の揚水所を再稼働させ、ハサカ市への水道水供給を再開させる。

AFP, January 20, 2021、ANHA, January 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 20, 2021、Jesr Press, January 20, 2021、Reuters, January 20, 2021、SANA, January 20, 2021、SOHR, January 20, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍、第5軍団、クドス旅団による砂漠地帯でのダーイシュ掃討作戦続く(2021年1月20日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機が、アレッポ県、ラッカ県、ハマー県の県境の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して20回以上の爆撃を実施した。

また、ダイル・ザウル県西部からヒムス県東部に至る砂漠地帯では、ロシア軍の支援を受けるシリア軍第5軍団やパレスチナ人民兵のクドス旅団が、交通の安全を確保するため、ダーイシュに対する掃討作戦を継続した。

AFP, January 20, 2021、ANHA, January 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 20, 2021、Reuters, January 20, 2021、SANA, January 20, 2021、SOHR, January 20, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍のアレッポ県アフリーン郡への侵攻から2年が経ったのに合わせて、北・東シリア自治局の支配下にあるアレッポ県、ハサカ県、ラッカ県各所で大規模抗議デモ(2021年1月20日)

ANHA(1月20日付)やシリア人権監視団によると、トルコ軍のアレッポ県アフリーン郡に対する「オリーブの枝」作戦開始(1998年1月20日)から2年が経ったのに合わせて、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアレッポ県マンビジュ市、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区、ハサカ県ダルバースィーヤ市、マーリキーヤ(ダイリーク)市、アームーダー市、ハサカ市、カーミシュリー市、マアバダ(カルキールキー)町、カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市、タッル・ハミース市、タッル・ブラーク町、ヤアルビーヤ(タッル・クージャル)町、ワーシューカーニー・キャンプ、ラッカ県ラッカ市などで、トルコ軍の占領に抗議するデモが行われ、民主統一党(PYD)、人民防衛隊(YPG)のメンバーや支持者、アフリーン郡からの国内避難民(IDPs)、住民ら多数数が参加した。

「我々は必ず戻る」と銘打って行われたデモでは、クルディスタン労働者党(PKK)のアブドゥッラ・オジャラン指導者の写真、戦死者の遺影、プラカード、横断幕などが掲げられ、トルコの侵攻と占領を非難するとともに、その撤退を要求した。



AFP, January 20, 2021、ANHA, January 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 20, 2021、Reuters, January 20, 2021、SANA, January 20, 2021、SOHR, January 20, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍が国民軍とともにアレッポ県タッル・リフアト市などを砲撃する一方、ハサカ県に狂犬30匹を放つ(2021年1月20日)

アレッポ県では、ANHA(1月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市、マルアナーズ村、アルカミーヤ村、マーリキーヤ村、シャワーリガ村、シャワーリガ砦、バイニー村、スーガーニカ村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるジャラーブルス市では、正体不明の武装集団が弁護士を銃で撃ち、殺害した。

**

ANHA(1月20日付)は、ラッカ県タッル・アブヤド市一帯からハサカ県ラアス・アイン市一帯にいたる地域(いわゆる「平和の泉」地域)を占領しているトルコが、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ県ダルバースィーヤ市近郊に位置するハズラ村北の国境に設置されたゲートから「危険な病気」に感染していると思われる狂犬約30匹を放ったと伝えた。

トルコ軍がシリア領内に狂犬を放つのが目撃されたのは、これが4度目だという。

AFP, January 20, 2021、ANHA, January 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 20, 2021、Reuters, January 20, 2021、SANA, January 20, 2021、SOHR, January 20, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で89人、北・東シリア自治局支配地域で27人:北・東シリア自治局は部分外出規制を2月3日まで延長(2021年1月20日)

保健省は政府支配地域で新たに89人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者77人が完治し、8人が死亡したと発表した。

これにより、1月20日現在の同地での感染者数は計13,313人、うち死亡したのは858人、回復したのは6,773人となった。

SANA(1月20日付)が伝えた。

**

北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに27人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者5人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、1月20日現在の同地での感染者数は計8,390人、うち死亡したのは286人、回復したのは1,188人となった。

地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市3人、カーミシュリー市6人、マーリキーヤ(ダイリーク)市2人、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村3人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市1人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)2人、ラッカ県のラッカ市2人、タブカ市8人。

ANHA(1月20日付)が伝えた。

一方、北・東シリア自治局の執行評議会は決定第14号を発出し、支配地域内の部分外出規制を2月3日まで延長すると発表した。

AFP, January 20, 2021、ANHA, January 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 20, 2021、Reuters, January 20, 2021、SANA, January 20, 2021、SOHR, January 20, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県ダルバースィーヤ市で政府指定のカリキュラムに沿って授業を行っていた教師7人を逮捕したアサーイシュへの抗議デモが発生するも、シリア民主軍が強制排除(2021年1月20日)

ハサカ県では、SANA(1月20日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるダルバースィーヤ市で、内務治安部隊(アサーイシュ)が1月19日に政府指定のカリキュラムに沿って授業を行っていた教師7人を逮捕したことに抗議するデモが発生し、参加した住民らは、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の犯罪行為を非難、教師の釈放を求めた。

これに対して、シリア民主軍はデモ参加者に暴行を加えて強制排除、銃を無差別に発砲して住民を威嚇した。

AFP, January 20, 2021、ANHA, January 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 20, 2021、Reuters, January 20, 2021、SANA, January 20, 2021、SOHR, January 20, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のイドリブ県を砲撃(2021年1月20日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村、ファッティーラ村、バイニーン村、カンスフラ村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を15件(イドリブ県9件、ラタキア県2件、アレッポ県1件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は14件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を7件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, January 20, 2021、ANHA, January 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 20, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 20, 2021、Reuters, January 20, 2021、SANA, January 20, 2021、SOHR, January 20, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民88人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は647,036人に(2021年1月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(1月20日付)を公開し、1月19日に難民88人(うち女性27人、子供45人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民88人(うち女性27人、子供45人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は647,036人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者251,788人(うち女性75,686人、子ども128,143人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,726,915人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は876,316人(うち女性262,962人、子供446,634人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 20, 2021をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.