トルコで活動するシンクタンクOPCによるとダマスカス県住民の63.5%が国外移住を希望している!(2021年5月5日)

トルコのガジアンテップ市で活動する独立系シンクタンクのOPC(Operations & Policy Center、旧Orient Policy Center)は、シリア政府の支配下にあるダマスカス県の住民600人に対して電話で世論調査を実施し、国外への移住の意思の有無を調査したと発表、その結果を公表した。

OPCによると、調査の結果、63.5%が国外への移住を希望していることが明らかになった。

理由は、「シリアでの困難な生活状況」が59.8%、「より良い就労・教育機会を探すため」が18.1%、「国外に居住する家族との同居するため」が14.4%、「シリアでの暮らしに飽きた」が3.7%、「徴兵を逃れたい」が2.6%、「治療を受けるため」が1.3%。

国外移住を妨げる理由は、「十分なお金がない」が40.2%、「家族の事情」が23.1%、「合法的にビザが得られず、密入国が怖い」が20.5%、「出国できる法律上の身分を持たない」が10.2%、無回答が6.0%。

一方、シリアに滞在を続ける同期については、「家族やコミュミティととどまりたい」が53.0%、「出国できない」14.6%、「ここでより良い暮らし、機会がある」が14.2%、「国が国民を必要としている」が10.5%、「外国のシリア人の状況の方が良いとは思わない」が7.8%。

危機を理由に出国したシリア人をどう思うか、との問いについては、「幸運だと思う」が56.3%、「仕方ないと思う」が37.7%、「どうも思わない」が2.8%、「身勝手だと思う」が2.0%、「かわいそうだと思う」が1.2%。

移住した国については、西側諸国が58.3%(ドイツ、スウェーデン、カナダなど)、アラブ湾岸諸国が14.2%、近隣諸国が11.8%、その他のアラブ諸国が7.9%など。

これらの国を選んだ理由としては、「家族、親戚、知人がいる」が50.9%、「就労機会、生活状況」が31.8%、無回答が7.9%、「教育、自己啓発」が5.8%、「自由と人権の尊重」が3.7%。

OPC, May 5, 2021をもとに作成。

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野党の青年建設変革党はマフムード・マルイー氏の大統領選挙への立候補届が受理されたことへの異議申し立てを最高憲法裁判所に提出(2021年5月5日)

野党の青年建設変革党(バールウィーン・イブラーヒーム書記長)は声明を出し、マフムード・マルイー氏の大統領選挙への立候補届が受理されたことに対する異議申し立てを最高憲法裁判所に提出したと発表した。

https://www.facebook.com/youthpartysyria/posts/2905652036371596

声明では、その理由として、マルイー氏が2014年にシリアを一時期離れており、「立候補届出時にシリア・アラブ共和国に10年以上継続して居住していること」とした憲法第84条第5項の立候補の条件を満たしていないためと主張している。

AFP, May 6, 2021、ANHA, May 6, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 6, 2021、Reuters, May 6, 2021、SANA, May 6, 2021、SOHR, May 6, 2021などをもとに作成。

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トルコの電力会社グリーン・エネルギー社は5日からシリアのアル=カーイダ支配地への電力供給を開始すると発表(2021年5月5日)

シリアのアル=カーイダが軍事・治安権限を握るイドリブ県イドリブ市を中心とする「解放区」(緊張緩和地帯)への電力供給工事を行っているトルコの電力会社グリーン・エネルギー社は、同地へのトルコからの電力供給を5月5日から開始すると発表した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月5日付)が伝えた。

AFP, May 5, 2021、ANHA, May 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2021、Reuters, May 5, 2021、SANA, May 5, 2021、SOHR, May 5, 2021などをもとに作成。

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シリア・ムスリム同胞団は声明で大統領選挙を「暗黒のゲーム」、「入り組んだ国際社会のゲーム」と批判(2021年5月5日)

トルコで活動を続けるシリア・ムスリム同胞団は声明を出し、5月26日に投票が予定されている大統領選挙に関して、「暗黒のゲーム」、「入り組んだ国際社会のゲーム」と批判した。

同胞団は「シリアの紛争を操る者たちの合意がなければ、バッシャール・アサドと彼の体制には暗黒のゲームを続けることなどできない。暗黒の選挙は戦争犯罪者の手に政権を委ねることを目的とする国際社会のゲーム以外の何ものでもない」と批判した。

AFP, May 5, 2021、ANHA, May 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2021、Reuters, May 5, 2021、SANA, May 5, 2021、SOHR, May 5, 2021などをもとに作成。

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マフムード・マルイー氏は大統領選挙への立候補を辞退したとの情報を否定(2021年5月5日)

スナック・シリアン(5月5日付)は、マフムード・マルイー氏がフェイスブックのアカウントを通じて、大統領選挙への立候補を辞退したとの情報を否定したと伝えた。

マルイー氏は「私の撤退をめぐって流布されている情報には根拠がない。私はこの信任選挙を続ける」と綴った。

AFP, May 5, 2021、ANHA, May 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2021、Reuters, May 5, 2021、SANA, May 5, 2021、Snack Syrian, May 5, 2021、SOHR, May 5, 2021などをもとに作成。

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米国務省匿名高官:「フマイダーン総合情報部長官を代表とするサウジアラビアの使節団のシリア訪問を承知している」(2021年5月5日)

フッラ・チャンネル(5月5日付)は、ハーリド・フマイダーン総合情報部長官(大将)を代表とするサウジアラビアの使節団がシリアを訪問し、アサド大統領、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長と会談、二国間関係の改善と国交回復について意見を交わしたとの報道に関して、米国務省の高官が匿名を条件に、米国が会談を承知していると述べたと伝えた。

同高官は、会合がダマスカスのサウジアラビア大使館の再開と二国間関係正常化を検討するのが目的だとしたうえで、シリアと地域の安定はすべてのシリア人の意思を代表する政治解決に至らない限り実現し得ないと付言した。

AFP, May 5, 2021、ANHA, May 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2021、Alhurra, May 5, 2021、Reuters, May 5, 2021、SANA, May 5, 2021、SOHR, May 5, 2021などをもとに作成。

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米主導の有志連合の車輌が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に2度にわたって新たに進入(2021年5月5日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の車輌約50輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、ハサカ県の各所に設置されている基地に向かった。

また、数時間後に、も米主導の有志連合の車輌約30輌が兵站物資などを積んで、ワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、ハサカ県の各所に設置されている基地に向かった。

AFP, May 5, 2021、ANHA, May 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2021、Reuters, May 5, 2021、SANA, May 5, 2021、SOHR, May 5, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ズィーバーン町の市場で、内務治安部隊(アサーイシュ)の隊員がオートバイに乗った2人組の発砲を受けて死亡(2021年5月5日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるズィーバーン町の市場で、内務治安部隊(アサーイシュ)の隊員がオートバイに乗った2人組の発砲を受けて死亡した。

AFP, May 5, 2021、ANHA, May 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2021、Reuters, May 5, 2021、SANA, May 5, 2021、SOHR, May 5, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃(2021年5月5日)

アレッポ県では、ANHA(5月5日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のアイン・ダクナ村、バイルーニーヤ村を砲撃した。

AFP, May 5, 2021、ANHA, May 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2021、Reuters, May 5, 2021、SANA, May 5, 2021、SOHR, May 5, 2021などをもとに作成。

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イスラエル軍戦闘機がラタキア県沿岸部とハマー県ミスヤーフ市一帯をミサイル攻撃、住民2人死亡、6人負傷(2021年5月5日)

SANA(5月5日付)は、午前2時18分頃、イスラエル軍戦闘機がラタキア県南西の地中海上空から同県沿岸部とハマー県ミスヤーフ市一帯に対して複数のミサイルを発射、防空部隊がこれを迎撃し、その一部を撃破したと伝えた。

しかし、このミサイル攻撃で、住民2人が死亡、子供1人とその母親1人を含む6人が負傷、ラタキア市郊外のプラスティック製品工場の施設などが被害を受けた。

https://www.facebook.com/syrianarabnews/posts/516491749733907

 

https://www.facebook.com/syrianarabnews/posts/516506389732443

 

https://www.facebook.com/syrianarabnews/photos/a.107780680605018/516510456398703/

https://www.facebook.com/syrianarabnews/posts/516512889731793

https://www.facebook.com/syrianarabnews/posts/516522859730796

 

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シリア人権監視団によると、ミサイル攻撃は、ハマー県とラタキア県の各所に対して行われ、ハマー県ダイル・シャミール村一帯、ラタキア県ハッファ市南にある武器弾薬庫や軍事拠点が狙われ、「イランの民兵」1人が死亡、15人あまりが負傷した。

また、ラタキア県ラタキア市北のシャムラー岬(オガレット遺跡)近くの施設が被弾し、住民1人が死亡、女性1人と子供3人を含む5人が負傷した。

シリア人権監視団はその後5月7日、ダイル・シャミール村一帯に対する攻撃でイラン・イスラーム革命防衛隊のイラン人およびアフガン人メンバー5人、ラタキア市郊外に対する攻撃で、「イランの民兵」の外国人メンバー2人とシリア人メンバー1人が死亡したと発表した。

AFP, May 5, 2021、ANHA, May 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2021、Reuters, May 5, 2021、SANA, May 5, 2021、SOHR, May 5, 2021、May 7, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で70人、北・東シリア自治局支配地域で44人(2021年5月5日)

保健省は政府支配地域で新たに70人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者196人が完治し、8人が死亡したと発表した。

これにより、5月5日現在の同地での感染者数は計23,121人、うち死亡したのは1,625人、回復したのは17,725人となった。

SANA(5月5日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに44人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者7人が完治し、6人が死亡したと発表した。

これにより、5月5日現在の同地での感染者数は計16,319人、うち死亡したのは636人、回復したのは1,673人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性17人、女性27人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市14人、カーミシュリー市1人、マーリキーヤ(ダイリーク)市2人、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村1人、ロジュ・キャンプ3人、ラッカ県のラッカ市23人。

ANHA(5月5日付)が伝えた。

AFP, May 5, 2021、ANHA, May 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2021、Reuters, May 5, 2021、SANA, May 5, 2021、SOHR, May 5, 2021などをもとに作成。

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シリア政府の支配下にあるダルアー県ジャースィム市で体制打倒と逮捕者釈放を求める抗議デモ(2021年5月5日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるジャースィム市で体制打倒と逮捕者釈放を求める抗議デモが発生した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を38件(イドリブ県23件、ラタキア県10件、アレッポ県2件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は37件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を17件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, May 5, 2021、ANHA, May 5, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 5, 2021、Reuters, May 5, 2021、SANA, May 5, 2021、SOHR, May 5, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民276人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は662,759人に(2021年5月5日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月5日付)を公開し、5月4日に難民276人(うち女性83人、子供141人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民276人(うち女性83人、子供141人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は662,759人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者267,511人(うち女性80,410人、子ども136,157人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,749,518人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は892,039人(うち女性267,686人、子供454,648人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は85,676人(うち女性31,747人、子供31,377人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,354,272人(うち女性414,306人、子供675,143人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 5, 2021をもとに作成。

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