ロシア軍戦闘機が、ハマー県、ラッカ県、ダイル・ザウル県の砂漠地帯でダーイシュを狙って45回以上の爆撃を実施(2021年5月11日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、ハマー県、ラッカ県、ダイル・ザウル県の砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)を狙って45回以上の爆撃を実施した。

一方、ダーイシュは、県西部の砂漠地帯にあるシリア軍と親民兵の拠点複数カ所を攻撃、パレスチナ人民兵のクドス旅団の戦闘員複数が死傷した。

AFP, May 11, 2021、ANHA, May 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2021、Reuters, May 11, 2021、SANA, May 11, 2021、SOHR, May 11, 2021などをもとに作成。

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アンサール・アブー・バクル・スィッディーク連隊を名乗る組織がイドリブ県でトルコ軍の車列を報復として襲撃したと発表(2021年5月11日)

シリア人権監視団によると、イドリブ県のカフルルースィーン村とバーブ・ハワー国境通行所で5月10日に発生したトルコ軍車列襲撃事件に関して、アンサール・アブー・バクル・スィッディーク連隊を名乗る組織が声明を出し、ナイラブ村でトルコ軍車輌によって子供をひき殺されたたことへの報復だと発表し、犯行を認めた。

シリア人権監視団によると、アンサール・アブー・バクル・スィッディーク連隊は「ジハード主義組織」だという。

「NATOトルコ」軍所属の軍用車列がイドリブ県北部のバーブ・ハワー国境通行所を通過するのを狙う」と題された声明の内容は以下の通り:

アンサール・アブー・バクル・スィッディーク連隊の分隊が月曜日(5月10日)晩、カフルルースィーン村・バーブ・ハワー国境通行所間の街道に仕掛けた爆弾で、NATOトルコ軍の車列を狙った。これは、ナイラブ村で彼らが女児を殺害したことへの報復であり、装甲車1輌が破壊され、乗っていた兵士多数が死傷した。

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襲撃事件に関して、トルコ国防省はツイッターの公式アカウント(https://twitter.com/tcsavunma/)などを通じて声明を出し、兵士1人が死亡、4人が負傷したと発表した。

春の盾作戦地域(イドリブ県)の補給部隊が2021年5月10日にロケット攻撃を受け、兵士1人が殉教し、4人が負傷し直ちに病院に移送された。

 

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一方、シリア人権監視団によると、トルコ軍兵士1人が死亡、8人以上が負傷した。

AFP, May 11, 2021、ANHA, May 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2021、Reuters, May 11, 2021、SANA, May 11, 2021、SOHR, May 11, 2021などをもとに作成。

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シリア民主軍はダイル・ザウル県アジージュ渓谷でダーイシュに対する掃討作戦を開始、3日間で潜伏地複数カ所を突き止めたと発表(2021年5月11日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は声明を出し、ダイル・ザウル県ユーフラテス川東岸のアジージュ渓谷で5月9日からダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を開始、3日間で潜伏地複数カ所を突き止めたと発表した。

シリア民主軍はまた、米主導の有志連合の航空支援を受けて、同地に対して砲撃を実施したという。

ANHA(5月11日付)が伝えた。

AFP, May 11, 2021、ANHA, May 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2021、Reuters, May 11, 2021、SANA, May 11, 2021、SOHR, May 11, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍の砲撃でアレッポ県ウンム・フーシュ村一帯の小麦・大麦畑数十ヘクタールが焼失(2021年5月11日)

アレッポ県では、SANA(5月11日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のアイン・ダクナ村を砲撃した。

ANHA(5月11日付)やシリア人権監視団によると、トルコ軍とシリア国民軍はまた、ウンム・フーシュ村一帯を砲撃、これによって火災が発生し、小麦・大麦畑数十ヘクタールが焼失した。

一方、ANHA(5月11日付)によると、トルコの占領下にあるバーブ市で、警察(内務治安部隊、いわゆる「自由警察」)、ワーキー家、ファーキー家の民兵が撃ち合いなり、住民1人が負傷した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍とシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるバーブ・ハイル村、ダーウーディーヤ村、ウンム・ウシュバ村を砲撃した。

AFP, May 11, 2021、ANHA, May 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2021、Reuters, May 11, 2021、SANA, May 11, 2021、SOHR, May 11, 2021などをもとに作成。

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フール・キャンプに収容されていたダーイシュ・メンバーの家族265人がダイル・ザウル県に帰還(2021年5月11日)

ハサカ県では、ANHA(5月11日付)によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプに収容されている国内避難民(IPDs)のうち、ダイル・ザウル県出身者81世帯、265人が、地元部族長と名士らの身元保証を受けて帰村した。

IDPsの帰村は、北・東シリア自治局が2020年10月10日の難民・IDPs帰還にかかる決定を受けたもので、今回で14回目。



シリア人権監視団によると、帰村したのはダーイシュ(イスラーム国)メンバーの家族。

AFP, May 11, 2021、ANHA, May 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2021、Reuters, May 11, 2021、SANA, May 11, 2021、SOHR, May 11, 2021などをもとに作成。

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米軍が前日に続いて、ワリード国境通行所から石油や小麦をトレーラー27輌に積んでイラク領内に持ち出す(2021年5月11日)

ハサカ県では、SANA(5月11日付)によると、シリア領内に違法に基地を設置し駐留を続ける米軍が前日に続いて、ワリード国境通行所から、石油や小麦をトレーラー27輌に積んで、イラク領内に持ち出した。

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SANA(5月11日付)によると、シャンマル族の部族長と名士らが共同声明を出し、ハサカ県の他の部族に向けて、米国とトルコの占領拒否、人民抵抗運動の活性化を呼びかけた。

AFP, May 11, 2021、ANHA, May 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2021、Reuters, May 11, 2021、SANA, May 11, 2021、SOHR, May 11, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で51人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で21人(2021年5月11日)

保健省は政府支配地域で新たに51人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者292人が完治し、6人が死亡したと発表した。

これにより、5月11日現在の同地での感染者数は計23,490人、うち死亡したのは1,670人、回復したのは19,316人となった。

SANA(5月11日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で5月11日に新たに21人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、58人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡1人、ハーリム郡2人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡3人、アフリーン郡8人、アアザーズ郡7人。

これにより、同地での感染者数は計22,218人、うち回復したのは20,294人、死亡したのは655人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1575299056008313/

AFP, May 11, 2021、ACU, May 11, 2021、ANHA, May 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2021、Reuters, May 11, 2021、SANA, May 11, 2021、SOHR, May 11, 2021などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室のアレッポ県、イドリブ県、ハマー県各所を砲撃(2021年5月11日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるアターリブ市一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、フライフィル村、バイニーン村を砲撃した。

これに対して「決戦」作戦司令室もシリア政府の支配下にあるカフルナブル市などを砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原一帯を砲撃した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるタルフィーター村で共和国護衛隊の傘下にある自警団が住民2人(兄弟)と口論となり、殺害した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるマハッジャ町近郊で、シリア軍第38航空旅団の士官(中尉)1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を44件(イドリブ県19件、ラタキア県16件、アレッポ県6件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は36件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を34件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, May 11, 2021、ANHA, May 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 11, 2021、Reuters, May 11, 2021、SANA, May 11, 2021、SOHR, May 11, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民302人と国内避難民(IDPs)595人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は664,504人、2019年以降帰還したIDPsは86,043人に(2021年5月11日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月11日付)を公開し、5月10日に難民302人(うち女性90人、子供154人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民302人(うち女性90人、子供154人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は664,504人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者269,256人(うち女性80,933人、子ども137,047人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,749,518人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は893,784人(うち女性268,209人、子供455,538人)となった。

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一方、国内避難民595人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは4人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は86,043人(うち女性31,930人、子供31,449人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,354,639人(うち女性414,489人、子供675,125人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 11, 2021をもとに作成。

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