北・東シリア自治局は灯油、ガソリン、プロパンガスの値上げを決定(2021年5月17日)

北・東シリア自治局は支配地域内の燃料価格を定めた司法決定第119号を施行した。

同決定は施行日付で、製粉工場と製パン工場用の灯油を1リットル100シリア・ポンドに、暖房・農業用の灯油を250シリア・ポンドに、産業サービス局用の灯油を300シリア・ポンドに、白灯油を400シリア・ポンド、それ以外の機関用の灯油を500シリア・ポンドに、液体灯油を300シリア・ポンドに、ハイオク・ガソリンを410シリア・ポンドに、上質の輸入ガソリンを0.655米ドル、家庭用プロパンガス・ボンベを1本あたり8,000シリア・ポンドに、業務用のプロパンガス・ボンベを15,000シリア・ポンドに設定すると定めている。

ANHA(5月17日付)が伝えた。

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なお、決定が施行される前の燃料価格は、灯油が1リットルあたり150シリア・ポンド、国産のガソリンが210シリア・ポンド、プロパンガス・ボンベが1本あたり2,500シリア・ポンドだった。

AFP, May 17, 2021、ANHA, May 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2021、Reuters, May 17, 2021、SANA, May 17, 2021、SOHR, May 17, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県でPYDに近い青年組織が米軍のパトロール部隊に投石、トルコの攻撃への沈黙に抗議(2021年5月17日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村で、民主統一党(PYD)に近い革命青年運動と青年女性連合のメンバーが、トルコ軍によって続けられるトルコ南東部とイラク・クルディスタン地域への攻撃に抗議するデモ行進が行っている最中、現場を通りかかった米軍装甲車4輌からなるパトロール部隊に対して投石を行うなどして、米国など諸外国の沈黙に対する不満を爆発させた。

AFP, May 17, 2021、ANHA, May 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2021、Reuters, May 17, 2021、SANA, May 17, 2021、SOHR, May 17, 2021などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるタッル・アブヤド市でダーイシュの宗教警察元司令官が刑務所内で拷問を受けて死亡(2021年5月17日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるタッル・アブヤド市で、ダーイシュ(イスラーム国)の宗教警察(ヒスバ)の元司令官が、拘束先のシリア国民軍憲兵隊刑務所で拷問を受けて死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるラージュー町でシリア国民軍所属のサマルカンド旅団の本部で何者かによって仕掛けられていた爆弾が爆発し、メンバー2人が死亡した。

AFP, May 17, 2021、ANHA, May 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2021、Reuters, May 17, 2021、SANA, May 17, 2021、SOHR, May 17, 2021などをもとに作成。

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イランなどの各国在外公館が大統領選挙の投票に向けた準備を完了、各地で大統領選挙を支持するデモ(2021年5月17日)

SANA(5月17日付)は、イラン、レバノン、中国、スウェーデン、ブラジル、マレーシア、ベネズエラ、オーストラリア、オーストリア、ベラルーシ、ヨルダン、エジプト、クウェート、イラク、アルゼンチンの在外公館が大統領選挙の投票に向けた準備を完了したと伝えた。<
このうちベラルーシの大使館は、ウクライナ、エストニア、リトアニアの在外居住者の投票もインターネットで受け付ける。

在外投票は5月20日に実施される予定。

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最高選挙司法委員会(選挙管理委員会)のムフリス・カイスィーヤ委員は、3名の判事からなる各県の小委員会が、県知事、郡および区の首長と連携し、選挙センターの設置場所を確定し、設置準備を開始したと発表した。

SANA(5月17日付)が伝えた。

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スワイダー県では、SANA(5月17日付)によると、地元の部族長や名士、バアス党幹部、人民諸組織幹部らが「祖国のテント」を設営し、大統領選挙、国民統合、シリア軍を支持する集会を開いた。

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ヒムス県では、SANA(5月17日付)によると、ヒムス市にあるバアス大学文学部で、学生団体が大統領選挙を支持するデモ集会を開催した。

また、ヒムス市内のダブラーン公園、ジャウバーニーヤ村、マルマリーター村、ラスタン市などでも、同様のデモを実施された。

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ラタキア県では、SANA(5月17日付)によると、ラタキア市のアーイディーン・キャンプで、サーイカ、パレスチナ労働者連合、パレスチナ・スポーツ連合、パレスチナ諸派が大統領選挙を支持するデモを行った。

また、カンジャラ町、ジャンナーター村、ブスターン・バーシャー村でも住民らが同様のデモを行った。

AFP, May 17, 2021、ANHA, May 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2021、Reuters, May 17, 2021、SANA, May 17, 2021、SOHR, May 17, 2021などをもとに作成。

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米軍が前日に続いて、ワリード国境通行所から石油や食糧物資をトレーラー40輌に積んで、イラク領内に持ち出す(2021年5月17日)

ハサカ県では、SANA(5月17日付)によると、シリア領内に違法に基地を設置し駐留を続ける米軍が前日に続いて、ワリード国境通行所から石油や食糧物資をトレーラー40輌に積んで、イラク領内に持ち出した。

車列には、ハッラーブ・ジール村の航空基地に駐留する米軍の軍用車輌複数輛が護衛を受けてイラク国外に向かったという。

AFP, May 17, 2021、ANHA, May 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2021、Reuters, May 17, 2021、SANA, May 17, 2021、SOHR, May 17, 2021などをもとに作成。

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アサド大統領はアブハジアのブジャニヤ大統領と会談「イスラエルはパレスチナ人民に対するテロと権利侵害の上に成り立っている」(2021年5月17日)

アサド大統領は、5月16日にシリア入りしたアブハジヤのアスラン・ブジャニヤ大統領を団長とする同国使節団と首都ダマスカスの人民宮殿で会談した。

SANA(5月17日付)によると、会談では、二国間関係の強化、帝国主義ヘゲモニーへの抵抗、軍事・政治・経済テロへの対応、両国情勢、パレスチナにおけるイスラエルの「虐殺」、ウクライナ・クリミア情勢などについて意見が交わされた。

会談には、シリア側から、ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣、マンスール・アッザーム大統領府担当国務大臣、ムハンマド・サーミル・ハリール経済対外通商大臣、ムハンマド・ラーミー・マルティーニー観光大臣、ズハイル・ハズィーム運輸大臣(使節団受入代表)、ムハンマド・ハッサーン・カトナー農業・農業改革大臣、ブサイナ・シャアバーン大統領府特別顧問、ルーナ・シブル大統領府特別顧問が出席した。

アブハジア側からは、使節団を構成するブジャニヤ大統領、ヴァレリー・クヴァルキア国会議長、アルカス・クヴィツィナ大統領府事務局長、ベスラン・ゴボア第1副首相兼農業大臣、クリスティーナ・オズガン副首相兼経済大臣、ダウル・コフィ外務大臣、タモラズ・ケシュバ観光大臣、バグラット・コタバ駐シリア大使が出席した。

https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/4204048676305599

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会談後の共同記者会見で、アサド大統領は次のように述べた。

両国の協力の展望は、それを支える多くの要素があるため大きく拡がっている。その筆頭にあげられるのが、共通の社会的要素である。シリアには、2世紀あまり前からアブハジア人コミュニティがあり、彼らは常にシリアの社会的調和(ナスィージュ)の一部となり、シリアの建設、10年にわたるこの戦争での国防に貢献し、殉教者を差し出してくれた。両国にはアルメニア人も暮らしている。ロシアの家族も共にシリアで暮らしている。その数は数百ではなく数千世帯に及ぶ。

共通の社会的要素があれば、協力の絆が作られるのは当然のことだ。アブハジアは、テロに対するこの戦争でシリアと共にあった。シリアはアブハジア、その国と国民の自決、独立の権利、そして世界の他の国々と同じように国家承認を受ける権利と共にあった。

私は大統領に最近になってパレスチナの領内で起きていること、パレスチナ人民に対するイスラエルの攻撃について説明した。イスラエルは常にパレスチナ人民に対するテロ、彼らの権利の侵害、他者の権利の侵害の上に成り立っていると話した。

改めて、今回の訪問が、第1に今後締結される協定ゆえに、第2に、今回議論され、今後合同委員会で議論される議題、さらにはこうした関係を前進させたいという両国、そして両国民の共通の意思ゆえに、重要な訪問になると明言したい。

これに対して、ブジャニヤ大統領は次のように述べた。

シリア国民が平和、安定、繁栄を享受することを願っています。あなた方の計画目標のすべてが達成されると確信している。

シリアがアブハジアの独立を承認したことを非常に感謝している。これによって広範な協力関係の門戸が開かれた。

私の今回の訪問が、経済、文化、社会、さらには教育といった分野での実質的なせいかを達成するためのモーメンタムになるだろう。

https://youtu.be/mZKisjKSuaA

 

その後、ブジャニヤ大統領は、カシオン山の戦没者慰霊碑を訪問し、献花した。

AFP, May 17, 2021、ANHA, May 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2021、Reuters, May 17, 2021、SANA, May 17, 2021、SOHR, May 17, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で50人、北・東シリア自治局支配地域で47人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で72人(2021年5月17日)

保健省は政府支配地域で新たに50人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者293人が完治し、7人が死亡したと発表した。

これにより、5月17日現在の同地での感染者数は計23,788人、うち死亡したのは1,705人、回復したのは21,073人となった。

SANA(5月17日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに47人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者5人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、5月17日現在の同地での感染者数は計17,045人、うち死亡したのは700人、回復したのは1,751人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性22人、女性25人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市16人、カーミシュリー市12人、マーリキーヤ(ダイリーク)市4人、ダルバースィーヤ市5人、ラッカ県のラッカ市10人。

ANHA(5月17日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で5月17日に新たに72人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、26人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡4人、ハーリム郡10人、アリーハー郡1人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡5人、バーブ郡34人、アフリーン郡7人、アアザーズ郡11人。

これにより、同地での感染者数は計22,361人、うち回復したのは20,397人、死亡したのは661人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1579646012240284/

AFP, May 17, 2021、ACU, May 17, 2021、ANHA, May 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2021、Reuters, May 17, 2021、SANA, May 17, 2021、SOHR, May 17, 2021などをもとに作成。

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アル=カーイダ支配下のイドリブ県でトルコの侵攻作戦に参加した経験のあるシリア国民軍メンバーの遺体が発見される(2021年5月17日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市で、トルコの支援を受けるシリア国民軍所属の東部自由人連合のメンバー1人が遺体で発見された。

殺害されたメンバーは、トルコ軍による「オリーブの枝」作戦、「平和の泉」作戦に参加した戦闘員だという。

一方、シャーム解放機構の治安部隊はフーア市でフッラース・ディーン機構のメンバー2人を死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるタスィール町で、シリア政府との和解に応じたシャーム自由人イスラーム運動の元メンバーが正体不明の武装集団の襲撃を受けて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を53件(イドリブ県27件、ラタキア県15件、アレッポ県2件、ハマー県9件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は49件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を24件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, May 17, 2021、ANHA, May 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 17, 2021、Reuters, May 17, 2021、SANA, May 17, 2021、SOHR, May 17, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民297人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は666,244人に(2021年5月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月17日付)を公開し、5月16日に難民297人(うち女性89人、子供152人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民297人(うち女性89人、子供152人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は666,244人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者270,996人(うち女性81,456人、子ども137,934人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,752,833人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は895,524人(うち女性268,732人、子供456,425人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は86,106人(うち女性31,956人、子供31,461人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,354,702人(うち女性414,515人、子供675,227人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 17, 2021をもとに作成。

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