米英仏独伊の外相が共同声明を出し、シリア大統領選挙を厳しく非難(2021年5月25日)

米国、英国、フランス、ドイツ、イタリアは外務大臣共同声明を出し、5月26日に実施されるシリア大統領選挙を厳しく非難した。

声明の概要は以下の通り。

我々はシリアでの大統領選挙が自由でも公正でもないということを明白にしたい…。アサド体制が国連安保理決議第2254号の枠組みを外れて選挙を実施する決定をしたことを非難する。また、選挙を違法と非難する市民社会団体、反体制派を含むすべてのシリア人の声を支持する。

決議に基づくのであれば、自由で公正な選挙は国連監視下で行われるべきである…。

我々は国際社会に対して、深刻な人権侵害を終わらせないままにアサド体制が正統性を回復しようとする試みを拒否するよう訴える…。

AFP, May 25, 2021、ANHA, May 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2021、Reuters, May 25, 2021、SANA, May 25, 2021、SOHR, May 25, 2021などをもとに作成。

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駐レバノン・シリア大使館で実施された大統領選挙在外投票に参加したシリア難民は5万人弱(2021年5月25日)

レバノンのジャヌービーヤ・サイト(5月25日付)は、5月20日に在レバノン・シリア大使館で実施された大統領選挙在外投票に関して、投票した難民が5万人に満たなかったと伝えた。

同サイトによると、レバノン国内には150万のシリア難民がいるという。

ただし、UNHCRの発表によると、レバノンで登録しているシリア難民は855,172人。

AFP, May 25, 2021、ANHA, May 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2021、Janubiya, May 25, 2021、Reuters, May 25, 2021、SANA, May 25, 2021、SOHR, May 25, 2021などをもとに作成。

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治安当局はハサカ市とカーミシュリー市内の北・東シリア自治局支配地に住む公務員や住民に大統領選挙への参加を指示・要請(2021年5月25日)

ハサカ県では、シリア人権監視団に協力する複数の活動家によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ市およびカーミシュリー市内の北・東シリア自治局支配地に住む公務員や住民に対して、治安当局が5月26日の大統領選挙の投票に参加するよう指示・要請した。

北・東シリア自治局はシリア政府支配地域との境界に設置されているすべての通行所を閉鎖している。

AFP, May 25, 2021、ANHA, May 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2021、Reuters, May 25, 2021、SANA, May 25, 2021、SOHR, May 25, 2021などをもとに作成。

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政府支配下のダルアー県各所で大統領選挙に反対するデモとゼネスト、治安当局は弾圧せず(2021年5月25日)

ダルアー県では、オリエント・ニュース(5月25日付)、HFL(5月25日付)、ナバア・メディア(5月25日付)、アラビー・ジャディード(5月25日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(5月25日付)、シリア人権監視団などによると、シリア政府の支配下にあるダルアー市のウマリー・モスク前の広場で、5月26日に実施される大統領選挙に反対するデモが行われ、多数が参加した。

デモ参加者は「殺人者と共にいればシリア人に未来はない」と書かれたプラカードを掲げて抗議の意思を示した。

アラビー・ジャディード(5月25日付)によると参加したのは数十人。

これに対して、同サイトの取材に協力する活動家のムハンマド・ムサーラマ氏は、500人以上が参加したと述べた。

https://www.facebook.com/NabaaFoundation/posts/307413310942063

https://twitter.com/JamousKasem/status/1397216422259007489?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1397216422259007489%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.alaraby.co.uk%2Fpolitics%2FD8B9D988D8AFD8A9-D8A7D984D8AAD8B8D8A7D987D8B1D8A7D8AA-D8A5D984D989-D8AFD8B1D8B9D8A7-D984D8A7-D985D8B3D8AAD982D8A8D984-D984D984D8B3D988D8B1D98AD98AD986-D985D8B9-D8A7D984D982D8A7D8AAD984

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また、タファス市でも数十人が選挙に反対するデモを行った。

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このほか、タッル・シハーブ町、ナワー市、タスィール町、タファス市、ムザイリーブ町、ヤードゥーダ村、ジッリーン村、フラーク市、ナーミル村、ムライハト・アタシュ村などで選挙に抗議するゼネストが行われた。

https://www.facebook.com/HoranFreeMedia/posts/3010771182485199

https://orient-news.net/news_images/21_25/pa_1621953696.jpg

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一方、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるサイダー町でシリア軍第5軍団の兵士2人が正体不明の武装集団の発砲を受けて死亡した。

AFP, May 25, 2021、ANHA, May 25, 2021、al-‘Arabi al-Jadid, May 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2021、HFL, May 25, 2021、Nabaa Media Foundation, May 25, 2021、Orient News, May 25, 2021、Reuters, May 25, 2021、SANA, May 25, 2021、SOHR, May 25, 2021などをもとに作成。

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PYDに近いシリア国民民主同盟のメンバーが大統領選挙への支持を表明した組織を離反、選挙ボイコットを呼びかける(2021年5月25日)

反体制組織の一つで民主統一党(PYD)に近いシリア国民民主同盟のムハンマド・ダスーキー氏が、部族長や地元名士複数人が、大統領選挙への支持を表明した5月22日の声明に反発し、組織を離反し、ラッカ市にあるシリア民主評議会の本部前で声明を読み上げ、大統領選挙への参加を「違法、違憲、非民主的」と非難し、選挙のボイコットを呼びかけた。

ANHA(5月25日付)が伝えた。

AFP, May 25, 2021、ANHA, May 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2021、Reuters, May 25, 2021、SANA, May 25, 2021、SOHR, May 25, 2021などをもとに作成。

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北・東シリア自治局で活動するシリア・ムスタクバル党は大統領選挙をボイコットすると発表(2021年5月25日)

北・東シリア自治局で活動するシリア・ムスタクバル党は声明を出し、5月26日に実施される大統領選挙をボイコットすると発表した。

声明のなかで、シリア・ムスタクバル党は、大統領選挙が政治解決プロセスに何らも資さず、シリアの危機をさらに悪化させ、今後数十年にわたってシリアの不安定を助長すると非難した。

AFP, May 25, 2021、ANHA, May 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2021、Reuters, May 25, 2021、SANA, May 25, 2021、SOHR, May 25, 2021などをもとに作成。

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ラフムーン内務大臣は大統領選挙実施の準備が完了したと発表する一方、ロシア、ベラルーシの選挙監視団がシリア入り(2021年5月25日)

ムハンマド・ラフムーン内務大臣は内務省で記者会見を開き、5月26日の大統領選挙投票の実施に必要な準備、投票所や投票箱などの設置を完了したと発表した。

ラフムーン内務大臣によると、各地に設置された投票所は12,102カ所、18,107,109人が国内外で有権者登録を済ませた。

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ダマスカス県警察のフサイン・ジュムア長官は、5月26日の大統領選挙投票の進捗を監視し、問題が生じた場合、関係当局と連携してこれに対処するための対策室をすべての投票所に設置したと発表した。

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フサイン・アルヌース内閣は週例の閣議を開催し、5月26日の大統領選挙投票の準備状況について最終確認を行った。

閣議ではまた、5月24日に通信技術省とシリア中央銀行が開始したシリアテル社とMTNシリア社のスマートフォンによる電子決済システムの運用について審議した。

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ハマード・サッバーグ人民議会議長は、5月26日の大統領選挙の投票を監視するためにシリア入りしたロシアの使節団(団長:ドミトリー・サーブリン連邦議会下院(ドゥーマ)議員)と会談した。


ロシアの使節団はまた、アフマド・バドルッディーン・ハッスーン共和国フムティーとも会談した。

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ベラルーシの国会議員からなる選挙監視団もシリアに到着した。

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イマード・サーラ情報大臣は、5月26日の大統領選挙の投票を取材するためにシリア入りしたアラブ記者連合の記者団、イラン、エジプト、レバノンの各国記者団と相次いで会談した。

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SANA(5月25日付)が伝えた。

AFP, May 25, 2021、ANHA, May 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2021、Reuters, May 25, 2021、SANA, May 25, 2021、SOHR, May 25, 2021などをもとに作成。

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アフリーン解放軍団はトルコ占領下のアレッポ市北部でトルコ軍兵士1人とシリア国民軍兵士4人を殺害したと発表(2021年5月25日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、5月17日から24日までの期間にトルコ占領下のアレッポ県ハジーカー村(ラージュー町近郊)、アフリーン市、ジャラーブルス市、カフルヒーシュ村でトルコ軍兵士1人とシリア国民軍兵士4人を殺害したと発表した。

ANHA(5月25日付)が伝えた。

AFP, May 25, 2021、ANHA, May 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2021、Reuters, May 25, 2021、SANA, May 25, 2021、SOHR, May 25, 2021などをもとに作成。

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マルティーニー観光大臣は国連世界観光機構の会議に出席するためサウジアラビアの首都リヤドを訪問(2021年5月25日)

観光省は声明を出し、サウジアラビアの首都リヤドで5月26日と27日に開催される国連世界観光機構中東地域委員会の第47回会合、同委員会による中東地域事務局開設式と観光振興会議にムハンマド・ラーミー・ラドワーン・マルティーニー観光大臣が参加すると発表した。

https://www.facebook.com/SyrianMOT/posts/1921170394710269

AFP, May 25, 2021、ANHA, May 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2021、Reuters, May 25, 2021、SANA, May 25, 2021、SOHR, May 25, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で65人、北・東シリア自治局支配地域で45人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で112人(2021年5月25日)

保健省は政府支配地域で新たに65人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者9人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、5月25日現在の同地での感染者数は計24,252人、うち死亡したのは1,745人、回復したのは21,569人となった。

SANA(5月25日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに45人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者6人が完治したと発表した。

これにより、5月25日現在の同地での感染者数は計17,599人、うち死亡したのは717人、回復したのは1,776人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性22人、女性23人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市6人、カーミシュリー市7人、マーリキーヤ(ダイリーク)市1人、ルマイラーン町3人、アームーダー市2人、ダルバースィーヤ市2人、ラッカ県のラッカ市6人、タブカ市15人、アレッポ県のマンビジュ市2人、ダイル・ザウル県1人。

ANHA(5月25日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で5月25日に新たに112人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、68人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡3人、イドリブ郡3人、ハーリム郡18人、アリーハー郡3人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡30人、アフリーン郡28人、アアザーズ郡19人。

これにより、同地での感染者数は計22,940人、うち回復したのは20,592人、死亡したのは666人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1585265675011651/

AFP, May 25, 2021、ACU, May 25, 2021、ANHA, May 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2021、Reuters, May 25, 2021、SANA, May 25, 2021、SOHR, May 25, 2021などをもとに作成。

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シリア軍は「決戦」作戦司令室支配下のハマー県、アレッポ県を砲撃(2021年5月25日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のヒルバト・ナークース村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるタカード村、カフルタアール村、バルナター村を砲撃、カフルタアール村、第46中隊基地一帯で交戦した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を46件(イドリブ県23件、ラタキア県10件、アレッポ県4件、ハマー県9件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は43件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を20件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, May 25, 2021、ANHA, May 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 25, 2021、Reuters, May 25, 2021、SANA, May 25, 2021、SOHR, May 25, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民322人と国内避難民(IDPs)15人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は668,729人、2019年以降帰還したIDPsは86,858人に(2021年5月25日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月25日付)を公開し、5月24日に難民322人(うち女性97人、子供164人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民322人(うち女性97人、子供164人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は668,729人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者273,481人(うち女性82,203人、子ども139,201人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,754,006人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は898,009人(うち女性269,479人、子供457,692人)となった。

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一方、国内避難民15人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは15人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は86,858人(うち女性32,164人、子供31,629人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,355,454人(うち女性414,728人、子供675,394人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 25, 2021をもとに作成。

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