ミクダード外務在外居住者大臣:シリア国内での大統領選挙は米国の選挙より数千倍優れている…。シリア民主軍は支配地域のシリア市民の自由と民主主義を完全に行使して、選挙実施に専念しなければならない」(2021年5月23日)

ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣は最高司法選挙委員会のサーミル・ラムズーク委員長と会談し、5月20日に各国の在外公館で実施された大統領選挙在外投票の結果を手渡した。

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ミクダード外務在外居住者大臣は会談後の記者会見で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に求められているのが選挙を円滑に実施することで、彼らもまた投票すべきだと述べた。

ミクダード外務在外居住者大臣は次のように述べた。

46のシリア大使館での在外投票は、円滑且つ自由と民主主義の素晴らしい雰囲気のなかで実施された。

オーストラリアのシドニーから地理に至る世界の隅々で、数百人、数千人、数万人のシリア人が自らの大使館に押し寄せ、自らが祖国とともにあり、選挙権を行使できることを世界に示した…。また、権利行使を阻止しようとする者たちに、シリア人の権利に攻撃を仕掛ける者が敗北するということを示した。

シリアの市民数万人がレバノン全土からベイルートのシリア大使館に向かった。彼らに対する野蛮な襲撃がなければ、投票は2日、3日、4日と続いただろう。

我々は、この事件に対応する責任がレバノン政府にあると考えている…。シリアは、暴徒によってレバノンでの権利行使を阻止されたすべての国民が、シリアに帰国し、権利を行使することを歓迎する。

シリア人の完全で門戸を閉ざし、彼らが選挙権を行使するのを許さなかった国がある。その国の国民、そしてその国に在住するシリア人は、彼ら、そして彼らの国が高らかに謳っている民主主義の嘘を審判すべきだ。なぜなら、それは正しい民主主義ではないからだ。いかなる方法であれ、大使館がシリア・アラブ共和国の領土である限り、そうしたことは決して正当化されない。外交関係に関するウィーン条約によると、国家がこのような抑圧的で、道徳的に容認し得ない行動に訴えることは禁じられている。

シリア国内での大統領選挙は、民衆の参加によって豊かなものとなり、それを歪めようとするプロパガンダと相反して、シリア人の意見が表明される場となるだろう…。それは、米国での選挙の茶番劇よりも数千倍も優れたものになるだろう。

シリア人は今後数時間で改めて、自らが祖国、復興、テロとの戦いに専心していること、自らが、祖国と軍に寄り添い、最終勝利を実現するまで邁進することを証明するだろう。

その後、記者団からの質問に対して、ミクダード外務在外居住者大臣は、北・東シリア自治局の支配地域での投票について以下のように述べた。

自称「シリア民主軍」が選挙を円滑に実施することを求められれば、彼らもまた投票するだろう。

彼らが真のシリア人なら、支配地域のシリア市民の自由と民主主義を完全に行使して、この選挙の実施に専念しなければならない。

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https://www.youtube.com/watch?v=diPSUfYnb7w

SANA(5月23日付)などが伝えた。

AFP, May 23, 2021、ANHA, May 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 23, 2021、Reuters, May 23, 2021、SANA, May 23, 2021、SOHR, May 23, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア人権監視団:シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構は支配地で「軍事徴兵局」を創設、住民の徴兵に動き出す(2021年5月23日)

シリア人権監視団は、ハマー県北西部のシャフシャブー山地方から逃れてきた国内避難民(IDPs)の’.A氏の話として、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が最近になって、「軍事徴兵局」なる新たな部門を創設し、イドリブ県を中心とする支配地域(反体制派言うところの「解放区」、緊張緩和地帯第1ゾーン)の住民を戦闘員として徴兵する動きを進めていると発表した。

AFP, May 23, 2021、ANHA, May 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 23, 2021、Reuters, May 23, 2021、SANA, May 23, 2021、SOHR, May 23, 2021などをもとに作成。

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ラッカ県でオートバイに乗ったダーイシュ・メンバーと思われる2人組が弁護士を殺害(2021年5月23日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカラーマ村近郊で、オートバイに乗ったダーイシュ(イスラーム国)メンバーと思われる2人組が、弁護士を銃で撃ち殺害した。

AFP, May 23, 2021、ANHA, May 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 23, 2021、Reuters, May 23, 2021、SANA, May 23, 2021、SOHR, May 23, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃(2021年5月23日)

アレッポ県では、ANHA(5月23日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のバイナ村を砲撃した。

AFP, May 23, 2021、ANHA, May 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 23, 2021、Reuters, May 23, 2021、SANA, May 23, 2021、SOHR, May 23, 2021などをもとに作成。

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米主導の有志連合の車輌約86輌からなる車列が兵站物資などを積んでシリア領内に新たに進入(2021年5月23日)

ハサカ県では、SANA(5月23日付)によると、米主導の有志連合の車輌約86輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、ハサカ県各所に設置されている基地に向かった。

AFP, May 23, 2021、ANHA, May 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 23, 2021、Reuters, May 23, 2021、SANA, May 23, 2021、SOHR, May 23, 2021などをもとに作成。

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ミクダード外務在外居住者大臣は最高司法選挙委員会のラムズーク委員長に大統領選挙在外投票の結果を手渡す(2021年5月23日)

SANA(5月23日付)は、5月16、17、18、19、20、21、22日に続いて各地に「愛国テント」が設営され、大統領選挙への参加やシリア軍支持を訴えるデモや集会が実施されたと伝えた。

ダマスカス県、アレッポ県、ハマー県、ラタキア県では、大学生数千人が参加して、大統領選挙を支持する集会や行進が行われた。

このうち、ダマスカス県では、殉教者バースィル・アサド大学寮からマッザ区のオートストラードを経て、ウマウィーイーン広場に向けて行進を行った。

また、ハマー県では、ハマー市のシャイフ・マフムード・ハーミド・アクバル・モスクにイスラーム教の宗教関係者や住民団体が集まり、大統領選挙実施への支持を表明した。

集会には、ムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド宗教関係大臣も出席した。

さらに、アレッポ県では、アレッポ市サアドゥッラー・ジャービリー広場で大規模集会が開催された。

このほか、ハサカ県のバジャーリーヤ村、ハサカ市、ラタキア県のラタキア市各所、カラーイア村、フワイズ村、ヒムス県のヒムス市各所、クサイル市、タドムル市、サーイド町、バードゥー村、フーズ村、シーン町、ワリーダ村、ハフル村、東ジャディーダ村、ヒルバト・ハマーム村、バルカサ村、東ダミーナ村、スワイダー県のスワイダー市各所、アリーカ村、タルトゥース県のタルトゥース市各所、カウカブ・ハワー村、アナーザ町、ドゥライキーシュ市、ジュッブ・アムラス村、バイト・アフマド村、ヌース村、ドゥワイル・タリーイー村、ビウムラ村、ハクル・シャイフ・イスマーイール村、ハクル・ザヒーヤ村、ナシール村、マトバト村、スーミア村、ヤーズィディーヤ村、ジャウラト・シャンブール村、マンダラ村、ブマスキス村、マルジュ・ディヤーブ村、カシュファ村、サルサターン村、ダフル・マトン村、ハッダーダ村、ダルアー県のダルアー市、ハマー県のハマー市各所、ムハルダ市、シャトハ町、ラトミーン村、クナイトラ県のクーム村、ダマスカス県各所、ダマスカス郊外県のクドスィーヤー市、ダーヒヤト・アサド町、アイン・タルマー村、ダーライヤー市、ダルハビーヤ村、シャイフーニーヤ村、サアサア町、ワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプ、マアッラト・サイドナーヤー村、サイドナーヤー町、クタイファ市、ルハイバ市、ジャイルード市、ナースィリーヤ村でもデモや集会が実施された。

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SANA(5月23日付)は、最高司法選挙委員会のイドリブ県とラッカ県の小委員会の委員長が、5月26日の大統領選挙の投票に向けた準備を完了したと発表した、と伝えた。

AFP, May 23, 2021、ANHA, May 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 23, 2021、Reuters, May 23, 2021、SANA, May 23, 2021、SOHR, May 23, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で65人、北・東シリア自治局支配地域で78人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で86人(2021年5月23日)

保健省は政府支配地域で新たに65人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者15人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、5月23日現在の同地での感染者数は計24,117人、うち死亡したのは1,734人、回復したのは21,549人となった。

SANA(5月23日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに78人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者3人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、5月23日現在の同地での感染者数は計17,441人、うち死亡したのは717人、回復したのは1,766人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性49人、女性29人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市6人、カーミシュリー市12人、マーリキーヤ(ダイリーク)市1人、ダルバースィーヤ市2人、フール・キャンプ2人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市6人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)2人、マンビジュ市4人、ラッカ県のラッカ市24人、タブカ市19人。

ANHA(5月23日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で5月23日に新たに86人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、29人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡1人、イドリブ郡9人、ハーリム郡8人、アリーハー郡5人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡5人、バーブ郡36人、アフリーン郡19人、アアザーズ郡3人。

これにより、同地での感染者数は計22,727人、うち回復したのは20,508人、死亡したのは666人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1583931708478381/

AFP, May 23, 2021、ACU, May 23, 2021、ANHA, May 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 23, 2021、Reuters, May 23, 2021、SANA, May 23, 2021、SOHR, May 23, 2021などをもとに作成。

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「決戦」作戦司令室がイドリブ県ファターティラ村一帯砲撃し、シリア軍兵士3人死亡(2021年5月23日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるファターティラ村一帯を「決戦」作戦司令室が砲撃し、シリア軍兵士3人が死亡した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるダーイル町南西に設置されている空軍情報部の検問所が正体不明の武装集団の襲撃を受けた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を53件(イドリブ県24件、ラタキア県10件、アレッポ県9件、ハマー県10件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は48件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を32件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, May 23, 2021、ANHA, May 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 23, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 23, 2021、Reuters, May 23, 2021、SANA, May 23, 2021、SOHR, May 23, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民277人と国内避難民(IDPs)59人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は668,103人、2019年以降帰還したIDPsは86,843人に(2021年5月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月23日付)を公開し、5月22日に難民277人(うち女性83人、子供142人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民277人(うち女性83人、子供142人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は668,103人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者272,855人(うち女性82,104人、子ども138,882人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,754,006人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は897,383人(うち女性269,290人、子供457,373人)となった。

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一方、国内避難民59人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは57人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは2人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は2人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は86,843人(うち女性32,164人、子供31,629人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,355,439人(うち女性414,723人、子供675,394人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 23, 2021をもとに作成。

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