ANHA:カタールとクウェートはトルコ占領下のアレッポ県北部のヤズィード教徒の村にパレスチナ人のための入植地「バスマ村」を建設(2021年5月16日)

ANHA(5月16日付)は、カタールとクウェートが、トルコを支援するかたちで、トルコの占領下にあるアレッポ県アフリーン郡に点在するヤズィード教徒の村の一つシャーディリーヤ村にパレスチナ人を居住させるための入植地を建設していると伝えた。

入植地は「バスマ村」(笑顔の村)と名付けられ、1948年のナクバの日に故郷を追われ、シリアのダマスカス郊外県、ダルアー県、ヒムス県に難民として逃れたのち、シリア内戦中にアレッポ県アフリーン郡に「トルコによって連行」されてきたパレスチナ人や「傭兵」(反体制武装集団)の家族を居住させるために建設されている。

バスマ村の面積には、96棟の集合住宅が建設され、パレスチナ人750世帯以上に住居が提供されるという。

AFP, May 16, 2021、ANHA, May 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 16, 2021、Reuters, May 16, 2021、SANA, May 16, 2021、SOHR, May 16, 2021などをもとに作成。

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アフリーン解放軍団がトルコ軍兵士1人とMiT隊員2人を殺害したと発表(2021年5月16日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、5月10日にトルコ占領下のジールバリー村近郊とバラーディー村近郊でトルコ軍の基地や拠点を襲撃し、トルコ軍兵士1人、国家情報機関(MiT)の隊員2人を殺害したと発表した。

ANHA(5月16日付)が伝えた。

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ハサカ県では、ANHA(5月16日付)によると、トルコの支援を受けるシリア国民軍の戦闘員どうしがタッル・タムル町西に位置するラシーディーヤ村、カースィミーヤ村で交戦した。

AFP, May 16, 2021、ANHA, May 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 16, 2021、Reuters, May 16, 2021、SANA, May 16, 2021、SOHR, May 16, 2021などをもとに作成。

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大統領選挙の選挙戦が始まる:反体制派候補のマルイー氏はシリア人権監視団の取材に応じ、選挙綱領を明示(2021年5月16日)

SANA(5月16日付)は、大統領選挙に立候補しているアブドゥッラー・サッルーム・アブドゥッラー氏、アサド大統領、マフムード・マルイー氏が選挙活動を開始したと伝えた。

アブドゥッラー氏は「我々の力は我々の統合によって」、アサド大統領は「希望は労働によって」、マルイー氏は「ともに」をスローガンとして選挙戦に臨み、各県の街頭には、三候補のポスターが掲示され、インターネット上でも画像が拡散された。






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このうち、マルイー氏は、ロシアのスプートニク・ニュース(5月15日付)、国営のシリア・テレビ(5月15日付)、そして英国を拠点とする反体制派系NGOのシリア人権監視団への取材に応じ、自らの選挙綱領を明らかにした。

マルイー氏はスプートニク・ニュースに対して、愛国的共通項の強調、言論犯の釈放、反体制派の真の参加を通じた国民統合の強化、外国の占領との戦い、首都ダマスカスでの政府と国内外の反体制派の対話会合を通じた危機の解決と復興の実現、イスラーム教徒以外も大統領選挙への立候補を可能とする法律改正の改正、三権分立の拡充をめざすと述べた。

一方、野党の青年建設変革党(バールウィーン・イブラーヒーム書記長)が、マルイー氏が「立候補届出時にシリア・アラブ共和国に10年以上継続して居住していること」ことを定めた憲法第84条第5項に反しているとして、最高憲法裁判所に異議申し立て提出したことについては、次のように述べた。

彼らは反体制派ではないし、1日たりとも反体制派であったという過去はない。彼らは逮捕されたこともないし、シリアの反体制派に何も与えていない。

彼らは認可を受けた政党に過ぎず、異議申し立ての資格もない。彼らは立候補者でもないし、彼らの政党から立候補者を擁立していないからだ。

シリア人権監視団の取材に対しては、以下のように述べた。

私はシリア国内の愛国的な反体制派の立候補者で、シリアの主権、統合、独立を支持し、米国、トルコ、イスラエルの占領に反対し、シリア国民に対して米国とその同盟国が科している経済制裁に反対する。

私は、政治犯、言論犯の釈放を重視する。

選挙綱領を通じて、反体制派が真に、そして真摯に参加するかたちでの挙国一致政府の樹立、三権分立、ダマスカスでのシリア人どうしの対話を表明している。

私はこうした主張(選挙は違法で、ボイコットすべきだとの主張)を拒否する。

選挙結果がすでに決まっている一部に非難には対応しない。

https://www.facebook.com/moi.gov.sy/posts/1155993611539268

AFP, May 16, 2021、ANHA, May 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 16, 2021、Reuters, May 16, 2021、SANA, May 16, 2021、SOHR, May 16, 2021、Sputnik News, May 16, 2021などをもとに作成。

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ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ヒムス県、ラタキア県で大統領選挙支持と参加を呼びかけるデモ(2021年5月16日)

ダマスカス県では、SANA(5月16日付)によると、ヒジャーズ駅前でダマスカス県とダマスカス郊外県の住民数百人が集まり、大統領選挙の実施を支持するデモを行った。

また、ダマスカス郊外県のナブク市では、カラムーン地方各所の住民が集まり、テントを設営、大統領選挙の投票参加を訴えた。

ヒムス県では、ガースィビーヤ村に同県とハマー県の部族長や名士らが集まり、大統領選挙実施への支持を表明した。
ヒムス市グータ地区でも、住民が会合を開き、支持を訴えた。

ラタキア県では、ラタキア市のズィラーア交差点で大規模デモが行われ、大統領選挙実施への支持が表明された。

AFP, May 16, 2021、ANHA, May 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 16, 2021、Reuters, May 16, 2021、SANA, May 16, 2021、SOHR, May 16, 2021などをもとに作成。

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最高司法選挙委員会が大統領選挙を円滑に実施するため、中立性と透明性の確保、投票所の設営を進めていると発表(2021年5月16日)

最高司法選挙委員会(選挙管理委員会、サーミル・ザムリーク委員長)は首都ダマスカスで記者会見を開き、5月26日に投票が予定されている大統領選挙に関して、憲法と総選挙法の規定に従って選挙の円滑な実施を保障するために必要な措置を講じ、中立性と透明性の確保、投票所の設営を進めていると発表した。

SANA(5月16日付)が伝えた。

AFP, May 16, 2021、ANHA, May 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 16, 2021、Reuters, May 16, 2021、SANA, May 16, 2021、SOHR, May 16, 2021などをもとに作成。

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シリア領内に違法に基地を設置し駐留を続ける米軍がワリード国境通行所から石油や小麦をトレーラー38輌に積んで、イラク領内に持ち出す(2021年5月16日)

ハサカ県では、SANA(5月16日付)によると、シリア領内に違法に基地を設置し駐留を続ける米軍が、ワリード国境通行所から石油や小麦をトレーラー38輌に積んで、イラク領内に持ち出した。

AFP, May 16, 2021、ANHA, May 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 16, 2021、Reuters, May 16, 2021、SANA, May 16, 2021、SOHR, May 16, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で45人、北・東シリア自治局支配地域で87人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で10人(2021年5月16日)

保健省は政府支配地域で新たに45人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者297人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、5月16日現在の同地での感染者数は計23,738人、うち死亡したのは1,698人、回復したのは20,780人となった。

SANA(5月16日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに87人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者7人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、5月16日現在の同地での感染者数は計16,998人、うち死亡したのは697人、回復したのは1,746人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性47人、女性40人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市18人、カーミシュリー市14人、マーリキーヤ(ダイリーク)市3人、マアバダ(カルキールキー)町1人、アームーダー市3人、ダルバースィーヤ市1人、フール・キャンプ2人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市1人、マンビジュ市4人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)3人、ラッカ県のラッカ市23人、タブカ市14人。

ANHA(5月16日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で5月16日に新たに10人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、18人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡3人、ハーリム郡0人、アリーハー郡2人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡3人、バーブ郡0人、アフリーン郡2人、アアザーズ郡0人。

これにより、同地での感染者数は計22,290人、うち回復したのは20,371人、死亡したのは655人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1578657549005797/

AFP, May 16, 2021、ACU, May 16, 2021、ANHA, May 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 16, 2021、Reuters, May 16, 2021、SANA, May 16, 2021、SOHR, May 16, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍が「決戦」作戦司令室とイドリブ県とラタキア県を10回以上にわたり爆撃(2021年5月16日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるバルナース村およびその周辺を爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にカッバーナ村の丘陵地帯を爆撃した。

イドリブ県とラタキア県に対するロシア軍の爆撃は10回以上に及んだ。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるナワー市で男性1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

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タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、革命青年連合のアフィーフ・ダッラー総裁がタルトゥース市とヒムス県ヒムス市を結ぶ街道を移動中に交通事故に遭い、死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を39件(イドリブ県20件、ラタキア県8件、アレッポ県5件、ハマー県6件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は36件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を18件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, May 16, 2021、ANHA, May 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 16, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 16, 2021、Reuters, May 16, 2021、SANA, May 16, 2021、SOHR, May 16, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民278人と国内避難民(IDPs)2人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は665,947人、2019年以降帰還したIDPsは86,106人に(2021年5月16日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月16日付)を公開し、5月15日に難民278人(うち女性83人、子供142人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民278人(うち女性83人、子供142人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は665,947人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者270,699人(うち女性81,367人、子ども137,782人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,752,833人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は895,227人(うち女性268,643人、子供456,273人)となった。

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一方、国内避難民2人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは2人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は2人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は86,106人(うち女性31,956人、子供31,461人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,354,702人(うち女性414,515人、子供675,227人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 16, 2021をもとに作成。

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