シリア軍が東グータ地方で大統領選挙支持デモへの参加要請に応じなかった住民を拘束(2021年5月18日)

反体制派系サイトのサウト・アースィマ(5月19日付)は、シリア軍が、ダマスカス郊外県東グータ地方のサクバー市、ハムーリーヤ市、ジスリーン町、カフルバトナー町、ハッザ町で、大統領選挙を支持するデモ・集会への参加を求める当局の要請に応じなかったとして、住民多数を拘束した伝えた。

AFP, May 19, 2021、ANHA, May 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 19, 2021、Reuters, May 19, 2021、SANA, May 19, 2021、Sawt al-‘Asima, May 19, 2021、SOHR, May 19, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

野党団結党のアブー・カースィム書記長はマルイー大統領候補が選挙法に違反しているとして告訴(2021年5月18日)

シリア国内で活動する野党の一つ団結党のムハンマド・アブー・カースィム書記長は、RT(5月18日付)のインタビューに応じ、大統領選挙に立候補しているマフムード・マルイー氏が選挙法第50条に違反しているとして、名誉毀損で訴えたことを明らかにした。

アブー・カースィム書記長はRTに対して次のように述べた。

マルイー氏が『ワタン』紙に対して述べたことは選挙法、とりわ公序良俗に反する選挙宣伝を禁止した第50条第3項に違反している。

選挙法第50条は、他の立候補者の誹謗中傷、特定の宗教・宗派、エスニック集団、部族を代表するような宣伝、そして公序良俗に反する宣伝、地方自治体が認めていない場所へのポスターなどの設置を禁じている。

マルイー氏は『ワタン』(5月17日付)のインタビューのなかで、国内の野党を次のように批判していた。

連中が行っているのは政治の「幼児化」、「青年化」だ。彼らには何らの政治的深みもない。政治的経験もない」。

AFP, May 19, 2021、ANHA, May 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 19, 2021、Reuters, May 19, 2021、RT, May 18, 2021、SANA, May 19, 2021、SOHR, May 19, 2021、al-Watan, May 17, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍報道官は領内に飛来したドローンを撃墜と発表、当局はシリアから飛来したとの見方を示す(2021年5月18日)

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)で、無人航空機(ドローン)1機を占領下ゴラン高原の西に位置するアグワール地方のアユン渓谷で撃破したと発表した。

ツイッターの書き込み内容は以下の通り:

速報 早朝にアグワール地方アユン渓谷地区の国境に近づく無人航空機(ドローン)1機が捕捉され、撃破された。同地は航空監視部隊の監視かにあった。ドローンの残骸は治安部隊によって回収された。

https://twitter.com/AvichayAdraee/status/1394537464702902278

**

米アラビア語テレビ放送のフッラ・チャンネル(5月18日付)は、無人航空機(ドローン)1機がヨルダン北西部の北アグワール郡に面するイスラエルのベト・シェアン市一帯に接近し、イスラエル軍がこれを撃破したと伝えた。

撃破された機体の破片などから、イスラエル治安当局は、ドローンがシリア領内を離陸したものだとの見方を示しているという。

AFP, May 18, 2021、ANHA, May 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2021、Alhurra, May 18, 2021、Reuters, May 18, 2021、SANA, May 18, 2021、SOHR, May 18, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市東を砲撃(2021年5月18日)

アレッポ県では、ANHA(5月18日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市東のフーシャリーヤ村、ジャート村を砲撃した。

AFP, May 18, 2021、ANHA, May 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2021、Reuters, May 18, 2021、SANA, May 18, 2021、SOHR, May 18, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュがアレッポ県でシリア軍と「イランの民兵」を襲撃(2021年5月18日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア政府の支配下にあるマスカナ市近郊のマトヤーハ村南でシリア軍第25師団と「イランの民兵」の四輪駆動車5台からなる車列を襲撃し、8人を殺害した。

AFP, May 18, 2021、ANHA, May 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2021、Reuters, May 18, 2021、SANA, May 18, 2021、SOHR, May 18, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局による燃料値上げに抗議するデモが各地で発生、アサーイシュの弾圧で多数が死傷(2021年5月18日)

北・東シリア自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)総司令部は声明を出し、自治局支配地の各所で、燃料価格を定めた司法決定第119号に抗議する平和的なデモが発生、「デモに乗じた一部のストーカー」が、住民と軍・治安機関を対立させ、住民に軍・民政機関の拠点や施設を襲撃させ、騒乱を発生させようとして、デモ参加者に発砲、住民と内務治安部隊隊員多数を負傷させたと発表した。

アサーイシュはまた、平和的デモに乗じた者たちに実弾を用いて対応したことを明らかにするとともに、住民に対してこうした争いに巻き込まれないよう注意を促した。

デモ発生を受けて、北・東シリア自治局執行評議会のビーリーファーン・ハーリド共同議長は声明を出し、5月19日に評議会の緊急会合を開催し、司法決定第119号の見直しを行うと発表、住民に対して、自治局支配地域に混乱と内乱をもたらそうとする勢力に荷担しないよう呼びかけた。

自治局ジャズィーラ地域の執行評議会も、シャッダーディー市でデモでの負傷者の一刻も早い回復を願うとする声明を出すとともに、自治局の法のもとで平和的且つ民主的な方法で表現の自由が保障されていると強調、混乱と内乱を誘発しようとする動きに注意するよう住民に呼びかけた。

ANHA(5月18日付)が伝えた

**

一方、SANA(5月18日付)は、シリア政府と北・東シリア自治局の支配下にあるハサカ市のヌシューワ地区(北・東シリア自治局支配地)のシャリーア交差点と、北・東シリア自治局の支配下にあるシャッダーディー市、アッターラ村で、住民が路上でタイヤを燃やすなどして、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の活動や犯罪・略奪行為に抗議するデモを実施したが、シリア民主軍が強制排除を試み、住民5人が死亡、女性1人と女児1人を含む多数が負傷したと伝えた。


シリア人権監視団の発表によると、アサーイシュの発砲での被害者は、シャッダーディー市で死者1人、負傷者5人、ハサカ市ヌシューワ地区では負傷者3人。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(5月18日付)が複数の地元メディア筋の話として伝えたところによると、サブア・ワ・アルバイーン町で1人、ハサカ市で1人が死亡した。

シリア人権監視団によると、デモはまた、ハサカ市ムフティー地区、サーリヒーヤ地区、マルシュー交差点一帯、カーミシュリー市、サブア・ワ・アルバイーン町、マーリキーヤ(ダイリーク)市、アームーダー市、マアバダ(カルキールキー)町、アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市でも発生、カーミシュリー市、アームーダー市、カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市、マアバダ町、タッル・ハミース市などでは多くの商店が店を閉めて、ストライキを実施した。

デモはこれ以外の都市・町・村(ダルバースィーヤ市など)でも呼びかけられたが、住民は厳戒態勢を敷くアサーイシュを怖れて街頭に出ることを控えたという。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(5月18日付)によると、シリア民主軍がダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるサアワ村にある民家1棟を急襲し、中にいた住民らと交戦、2人を殺害した。

**

ラッカ県では、アイン・フラート(5月18日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市北のタルワーズィーヤ村で17日深夜から18日未明にかけて、シリア民主軍がシリア軍を拠点から排除しようとして戦闘が発生し、シリア軍兵士5人とシリア民主軍兵士2人が負傷した。

戦闘はロシア軍が介入して収束した。

AFP, May 18, 2021、ANHA, May 18, 2021、‘Ayn al-Furat, May 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2021、Reuters, May 18, 2021、SANA, May 18, 2021、SOHR, May 18, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アラブ社会主義連合民主党は声明でマルイー候補を2013年に除名していたと発表(2021年5月18日)

シリア国内で活動する反体制組織の一つで民主的変革諸勢力国民調整委員会を主導するアラブ社会主義連合民主党は声明を出し、大統領選挙に立候補しているマフムード・マルイー氏との間に何らの関係もないと発表した。

声明では、マルイー氏が党の原則や政治路線から逸脱したのを受けて、2013年に除名したとしたうえで、「政治移行プロセスを通じた抜本的で包括的な愛国的・民主的変革以外受け入れない」とする党の姿勢を明示した。

声明ではまた、党が1973年以降、形式的な大統領選挙の立候補、投票、信任のいずれにも参加していないと強調した。

https://www.facebook.com/Ettihad.SY/posts/3887299724720968

AFP, May 18, 2021、ANHA, May 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2021、Reuters, May 18, 2021、SANA, May 18, 2021、SOHR, May 18, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アブドゥッラー候補「テロを根絶し、米国、トルコ、イスラエルの占領を打破しなければ、シリアが現下の危機から脱却できない」(2021年5月18日)

大統領選挙に立候補している統一社会主義者党のアブドゥッラー・サッルーム・アブドゥッラー氏はイフバーリーヤ・チャンネル(5月18日付)のインタビュー番組に出演し、自身の選挙綱領に関して、国民が望むもののすべてではなく、その一部を実現するものだとしたうえで、シリアが直面する問題や脅威には、国民の団結が不可欠だと強調した。

アブドゥッラー氏はまた、テロを根絶し、米国、トルコ、イスラエルの占領を打破し、占領地全土を解放しなければ、シリアが現下の危機から脱却できないと強調、それによって「我々は家に戻り、避難を余儀なくされた人々を帰国させ、彼らが日々の生活を送るために必要なサービスを提供でき、かつてのように国を復興させられる」と述べた。

インタビューの全文はSANA(http://www.sana.sy/?p=1384376)が公開した。


https://www.youtube.com/watch?v=1zTOFNsi7U4

**

フサイン・アルヌース内閣は週例の閣議を開催し、5月26日の大統領選挙投票日を控えて、投票実施に必要な措置を講じることを確認した。

SANA(5月18日付)が伝えた。



**

SANA(5月18日付)は、5月16日、17日に続いて各地で大統領選挙支持を訴えるデモや集会が実施されたと伝えた。

デモ・集会が実施されたのは、ハマー県のハマー市(ハマー大学など各所)、ダルアー県のイズラア市、マハッジャ町、ヒムス県のヒムス市(バアス大学、バーバー・アムル地区など各所および)、ジブラーヤー村、マハッラム町、ラフターヤー村、マスカナ村、ライヤーン村、タッルドゥー市、シャルカリーヤ村、シーン町、タッル・ウマリー村、ラタキア県のラタキア市各所、ダーリヤ町、アイン・シカーク町、タルトゥース県のタルトゥース市、バーニヤース市、アレッポ県のアレッポ市(アレッポ大学など各所)、スワイダー県のスワイダー市、ラハー村、ニジュラーン村など。

**

SANA(5月18日付)は、ブルガリア、スイス、スペイン、南アフリカの在外公館が大統領選挙の投票に向けた準備を完了したと伝えた。

このうち、ブルガリアの大使館は、ギリシャ、北マケドニア、アルバニアの在外居住者の投票も受け付ける。

在外投票は5月20日に実施される予定。

AFP, May 18, 2021、ANHA, May 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2021、al-Ikhbariya, May 17, 2021、Reuters, May 18, 2021、SANA, May 18, 2021、SOHR, May 18, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で42人、北・東シリア自治局支配地域で43人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で43人(2021年5月18日)

保健省は政府支配地域で新たに42人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者287人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、5月18日現在の同地での感染者数は計23,830人、うち死亡したのは1,710人、回復したのは21,360人となった。

SANA(5月18日付)が伝えた。

**

北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに43人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者4人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、5月18日現在の同地での感染者数は計17,088人、うち死亡したのは702人、回復したのは1,755人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性20人、女性23人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市17人、カーミシュリー市10人、マーリキーヤ(ダイリーク)市6人、アームーダー市1人、ダルバースィーヤ市5人、フール・キャンプ1人、アレッポ県のマンビジュ市1人、ラッカ県のラッカ市2人。

ANHA(5月18日付)が伝えた。

**

反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で5月18日に新たに43人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、40人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡1人、イドリブ郡4人、ハーリム郡3人、アリーハー郡5人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡6人、バーブ郡9人、アフリーン郡10人、アアザーズ郡5人。

これにより、同地での感染者数は計22,405人、うち回復したのは20,437人、死亡したのは661人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1580000028871549/

AFP, May 18, 2021、ACU, May 18, 2021、ANHA, May 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2021、Reuters, May 18, 2021、SANA, May 18, 2021、SOHR, May 18, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダルアー県ヒルバト・ガザーラ町でヒズブッラーに協力する男性1人が殺害される(2021年5月18日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるヒルバト・ガザーラ町で、レバノンのヒズブッラーに協力している男性1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を37件(イドリブ県16件、ラタキア県15件、アレッポ県4件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は36件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を16件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, May 18, 2021、ANHA, May 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 18, 2021、Reuters, May 18, 2021、SANA, May 18, 2021、SOHR, May 18, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民311人と国内避難民(IDPs)328人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は666,555人、2019年以降帰還したIDPsは86,434人に(2021年5月18日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月18日付)を公開し、5月17日に難民311人(うち女性93人、子供158人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民311人(うち女性93人、子供158人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は666,555人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者271,307人(うち女性81,549人、子ども138,092人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,752,833人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は895,835人(うち女性268,825人、子供456,583人)となった。

**

一方、国内避難民328人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは328人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は86,434人(うち女性32,053人、子供31,536人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,355,030人(うち女性414,612人、子供675,302人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 18, 2021をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.