『ムドゥン』:アサド前政権時代に「ハティーブ支部」の名で知られていた拘禁施設がシャルア移行期政権のもとでも依然として運用(2025年8月13日)

『ムドゥン』は、バッシャール・アサド前政権時代に「ハティーブ支部」の名で知られていた拘禁施設が、アフマド・シャルア移行期政権のもとでも運用されていると伝えた。

同紙によると、ある若い男性が、内務省総合治安局の検問所で、酒のボトル2本を所持していたとの理由で、暴行を受け、また宗教を罵倒する暴言を浴びされられた末に拘束され、「ハティーブ支部」に連行され、同支部などで15日間にわたり拷問を執拗に受けた。

ある時は、ひげの長い男が現れ、イスラーム協のシャハーダ(信仰告白)を唱えることと、13のコーランの聖句を暗記し、死刑執行前に毎日それを復唱するよう命じ、精神的に追い込んでいったという。

男性の家族は、彼に面会するために1万ドルの支払いを求められ、その後、教会の協力で解放にこぎつけた。

解放された若い男性は深刻な精神障害を抱えるようになっており、治療を受けるためにレバノンのベイルートに移送された。

そこである程度回復した後、家族は彼の亡命申請を欧州のある国に提出したという。

「ハティーブ支部」は、前政権の総合情報部の第251支部によって運営されていた施設で、強姦や性的暴力を含む拷問が組織的かつ体系的に行われて、多くの死者を出していた。

また、この支部は、アサド前大統領の妻アスマー・アフラス夫人が、自分への上納金の支払いを拒否する商人らを収監するために使用していたとされ、「アスマー・アサド支部」とも呼ばれるようになった。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アフマド・シャルア移行期政権の国防省部隊に統合されたシリア国民軍諸派がアレッポ県東部とラッカ県東部に増援部隊として派遣される(2025年8月13日)

シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア移行期政権の国防省部隊に統合されたシリア国民軍所属のスルターン・スライマーン・シャー師団」(通称アムシャート師団)とハムザ師団(通称ハムザート師団)が、北・東シリア地域民主自治局の支配地域に隣接するアレッポ東部のダイル・ハーフィル市一体からラッカ県東部のウカイラシー村に至る前線地帯に増援部隊として派遣された。

これに対して、シリア民主軍側もあらゆる突発的な現地情勢の変化に備えて、全線にわたり即応態勢を強化し、陣地を増強した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒムス市アッバースィーヤ地区でシーア派の少女が自宅で正体不明の武装グループの襲撃を受けて死亡(2025年8月13日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、13日深夜から14日未明にかけて、ヒムス市アッバースィーヤ地区で、シーア派の少女が自宅で正体不明の武装グループの襲撃を受け、殺害された。

**

アレッポ県シリア人権監視団によると、13日深夜から14日未明にかけて、タッル・シュガイブ村で、60歳代の男性が、自身が経営する農場に押し入った武装グループに銃撃され死亡した。

また、シリア人権監視団によると、アレッポ市東アンサーリー地区にある通商事務所の所有者が、オートバイに乗った身元不明の2人組から至近距離で銃撃を受け、死亡した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、カムハーナ町で、武装グループどうしの間で発生した撃ち合いに巻き込まれた17歳の少女が銃弾を受けて死亡した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タッル・サマン村にある農業プロジェクト従事者家族のキャンプで武装衝突が発生し、ハサカ県出身の男性2人が死亡、1人が負傷した。

**

内務省は、フェイスブックを通じて、ダイル・ザウル県のマフカーン町の水路で8歳の少女が遺体で発見され、関係当局が捜査の末に犯人を特定、逮捕したと発表した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍の戦闘機1機とヘリコプター2機が早朝、タルトゥース市上空に飛来(2025年8月13日)

タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍の戦闘機1機とヘリコプター2機が早朝、タルトゥース市上空に飛来し、旋回を繰り返した。

飛来・旋回の理由は不明。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合がハサカ県ハッラーブ・ジール村の基地を増強(2025年8月13日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハッラーブ・ジール村に設置されている軍事基地に、軍事・兵站装備を積んだ米主導の有志連合所属の輸送機が軍用ヘリコプターを伴って着陸した。

また、シリア人権監視団によると、燃料タンク、密閉型コンテナ車、各種兵站物資を積んだ20台の貨物車輛でからなる有志連合の車列が、ワリード国境通行所(スワイディーヤ国境通行所)を経由してイラクからシリアに入国し、北東部に向かった。

さらに、シリア人権監視団によると、高度な兵器や軍需物資を搭載した米軍所属の輸送機2機が、ハッラーブ・ジール村の基地に着陸した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

沿岸部、ハマー県、イドリブ県西部で森林火災が拡大(2025年8月13日)

SANAによると、民間防衛機構(ホワイト・ヘルメット)と森林局の消防隊は、沿岸部、ハマー県、イドリブ県西部で発生した森林火災の鎮火作業を3日連続で継続した。

民間防衛機構の捜索救助プログラムを担当するウィサーム・ザイダーン氏によると、これらの地域では20件以上の森林火災が発生、一部はすでに制圧されたが、一部では依然として消火活動が続けられている。

ザイダーン氏によると森林火災の発生場所と消火活動の現状は以下の通り。

ラタキア県
・ラタキア市郊外の3ヵ所で9件以上の火災が発生し、シャフルーラ村、タッル・スルール村、トルクメン山、カスブ町に至る街道の一体に広がったが、すべて完全に制圧。
・ハッファ郡のカラム・マアスィラ村、アイン・ティーナ村一体で発生した2件の火災も鎮火。
・ジャブラ郡のカルマーフー村、カルダーハ郡でも火災が発生。

ハマー県
・ミスヤーフ郡のダイル・マーマー山、ガーブ平原地方のイナーブ山、イナーブ村、同村に隣接する街道周辺で発生した火災は、消火作業が継続中。

タルトゥース県
・カドムース郡のラアス・シャアラ村で火災が発生。
・バーニヤース郡のアナーザ町、ドゥライキーシュ市、マシュター・フルウ区町一帯で発生した3件の火災が制圧。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スワイダー県でのハラバー村、ジュビーブ村からイラー村に至る地域で重機関銃などによる戦闘が発生(2025年8月13日)

ド・サーリフ緊急事態災害大臣、ムスアブ・アリー保健大臣、ヒンド・カバワート社会問題労働大臣、ダルアー県のアンワル・ズウビー知事、ダマスカス郊外県のアーミル・シャイフ知事、スワイダー県のムスタファー・バックール知事、外務在外居住者省のサアド・バールード国際機関会議局長、国際・国連機関の代表が出席し、スワイダー県内外で増加している避難民のニーズに対応するための緊急対応の必要性、共同の協力と調整の重要性、そして避難所やその外でのニーズ評価を行うためのアクセス確保について議論が行われた。

**

SANAによると、ダルアー県のブスラー・シャーム市に設置されている通行所を経由して、スワイダー県に9回目となる人道支援の車列が入った。

車隊は21台の貨物車輛で構成され、救援物資、医療品、食料品、燃料、県の医療部門を支援するための透析装置7台を積載している。

**

シリア人権監視団によると、スワイダー県で停戦違反が発生、ハラバー村、ジュビーブ村からイラー村に至る地域で重機関銃などによる銃撃、戦闘があった。

**

シリア人権監視団は、7月13日にスワイダー県で始まった国防省・内務省合同部隊の侵攻によって処刑された住民28人(うち女性12人)の氏名を新たに確認したと発表した。

これにより、7月13日以降の衝突、処刑、イスラエル軍の爆撃による死者数の総計は1,653人となった。

内訳は以下の通り:
・スワイダー県出身者:724人(うち民間人166人、21人が子ども、56人が女性)
・国防省・内務省総合治安局の要員:477人(うちベドウィン部族出身者40人、レバノン国籍の武装者1人)
・イスラエルの爆撃で死亡した国防省・内務省の要員15人
・イスラエル空軍による国防省ビル爆撃で死亡した者:3人(女性1人、身元不明2人)
・戦闘中に死亡した報道関係者:2人(スワイダー)
・国防省・内務省の部隊による処刑犠牲者:429人(女性38人、子ども・高齢者14人、うちスワイダー国立病院医療スタッフ20人を含む)
・ドゥルーズ派武装勢力による処刑犠牲者:ベドウィン部族出身者3人(女性1人、子ども1人を含む)

**

シリア人権監視団によると、スワイダー県出身の33人(高齢者や女性を含む)の被拘束者が釈放された。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャイバーニー外務在外居住者大臣、アブー・カスラ国防大臣、サラーマ総合情報機関長官がトルコを訪問し、軍事協力協定を締結(2025年8月13日)

SANAによると、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣、ムルハフ・アブー・カスラ国防大臣、フサイン・サラーマ総合情報機関長官は、トルコの首都アンカラを訪問した。

**

SANAによると、3名は、トルコのハカン・フィダン外務大臣と会談した。

**

SANAによると、アブー・カスラ国防大臣は、トルコのヤシャル・ギュレル国防大臣と、同協定は、シリア軍の能力強化、機関と組織構造の発展、安全保障部門の包括的改革プロセスを支援することを目的としたシリア・トルコ間の軍事協力協定を締結した。

協定の概要は以下の通り:
・軍関係者の定期的な相互派遣:専門的な訓練コースへの参加を通じ、作戦即応性を高め、共同作戦能力を強化する。
・専門技能教練:テロ対策、地雷除去、サイバー防衛、軍事工学、兵站、国際的なベストプラクティスに基づく平和維持活動などの分野でのプログラム。
・技術支援:軍事システム、組織構造、指揮能力の近代化を支援する専門家の派遣。

**

SANAによると、一連の会談に続いて、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣とフィダン外務大臣は共同記者会見を行った。

記者会見でのシャイバーニー暫定外務在外居住者大臣の主な発言は以下の通り。

我々は今日、長い年月に及んだ戦争時に直面したのと同等の危険な新たな課題に直面している。その最たるものは、繰り返されるイスラエルの脅威であり、これはインフラを標的とし、市民の安全を危険にさらす爆撃によって、シリアの主権を明白に侵害している。これは、地域の安全と安定を維持することを目的とした我々の対話開始にもかかわらず行われている。
我々はまた、直接的、間接的な複数の外部干渉にも直面している。これらはシリア国家を弱体化させ、脆弱な分割の現実を作り出し、国を宗派や地域ごとの争いへと追いやろうとする試みである。しかし我々は、我が国民の意識を信頼している。国民は、分断や国家統一の破壊を企てる者がいようとも、かつてそうであったように、これからも一つであり続けるだろう。
本日、トルコ側と二国間および地域的な諸課題について協議した。我々は、シリアとトルコは多くの利益と同時に多くの脅威を共有しているという確固たる信念に立っている。シリアにおける政治プロセスの進展と安定を支えるための政治協力の強化方法、復興と開発に寄与する経済パートナーシップの展望、さらには国境管理とテロ対策のための安全保障・軍事協力の必要性について議論した。
我々は、シリアの安全、統一、領土保全を尊重するあらゆるパートナーシップに手を差し伸べる。そして、シリアの安定は地域全体の安定であると信じている。ゆえに、混乱を支援することに警鐘を鳴らし、友好国や同盟国がシリアの側に立ち、協力し合うことを呼びかける。また、戦争の年月にわたりシリア国民を受け入れ、現在も平和と建設の段階でシリアを支援し続けているトルコとその国民に感謝する。
我々は、社会のエリート層やドゥルーズ派の宗教指導者と直接連絡を取り合っている。社会の平和を確保し、シリアの歴史におけるスワイダーの歴史的・国家的象徴性を守る和解プロセスを支援するよう呼びかける。近い将来、これらの課題を乗り越えると確信している。ドゥルーズ派の同胞には、彼らがシリア社会と国民の真の一部であることを改めて強調し、いかなる側からのものであっても、イスラエルを含め、彼らを排除したり、いかなる形でも利用したりする行為は受け入れない。ドゥルーズ派の賢者やエリート層、そしてスワイダーのすべての層の賢明な人々に対し、理性の言葉を優先し、国家がその役割を果たすための余地を与えるよう求める。
今は、前体制がシリア社会を分断し、あらゆる構成要素間に宗派対立と分裂を植え付けた悪弊を修復している非常に重要な時期だ。シリアは、宗教的・文化的・民族的信条の違いを超えて、すべてのシリア国民のものである。
(ハサカ市で行われたコンファレンスについて)、会議はシリア国民を代表するものではなく、部族や宗教界のエリート層、さらにはクルド人エリート層の大多数をも代表していない。
この会議はスワイダーで起きている事態を利用しようとする絶望的な試みであり、また去る3月10日に締結された合意に対する違反でもある。
シリア国家はあらゆる対話や少数派を保護するための傘であり、あらゆる問題はその傘の下で解決されなければならない。

一方、フィダン外務大臣の主な発言は以下の通り。

この新しい段階において質的な飛躍が遂げられたが、新生シリアの発展と成長を快く思わない者もおり、彼らは沿岸部、そしてスワイダーで始まったいくつかの陰謀を推し進めようとしている。加えて、シリア民主軍やクルディスタン労働者党(PKK)が合意履行の約束を果たしていないという問題もある。
イスラエルはシリアを弱体化させ、自らの目的達成のために混乱と不安定な状況を作り出そうとしている。混乱を拡散し隣国を弱体化させ続けるというイスラエルの政策では、安定は実現できない。
イスラエルが他国を占領したり攻撃したりする行動は、この地域に混乱と不安定を広げる結果をもたらし、さらにはイスラエル自身にも悪影響を及ぼしている。
我々はシリアの発展と成長を信じているが、その条件は内政不干渉、とりわけシリアを混乱に陥れようとする者による干渉を許さないことだ。
シリア政府も国を混乱の渦に巻き込もうとするいかなる者も許さず、国民のあらゆる階層を包み込む新しいシリアの建設を目指している。


シャルア暫定大統領は、イドリブ県の学者、政治家、職業組合代表、地元有力者らとの会談し、対話集会を開く(2025年8月13日)

SANAによると、アフマド・シャルア暫定大統領は、イドリブ県の学者、政治家、職業組合代表、地元有力者らとの会談し、対話集会を行った。

シャルア暫定大統領は冒頭のあいさつで、イドリブ県が果たしてきた先導的な愛国的役割を強調し、「イドリブはシリアにおける近代的な国民国家プロジェクトの出発点となる重要な柱である」と述べた。

また、イドリブの人々が包囲、冷遇、戦争の年月に耐えた犠牲と忍耐を称賛し、「イドリブの情勢は最も複雑かつ困難なものの一つだったが、今日では本格的な建設に向けた戦略的解決の出発点となっている」と指摘した。
さらに大統領は「我々は生活のあらゆる分野を網羅する統合的な基盤づくりを目指しているが、長年にわたり蓄積してきた重い問題の遺産に直面しており、その解決には忍耐と体系的な取り組みが必要である」と述べた。

そして「目標が明確であればあるほど、達成は早くなる。現在の最優先事項は、すでに成し遂げた成果を維持し、それを基盤として他県とバランスを取りながら現実的な計画で発展させることだ」と続けた。

また、難民を尊厳あるかたちで帰還させ、安定した生活を取り戻すための共同作業の必要性を強調した。

出席者たちは、戦時・平時を問わずシリア国家を支持する姿勢を改めて表明し、「14年間の戦争に耐えた者は、建設のためにも、また戦争のためにも耐えられる」と述べた。

また、イドリブ県やシリア北部全般に関する懸念や課題を示し、国家強化の方策、制度構築、参加拡大、包括的な国民的言説の定着などについて質問が寄せられた。これに対し、大統領は、国家建設のプロジェクトは権力や利権の分配ではなく包括的な国家意識に基づくものであり、地域や国際の一部勢力がシリアを弱体化・分断させようとしている中でも、シリアには強く先進的な国家となる機会があると強調した。

新たに解放された地域について、出席者からは町や家屋の破壊によって住民の帰還が遅れているとの指摘があり、大統領は、状況改善の努力は続けているが、歳入不足と巨額の歳出による国家財政への大きな圧迫のため、現状では十分とは言えないと説明した。そのうえで、国内外のシリア人による全国的な開発基金を創設し、その多くを被害地域の再建に充てる計画を発表した。

また、移行期司法や社会的結束に関する質問に対し、大統領は、前政権が植え付けた差別や分断が国民の結束を損なったとし、次の段階では国家と社会の信頼を再構築し、国民統合を強化するため、移行期司法の正しい理解が必要だと述べた。

さらに、一部出席者は苦情や不満を届けるための仕組みづくりを求め、大統領はこの意見を評価し、国家の最高レベルと直接つながる苦情受付窓口を新設する方針を示した。

発言はまた、医療部門の現状、組織活動の後退、医療施設の一部停止、シリア北部での投資不足にも及んだ。これに対して大統領は、国家は投資プロジェクトに全面的な指示を強制するのではなく、可能な範囲で調整・指導役を果たすにとどめていると説明し、同時に、全国の地域に対する政府の姿勢は公平・均衡を保っており、事業は優先度や必要性に応じて配分されていると述べた。

最後に大統領は、市民社会の発展の重要性を指摘し、前段階を越えて制度的・法的活動の段階へ進むことが持続的で公正な国家建設の堅固な基盤になると強調した。また、イドリブとアレッポを対象とした経済会議を準備中であり、北部シリアを経済・開発の中心地とすることを目指すと述べ、サラケブ周辺に自由工業都市を設立する構想を含む全国的な計画を進めており、時間はかかるものの着実に成果へ向かっていると締めくくった。

(C)青山弘之 All rights reserved.