ブルハーン・ガルユーン氏はシャルア移行期政権が暴力と挑発によって宗派間対立を煽り、最終的に国家そのものが一つの「部族・暴力集団」と化したと批判(2025年8月11日)

ブルハーン・ガルユーン氏は、アラビー・ジャディードに「現代シリアにおける統治と国家の危機の根源」と題した論説を寄稿した。

論説のなかで、ガルユーン氏は、沿岸部、ダマスカス郊外県アシュラフィーヤト・サフナーヤー市、スワイダー県での大虐殺をアフマド・シャルア移行期政権の「重大な過ち」としたうえで、権力の形態を「集団・部族」の論理に基づくものと、「国家」の論理に基づくものに分類、後者が国家崩壊と法の支配喪失をもたらし、混乱と暴力を助長すると指摘した。

シリア革命は、「集団・部族」の論理に基づいていたバアス党政権の崩壊を実現したものの、移行期政権は暴力と挑発によって宗派間対立を煽り、最終的に国家そのものが一つの「部族・暴力集団」と化したしたうえで、そのなかで連邦制や分権制といった論理が、既得権保護の隠れ蓑となっていると批判、シリアが独立以来続く「部族の論理」と「国家の論理」の混交がもたらす「腐敗」から脱しない限り、国家崩壊と内戦・分裂の連鎖は続くと述べた。

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『コメルサント』:シャルア移行期政権はシリア南部の諸県にロシア軍憲兵隊のパトロールを復帰させることに関心を示している(2025年8月11日)

『コメルサント』は、8月1日にモスクワで行われたアスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣と在ロシア・シリア人コミュニティとの会合に参加した情報筋の話として、アフマド・シャルア移行期政権が、シリア南部の諸県にロシア軍憲兵隊のパトロールを復帰させることに関心を示していると伝えた。

情報筋によれば、ロシアがシリアにおいてかつての立場に取り戻すことは「イスラエルによるシリア内政への干渉を阻む」可能性があるという。

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「双子のマラス」はシャルア移行期政権の人権侵害、虐殺、殺人を非難:文化省は2人の演劇作品の上演を禁止(2025年8月11日)

シリアの双子俳優・演劇人、映像クリエイターの「双子のマラス」はフェイスブックを通じて、アフマド・シャルア移行期政権を公然と批判した。

批判の内容は以下の通り。

新政府へ
我々は2011年の革命の子どもたちであり、今はダマスカスにいます。
お伝えしたいのは、このままの状況が続き、あちこちで人権侵害、虐殺、殺人が毎日のように起こるなら、近いうちに2011年と同じスローガンを我々が再び叫ぶことになるだろう、ということです。
それは、あなた方がバッシャール・アサド体制と同じだからではありません。いいえ…バッシャール・アサドとその父親は、我々にとって世界最大の犯罪者です。
しかし、我々は尊厳を持った人間であり、いかなるシリア人に対しても不正を受け入れず、殺人を正当化しません。
これこそが2011年の革命が我々に教えてくれたことであり、誰に反対されようとも、我々はそれに忠実であり続けます。
残念ながら、あなた方は毎日、我々の期待をさらに裏切っています。

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「マラスの双子」はその数時間後、フェイスブックを通じて、以下の通り発表した。

文化省の決定により、我々の演劇作品『全ての恥にお祝いを』の上演が中止され、すべての演劇ワークショップも停止されました。
これは、フェイスブック上での直近の投稿を背景とした措置です。

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外務在外居住者省のルバービーディー・アフロアジア・オセアニア局長が日本で安藤外務省中東アフリカ局長と会談:在日シリア人代表団が緊急事態災害省、高等教育科学研究省、観光省を訪問(2025年8月11日)

外務在外居住者省は、フェイスブックを通じて、ザカリヤー・ルバービーディー・アフロアジア・オセアニア局長が日本を訪れ、東京で日本の安藤俊英外務省中東アフリカ局長と会談、安藤俊英外務審議官(中東・北アフリカ局長)と会談し、シリア情勢の進展について協議した。

ルバービーディー局長は、日本の人道支援と一部制裁解除への謝意を表明し、協力強化のための全面的な制裁解除を要請した。また、復興と統一・安定した国家建設に向けた政府の方針を説明した。

これに対し安藤局長は、日本のシリアへの継続的支援と外部からの干渉拒否、領土の統一と主権尊重へのコミットメントを改めて表明し、政治的解決と国民和解に向けたシリアの前向きな取り組みを評価した。

なお、声明では、安藤氏の地位について、外務審議官兼外務省中東アフリカ局長と記載されている。

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緊急事態災害省は、フェイスブックを通じて、在日シリア人コミュニティの代表団が8月10日に同省を訪れ、ラーイド・サーリフ大臣と面談したと発表した。

会談では、シリアと日本の間で非常事態および災害管理の分野における協力とネットワーク構築の可能性、両国間での技術的・工学的経験の交換について議論が行われ、早期警戒システムや全国レベルでの危機対応の強化策に焦点が当てられた。

また、自然災害に対抗し、被害を軽減する能力を備えたシステム構築における重要な柱の一つとして、耐震基準(地震コード)の問題についても議論された。

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また、高等教育科学研究省は、フェイスブックを通じて、マルワーン・ハラビー大臣が、アフマド・マンスール博士率いる在日シリア人コミュニティの代表団と面談し、高等教育・科学研究分野における協力強化、経験交流、奨学金の提供、アラビア語と日本語教育の支援などについて議題したと発表した。

発表によると、会合には、日本のテクノロジー、建設、エネルギー関連の企業の専門家や経営者も参加したとされている。

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さらに、観光省は、フェイスブックを通じて、マーズィン・サーリハーニー大臣が同代表団と面談し、在外シリア人の「観光大使」として重要であると強調し、歴史的遺跡の整備、観光環境の質の向上、日本人観光客を誘致するための現代的マーケティング手法を用いた観光ルートの創出など、観光省の取り組みを紹介した。

これに対して、マンスール博士は、日本人観光客が無形文化遺産に高い関心を持っていると述べ、民族衣装、シリア料理、史跡などの観光マップを作成し、この分野を開発するよう提案した。

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米国務省のミッチェル地域報道官:「シャルア移行期政権には民間人を保護し、その権利を守る直接的な責任がある」(2025年8月11日)

シリアック・プレスによると、米国務省のマイケル・ミッチェル地域報道官は、スワイダー県における暴力の激化に深い懸念を示し、平和的抗議の権利を行使する民間人に対する過剰な武力行使を警告した。

ミッチェル報道官は、米政府がスワイダー県でのアフマド・シャルア移行期政権とドゥルーズ派武装勢力の最近の衝突を注意深く監視しているとしたうえで、移行期政権には民間人を保護し、その権利を守る直接的な責任があると強調した。

さらに、違反行為の責任者を追及し、危機を深める可能性のあるエスカレーションを回避するよう移行期政権に求めた。

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一方、ハサカ県では、シリア人権監視団によると、軍事・兵站資材を積載した約40台の貨物車輛からなる米軍の車列がワリード国境通行所(スワイディーヤ国境通行所)を経由してイラクから入国し、ハッラーブ・ジール村にある有志連合の基地に到着した。

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スノウ英シリア担当特使はスワイダー国立病院での処刑を深く憂慮(2025年8月11日)

アン・スノウ英シリア担当特使は、Xを通じて以下の通りつづった。

先月、スワイダーの国立病院で民間人が殺害される映像が出回っていることに深く憂慮している。この出来事は、あらゆる暴力の加害者を責任追及するための緊急行動の必要性を改めて強調するものである。

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内務省はスワイダー国立病院での処刑を「もっとも強い言葉で非難」(2025年8月11日)

内務省は、フェイスブックを通じて、スワイダー国立病院内で撮影されたとされる処刑の映像について「注視している」としたうえで、「もっとも強い言葉で非難」し、責任を追及すると表明、内務大臣の指示により、アブドゥルカーディル・タッハーン治安担当次官を、事件解明と犯人逮捕のための捜査を直接監督する任務に就けたと発表した。

また、ワタンによると、ヒンド・カバワート社会問題労働大臣はSNSでの投稿で以下の通り批判した。

丸腰の民間人、医療従事者、人道救援分野で働く者を殺害することは、決して受け入れられず、正当化も容認もできない。
規律を乱す者を取り締まり、責任を問うことこそが、我々全員と子どもたちの未来を守る保証である。
我々は自らを律し、自分たちの立場を見直さなければならない。原則を裏切ったり、それを軽視したりすることは選択肢ではない。
我々は常に、そしてこれからも、市民とその権利の側に立ち続ける。

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ベドウィン・部族系武装勢力がスワイダー県での停電に対処するための復旧作業班、人道支援物資を積んだ車列を相次いで襲撃 (2025年8月11日)

ダルアー県では、スワイダー24によると、ヒルバト・ガザーラ町・ムサイフラ町間で66kV送電線に障害が発生し、スワイダー県全域で停電が発生した。

スワイダー24によると、これを受けて、電力会社の復旧作業班がクレーン車とともに現地に派遣されたが、途中ベドウィン・部族系の武装勢力の襲撃を受けて作業の実施を妨害した。

また、シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県ジャルマーナー市からスワイダー県へ向かっていた人道支援物資の車列が、ブスラー・シャーム市近郊で武装集団の襲撃を受けた。

車列はシリア・アラブ赤新月社との事前の調整を経て物資を運んでいたが、武装勢力は5台のうちの3台を押収、スワイダー県に入れたのは2台だけだった。

事件後、内務省総合治安局の部隊が、3台の貨物車輛を引き取るために現地に派遣されたが、受け渡しの最中に銃撃を受け、隊員1人が死亡、複数人が負傷した。

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スワイダー県では、スワイダー24によると、スワイダー市西部が、アフマド・シャルア移行期政権所属部隊およびベドウィン・部族武装勢力が展開する地域から断続的な重機関銃の射撃を受けた。

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シャルア移行期政権所属の無人航空機がアレッポ市のシャイフ・マクスード地区のアサーイシュ拠点を攻撃、隊員2人が負傷(2025年8月11日)

アレッポ県では、ANHAによると、アフマド・シャルア移行期政権所属の自爆型無人航空機が北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるアレッポ市のシャイフ・マクスード地区の内務治安部隊(アサーイシュ)の拠点を攻撃、隊員2人が負傷した。

また、シリア人権監視団によると、シャイフ・マクスード地区およびアシュラフィーヤ地区一帯で、シャルア移行期政権の内務省総合治安局が通常の治安活動と並行して、アレッポ市スィルヤーン地区と両地区を結ぶ街道に土塁を設置した。

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ANHAによると、シリア民主軍の広報センターは声明を出し、アフマド・シャルア移行期政権に所属する「統制の取れていない部隊」による挑発行為が相次いでいることを非難、こうした行為が続けば「正当防衛の原則」に基づき対応せざるを得ないと強調した。

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一方、シリア人権監視団によると、北・東シリア地域民主自治局は、緊張を抑える試みの一環として、首都ダマスカスに渉外委員会の技術代表団を派遣した。

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ヒムス県でアラウィー派が相次いで殺害される(2025年8月11日)

ラタキア県で、シリア人権監視団によると、ラタキア市ダマスラフー地区で、身元不明の子どもの遺体が発見された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タッルカラフ市郊外のアーミリーヤ村で、アラウィー派の男性が正体不明の武装グループによって殺害された。

また、シリア人権監視団によると、ヒムス市アクラマ地区で、覆面をした武装グループがアラウィー派の親子を銃撃、父親が死亡、息子が負傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市カッラーサ地区の警察署の留置場内で若い男性が同署の隊員の拷問を受け死亡した。

これを受けて、内務省は、フェイスブックを通じて、事件を追跡し、経緯を完全に解明するための専門調査委員会が設置し、死因を正確に特定するため遺体に対して司法解剖を行うと発表した。

また、シリア人権監視団によると、ブザーア村の戦争未亡人用集合住宅で女性1人が殺害されているのが発見された。

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イスラエル軍戦闘機が首都ダマスカス上空に飛来(2025年8月11日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、約100人の兵士と20台の軍用車輛からなるイスラエル軍部隊が、トゥルナジャ村に侵入し、村出身の若い男性1人を拘束・連行した。

また、シリア人権監視団によると、軍用車輛3台からなる別の部隊は、西サマダニーヤ村に侵入した。

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一方、シリア人権監視団によると、イスラエル軍の戦闘機が、首都ダマスカスの上空に進入し、中高度で飛行した後、ダマスカス郊外県上空で旋回を繰り返した。

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シリア民主軍所作戦司令室師団(TOL)がハサカ県フール町で治安作戦を実施し、ダーイシュのメンバー2人を逮捕(2025年8月11日)

ハサカ県では、ANHAによると、シリア民主軍所属の作戦司令室師団(TOL)がフール町で治安作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバー2人を逮捕した。

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アレッポ県では、ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)が、アイン・アラブ(コバネ)市で麻薬密輸グループのメンバー5人を逮捕した。

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首都ダマスカス、アレッポ市、ハマー市、ラタキア市、イドリブ市、ダルアー市などで、シリアのジャーナリストや報道関係者がガザ地区のパレスチナ人ジャーナリストたちとの連帯を訴えるデモ(2025年8月11日)

SANAによると、首都ダマスカス、アレッポ市、ハマー市、ラタキア市、イドリブ市、ダルアー市などで、シリアのジャーナリストや報道関係者がガザ地区のパレスチナ人ジャーナリストたちとの連帯を訴えるデモを行い、イスラエル占領当局による犯罪行為を非難した。

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