ロイター通信:シリアが36年ぶりの最悪の干ばつによって小麦生産が約40%減少する一方で、シャルア移行期政権が大規模な購入を確保できない資金難に陥っており、食料危機に直面(2025年8月18日)

ロイター通信は、シリアが36年ぶりの最悪の干ばつによって小麦生産が約40%減少する一方で、アフマド・シャルア移行期政権が大規模な購入を確保できない資金難に陥っており、食料危機に直面していると伝えた。

また、国連世界食糧計画(WFP)はロイター通信の取材に対して、書面での回答で、約300万人のシリア人が深刻な飢餓に直面する可能性があると述べたが、具体的な時期は明らかにしなかった。

また、シリアの人口約2560万人のうち半数以上が現在、食料不安に直面しているとも付け加えた。

国連食糧農業機関(FAO)は6月の報告書で、シリアは今年273万トンの小麦不足に直面していると推計した。これは約1600万人を1年間養うのに必要なな量である。

シリアの匿名高官によると、シャルア移行期政権は今季、地元農家からわずか37万3500トンの小麦しか購入できておらず、これは昨年の約半分の量だという。

政府は今年255万トンの輸入が必要だとされている。

シリアは年間約400万トンの小麦を消費しているが、FAOによると今年の国内生産は約120万トンに落ち込み、昨年比40%減となる見込み。

FAOによれば、今季耕作された農地はわずか40%で、その多くはすでに壊滅状態にあり、特に食料生産の要であるハサカ県、アレッポ県、ヒムス県が深刻だという。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエルのドゥルーズ派の最高宗教指導者であるムワッファク・タリーフ師がシリア情勢をめぐってダーマー戦略問題担当国務大臣と会談(2025年8月18日)

フェイスブックによると、イスラエルのドゥルーズ派の最高宗教指導者であるムワッファク・タリーフ師は、シリア情勢をめぐり、ロナルド(ロン)・ダーマー戦略問題担当国務大臣と会談し、シリアとの停戦の確立、スワイダー県に対する包囲解除、安全な陸上人道回廊の開設について議論した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル入植者がシリア領内のAOSに侵入し、新しい入植地「ノフェイ・ハ・バシャン」の礎石を設置、イスラエル軍はこれを排除(2025年8月18日)

シリア人権監視団が18日に発表したところによると、イスラエルの入植者グループが占領下ゴラン高原の境界フェンスを越えて、シリア領内の兵力引き離し地域(AOS)にある廃村のジュワイザ村に入り、シリア領内で初めてとなる入植地の礎石を設置した。

場所はアロネイ・ハ・バシャン(バシャン地方の樫)入植地の東側に位置する。

新しい入植地は「ノフェイ・ハ・バシャン」(バシャン地方の風景)と名付けられた。

式典には家族や若い男性らが参加し、植花式や、レバノン南部で戦死したイスラエル軍ゴラニ旅団兵士の名を冠した記念碑の建立が行われた。

『マアレヴ』によると、これに対して、イスラエル軍は18日夜が同地に急行、入植の動きを阻止した。

入植を試みたのは、「バシャンの開拓者たち」を名乗るサマリア地方の右派活動家約10人。

AOSとアフマド・シャルア移行期政権の実効支配地を隔てるラインAを超えて侵入していた。

イスラエル軍は19日に声明で「昨夜、数台の車輛に乗ったイスラエル人が国境フェンスを越えてシリア領に入ったとの報告を受けた。部隊が現場で彼らを短時間でイスラエル領に戻し、その場で拘束した。容疑者らは警察に召喚され、捜査を受けることになる。今回の事件は重大な違法行為であり、国民とイスラエル軍部隊を危険にさらすものだ」と強調した。

さらに「北部の目覚め運動」の公式サイトでは、「国境の向こう側に初めて設置された入植地『ネヴェ・バシャン』の礎石を祝う」とし、家族や若い男性たちが参加した式典の様子を報じた。

同地には殉職者イェフダ・ドロー・ヤハロムの記念碑が設けられ、花が植えられたという。

運動関係者は「バシャンは我々の祖先の土地だ。ここは我々の国土の空白の地であり、再び居住するべきだと呼びかけている。イスラエル政府に対し、バシャン全域から敵を一掃し、開拓者が定住できるようにせよ」と主張した。

一方、ゴラン地方評議会のオリ・カルナー議長は「本日の出来事は一線を越えたものであり、シリア領への侵入は単なる法律違反ではなく、個人の安全、治安、地域社会を危険にさらす行為だ」と強く非難した。

これに対し「バシャンの開拓者たち」は反論し、「カルナー議長が入植に励む家族を中傷したのは残念だ。彼らの中にはゴラン出身者もいる。ゴラン初の入植地『マロム・ゴラン』も1967年の六日戦争のわずか3か月後に設立されたのだ。同じ精神でバシャンにユダヤ人入植を進めるべきだ」と述べた。

さらに彼らは、「国境フェンスや新しい障壁でジハード主義者から守れるという幻想に戻ることは、血の代償を払うことになる。カルナー議長はむしろ先頭に立ってバシャン入植を推進し、ゴラン住民、ひいては国全体の安全を確保すべきだ」と主張した。

また彼らは、「議長は過去にドゥルーズ支援を訴えたが、それはバシャンにユダヤ人入植が進み、スンニ派を追放して初めて可能になる。我々は、IDF広報や高官と違い、現場の兵士たちがバシャン入植の安全保障上の重要性を理解していることを強調する」と付け加えた。

 

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍部隊が東サムダーニーヤ村に一時的な検問所を設置した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラタキア県とハマー県でアラウィー派住民が相次いで殺害(2025年8月18日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、82歳の医師が誘拐犯グループに殺害され、ラタキア市ダマスラフー地区の果樹園で遺体となって発見された。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、覆面をした正体不明の武装グループが、ザブディーン村出身の住民が30発の銃弾を浴びせて殺害した。

また、シリア人権監視団によると、ドゥーマー市の青果市場で店舗を経営する34歳の男性が、若い男性に銃で撃たれ死亡した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、サルハブ市で、アラウィー派住民の父親と息子がアフマド・シャルア移行期政権の内務治安部隊に属するとされるグループの銃撃を受けて死亡した。

また、シリア人権監視団が19日に発表したところによると、タッル・スィッキーン村で、アラウィー派の若い男性が自宅のバルコニーにいたところ、正体不明の武装グループからの直接の銃撃を受け、死亡した。

**

タルトゥース県では、シリア人権監視団は、アフマド・シャルア移行期政権の当局がタルトゥース市の前衛キャンプで、政権に近い民間人を対象に、武器使用に関する訓練コースを組織し始めた。

**

イナブ・バラディーによると、ムウタスィム旅団の元幹部のアラーッディーン・アイユーブ氏を殺害した容疑者がアレッポ県の内務治安部隊に出頭した。

出頭したのは、ハーズィム・アッバース容疑者っで、2024年に殺害されたムウタスィム旅団幹部のアフマド・アッバース氏の息子。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア人権監視団:「アブー・マリヤム・ウストラーリアー・グループ」と呼ばれる組織が、投資家や不動産を狙った詐欺・恐喝ネットワークを主導(2025年8月18日)

シリア人権監視団は、複数の証言や情報に基づき、「アブー・マリヤム・ウストラーリアー・グループ」と呼ばれる組織が、投資家や不動産を狙った詐欺・恐喝ネットワークを主導していることが明らかになったと発表した。

このネットワークは、A.S.、R.Z.、W.‘A.、A.Q.らによって率いられ、財産の押収や巨額の金銭を得るために恐喝や取引を持ちかけている。

手口は以下の通り。
・情報収集:R.ZとA.Qは、UAEとレバノンに拠点を置き、ダマスカスに不動産を所有する投資家や実業家に関する詳細な情報を収集。
・情報伝達:集められた情報はA.Sに渡され、組織の事務所責任者へと伝えられる。
・恐喝段階:被害者は財産没収の脅しを受け、多額の金銭を支払うことで一部権利の返還を提案される。

主な被害者
ダマスカスで高級ホテルを経営する投資家が強い圧力を受け、16戸のアパートを鍵ごと引き渡すことを余儀なくされた事例が公表された。これは最大級の恐喝事件の一つとされている。

前歴と告発
・R.Zに対しては詐欺・恐喝容疑で国際刑事警察機構(インターポール)による国際手配書が出されている。
・2020年には、A.S、R.Z、A.Qがダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市の鉄屑・金属収集活動に関与したとされる。
・複数の報告によれば、彼らは違法活動や地元資源略奪に関与する犯罪者K.Hと直接関係しており、広域的な犯罪ネットワークを構築している。

投資への脅威
これらのネットワークは組織的に活動し、情報収集・恐喝・不動産押収を組み合わせてシリア国内外の投資に直接的な脅威を及ぼしている。そのため、投資家や不動産所有者に対して、A.SやR.Z、あるいは「アブー・マリヤム・ウストラーリアー・グループ」と称するいかなる人物とも接触しないよう警告が発せられている。

また、ドバイ警察およびレバノン治安総局に対しても、このような違法活動に関与する人物らを追跡・摘発するよう緊急の呼びかけが行われている。これは投資家や社会を詐欺や恐喝の危険から守るためである。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア地方民主自治局はハマー県、ラタキア県での森林火災の消火活動のために派遣準備が完了していた消防隊について、シャルア移行期政権の許可が得られなかったため帰還したと発表(2025年8月18日)

ANHAによると、北・東シリア地方民主自治局は、ハマー県、ラタキア県での森林火災の消火活動のために派遣準備が完了していた消防隊について、アフマド・シャルア移行期政権の許可が得られなかったため、ラッカ県タブカ市に帰還したと発表した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサーイシュの検問所がハサカ県とダイル・ザウル県でダーイシュの攻撃を受ける(2025年8月18日)

ハサカ県では、ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)は、タッル・ハミース市近郊内の検問所の一つがテロリストの攻撃を受けたと発表した。

**

ダイル・ザウル県では、ANHAによると、アサーイシュはスブハ村にある検問所を襲撃を受けたと発表した。

**

シリア人権監視団によると、いずれの攻撃もダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルによる犯行。

(C)青山弘之 All rights reserved.

失踪者国民機構:これまでに63ヵ所の集団墓地が確認され、1970年から現在に至るまでの失踪者数は12万~30万人(2025年8月18日)

SANAによると、失踪者国民機構のムハンマド・リダー・ジャルヒー代表は、これまでに63ヵ所の集団墓地が確認され、1970年から現在に至るまでの失踪者数は12万~30万人と推定されると発表した。

スワイダー県では、シャルア移行期政権に属する部隊がマジュダル村、アリーカ村、イラー村を攻撃(2025年8月19日)

SANAによると、シリア・アラブ赤新月社の救援・食糧支援の車列がスワイダー県に向かった。

**

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア移行期政権に属する部隊が、マズラア町にある拠点からRPG砲弾を発射し、マジュダル村とアリーカ村を攻撃した。

また、シリア人権監視団によると、シャルア移行期政権の部隊がイラー村にある民家を重機関銃で攻撃した。

**

外務在外居住者省は、フェイスブックを通じて、同省が国連シリアの幹部らと会合を開催した。

外務在外居住者省側は、会合において、南部諸県、とりわけスワイダー県とダルアー県で被害を受けた人々への人道的対応を強化し、調整や計画立案の仕組みの柔軟性を高めるとともに、支援国との連携を強化して、人道支援プログラムに向けた資金の拡大を目指すよう呼びかけた。

また、国連世界食糧計画(WFP)の包括的食料配給システム導入に向けた取り組みを高く評価した。

さらに、現地ニーズに関する報告書を迅速に発表することの重要性を強調し、それが必要な資金調達を円滑化し、人道的ニーズの増大に応えるために役立つと指摘した。

同時に、こうした報告書が不在であっても、人道活動の継続を妨げるべきではないとし、現場で確認された大きなニーズの格差を踏まえた対応の必要性を訴えた。

加えて、アフマド・シャルア移行期政権は南部の危機発生以来、人道支援の受け入れにいかなる制限も設けていないと改めて確認した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スワイダー県でインターネットが利用不能となる一方、スマイド村とハルサー村に対して激しい機関銃掃射(2025年8月18日)

SANAによると、スワイダー県の危機解決に向けた住民イニシアティブ委員会のムティーウ・バティーン委員長は、首都ダマスカスで記者会見を開き、包括的な愛国的言説の強化とあらゆる宗派的扇動の排除の必要性を強調し、このイニシアティブに対してシリア社会のさまざまな構成体から幅広い反応が得られていることを明らかにした。

また、このイニシアティブが対話と開放性の重要性、そして一つの祖国に生きる国民を結びつける本来のシリア的価値への回帰を訴えるものであると述べた。

**

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、18日早朝より県内各所でインターネットが利用不能となる一方、スマイド村とハルサー村に対して激しい機関銃掃射が行われた。

**

スワイダー24によると、地元統計によると、7月14日のアフマド・シャルア移行期政権の国防省・内務省の合同部隊の侵攻開始以来、約450人が行方不明となった。

スワイダー県の高等法務委員会が作成した名簿には、230人(うち女性17人、子ども8人)の行方不明者が記録されている一方、スワイダー県法医学局には170件の失踪届があり、遺体安置所で身元確認が行われ、一部の家族が遺体を特定したという。

総合的に見積もると、行方不明者は少なくとも450人に上り、うち60人が女性、20人が子どもで、その多くが依然として消息不明だという。

(C)青山弘之 All rights reserved.