アル・モニター:米国がシャルア暫定大統領、ハッターブ内務大臣、そしてシャーム解放機構を、国連安保理のテロリスト指定リストから除外するよう圧力(2025年8月5日)

アル・モニターは、匿名の外交筋から得た情報として、米国がアフマド・シャルア暫定大統領、アナス・ハッターブ内務大臣、そしてシャーム解放機構を、国連安保理のテロリスト指定リストから除外するよう働きかけていると伝えた。

米国は、シャルア暫定大統領が9月にニューヨークで開催予定の国連総会に出席し、演説を行うことを見越して、英国やフランスに対し、シャルア暫定大統領、ハッターブ内務大臣を国連のテロ対策制裁リストから削除するよう求める決議案の草案を配布したという。

同サイトによると、当初の草案では、シャーム解放機構自体のテロ指定の解除も含まれていたが、中国をはじめとする安保理メンバーの強い反発が予想されたため、米国はこの項目を削除し、国連制裁委員会による非公開審査のかたちで同機構の指定解除を模索する方針に切り替えたという。

シャーム解放機構の制裁解除に対する最大の障害は中国であり、同国はトルキスタン・イスラーム党に所属するウイグル人戦闘員がシリア軍に統合されていることに懸念を示している。

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レバノンの内閣は「ハーフィズ・アサド大通り」を「ズィヤード・ラフバーニ大通り」へと変更することを承認(2025年8月5日)

エル・ナシュラによると、ポール・マルクス情報大臣は、ジョゼフ・アウン大統領が議長を務めた大統領官邸でのナウワーフ・サラーム内閣の閣議で、アウン大統領の提案により、ラフィーク・ハリーリー国際空港とサリーム・サラーム・トンネルを結ぶ「ハーフィズ・アサド大通り」を、7月26日に亡くなった作曲家でフェイルーズの息子の名前をとって、「ズィヤード・ラフバーニ大通り」へと変更することを承認、内務地方行政大臣に対して必要な手続きが指示されたことを明らかにした。

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北・東シリア地域民主自治局支配下のダイル・ザウル県でダーイシュによるシリア民主軍への攻撃が多発(2025年8月5日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シュハイル村で男性1人がオートバイに乗った武装した2人組によって銃撃され、死亡した。

また、シリア人権監視団によると、アブリーハ村では、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがあると見られる武装グループが北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)の軍用車輌を機関銃で襲撃し、要員3人を負傷させた。

さらに、シリア人権監視団によると、ジュナイナ村で、ダーイシュとつながりあると思われる武装グループがシリア民主軍の軍用車輌を狙って即席爆弾を爆発させ、兵士1人を負傷させた。

加えて、シリア人権監視団によると、キバル村とジャズラート村を結ぶ街道を移動中の石油トレーラーがダーイシュの襲撃を受けた。

なお、ダーイシュのスリーパーセルによる北・東シリア地域民主自治局支配地内での攻撃は2025年に入って146件発生しており、78人が死亡している。

死者の内訳は以下の通り。

・60人(うち41人がシリア民主軍および協力部隊の兵士)
・ダーイシュ・メンバー:8人
・民間人:10人
・シリア民主軍の協力者:1人

攻撃の件別内訳と死傷者は以下の通り:
■ダイル・ザウル県(124件)
・死者:42人(シリア民主軍および協力部隊の兵士28人、ダーイシュ・メンバー3人、民間人10人、シリア民主軍の協力者1人)
・負傷者:37人(うちアサーイシュ5人、女性1人、ダーイシュ・メンバー1人)
■ハサカ県(12件)
・死者:12人(ダーイシュ・メンバー4人、内務治安部隊7人、シリア民主軍1人)
・負傷者:2人
■ラッカ県(10件):
・死者6人(シリア民主軍および協力部隊の兵士5人、ダーイシュ・メンバー1人)
・負傷者11人

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イスラエル軍はクナイトラ県で民家2棟を取り壊し、ダルアー県で民家に対して捜索を実施(2025年8月5日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍はカフターニーヤ村で民家2棟を取り壊した。

イスラエルが同地域に約2年前から建設を進めている軍事拠点に近接していることを理由と見られる。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍がマアリーヤ村に侵入し、民間人の住宅約10棟に対して捜索を行った。

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イドリブ市では、両替店や為替取引会社の経営者らが、中央銀行傘下の司法警察による闇両替や不正送金に対する取り締まり措置に抗議しデモを実施(2025年8月5日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イドリブ市では、両替店や為替取引会社の経営者らが、中央銀行傘下の司法警察による闇両替や不正送金に対する取り締まり措置に抗議し、デモを実施した。

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タルトゥース県とラタキア県で、シリア人権監視団によると、農業技師らが両県の農業局前で抗議集会を実施し、2024年4月3日付で発令された異動決定第292号が未だ履行されておらず、復職できていないことに対して不満を表明した。

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スワイダー県での7月13日以降の武力衝突、処刑、イスラエル軍の爆撃などによる死者数は1,531人に(2025年8月5日)

シリア人権監視団は、スワイダー県で新たに14人の民間人の死亡を確認、7月13日以降の武力衝突、処刑、イスラエル軍の爆撃などによる死者数が1,531人に達したと発表した。

内訳は以下の通り。

・スワイダー県出身者:722人(民間人166人、うち子供21人、女性56人を含む)
・国防省・治安当局関係者:474人(うち40人はベドウィン部族出身、レバノン国籍の武装者1人含む)
・国防省・内務省の要員:15人(イスラエル爆撃により死亡)
・国防省庁舎の爆撃による死亡者:3人(うち女性1人、身元不明の2人)
・ジャーナリスト:2人(スワイダー県での戦闘中に死亡)
・国防省・内務省の要員に処刑された者:312人(女性19人、子供10人、高齢男性1人を含む)
・ドゥルーズ派武装勢力によって処刑されたベドウィン部族出身者:3人(女性1人と子供1人を含む)

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ヒムス県でアラウィー派の少女2人が殺害される:ハマー県では治安当局が武器の捜索を口実に住民に「税金」の支払いを強要(2025年8月5日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、カニーヤト・アースィー村で武装した2人組が民家を襲撃、アラウィー派の少女2人が殺害され、その妹が重傷を負った。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア暫定政権の治安当局がブスターン・ファンダーラ村で武器の捜索を名目とした大規模な家宅捜索を実施し、住民6名を逮捕した。

関係筋によれば、当局は村の住民らに対して3日間の猶予を与え、銃器1丁を提出するか、10万シリア・ポンドを「税金」として支払うよう求めており、この猶予期間を過ぎてもいずれの選択にも応じなかった場合、「外国人部隊を投入し、広範な治安作戦を実施する」と脅しているという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市サラーフッディーン地区で、前政権下で人民議会の議員を務めていた男性が何者かによって至近距離から銃撃され、死亡した。

また、市内の別の場所では、前政権の軍事情報局に勤務していた男性が銃撃され、即死した。

さらに、サラーフッディーン地区では、若い男性が、武装グループよって殺害された。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、カルダーハ市近郊に設置されている検問所に対して、男が手榴弾を投げつけ、内務省総合治安局の隊員1人と身元不明者1人が死亡、隊員1人が重傷を負った。

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シリア民主軍のアブディー総司令官:「「ロジャヴァ・クルディスタンにおけるクルドの統一と立場の一致に関する会議(コンファレンス)」における決定事項が、アフマド・シャルア暫定政権のとの協議にかけられる予定である」(2025年8月5日)

ANHAは、シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官のインタビューの続編を配信した。

アブディー総司令官は、インタビューのなかで、「ロジャヴァ・クルディスタンにおけるクルドの統一と立場の一致に関する会議(コンファレンス)」における決定事項が、アフマド・シャルア暫定政権のとの協議にかけられる予定であると述べた。

北・東シリア地域民主自治局とシャルア機構期政権との会合が7月25日にパリで開催される予定だったが、直前に延期されたことについて、フランスのジャン=ノエル・バロ外務大臣とトーマス・バッラク在トルコ米大使兼務シリア担当特使から、シャルア移行期政権がスワイダー県での問題への対処で多忙であるため延期されたとの説明を受けたことを明らかにしたうえで、会議の日程の再調整が完了し、北・東シリアに関する行政上の問題(国境管理、石油、シリア民主軍の統合など)や、移行期政権への参加、人民議会選挙、憲法起草、教育制度などが議論されることになると述べた。

トルコとの関係については、相対的な停戦状態を持続可能なものとしつつ、北部の占領地からトルコ軍の撤退などを含め、全面的な問題解決を追求していると述べた。

ダーイシュ(イスラーム国)との戦いについては、有志連合を主導する米国がシャルア移行期政権との共同作戦体制の構築を目指しているとしたうえで、この共同戦線に真摯に対応し、経験を共有する用意があると述べた。

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シャルア暫定大統領は英国家安全保障顧問のジョナサン・パウエル氏と会談:英政府はシリア南部での暴力の被害者への総額170万ポンドの緊急援助を発表(2025年8月5日)

SANAによると、アフマド・シャルア暫定大統領は、英国家安全保障顧問のジョナサン・パウエル氏と会談、二国間関係を強化する方策や、現在の地域・国際情勢について協議した。

会談には、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣、フサイン・サラーマ総合情報機関長官が同席した。

シャルア暫定大統領は、会談で、地域の安全と安定を支える誠実なあらゆるイニシアチブに対して、シリアは開かれていると強調した。

ただし、それらのイニシアチブはシリアの主権と独立した国家意思を尊重するものでなければならないと付言した。

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英国政府は、声明を出し、シリア南部で発生した最近の暴力によって被災した人々への緊急支援として、人道支援パッケージを提供すると発表した。

この支援には、避難民を含む被災者に対して緊急医療サービスを提供する移動医療チームの派遣、医薬品や外傷治療用機器の医療施設への供給、妊婦や新生児のための支援、さらに食料・清潔な水・衛生および公衆衛生用品の提供が含まれる。

総額170万ポンドにおよぶこの支援は、英国が国連人口基金(UNFPA)、インターナショナル・メディカル・コープス(IMC)、およびシリア国内の現地組織と連携し、「シリア援助基金(AFS)」を通じて実施される。

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外務在外居住者省は、フェイスブックを通じて、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣が、ステファニー・マコルム駐レバノン・カナダ大使と会談、両国間の二国間関係と、共通の関心事項に関する連携の強化について協議が行われた。

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