アフマド・ムワッファク・ザイダーン大統領府報道顧問はシリア・ムスリム同胞団に解散を呼びかける(2025年8月22日)

アフマド・ムワッファク・ザイダーン大統領府報道顧問は、ジャズィーラ・チャンネルの公式サイトにコラムを寄稿し、シリア・ムスリム同胞団に対して、組織を解散するよう呼びかけ、そのことがシリアの国益につながり、国民の政府活動への参加を促し、国の発展に資すると主張した。

ザイダーン顧問は、コラムのなかで、自らの主張を「個人的な信念に基づくもので、大統領顧問という職務上の立場からではない」ことを強調した。

ザイダーン顧問は、「政治家が時代の発展や変化に適応することが重要であり、そうでなければ時代遅れになる」と述べ、自身が若い頃にシリア・ムスリム同胞団に属し、第2代の最高監督者(その後同胞団を離反)イサーム・アッタール氏の思想を信奉していることを明らかにした。

そのうえで、シリア・ムスリム同胞団に対して、シリア革命反体制勢力国民連立(シリア国民連合)、シリア・イスラーム評議会などと同じく、「体制後に自ら解散した政治・社会組織と同じ道を歩むべきだ」と訴えた。

イナブ・バラディーが8月29日に伝えたところによると、ザイダーン顧問のコラムに対して、シリア・ムスリム同胞団は公式の反応はしていないが、政治局員のサミール・アブー・ラバン氏は、「ザイダーン氏の意見は個人的なもので、組織は通常このような私見に対してメディアで応答しない」とコメントした。

これに対し、元幹部のズハイル・サーリム氏は、8月24日に同胞団の公式サイトに論説を寄稿、そのなかで「我々は政党ではなく、政党になることもない、政治が我々の宗教の核心にあるとしても」と述べた。

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ロイター通信:シャルア移行期政権は12月にロシアの国営印刷会社製の新紙幣を発行し、これと併せて2桁の切り下げデノミネーションを実施する計画(2025年8月22日)

ロイター通信は、シリア情勢に詳しい7人の情報筋や文書に基づき、アフマド・シャルア移行期政権が12月に新しい紙幣を発行し、これと併せて2桁の切り下げデノミネーションを実施する計画だと伝えた。

2人の銀行関係者と別の1人のシリア筋によると、シリアはロシア国営の印刷会社ゴズナクと新紙幣印刷の契約を結び、7月下旬にシリア高官代表団がモスクワを訪れた際に最終合意に達したという。

ゴズナクはアサド政権時代にも紙幣を印刷していた。

発行スケジュールと準備状況は以下の通りだという。
・12月8日:アサド失脚1周年に合わせ新紙幣発行開始
・10月中旬:民間銀行に準備を指示
・2026年12月8日まで:旧紙幣と新紙幣を併用

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北・東シリア地域民主自治局の交渉団メンバーのバルスーム氏:移行期政権との機関統合は「ダマスカスの対応する機関と連携することを意味し、それ自体を解体することではない」(2025年8月22日)

北・東シリア地域民主自治局の交渉団のメンバーで、アフマド・シャルア移行期政権との交渉にあたっていたサンハリーブ・バルスーム氏は、ルダウのインタビューに応じ、「これまでの交渉ラウンドで明らかになったのは、ダマスカスがすべての民間・治安・軍事機関を解体したいという意向を持っていることだ」としたうえで、「われわれには別の解釈がある。この点こそが重要かつ根本的であり、依然として意見の相違がある」と述べた。

また、移行期政権との機関統合という3月10日の合意について、「ダマスカスの対応する機関と連携することを意味し、それ自体を解体することではない」と述べた。

また、「我々が求める分権と、ダマスカスが望む分権との間には隔たりがある。我々は中央集権制と、旧アサド体制下の法律第107号を通じて採用されていた行政的地方分権を拒否する。なぜならそれは権限が極めて限定的で、多くの中央からの干渉を受けていたからだ」と述べ、「われわれは、北東シリアと、権限を持ちたいと望む他の地域のすべての人々の願望を満たす、新しいモデルを作り出したいと考えている。地域が自らの事柄を管理し、代表を選び、ダマスカスからの干渉や任命の押し付けを受けない仕組みだ」と強調した。

一方、シャルア移行期政権との交渉の行方については、移行期政権側がパリでの交渉ラウンドを拒否したことで停止していることを明らかにした。

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米中央軍:イドリブ県アティマ村でダーイシュ幹部を殺害(2025年8月22日)

米中央軍(CENTCOM)は、Xを通じて声明を発表し、8月19日にイドリブ県アティマ村で急襲作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム)の幹部で、主要な資金提供者を殺害したと発表した。

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外務在外居住者省はイスラエルとの米国での安全保障協定の締結についての情報を否定:ドゥルーズ派活動家は協定でスワイダー県の完全自治が保障されると主張(2025年8月22日)

イナブ・バラディーによると、外務在外居住者省のクタイバ・イドリビー米局長は、アフマド・シャルア暫定大統領が9月のニューヨークでの国連総会出席に合わせて、米国の仲介のもとにイスラエルとの安全保障協定を締結するとの報道について、演説を行うことを確認しつつ、協定締結については否定した。

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ドゥルーズ派の活動家で作家のマーヒル・シャラフッディーン氏は、Xを通じて、9月にシャルア暫定大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が米国で締結するとの情報が流れている安全保障協定が定めるスワイダー県の地位について以下の通りつづった。

協定に含まれる主な内容
・スワイダー県に完全な自治権を付与:その代わりに分離独立の要求を放棄。
・独自の治安機関の設立:ダマスカス政府の関与なしに、住民が自らの治安機関を設立。
・経済取引の自由化:スワイダー県がアメリカおよびイスラエル企業と投資・公共サービス(特に電力)に関する契約を締結可能。
・恒久的な陸上回廊の設置:イスラエル在住のドゥルーズ派とスワイダーのドゥルーズ派の間の往来を確保。
・シャルア移行期政権側の追加要求:スワイダー県内の一部国境村落に治安部隊を駐留させ、部族の襲撃を抑止するとの名目で交渉中だが、この記事執筆時点では拒否されている。

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イスラエル軍部隊がクナイトラ県ブライカ村に一時的に侵入、臨時の検問所を設置(2025年8月22日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、HMMWV型車輛3台を含む5台の車輛からなるイスラエル軍部隊がブライカ村に一時的に侵入、臨時の検問所を設置し、道路を通行する複数の住民を停止させ、身分証を確認し写真を撮影した。

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シャルア移行期政権の内務治安部隊がダーイシュ(イスラーム国)の元メンバーで、シリア北部からダイル・ザウル県に移動し、勢力拡大を企図していたアーミル・アミーン・アッサーフ容疑者を逮捕(2025年8月22日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア移行期政権の内務省内務治安部隊がダーイシュ(イスラーム国)の元メンバーで、長年にわたって武装活動や犯罪に関与してきたアーミル・アミーン・アッサーフ容疑者を、ダイル・ザウル東部マヤーディーン郊外のアル=クーリヤ町で逮捕した。

アッサーフ容疑者は、2014年からダーイシュのメンバーとして、シュアイタート部族に対して行った戦闘に直接参加していた。

2017年にダーイシュが弱体化を始めると、トルコ占領下のシリア北部へ逃亡し、東部軍のメンバーとなり、アレッポ県アウン・ダーダート村の通行所を経由した密輸に関与、ジャラーブルス地区の憲兵隊長に就任して以降は、市民からの金品強奪や恐喝にも関与、2019年の「平和の泉」作戦に際しては、混乱を利用して数千ドル規模の略奪で巨額の資金を得たとされる。

シャーム解放機構を主体とする反体制派が2024年11月末に「攻撃抑止」の戦いを開始すると、アッサーフ容疑者は、自身の部隊とともにダイル・ザウル県に移動し、クーリーヤ市一帯地域の高官を自称、前科者や麻薬常習者、旧シリア軍の兵士らを部隊に取り込み、勢力を拡大しようとしていた。

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ダイル・ザウル県では、内務省によると、内務治安部隊がマヤーディーン市で発生したダーイシュ(イスラーム国)の残党2人によるテロ攻撃の試みを阻止した。

2人のうち、1人は治安拠点を狙って自爆ベルトで自爆を試み、もう1人は武装し、治安部隊員への攻撃を企て、内務治安部隊は戦闘の末2人を制圧したが、この際隊員1人が死亡した。

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ハマー県ビーヤ村近郊でアラウィー派の若い男性2人が正体不明の武装グループに銃撃され死亡:アサド政権が崩壊した2024年12月8日以降シリア国内で1,131件の殺人が記録される、うち601件は宗派的な背景による殺人(2025年8月22日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ランクース市で、内務省内務治安部隊の要員が武装グループによる銃撃を受け、死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、カフルラーター村で正体不明の武装グループが若い男性に発砲し、殺害した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ビーヤ村近郊でアラウィー派の若い男性2人が正体不明の武装グループに銃撃され、死亡した。

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ラタキア県では、内務省によると、内務治安部隊が、対テロ部門とともに精密治安作戦を実施し、違法な武装グループのメンバーの1人ムハンマド・シャフィーク・シャムラス容疑者を逮捕した。

シャムラス容疑者は、治安部隊員を標的とした暗殺事件に関与していただけでなく、国防省の拠点を狙ったテロ攻撃にも参加していたという。

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シリア人権監視団は、アサド政権が崩壊した2024年12月8日から2025年8月22日までの期間に、シリア国内で1,131件の殺人が記録され、そのうち601件は宗派的な背景によるものだと発表した。

宗派的な背景による殺人は、ヒムス県、ハマー県、ラタキア県といった宗派構成が複雑な地域で多発している。

月別の犠牲者数の内訳は以下の通り。

・2024年12月8日~12月末:160人(うち35件が宗派的背景による殺害)
・2025年1月:194人(うち84件が宗派的背景)
・2025年2月:113人(うち34件が宗派的背景)
・2025年3月:144人(うち68件が宗派的背景)
・2025年4月:137人(うち92件が宗派的背景)
・2025年5月:110人(うち59件が宗派的背景)
・2025年6月:105人(うち55件が宗派的背景)
・2025年7月:92人(うち48件が宗派的背景)
・2025年8月:76人(うち39件が宗派的背景)

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ダルアー県のブスラー・シャーム市とキヒール村を結ぶ街道で武装グループに拉致されていた女性7人と子ども2人が解放される(2025年8月22日)

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、約50トンの小麦粉と各種の基本食料品を積載した貨物車輛6台からなる車列がスワイダー市に到着した。

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シリア人権監視団によると、県西部のハルサー村とスマイド村が砲撃と無差別な射撃を受けた。

また、ワキム村では民家が放火される事件も発生した。

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スワイダー24シリア人権監視団イフバーリーヤ・チャンネルによると、ダルアー県のブスラー・シャーム市とキヒール村を結ぶ街道で武装グループに拉致されていた女性7人と子ども2人が解放された。

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アサーイシュはハサカ市近郊でダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルの指導者を殺害(2025年8月22日)

ハサカ県では、ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局ジャズィーラ地区の内務委員会は、ハサカ市の刑務所で発生した騒乱扇動と脱走未遂に対し、内務治安部隊(アサーイシュ)が迅速に介入し、完全に制圧したと発表した。

また、ANHAによると、アサーイシュは、ハサカ市近郊の村で、過去に民間人や治安部隊に対して攻撃を行っていたダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルの指導者を殺害した。

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エネルギー省はトルコのナッカーシュ・ホールディング社とガス供給に関する協定を締結(2025年8月22日)

SANAによると、非常事態災害省のムニール・ムスタファー民間防衛総局長を団長とする代表団がレバノンを訪問し、レバノン軍ルドルフ・ハイカル司令官(中将)と会談、7月のラタキア県での森林火災の消火活動へのレバノン軍の支援に謝意を示した。

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SANAによると、エネルギー省のギヤース・ディヤーブ副大臣兼石油総局は、トルコのナッカーシュ・ホールディング社とガス供給に関する協定を締結した。

協定は、シリアに1日あたり160万立方メートルのガスを供給することを定めている。

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