アレッポ県では、イナブ・バラディー(11月27日付)などによると、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)など「決戦」作戦司令室諸派は、「攻撃抑止」の戦いと銘打った大規模軍事作戦を開始し、県西部のシリア政府支配地に進攻した。
イナブ・バラディーによると、「攻撃抑止」の戦い司令局はハサン・アブドゥルガニーが司令官を務めるが、参加している組織の詳細は不明。
「攻撃抑止」の戦い作戦司令局の発表によると、これにより、アレッポ県西部の第46中隊基地および17町村(アンジャーラ村、カブターン・ジャバル村、シャイフ・アキール村、バーラー村、ハイル・ダルカル村、サッルーム村、マアリー協会、カースィミーヤ村、カフルバスィーン村、フール村、アージル村など)、総面積140平方キロメートルの地域を制圧、シリア軍兵士40人以上を殺害、第46中隊基地前線で兵士5人を捕捉、BMP-1歩兵戦闘車、重火器、弾薬などを捕獲した。
また「決戦」作戦司令室によると、シリア軍兵士25人を殺害、カブターン・ジャバル村の迫撃砲台3ヵ所を制圧、シャイフ・アキール村一帯で戦車2輌を捕捉、アウラム・スグラー村の第2技師地区で戦車1輌を破壊した。
一方、ANHA(11月27日付)によると、シャーム解放機構は、シーア派住民が多く住む県北部のヌッブル市、ザフラー町を砲撃した。
シリア人権監視団によると、シャーム解放機構はまた、トルコ占領下の「オリーブの枝」地域と支配地を結ぶガザーウィヤ村の通行所を閉鎖した。
同監視団によると、「攻撃抑止」の戦い作戦司令局は、アウラム・クブラー町、アンジャーラ村、アウラム・スグラー村、シャイフ・アキール村、バーラー村、アージル村、ウワイジル村、フータ村、タッル・ダブア村、ザアタリー工場、ハイル・ダルカル村、カブターン・ジャバル村、サッルーム村、マアリー協会、サアディーヤ協会、カースィミーヤ村、カフルバスィーン村、フール村、アズナーズ村、バスラトゥーン村など21町村を制圧した。
また、この戦闘でシリア軍37人(士官4人を含む)、シャーム解放機構の戦闘員44人、国民解放戦線の戦闘員16人(シャーム軍団の戦闘員2人、北部の嵐旅団の戦闘員3人、ヌールッディーン・ザンキー運動の戦闘員1人を含む)が死亡、シリア軍兵士5人が捕捉された。
さらに、シリア軍の砲撃により、バービスカー村近くのIDPsキャンプで子ども1人が死亡、子ども2人が負傷、またダーラト・イッザ市で子ども1人が負傷、アターリブ市で子ども5人を含む11人が負傷、イドリブ県サルミーン市で女性1人が負傷した。
イナブ・バラディー、シャームFM(11月27日付)などによると、「攻撃抑止」の戦い開始を受けて、シリア軍はシャーム解放機構の支配下にあるダーラト・イッザ市、カフル・アンマ村、カフル・タアール村、アブザムー村、カスル村、ワザータ村、アターリブ市を砲撃した。
また、シリア軍とロシア軍の戦闘機がダーラト・イッザ市にある反体制武装集団の拠点複数ヵ所を爆撃した。
「80監視団アブー・アミーン」はテレグラム(https://t.me/syrianevent1/)を通じて、ラタキア県のフマイミーム航空基地、ダマスカス郊外県のスィーン航空機、ヒムス県のT4航空基地、アレッポ県のクワイリース航空機に配備されているシリア軍とロシア軍のSu-34戦闘機、Su-24戦闘機がダーラト・イッザ市、カフル・タアール村、アブザムー村、カフル・アンマ村、アターリブ市東方などを爆撃したと発表した。
シリア人権監視団によると、シリア軍はワサータ村に4回、ダーラト・イッザ市一帯(第111中隊基地一帯)に4回、ロシア軍はダーラト・イッザ市一帯に3回、カブターン・ジャバル村一帯に6回、カフル・タアール村一帯に4回、イドリブ県のタフタナーズ市近郊に1回の爆撃を行った。
シリア対応調整者がフェイスブック(https://www.facebook.com/humanitarianresponse1/)を通じて発表したところによると、シリア軍の砲撃を避けて、735世帯、約8,000人が避難した。
また、シャーム解放機構が支配地の自治(行政)を委託しているシリア救国内閣の教育省は、学校、大学を休校すると発表した。
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イドリブ県では、イナブ・バラディー(11月27日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ市東部の複数ヵ所(工業地区など)、サルマダー市、カンスフラ村、サルミーン市、クマイナース村を砲撃した。
ホワイト・ヘルメットによると、シリア軍はまた、県北部の国内避難民(IDPs)キャンプ複数ヵ所をクラスター弾で爆撃、子ども1人が死亡、子ども3人と女性2人が負傷した。
ارتفاع حصيلة ضحايا قصف قوات النظام وروسيا بصواريخ تحمل قنابل عنقودية على مخيم القرى (وادي عباس) بالقرب من بابسقا وباب الهوى شمالي #إدلب، اليوم الأربعاء 27 تشرين الثاني، لمقتل طفل وإصابة 5 مدنيين (3 أطفال وامرأتان) بجروح منها بليغة.#الخوذ_البيضاء
— الدفاع المدني السوري (@SyriaCivilDefe) November 27, 2024
さらに、サルミーン村に対する砲撃では、2人が負傷した。
إصابة امرأتين تعملان بجني الزيتون بجروح، إثر قصف مدفعي لقوات النظام استهدف بالقرب من معصرة زيتون في مدينة سرمين شرقي #إدلب، اليوم الأربعاء 27 تشرين الثاني، فرقنا تفقدت المكان وتأكدت من عدم مصابين آخرين. #الخوذ_البيضاء pic.twitter.com/lsGIQDpTO2
— الدفاع المدني السوري (@SyriaCivilDefe) November 27, 2024
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ハマー県では、イナブ・バラディー(11月27日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるカルクール村、ハラビー村を砲撃した。
AFP, November 27, 2024、ANHA, November 27, 2024、‘Inab Baladi, November 27, 2024、Reuters, November 27, 2024、SANA, November 27, 2024、Sham FM, November 27, 2024、SOHR, November 27, 2024などをもとに作成。
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