トランプ米政権の高官:「我々はシャルア暫定大統領が過激派を政権から一掃したことを証明するまでは、シリアに対して非常に慎重に対応を続けている」(2025年4月17日)

『ワシントン・ポスト』は、ドナルド・トランプ米政権の高官が、「我々はアフマド・シャルア(暫定大統領)が過激派を政権から一掃したことを証明するまでは、シリアに対して非常に慎重に対応を続けている」と述べたと伝えた。

この高官はまた、以下の通り述べた。

シリア国内のさまざまな少数派を統合する能力があることを示さなければならない。
我々の目的は、イランやダーイシュ(イスラーム国)がシリアに再び戻ることを阻止することにある。

この米国高官は、2月にアスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣に対して、制裁を一部解除する以下8つの条件を記したリストを手渡した人物だという。

  1. 専門的な軍隊を創設すること、および外国人戦闘員を重要な指導的ポストに就けないこと。
  2. すべての化学兵器関連施設およびその計画に完全アクセスを提供すること。
  3. 米国人行方不明者(オースティン・タイス記者を含む)に関する調査委員会を設置すること。
  4. 北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるフール・キャンプ(ハサカ県)に収容されているダーイシュ(イスラーム国)戦闘員の家族を引き渡すこと。
  5. ダーイシュとの戦いにおいて有志連合と協力すること。
  6. 米国が国家安全保障上の脅威とみなす人物に対し、シリア国内で「対テロ作戦」を実施することを許可すること。
  7. シリア国内におけるすべてのパレスチナ民兵組織および政治活動を公的に禁止する声明を出し、構成員を国外追放すること。
  8. イランの軍事的プレゼンスを阻止し、イラン革命防衛隊を「テロ組織」に指定すること。

トランプ政権はまたこの時、シャルア暫定政権に対して、すべてのパレスチナ系武装組織および関連する政治活動の禁止を公に宣言するよう求め、そのメンバーらを国外に追放するよう要求したという。

さらに、シャルア暫定政権に対して、ダーイシュに対する「テロとの戦い」への支持を表明するよう要請した。

同高官によると、米国は、シャルア移行期政権には言葉ではなく行動を期待しているが、明確な対シリア政策が存在していないとも認めた。

だが、憲法宣言については「見た目だけ美しく包装されたイスラーム法に過ぎない」と否定的な見方を示したという。

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