『イスラエル・ハヨム』によると、イスラエル国家安全保障会議(NSC)のツァヒ・ハネグビ議長は、同国とアフマド・シャルア移行期政権との間で直接的かつ継続的な対話が行われていることを、クネセト(イスラエル国会)の外交・防衛委員会の非公開会合で明らかにした。
ハネグビ議長は、これまで伝えられていた間接的な交渉とは異なり、自身が安全保障・政治の両分野での調整を直接監督しており、包括的な政府間接触が確立されつつあると述べた。
ハネグビ議長はさらに、アブラハム合意を前提とする今後の正常化候補国として、シリアおよびレバノンの名を挙げた。
ハネグビ議長によると、シャルア暫定大統領は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領に対して「イスラエルとの関係は間接的な対話に限る」と述べたとされているが、実際には「政府全体のあらゆるレベルで毎日直接的な対話が行われており、私自身が彼らの政治代表と協議している」と明言、「イランをめぐる問題を中心に、イスラエルとシリアには多くの共通の利益がある」と語った。
また、イスラエルが現在占拠しているシリア側の緩衝地帯からの撤退の可能性について問われると、「正常化が達成されれば、それを検討する用意がある」と柔軟な姿勢を示した。
一方で、2014年にシャルア暫定大統領(当事はシャームの民のヌスラ戦線のムハンマド・アブー・ジャウラーニーを名乗る)が「来年はダマスカス、そしてその次はエルサレムへ」と発言していた点については、「彼の政治的成長と経験を注視している」と述べ、評価が継続中であることを明らかにした。
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