イスラエルのネタニヤフ首相は同国のドゥルーズ派に自制を求める(2025年7月16日)

 イナブ・バラディーによると、イスラエルにおけるドゥルーズ派の最高宗教指導者のムワッファク・タリーフ師は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相およびイスラエル・カッツ国防相に対し、「シリアのドゥルーズ派を保護するという約束を果たす」よう求める声明を発表した。

**

ズマン・イスラエルによると、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はビデオ声明を出し、ドゥルーズ派を救うためにイスラエル軍が行動していると述べ、イスラエル国内のドゥルーズ派に対し、シリアとの国境を越えないよう強く呼びかけた。

ネタニヤフ首相の発言は次の通り。

私の兄弟たるイスラエル国民であるドゥルーズ派の皆さん。スワイダー県の状況、そしてシリア南西部の状況は極めて深刻だ。
イスラエル軍は行動している。空軍も、その他の部隊も行動している。我々は、ドゥルーズ派の兄弟たちを救い、政権側の武装集団を排除するために行動している。
皆さんにひとつお願いがある。あなたたちはイスラエルの市民だ。どうか国境を越えないで欲しい。
命の危険がある。殺害される恐れも、誘拐される恐れもある。イスラエル軍の作戦にも悪い影響を与える。どうか家に戻って欲しい。イスラエル軍に任せて欲しい。

**

イスラエル軍ラジオ局のドロン・カドシュ記者(首都ダマスカスへのイスラエル軍の爆撃について伝えていた記者)は、Xを通じて、イスラエル軍がはイスラエル・シリア国境に新たに2個中隊を追加配備したと綴った。

これは、イスラエル国内のドゥルーズ派がシリア側への越境を試みる可能性が高まっていることを受けた措置だという。

(C)青山弘之 All rights reserved.