Watan FM(8月21日付)は、ノルウェーの首都オスロで、シリア政府に近いビジネスマン、商人、反体制武装集団代表、シリア国内外の反体制活動家が非公式会合を開き、紛争の政治的解決などについての審議を開始したと報じた。
「オスロ会合」と称されるこの非公式会合は3日間の審議を予定しており、英国、ノルウェー、スウェーデンが開催を支援しているという。
会合には、反体制勢力の側から、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、クナイトラ県で武装活動をしているアンサール・イスラーム戦線、ハビーブ・ムスタファー、シリア解放戦線、シリア東部および北部で活動する武装集団の代表ら、シリア政府からはマルウィー・フアード女史(国連特使担当局長)が参加しているほか、政権、反体制勢力のいずれにも属さない「グレーゾーン」の要人も出席しているという。
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『ハヤート』(8月22日付)は、ダマスカス県カダム区およびアサーリー地区で発効した停戦合意(国民和解合意)の内容を明らかにした。
同報道によると、停戦合意は以下11項目などからなるという。
1. 当事者によるすべての発砲停止。
2. シリア軍のカダム区からの完全撤退。
3. カダム区入り口へのシリア軍の検問所の設置。
4. 民間人の帰宅を促すための道路の整備・清掃
5. 主要道路の再開。
6. ライフ・ライン、生活インフラの復旧。
7. カダム区、アサーリー地区での逮捕者、とりわけ女性と子供の釈放。
8. 「自由シリア軍」による武器携帯、自治運営、国家機関や公務員の保護。
9. カダム区、アサーリー地区の「自由シリア軍」400人からなる治安維持部隊の設置。
10. 治安維持部隊と軍による検問所の共同管理。
11. 負傷者の治療。
カダム区、アサーリー地区は、サハーバ大隊、カダム・ムジャーヒディーン、シャーム解放、シャームの民のヌスラ戦線などによって占拠されていた。
この停戦合意に、ヌスラ戦線は参加していないという。
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ダマスカス県では、SANA(8月21日付)によると、カダム区でシリア軍と反体制武装集団の間で「国民和解合意」(停戦合意)が発効したのを受け、同地区住民数十世帯が帰宅、またシリア軍が住民に支援物資を配給した。
AFP, August 21, 2014、AP, August 21, 2014、ARA News, August 21, 2014、Champress, August 21, 2014、al-Hayat, August 22, 2014、Kull-na Shuraka’, August 21, 2014、al-Mada Press, August 21, 2014、Naharnet, August 21, 2014、NNA, August 21, 2014、Reuters, August 21, 2014、SANA, August 21, 2014、UPI, August 21, 2014、Watan FM, August 21, 2014などをもとに作成。
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