イスラーム国をめぐる動き:ラッカでチェチェン人戦闘員ら38人処刑(2015年1月13日)

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(1月13日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタブカ市で、チェチェン人、アゼルバイジャン人戦闘員38人を、カリフを名のるアブー・バクル・バグダーディー氏に背いたとして処刑した。

この処刑に先立ち、同市では、チェチェン人、アゼルバイジャン人戦闘員とそれ以外の戦闘員との間で戦闘が発生していた。

チェチェン人、アゼルバイジャン人戦闘員はシリア人をイスラーム教徒とみなすことを拒否し、彼らから「ザカート」ではなく、「ジズヤ」を徴収すべきだと主張し、タブカ市で緊張が高まっていた。

これに対して、バグダーディー氏は、チェチェン人、アゼルバイジャン人戦闘員の処罰を指示したという。

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ダイル・ザウル県では、『ハヤート』(1月14日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市方面に増援部隊を派遣した。

現地の活動家らによると、増援部隊がダイル・ザウル航空基地に対するダーイシュの攻撃再開を意図したものかどうかはいまだ不明だという。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍はダイル・ザウル市中央広場一帯、ハウィーカ地区、アイヤーシュ村を空爆した。

マサール・プレス(1月13日付)によると、これに対し、ダーイシュは第137旅団基地周辺でシリア軍と交戦し、シリア軍兵士2人を殺害した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ市の治安厳戒地区、ハール市場で西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦、ダーイシュ戦闘員8人が死亡した。

またARA News(1月13日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊はマシュタ・ヌール地区で進軍を続け、ダーイシュ戦闘員7人を殺害した。

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ハサカ県では、SANA(1月13日付)によると、タッル・マジュダル村、マクラク・サディーク村、ハーウーズ村、タッル・ブラーク町、タッル・ハミース市、タッル・ガザール村、アブー・カサーイブ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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『ハヤート』(1月14日付)によると、米国など有志連合は、シリア領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して4回、イラク領内で7回の空爆を行った。

シリア領内の空爆のうち、3回はアレッポ県アイン・アラブ市一帯、のこる1回はダイル・ザウル県で行われた。

AFP, January 13, 2015、AP, January 13, 2015、ARA News, January 13, 2015、Champress, January 13, 2015、al-Hayat, January 14, 2015、Iraqi News, January 13, 2015、Kull-na Shuraka’, January 13, 2015、al-Mada Press, January 13, 2015、Masar Press Agency, January 13, 2015、Naharnet, January 13, 2015、NNA, January 13, 2015、Reuters, January 13, 2015、SANA, January 13, 2015、UPI, January 13, 2015などをもとに作成。

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