2014年2月3日のシリア情勢:国内の暴力

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(2月3日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が早朝、ラーイー村内の反体制武装集団の作戦司令室に対して自爆攻撃を行い侵攻、同市を制圧した。

自爆攻撃は、同市を拠点としていたタウヒード旅団との停戦交渉を行っていた戦闘員が、交渉の席上で敢行し、ファトフ旅団のアブドゥルムンイム・カルナディル司令官、タウヒード旅団のイマード・ディーマーン司令官ら14人を殺害し、一気に攻勢に出たという。

ラーイー村には、反体制武装集団の刑務所が設置され、「解放区」で捕らえられた犯罪者や政府軍の兵士らが投獄されていた。

またシリア人権監視団によると、軍ヘリコプターがアレッポ市各所やアレッポ中央刑務所周辺に「樽爆弾」多数を投下し、男性9人、子供5人、女性1人、身元不明者3人の合わせて18人が死亡した。

これに関して、シリア革命総合委員会は、とアレッポ市内の複数の病院が「救援の呼びかけ」を行っていると発表した。

また複数の消息筋によると、軍の攻撃と反体制武装集団との戦闘激化を受け、アレッポ市アシュラフィーヤ地区などの住民が避難を余儀なくされているという。

一方、SANA(2月3日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、クワイリス村、アルバイド村、マーイル町、ムスリミーヤ村、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、ナスルッラー村、ブラート村、アレッポ市ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、スッカリー地区、カルム・マイサル地区、マルジャ地区、サーリヒーン地区、アンサーリー地区、シャッアール地区、ジャズマーティー地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、反体制武装集団は市内の財務局ビルでは、反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、建物が被害を受けた。

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ダマスカス県では、SANA(2月3日付)によると、ヤルムーク区の約800世帯を対象とした人道支援物資(3,480ケース)の搬入作業が完了した。

また、ジャウバル区、カダム区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月3日付)によると、アドラー市ウンマーリーヤ地区、アッブ農場、ムライハ市、ダーライヤー市、ヤブルード市、ハーン・シャイフ・キャンプおよび同市周辺、アルバイン市、ムウダミーヤト・シャーム市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(2月3日付)によると、サルマー町郊外、ドゥーリーン村、タルティヤーフ村、マルジュ・フーハ村、カフルダブラ村、アイン・カンタラ村、アムズィーン村、アイン・イーサー市、アブリク村、ドゥワイリカ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(2月3日付)によると、ムハルダ市・シール村間の街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またラビーア町の高校に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、生徒5人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月3日付)によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、旧空港地区、工業地区、ハウィーカ地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(2月3日付)によると、ティシュリーン油田周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(2月3日付)によると、ダルアー市各所で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(2月3日付)によると、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、マシュラファ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 3, 2014、AP, February 3, 2014、Champress, February 3, 2014、al-Hayat, February 4, 2014、Iraqinews.com, February 3, 2014、Kull-na Shuraka’, February 3, 2014、Naharnet, February 3, 2014、NNA, February 3, 2014、Reuters, February 3, 2014、Rihab News, February 3, 2014、SANA, February 3, 2014、UPI, February 3, 2014などをもとに作成。

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